ホームドラマ
日本において家庭での出来事を題材としたドラマを指す和製英語
ホームドラマとは、家族や家庭内の出来事をテーマとしたテレビドラマ。和製英語[1]。英語圏ではシチュエーション・コメディ(シットコム)がこれに相当する[1]。
派手なアクション、犯罪など非日常的要素はほとんどなく、一般的には、家族でも見られる、穏健な(当たり障りのない)内容の作品が多い。固定されたレギュラー登場人物たちによる和気藹々としたやり取りが大きな売りであり、こうしたホームドラマ的要素は刑事ドラマなど他ジャンルにも大きな影響を及ぼしている。実写のドラマ以外にアニメでもホームドラマ的要素の強いヒット作は多く、『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』などは中でも長寿を続けている。
基本的にはドラマを指すが、佐藤忠男は『日本映画思想史』(三一書房1970年)で田坂具隆監督の『雪割草』[2](1951年)が「ホームドラマという和製英語が生まれた最初の映画だ」と書いている。公開時に大映映画部が「ホームドラマ」という言葉を初めて使った。
アメリカのホームドラマ編集
アメリカのドラマでは『アイ・ラブ・ルーシー』や『パパは何でも知っている』などが代表的なホームドラマとされている[3]。ただし、ホームドラマという言葉はあくまでも和製英語である[1]。
『アイ・ラブ・ルーシー』や『パパは何でも知っている』などのドラマは、1950年代以降に日本でも放映され、ドラマに映し出される電気冷蔵庫やステーションワゴンなどのライフスタイルは、特に50年代から60年代にかけて日本の生活様式に影響を与えたとされている[3]。
日本のホームドラマ編集
- 連続テレビ小説シリーズ(1961年 - )
- 七人の孫 (1964年1月 - 7月、1965年6月 - 1966年2月)
- あひるの学校 (1968年)
- 肝っ玉かあさん (1968年 - 1972年)
- 時間ですよ (1970年、1971年、1973年)
- ありがとう (1970年 - 1975年)
- まんまる四角 (1973年)
- 銀座わが町 (1973年)
- たんぽぽ(1973年、1975年、1976年、1977年、1978年)
- 寺内貫太郎一家 (1974年)
- 七色とんがらし (1976年)
- ムー (1977年)
- 岸辺のアルバム (1977年)
- 十字路 (1978年)
- ムー一族 (1978年 - 1979年)
- 心(1980年 - 1981年)
- 玉ねぎむいたら… (1981年)
- 親子ゲーム (1986年)
- 深夜にようこそ (1986年)
- 渡る世間は鬼ばかり (1990年 - 2019年)
- ひとつ屋根の下 (1993年、1997年)
- ダブル・キッチン (1993年)
- セカンド・チャンス (1995年)
- キッズ・ウォー (1999年 - 2003年)
- 大好き!五つ子 (1999年 - 2009年)
- ホームドラマ! (2004年)
- アットホーム・ダッド (2004年)
- あいくるしい (2005年)
- 鬼嫁日記 (2005年)
- ブラザー☆ビート (2005年)
- 熟年離婚 (2005年)
- 受験の神様 (2007年)
- 夫婦道(2007年・2009年)
- わが家の歴史 (2010年)
- フリーター、家を買う。 (2010年)
- マルモのおきて (2011年)
- とんび(2013年)
- OUR HOUSE(2016年)
- あなたには帰る家がある (2018年)
- 義母と娘のブルース(2018年)
- 俺の家の話(2021年)