ボルナ・チョリッチ
ボルナ・チョリッチ(Borna Ćorić, クロアチア語発音: [bôːrna t͡ɕǒːrit͡ɕ], 1996年11月14日 - ) は、クロアチア・ザグレブ出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス12位、ダブルス413位。これまでにATPツアーでシングルス3勝を挙げている。身長188cm。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
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![]() 2022年全仏オープンでのボルナ・チョリッチ | ||||
基本情報 | ||||
国籍 |
![]() | |||
出身地 | 同・ザグレブ | |||
生年月日 | 1996年11月14日(26歳) | |||
身長 | 188cm | |||
体重 | 75kg | |||
利き手 | 右 | |||
バックハンド | 両手打ち | |||
ツアー経歴 | ||||
デビュー年 | 2014年 | |||
ツアー通算 | 3勝 | |||
シングルス | 3勝 | |||
ダブルス | 0勝 | |||
生涯獲得賞金 | 9,967,029 アメリカ合衆国ドル | |||
4大大会最高成績・シングルス | ||||
全豪 | 4回戦(2019) | |||
全仏 | 3回戦(2015・16・18・19) | |||
全英 | 2回戦(2015) | |||
全米 | ベスト8(2020) | |||
国別対抗戦最高成績 | ||||
デビス杯 | 優勝(2018) | |||
ATP杯 | ラウンドロビン(2020) | |||
キャリア自己最高ランキング | ||||
シングルス | 12位(2018年11月5日) | |||
ダブルス | 413位(2016年11月7日) | |||
2022年9月12日現在 |
表記については、ボルナ・コリッチ等も見られる。
選手経歴編集
ジュニア時代編集
2013年全米オープンのジュニア男子シングルス決勝でタナシ・コキナキスを破り優勝。
大会 | 2012 | 2013 | |||||||
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ジュニアグランドスラム | |||||||||
全豪オープン | 2R | SF | |||||||
全仏オープン | 1R | SF | |||||||
ウィンブルドン | 2R | QF | |||||||
全米オープン | 2R | W |
- ジュニアグランドスラム決勝進出結果
結果 | 年 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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優勝 | 2013年 | 全米オープン | ハード | タナシ・コキナキス | 3–6, 6–3, 6–1 |
2014年 年間最優秀新人賞編集
2014年スイス・インドアにて1回戦で世界ランク13位のエルネスツ・グルビスに勝利。世界トップ20以内の選手に勝利したのは初。準々決勝にて世界ランク3位のラファエル・ナダルに6–2, 7–6(4)で勝利。2003年以降ナダルから勝利を上げた中ではもっとも若い選手となった[1]。10月27日初の世界ランク100位入り(93位)。11月、年間最優秀新人賞であるATP Star of Tomorrowを受賞。
2015年 トップ50入り編集
2015年ドバイ・テニス選手権準々決勝にて世界ランク3位のアンディ・マリーに6–1, 6–3で勝利。同年の全仏オープンにてサム・クエリー、第18シードトミー・ロブレドに勝利しグランドスラム初の3回戦進出を果たした。
2016年 ツアー初の決勝進出編集
年始のチェンナイ・オープンでATPツアー初の決勝進出。10代での決勝進出は2008年の同郷の先輩マリン・チリッチ以来。決勝でスタン・ワウリンカに敗れ準優勝。 4月のハサン2世グランプリでは2度目の決勝進出。決勝でフェデリコ・デルボニスに2-6, 4-6で敗れ、初優勝はならず。 8月のシンシナティ・マスターズでは3回戦でラファエル・ナダルに6-1, 6-3で勝利し、マスターズ1000で初めてベスト8に進出する。準々決勝では同じクロアチアの先輩マリン・チリッチとの試合で第2セット開始時に棄権した。9月のデビスカップ準決勝後に膝の手術を受け、シーズンを終えた。
2017年 ツアー初優勝編集
4月のハサン2世グランプリでは2年連続で決勝進出。決勝でフィリップ・コールシュライバーに5-7, 7-6(3), 7-5で勝利し、ツアー初優勝を果たす[2]。全米オープンは2回戦で第4シードのアレクサンダー・ズベレフに3-6, 7-5, 7-6(1), 7-6(4)で勝利する。3回戦で第28シードのケビン・アンダーソンに4-6, 3-6, 2-6で敗れた。ネクストジェネレーション・ATPファイナルに出場し、ラウンドロビンを突破したが、準決勝で敗れた。
2018年 マスターズ準優勝 デビス杯初優勝編集
カタール・エクソンモービル・オープンでは準々決勝でアンドレイ・ルブレフに敗退。全豪オープンでは1回戦でジョン・ミルマンに初戦敗退。ドバイ・テニス選手権ではベスト8入りするも、準々決勝でロベルト・バウティスタ・アグートに敗れた。3月のBNPパリバ・オープンでATPマスターズ1000初のベスト4入り。準決勝では世界ランキング1位のロジャー・フェデラーに善戦するも7-5, 4-6, 4-6で敗れた。マイアミ・オープンではベスト8入りして、アレクサンダー・ズベレフに4-6, 4-6で敗れた。
モンテカルロ・マスターズでは2回戦でノバク・ジョコビッチに敗退。マドリード・オープンでは4回戦でドミニク・ティエムに敗退。BNLイタリア国際では1回戦のステファノス・チチパス戦で途中棄権。全仏オープンでは3回戦まで進出するも第11シードのディエゴ・シュワルツマンに5-7, 3-6, 3-6のストレートで敗れた。
6月のゲリー・ウェバー・オープンでは1回戦でアレクサンダー・ズベレフをストレートに勝利。決勝で芝の王者であるロジャー・フェデラーに7-6(6), 3-6, 6-2で勝利し、ATP500初優勝となるツアー2勝目を挙げる。迎えたウィンブルドン選手権では第16シードで出場するが、1回戦でダニール・メドベージェフに敗退。
ロジャーズ・カップではマリン・チリッチに、ウエスタン・アンド・サザン・オープンではニック・キリオスに2回戦でそれぞれ敗退。第20シードで出場した全米オープンではグランドスラム初の4回戦進出。4回戦では第3シードのフアン・マルティン・デル・ポトロに4-6, 3-6, 1-6で圧倒された。
10月の上海マスターズでは準決勝でロジャー・フェデラーに勝利し、マスターズ1000で初の決勝進出を果たす[3]。決勝はノバク・ジョコビッチに3-6, 4-6で敗れて準優勝となった。年間最終ランキングは12位。
デビスカップ2018決勝のフランス戦ではシングルス第1戦でジェレミー・シャルディーを6-2, 7-5, 6-4で下し、チームの優勝に貢献した[4][5]。
2019年 グランドスラム4回戦進出編集
全豪オープンでは第11シードとして出場。3回戦でフィリップ・クライノビッチを破り、4回戦では第28シードのリュカ・プイユと対決したが、7-6(4), 4-6, 5-7, 6-7(2)で敗退した。
オープン13では1回戦でウゴ・アンベールに敗退。ドバイ・テニス選手権ではベスト8入りするも準決勝でロジャー・フェデラーに敗れた。BNPパリバ・オープンでは同胞の先輩のイボ・カロビッチに初戦敗退。マイアミ・オープンとモンテカルロ・マスターズではベスト8入りをし、準々決勝ではフェリックス・オジェ=アリアシムとファビオ・フォニーニにそれぞれ敗れた。
マドリード・オープンでは1回戦でリュカ・プイユに連敗。BNLイタリア国際では3回戦でロジャー・フェデラーに敗れた。迎えた全仏オープンでは第13シードで出場して、1・2回戦を突破。3回戦ではヤン=レナード・ストルフと対決して、6-4, 1-6, 6-4, 6-7(1), 9-11のフルセットの熱戦の末に惜敗。
ロスマーレン・グラスコート選手権では準決勝でアドリアン・マナリノに敗退。ハレ・オープンではベスト8入りするも、背中を負傷したため、準々決勝を試合前に棄権。ウィンブルドン選手権も怪我のため欠場した。
地元のクロアチア・オープンで復帰するも初戦敗退。ロジャーズ・カップでは1回戦のペーター・ゴヨフチクを破るも、2回戦ではアドリアン・マナリノに敗れた。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは1回戦でライリー・オペルカに敗退。全米オープンでは第12シードで出場して1回戦を突破するも、怪我が悪化して2回戦のグリゴール・ディミトロフ戦を前に棄権した。
しかし、その後のサンクトペテルブルク・オープンでは決勝進出。ダニール・メドベージェフに敗れて、準優勝。珠海選手権ではベスト8入りするも、準々決勝でアレックス・デミノーに敗退。その後はジャパン・オープン、上海マスターズ、エルステ・バンク・オープン、パリ・マスターズの4大会で初戦連敗。シーズン終了。年間最終ランキングは28位。
2020年 全米ベスト8編集
ATPカップではクロアチア代表として出場し、グループステージでオーストリアのドミニク・ティエムに打ち勝つも、ポーランドのホベルト・ホルカシュ、アルゼンチンのディエゴ・シュワルツマンに敗れ、クロアチア代表はラウンドロビン敗退。
全豪オープンでは第25シードとして出場するも1回戦でサム・クエリーに3-6, 4-6, 4-6のストレートで敗れた。アルゼンチン・オープンでも初戦敗退。リオ・オープンではベスト4入りをするも準決勝でクリスチャン・ガリンに敗れた。その後は新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、ツアーが中断。
ツアー再開後のウエスタン・アンド・サザン・オープンでは2回戦でダビド・ゴファンに敗れたが、全米オープンでは第27シードとして出場し、3回戦で第4シードのステファノス・チチパスを6-7(2), 6-4, 4-6, 7-5, 7-6(4)のフルセットで破り、4回戦のジョーダン・トンプソン戦も7-5, 6-1, 6-3のストレートで勝利して、自身初のグランドスラムベスト8入りを果たした。準々決勝では第5シードのアレクサンダー・ズベレフに6-1, 6-7(5), 6-7(5), 6-3で敗退した。
BNLイタリア国際では2回戦でステファノ・トラヴァーリャに敗退。迎えた全仏オープンでは第24シードとして出場するも1回戦で敗戦を晒した。サンクトペテルブルク・オープンでは今季初のATPツアー決勝進出。決勝ではアンドレイ・ルブレフに敗れた。エルステ・バンク・オープンでは2回戦でノバク・ジョコビッチに敗れた。パリ・マスターズでは2回戦でジョーダン・トンプソンに敗れて、シーズン終了。年間最終ランキングは24位。
2021年 怪我に見舞われる編集
メルボルンで開催されたマレー・リバー・オープンではベスト8入りするもダニエル・エバンスに敗れた。全豪オープンでは第22シードで出場。1回戦でギド・ペラをストレートで破るも、2回戦でマッケンジー・マクドナルドに敗戦。ABNアムロ世界テニス・トーナメントではベスト4入りをするもマートン・フチョビッチに敗れた。その後は肘の怪我により、手術を受け、リハビリに専念することになり、シーズン終了。年間最終ランキングは73位。
2022年 マスターズ初優勝編集
昨年の怪我による故障が継続。全豪オープンを欠場。復帰に備えることになった。BNPパリバ・オープンではアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナに初戦敗退。マイアミ・オープンでは1回戦でフェルナンド・ベルダスコを破るも、2回戦でアレクサンダー・ズベレフに敗れた。
モンテカルロ・マスターズではヤニック・シナーに、マドリード・オープンではドゥシャン・ラヨビッチに、ローマ・マスターズではラスロ・ジェレにそれぞれ初戦敗退。全仏オープンでは1回戦を突破するも、2回戦で第18シードのグリゴール・ディミトロフに0-6, 4-6, 3-6のストレートで敗れた。
パルマ・チャレンジャーで優勝を果たす。ドイツ国際オープンではベスト8入り。ナショナル・バンク・オープンではマリン・チリッチに初戦敗退するも、ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは2回戦で第2シードのラファエル・ナダルを7-6(9), 4-6, 6-3の熱戦で勝利。3回戦ではロベルト・バウティスタ・アグートを6-2, 6-3、準々決勝でフェリックス・オジェ=アリアシムを6-4, 6-4、準決勝でキャメロン・ノリーを6-3, 6-4で下して、2018年以来約4年ぶりにATPマスターズ1000で決勝進出。そして決勝ではステファノス・チチパスを7-6(0), 6-2のストレートで下してマスターズ1000初優勝を果たした。
主要大会決勝編集
ATPマスターズ1000編集
シングルス: 2 (優勝1回, 準優勝1回)編集
結果 | 年 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 2018年 | 上海 | ハード | ノバク・ジョコビッチ | 3-6, 4-6 |
優勝 | 2022年 | シンシナティ | ハード | ステファノス・チチパス | 7-6(7-0), 6-2 |
ATPツアー決勝進出結果編集
シングルス: 8回 (3勝5敗)編集
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結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2016年1月10日 | チェンナイ | ハード | スタン・ワウリンカ | 3–6, 5–7 |
準優勝 | 2. | 2016年4月10日 | マラケシュ | クレー | フェデリコ・デルボニス | 2–6, 4–6 |
優勝 | 1. | 2017年4月16日 | マラケシュ | クレー | フィリップ・コールシュライバー | 5–7, 7–6(7–3), 7–5 |
優勝 | 2. | 2018年6月24日 | ハレ | 芝 | ロジャー・フェデラー | 7–6(8–6), 3–6, 6–2 |
準優勝 | 3. | 2018年10月14日 | 上海 | ハード | ノバク・ジョコビッチ | 3–6, 4–6 |
準優勝 | 4. | 2019年9月22日 | サンクトペテルブルク | ハード(室内) | ダニール・メドベージェフ | 3–6, 1–6 |
準優勝 | 5. | 2020年10月18日 | サンクトペテルブルク | ハード(室内) | アンドレイ・ルブレフ | 6–7(5–7), 4–6 |
優勝 | 3. | 2022年8月21日 | シンシナティ | ハード | ステファノス・チチパス | 7–6(7–0), 6–2 |
シングルス成績編集
- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | Z# | PO | G | S | B | NMS | P | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.
グランドスラム編集
大会 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 通算成績 |
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全豪オープン | A | 1R | 1R | 1R | 1R | 4R | 1R | 2R | A | 4–7 |
全仏オープン | A | 3R | 3R | 2R | 3R | 3R | 1R | A | 2R | 10–7 |
ウィンブルドン | Q1 | 2R | 1R | 1R | 1R | A | NH | A | A | 1–4 |
全米オープン | 2R | 1R | 1R | 3R | 4R | 2R | QF | A | 2R | 12–8 |
勝–敗 | 0–1 | 3–4 | 2–4 | 3–4 | 5–4 | 6–3 | 4–3 | 1–1 | 2–2 | 27–26 |
※不戦敗は通算成績に含まない[6]。
大会最高成績編集
大会 | 成績 | 年 |
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ATPファイナルズ | Alt | 2018 |
NextGenATPファイナルズ | SF | 2017 |
インディアンウェルズ | SF | 2018 |
マイアミ | QF | 2018, 2019 |
モンテカルロ | QF | 2019 |
マドリード | QF | 2017 |
ローマ | 3R | 2019 |
カナダ | 2R | 2016–2019 |
シンシナティ | W | 2022 |
上海 | F | 2018 |
パリ | 3R | 2018 |
オリンピック | 1R | 2016 |
デビスカップ | W | 2018 |
ATPカップ | RR | 2020 |
脚注編集
- ^ http://uk.reuters.com/article/2014/11/01/uk-tennis-coric-idUKKBN0IL2OI20141101
- ^ “チョリッチが初優勝=男子テニス”. 時事通信. (2017年4月17日)
- ^ “チョリッチがフェデラー破り、初のマスターズ決勝でジョコビッチに挑む [ロレックス上海マスターズ]”. tennismagazine.jp. 2019年6月2日閲覧。
- ^ “デ杯 クロアチア13年ぶりV”. news.tennis365.net. 2019年6月2日閲覧。
- ^ “クロアチアが2度目の栄冠、改革前最後のデ杯制す チリッチがけん引”. www.afpbb.com. 2019年6月2日閲覧。
- ^ 2019年全米2回戦
外部リンク編集
- ボルナ・チョリッチ - ATPツアーのプロフィール (英語)
- ボルナ・チョリッチ - デビスカップのプロフィール (英語)
- ボルナ・チョリッチ - 国際テニス連盟
- ボルナ・チョリッチ (@borna_coric) - Twitter
受賞 | ||
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先代 イジー・ベセリー |
ATP年間最優秀新人賞(ATP Newcomer of the Year) 2014 |
次代 アレクサンダー・ズベレフ |