ポンパノビーチ (フロリダ州)

アメリカ合衆国フロリダ州の都市

ポンパノビーチ: Pompano Beach)は、アメリカ合衆国フロリダ州南部ブロワード郡の都市。人口は11万2046人(2020年)。大西洋に面しており、フォートローダーデールの北に位置している。近くにあるヒルズボロ入り江は大西洋沿岸内水路の一部となっている。

ポンパノビーチ
Pompano Beach
ポンパノビーチのブライニー・アベニューから見た夜景
ポンパノビーチのブライニー・アベニューから見た夜景
位置
ブロワード郡内の位置の位置図
ブロワード郡内の位置
座標 : 北緯26度14分5秒 西経80度7分32秒 / 北緯26.23472度 西経80.12556度 / 26.23472; -80.12556
歴史
自治体化 1908年7月3日
行政
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
  フロリダ州の旗 フロリダ州
  ブロワード郡
 市 ポンパノビーチ
Pompano Beach
市長 ラマー・フィッシャー
地理
面積  
  市域 66.82 km2 (25.8 mi2)
    陸上   62.68 km2 (24.2 mi2)
    水面   4.1 km2 (1.6 mi2)
      水面面積比率     7.22%
標高 4 m (13 ft)
人口
人口 (2020年現在)
  市域 112,046人
  備考 [1]
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
公式ウェブサイト : City of Pompano Beach

現在は市の改革を目指してこれまで放置されていた海浜の再開発の真っ最中である[2]CNNの雑誌「マネー」やダウ・ジョーンズ社の新聞「ウォールストリート・ジャーナル」に拠れば、国内でもトップクラスのバケーション地として不動産市場でも上位に位置付けられている。市内にあるポンパノビーチ空港はグッドイヤー軟式飛行船の「スピリット・オブ・イノベーション号」の母港である。

歴史と最近の出来事 編集

ポンパノビーチの名前はフロリダ州の大西洋岸近くで見つけられた魚「ポンパノ」 (Trachinotus carolinus)から付けられた。

少なくとも1880年代半ばからこの地域には開拓者が散開して住んでいたが、最初の文書に残る住人はジョージ・バトラーとフランク・シーンであり、その家族が鉄道従業員として1896年にこの地に到着した[3]。最初の列車は1896年2月22日にこの小さなポンパノ開拓地に到着した[3]。シーンが地域の測量を行い食事に使った魚の名前を書きとめて、そのポンパノという名前を地域社会に付けたと言われている。鉄道が延伸されたことで海岸より西の地域の発展に繋がった。1906年、ポンパノは新設されたパームビーチ郡では最南端の居住地となった[3]。この年、海浜にヒルズボロ灯台が建設された[3]

1908年7月3日、当時のデイド郡(現在のマイアミ・デイド郡)の中に新しい自治体としてポンパノ町が編入された[2]。ジョン・R・ミゼルが初代町長になった[2][3]。1915年、ヒルズボロ運河の北の境界としてブロワード郡が新設された。ポンパノが属する郡としては9年間のうちに3つ目のものになった[2]。1920年代にフロリダで土地ブームが起きたときにポンパノも著しく成長した。

第二次世界大戦による人口の急増に続いて、1947年にポンパノは海浜に新しく形成された自治体と合併して、ポンパノビーチ市となった[4][2]。1950年、市の人口は5,682人だった。フロリダ州南東部の大半の都市と同様に、アメリカ合衆国北部から多くの人々が移転してきたのでポンパノビーチは20世紀後半に大きく成長した。少なからぬ季節住人もこの地域で冬を過ごした。

2004年、初の公式ポンパノ市長としてジョン・レイソンが選出された。2008年には自治体化100周年を祝った[5]

近年、都心の荒廃の一例としてあった市の海浜近くの衰退した地域を活性させる動きが契機となり、数十億ドルの建設ブームが続いている。地域社会再開発局が設立され、東大西洋/海浜回廊や古い中心街、さらにハモンドビル/マーティン・ルーサー・キング回廊の再開発を担当している[2]

地理と気候 編集

 
ヒルズボロ入江

ポンパノビーチは北緯26度14分5秒 西経80度7分32秒 / 北緯26.23472度 西経80.12556度 / 26.23472; -80.12556に位置する[6]アメリカ合衆国国勢調査局による報告では、市域全面積は22.15平方マイル (57 km²) で、このうち陸地が20.55平方マイル (53 km²) であり、水域は1.55平方マイル (4 km²)、水域率は7.22%である。

ポンパノビーチは大西洋岸に沿ったブロワード郡の北東部にある。州道A1Aとテラマー・ドライブの交差点からヒルズボロ入江まで海浜が約3マイル (5 km) 伸びている。隣接する自治体としては、北東にヒルズボロビーチとライトハウスポイント、北にディアフィールドビーチ、西にココナッツクリーク、南西にマーゲイトとノースローダーデール、南にフォートローダーデール、南東にローダーデール・バイ・ザ・シーがある。

 
ヒルズボロ灯台

人口動態 編集

以下は2006年の推計データである。

基礎データ

  • 人口: 78,191人
  • 世帯数: 35,197世帯
  • 家族数: 18,443家族
  • 人口密度: 1,469.1人/km2(3,804.4人/mi2
  • 住居数: 44,496軒
  • 住居密度: 836.0軒/km2(2,165.0/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 17.7%
  • 18-24歳: 7.4%
  • 25-44歳: 29.1%
  • 45-64歳: 22.5%
  • 65歳以上: 23.4%
  • 年齢の中央値: 42歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 97.3
    • 18歳以上: 96.2

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 17.4%)
  • 結婚・同居している夫婦: 37.4%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 10.9%
  • 非家族世帯: 47.6%
  • 単身世帯: 38.6%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 17.1%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.13人
    • 家族: 2.85人

収入 編集

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 36,073 米ドル
    • 家族: 44,195米ドル
    • 性別
      • 男性: 31,162米ドル
      • 女性: 26,870米ドル
  • 人口1人あたり収入: 23,938米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 17.0%
    • 対家族数: 13.1%
    • 18歳未満: 30.1%
    • 65歳以上: 9.4%
 
ポンパノビーチにある邸宅

ポンパノビーチが他の地域を併合する前の2000年時点でハイチ出身の人口構成比は5.90%と全米で第33位だった[8]ブラジル出身者は1.10%で全米第25位だった[9](カリフォルニア州コルテマデラやニュージャージー州デルランと同率)。

2000年時点で英語を第1言語として話す人口構成比は76.38%、スペイン語は9.34%、ハイチ語6.16%、フランス語2.35%、ポルトガル語1.52%、ドイツ語0.97%、イタリア語0.88%となっていた[10]

メディア 編集

ポンパノビーチはマイアミ・フォートローダーデール・ハリウッドメディア市場に属している。この市場はラジオでは全米で第12位[11]、テレビでは第17位の規模である[12]。主要日刊紙は「サウスフロリダ・サンセンティネル」と「ザ・マイアミ・ヘラルド」であり、スペイン語では「エル・センティネル」と「エル・ヌエボ・ヘラルド」である。「ポンパノ・ペリカン」という週刊新聞もある。

著名な出身者と住人 編集

姉妹都市 編集

脚注 編集

  1. ^ Quickfacts.census.gov”. 2023年11月6日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Our History”. Pompano Beach Historical Society. 2010年7月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e History of Pompano Beach, FL”. City of Pompano Beach. 2010年7月4日閲覧。
  4. ^ William D. Halsey, ed. (1976). "Pompano Beach". Collier's Encyclopedia. Vol. 19. Macmillan Educational Corporation. p. 232.
  5. ^ Pompano Beach Centennial Celebration”. Pompano Beach Centennial Celebration Committee. 2010年7月4日閲覧。
  6. ^ US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990, United States Census Bureau, (2011-02-12), http://www.census.gov/geo/www/gazetteer/gazette.html 2011年4月23日閲覧。 
  7. ^ Demographics of Pompano Beach, FL”. MuniNetGuide.com. 2007年11月15日閲覧。
  8. ^ Ancestry Map of Haitian Communities”. Epodunk.com. 2007年10月28日閲覧。
  9. ^ Ancestry Map of Haitian Communities”. Epodunk.com. 2007年12月5日閲覧。
  10. ^ MLA Data Center results for Pompano Beach, FL”. Modern Language Association. 2007年9月24日閲覧。
  11. ^ Top 50 Radio Markets Ranked By Metro 12+ Population, Spring 2005”. Northwestern University Media Management Center. 2007年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月24日閲覧。
  12. ^ Top 50 TV markets ranked by households”. Northwestern University Media Management Center. 2007年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月24日閲覧。

外部リンク 編集