ボードー

ノルウェーの都市

ボードー (ブーデーBodø 発音 [ˈbuːˈdøː] ( 音声ファイル)) は、ノルウェーヌールラン県の都市で、同県の県都。北極線(北極圏の限界線)のちょうど北側に位置し、ヌールラン県最大の都市で、北部ノルウェーで2番目に大きい都市である。

ボードー
Bodø
ボードーの市旗 ボードーの市章
市旗 市章
位置
ヌールラン県の位置の位置図
ヌールラン県の位置
ヌールラン県におけるボードーの位置の位置図
ヌールラン県におけるボードーの位置
座標 : 北緯67度18分20秒 東経14度32分57秒 / 北緯67.30556度 東経14.54917度 / 67.30556; 14.54917
行政
 ノルウェー
 地域 ノールノルゲ
  ヌールラン県の旗 ヌールラン県
 市 ボードー
地理
面積  
  市域 1392 km2 (537.5 mi2)
    陸上   1308 km2 (505 mi2)
人口
人口 (2007年現在)
  市域 46,049人
    人口密度   49人/km2(126.9人/mi2
その他
等時帯 中央ヨーロッパ時間 (UTC+1)
夏時間 中央ヨーロッパ夏時間 (UTC+2)
公式ウェブサイト : http://www.bodo.kommune.no

名前の由来 編集

 
ランネゴーデ島

ボードーが誕生以来、昔の農地Bodøgård(古ノース語のBoðvin)にちなんで名付けられた。boðiとは『沈んだ岩、岩礁』という意味であり、vinとは『草原、牧草地』という意味である。øデンマーク語の書き方であるが島を表すøyが誤って理解されてつけられたものである[要出典]

紋章 編集

1959年から使用されている。白夜の太陽を表している。

歴史 編集

 
ボードー港(1880年)

ボードーは1816年に町となり、現在はノールラン県の県都である。ボードー市の大半が第二次世界大戦中の1940年5月27日ドイツ空軍の攻撃で瓦礫の山と化した。15人が死亡した(イギリス軍兵士2人と地元住民13人)が、6,000人の市民は生き残った。

3,500人が攻撃で住む家を失ったために起きたはなはだしい住宅不足のために、スウェーデン政府は1941年冬に107部屋のアパート建設を援助した。これらの家々は市郊外に固まって建てられた。この小さな区域が現在のボードー市中心地であり、今も"svenskebyen"(スウェーデン人の町、という意味)と呼ばれる。

第二次世界大戦後、町は再建された。また、アメリカ空軍基地も建設された。再建は1959年の新市庁舎完成をもって終了した。その翌年、冷戦真っただ中の1960年5月に起きたU-2撃墜事件で国際的な注目を浴びた。アメリカ空軍U-2パイロットのフランシス・ゲーリー・パワーズは、パキスタンからボードーへ向かう途中、ソヴィエト連邦上空で撃墜された。

地理 編集

 
ハイキング地区

ボードー市は北極線のやや北の北極圏に位置し、6月2日から7月10日まで白夜となる。フィヨルドの切り立った海岸線と島々に囲まれており、ボードー市街地の南東30キロの海峡部にはSaltstraumenと呼ばれる世界一強い潮流が起こる場所がある。

ノルウェー海に突き出した半島の上にあるために、ボードーはノルウェー有数の強風のふく都市である。沖合の暖流の影響で高緯度のわりに冬季の気候は温暖で、海風もあって冬季に雪に覆われることはまれである。1月の平均気温は-2.2℃で、7月の一日の平均気温が12.5℃である。歴代最低気温を記録した月は、1966年2月の-8.9℃であり、逆に歴代最高気温を記録したのは1937年7月の17.1℃である。

気候 編集

ボードーの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 1
(34)
0
(32)
1
(34)
5
(41)
9
(48)
13
(55)
16
(61)
15
(59)
12
(54)
7
(45)
4
(39)
2
(36)
7.1
(44.8)
平均最低気温 °C°F −2
(28)
−3
(27)
−2
(28)
2
(36)
6
(43)
9
(48)
12
(54)
11
(52)
8
(46)
4
(39)
1
(34)
−1
(30)
3.8
(38.8)
降水量 mm (inch) 86
(3.39)
64
(2.52)
68
(2.68)
52
(2.05)
46
(1.81)
54
(2.13)
92
(3.62)
88
(3.46)
123
(4.84)
147
(5.79)
100
(3.94)
100
(3.94)
1,020
(40.16)
平均月間日照時間 8.1 43.0 114.0 158.7 218.8 220.7 172.0 166.5 98.4 54.3 16.3 0.4 1,271.2
出典:[1]

自然 編集

ボードーの手つかずの大自然は多くのハイカーたちを惹きつけている。ボードーの北10キロに人気のあるレクリエーション地区ゲイヴォゲンがある。この一帯には多くのオジロワシが生息している。市内には17の自然保護区がある。

スンストラウンリアン自然保護区は岩床上にできた手つかずの混合林を保有している。海岸の松林のあるスコンランとブリスヴェ自然保護区は多種の野鳥を抱えるラムサール条約登録地である。

交通 編集

 
ボードー航空博物館

バス/鉄道 編集

1961年に開業したボードーの駅は、ノルウェー国鉄最北端の駅である。ヌールラン線の終点で、ここからさらに北へ向かうバス路線が発着する。 ちなみに同じノルウェー国内でさらに北に位置する都市・ナルヴィクにも鉄道が通っているが、ナルヴィク行きの路線はノルウェー国鉄ではなく、国境を越えスウェーデンキルナ方面へ向かう。

航空 編集

1952年に開港したボードー空港は、市中心部から2キロの郊外にある。2004年度には年間約130万人が利用した。

海運 編集

フェリーがボードー=ロフォーテン諸島間を往復している。

軍事 編集

ボードー空軍基地ノルウェー軍、特にノルウェー空軍駐留の長い歴史を持つ。北大西洋条約機構の主要航空基地であり、冬季には戦闘機が定期的に演習する。

ボードーのみどころ 編集

 
ボードー大学、Photo:Lars Røed Hansen
  • ボードー大学(en:Bodø University College) - 5000人の学生が学ぶ。
  • ボードー空港
  • ボードー航空博物館
  • サルテン博物館
  • ボードー大聖堂

脚注 編集

  1. ^ Bodø average conditions; base period 10 last years, sunhours provided by met.no”. Storm Weather Center. 2009年11月26日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集