ポール・グレアム
ポール・グレアム(Paul Graham、1964年 - )は、米国のLispプログラマーでエッセイスト。『ANSI Common Lisp』[4]や『ハッカーと画家』[5]の著者としても知られている。
ポール・グレアム Paul Graham | |
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生誕 | 1964年(57 - 58歳)[1][2]![]() |
職業 | プログラマー ベンチャーキャピタル 作家 |
公式サイト | paulgraham.com |
人物・来歴編集
コーネル大学で哲学の学士号を取得し、ハーバード大学でコンピュータサイエンスの分野の修士号(1988年)と博士号(1990年)を取得した。また、ロードアイランドデザインスクールとフィレンツェの美術学校で絵画を学んだ。
1995年にロバート・モリスと最初のASPであるViawebを創立。Common Lispで書かれたViawebソフトウェアでは、ユーザーがインターネットストアを作成することが出来た。1998年、ViawebはYahoo!の45万5000株(4960万ドル相当)と交換でYahoo!に買収され、同製品はYahoo!Storeとなった。
この頃から彼は自身のウェブサイトであるpaulgraham.com[6]でエッセイを書き始めた。彼の書くエッセイは、Lispと他のプログラミング言語を比較した「普通のやつらの上を行け」[7]から、高校でのオタクの生活を論じた「どうしてオタクはもてないか」[8]まで至る。彼のエッセイは『ハッカーと画家』[9]としてまとめられて出版されている。Googleの英語サイトで「essays(エッセイ)」と検索すると、2010年4月7日現在では彼のエッセイのリストが最初に表示される。
現在、彼は新しいLispの方言であるArcに取り組んでいる。このことは彼のエッセイ「百年の言語」[10]などで述べられている。Arcでの取り組みの一部として、彼はメールクライアントを開発しており、その中で優れたスパムフィルタが必要であると判断した。「スパムへの対策」[11]で彼が述べている単純ベイズ分類器を利用したベイジアンフィルタは、現在広く使われているスパムフィルタに大きな影響を与えた。
2005年にハーバードコンピュータ協会で行った講演は、「スタートアップの始め方」[12]として公開された。グレアムはトレバー・ブラックウェルとジェシカ・リビングストン、ロバート・モリスと共に、スタートアップ企業(特に若い人によって開始され、とりわけ技術志向の企業)へのシードファンディングを提供することを目的としたY Combinatorを創立した。Y Combinatorは現在38のスタートアップ企業への投資を行っている。投資先の企業の中で最も良く知られている企業はredditとlooptである。
エッセイ編集
グレアムの異論ヒエラルキー編集
グラハムは2008年のエッセイ「異論の仕方」において「異論のヒエラルキー」を提唱し[13]、議論の種類を7階層に分類し、「ヒエラルキーにおいて上位のほうへシフトすることができれば、人々の意地悪が減り、彼らはもっと幸せになれる」と語った。グラハムはまた、最頂点において不一致することはまれであるため、階層はピラミッドと考えることができると示唆した。
グラハムは、「罵倒」カテゴリに入るのが明白な発言(たとえば「作者は自分が大好きな素人愛好家だ」)は、粗野な侮辱と同じであると述べている。
脚注編集
- ^ 2009年に発行されたこの記事に44歳だと書かれている。
- ^ 彼のこのエッセイの中で1983年に19歳であったと書かれている。
- ^ No; I was born in Weymouth, England. My father's Welsh though. | Hacker News
- ^ 2002年、久野雅樹・須賀哲夫 訳、ピアソン・エデュケーション、ISBN 4-89471-433-7
- ^ 2005年、川合史朗 訳、オーム社、ISBN 4-274-06597-9
- ^ paulgraham.com
- ^ 普通のやつらの上を行け
- ^ どうしてオタクはもてないか
- ^ ISBN 4274065979
- ^ 百年の言語
- ^ スパムへの対策
- ^ スタートアップの始め方
- ^ Graham, Paul (2008年3月). “How to Disagree”. PaulGraham.com. 2011年5月2日閲覧。