マイケル・シェンカー・グループ

マイケル・シェンカー・グループMichael Schenker GroupM.S.G.)は、HR/HMバンド。通称"M.S.G."。

マイケル・シェンカー・グループ
Michael Schenker Group
フランス『Hellfest 2022』公演(2022年)
基本情報
出身地 ドイツの旗 ドイツ
イングランドの旗 イングランドロンドン
ジャンル HR/HM
活動期間 1979年 - 現在
レーベル クリサリス・レコード
EMI/キャピトル
SPV/Steamhammer
シュラプネル・レコーズ
Armageddon Entertainment
In-akustik
共同作業者 UFO
スコーピオンズ
公式サイト マイケル・シェンカー公式サイト
メンバー マイケル・シェンカー
ロビン・マッコーリー
スティーヴ・マン
バレンド・クルボワ
ボド・ショプフ
旧メンバー 以下を参照

ドイツ出身のギタリスト、マイケル・シェンカー(元UFO・元スコーピオンズ)が率いる事で知られる。

略歴 編集

第一次マイケル・シェンカー・グループ期(1979-1984) 編集

 
マイケル・シェンカー(G)1983年

1979年4月にスコーピオンズを脱退したマイケル・シェンカー(G)が数ヵ月後に、ゲイリー・バーデン(Vo)、ビリー・シーアン(B)、デニー・カーマッシ(Dr)ら4人で結成。約1ヵ月間リハーサルを行ない、デモテープのレコーディングを行なった。マイケルが薬物中毒で入院して一時活動を休止するが、翌年の5月にゲイリーと再結成し、デビュー・アルバム『神(帰ってきたフライング・アロウ)』をリリースした。このアルバムには、モー・フォスター(B)、サイモン・フィリップス(Dr)、ドン・エイリー(KeyB)がセッションで参加した。その後のツアーには、クリス・グレン(B)、コージー・パウエル(Dr)、ポール・レイモンド(KeyB,G)が加入。ツアー時の編成で1981年にセカンド・アルバム『神話』をリリース。

ツアー後にゲイリーが解雇され。1982年2月、後任にかつてコージーと活動していた元レインボーグラハム・ボネット(Vo)が加入。4月にはコージーも脱退し、グレンのかつてのバンドメイトでセンセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドテッド・マッケンナ(Dr)が加入。このラインナップ(グラハム、マイケル、クリス、テッド)にトミー・エアー(KeyB)がセッションで参加して『黙示録』 をリリース。このアルバムのリリースに先立ちイギリスでのライヴ・ツアーを行うが、グラハムが酔っ払ってステージ上で裸になるなどの問題行動を起こしてライヴ途中で解雇。急遽ゲイリーがバンドに復帰。ツアー後、ポールが脱退し、アンディ・ナイ(KeyB)が加入。

1983年8月、元テッド・ニュージェント・バンドのデレク・セント・ホームズ(G)が加入するが、10月のツアー終了時に脱退。

1984年2月にクリスが印税の支払いに関する意見の相違から脱退し、後任に元バランスデニス・フェルドマンが加入した。4月までに、ゲイリーもアルコール依存症の悪化により再び解雇され、レイ・ケネディが加入するが8月のツアー終了後に脱退した。年末までにアンディとテッドも脱退。マイケルは新メンバーの加入を断念し、バンドを解散してドイツに戻った。

マッコーリー・シェンカー・グループ期(1986-1992) 編集

1986年4月、マイケルはロビン・マッコーリー(Vo)、ロッキー・ニュートン(B)、ボド・ショプフ(Dr)、スティーヴ・マン(KeyB,G)らを迎えて、新バンドを結成。翌年にデビュー・アルバム『Perfect Timing』をリリース。その後スティーヴは1987年半ばに脱退し、ミッチ・ペリーが加入。デビュー・アルバムのレコーディング中にバンド名をマッコーリー・シェンカー・グループに改名(しかしロビンはマイケル・シェンカー・グループの知名度が高い事を理由に反対した)。1988年のアルバム・ツアー後にミッチが脱退し、スティーヴが復帰。1989年にセカンド・アルバム『Save Yourself』をリリース。1990年にマイケルがスーパーグループ、コントラバンドのツアーとレコーディングに参加するために活動を休止。翌年、ジェフ・ピルソン(B)、ジェイムス・コタック(Dr)、ジェシー・ハームズ(KeyB)を迎えて活動を再開。ジェフ、ジェイムス、ジェシーの脱退した後はロビンとマイケルが正規メンバーとして活動を続け1992年に『Nightmare: The Acoustic M.S.G.』と『Unplugged Live』をリリースしたが、同年にバンドは解散。マイケルは後にUFOに復帰する。

第二次マイケル・シェンカー・グループ期(1996-) 編集

UFOで2度目の活動を続けた後、マイケルは1996年にリーフ・サンディン(Vo)、バリー・スパークス(B)、シェーン・ガアラス(Dr)を迎えてマイケル・シェンカー・グループを再結成。同年に『Written in the Sand』をリリースした。その後のプロモーション・ツアーでは、セス・バーンスタイン(KeyB,G)が参加した。デイヴィッド・ヴァンランディング(Vo)はリーフの代役としてアメリカ・ツアーのオープニングに参加し、日本公演にも参加。マイケルがUFOでの3度目の復帰を果たしたため、グループは再び活動を休止。1998年初頭にゲイリー・バーデン(Vo)が再び復帰し、ジェフ・コールマン(B)が加入、このラインナップでG3ツアーに参加した。1999年にリーフ、ジェフが脱退し、ケリー・キーリング(Vo)とジョン・オンダー(B)が加入し、アルバム『The Unforgiven』をリリース。

『The Unforgiven』のサポート・ツアーでは、バリーが復帰し、キース・スラックがセカンド・ヴォーカリストとして参加、セスの代役にウェイン・ファインドレイが参加した。2000年のツアー終了後、マイケルは4度目のUFO復帰を果たして活動休止。この年、彼は3枚のソロアルバムを制作した。2001初頭、クリス・ローガン(Vo)、レブ・ジョーンズ(B)、ジェフ・マーティン(Dr)を迎えて活動再開。『Be Aware of Scorpions』のレコーディング後、ジェフはシェンカーの飲酒問題に起因する問題のためにバンドを脱退。後任にジェレミー・コルソンが11月に加入。

2002年マイケルはUFOと『Sharks』をレコーディングし、『Thank You』シリーズの第2弾と第3弾をリリースした。また、年末のウリ・ジョン・ロートのレジェンド・オブ・ロック・ツアーに参加する予定だったが、肩を脱臼し、参加を断念した。

2003年4月、レヴが脱退し、スチュアート・ハムが加入し、アルバム『Arachnophobiac』をリリース。その後のツアーでは、シェンカーとローガンにウェインとレヴが復帰し、ピート・ホームズ(Dr)が加入。

2004年11月、クリスがレヴとの喧嘩で負傷し脱退。リーフ・サンディンが復帰する。翌年初頭、レヴとピートの2人は、「ツアー日程のキャンセルが続き、マネージメントの判断が悪かった」ため脱退。リーフも脱退し、後任にヤリ・ティウラ(Vo)、元UFOピート・ウェイ(B)が加入し、ジェフ・マーティンが復帰。バンドの25周年記念アルバム『Tales of Rock'n'Roll』をリリース。2006年、レヴとホームズが復帰。

Michael Schenkerのドイツ語読みはミヒャエル・シェンカーだが、Michael Schenker Groupはドイツ語でも英語的にマイケル・シェンカー・グループと読まれる。ドイツにおいて、本人は、「マイケル・シェンカー・グループのミヒャエル・シェンカー」(Michael Schenker von Michael Schenker Group)を自称している。

特徴 編集

 
マッコーリー・シェンカー・グループ名義のライブ(2012年3月ニューヨーク)中央がロビン・マッコーリー

キャッチーなメロディと、マイケル・シェンカーのテクニカルで華麗なギタープレイがセールス・ポイント。それまでのハード・ロックの流れを上手く受け継ぎ、分かりやすい曲調とシンプルなビート、そして時に織り込まれるメロウなメロディを特徴とした。

時期的にNWOBHMのブームにも乗り、グラハム・ボネットコージー・パウエル在籍時が人気の絶頂であったが、アメリカ市場では大きな成功には至らなかった。また当グループは、あくまでシェンカーのソロ・プロジェクトであり、アルバムやライブ毎でメンバーは流動的である。

デビュー以来日本では根強い人気があり、ライブ・ツアーは活況を呈している[1]。また2008年には、往時のメンバーを集めて録音された新譜『In The Midst Of Beauty』が発表された。

メンバー 編集

※2022年4月時点

現ラインナップ 編集

  • マイケル・シェンカー (Michael Schenker) - リードギター (1979年- )
  • ロビン・マッコーリー (Robin McAuley) - ボーカル (1987年–1992年、2012年、2016年–2020年、2022年、2023年– )
  • スティーヴ・マン (Steve Mann) - キーボード、リズムギター (1986年-1987年、1988年-1991年、2016年– )
  • バレンド・クルボワ (Barend Courbois) - ベース (2021年– )
  • ボド・ショプフ (Bodo Schopf) - ドラムス (1987年-1990年、2019年- )

旧メンバー 編集

ボーカル
  • ゲイリー・バーデン英語版 (Gary Barden) (1979年–1981年、1982年-1984年、2008年–2010年、2016年–2021年)
  • グラハム・ボネット (Graham Bonnet) (1982年、2016年–2020年)
  • レイ・ケネディ (Ray Kennedy) (1984年)
  • リーフ・サンディン (Leif Sundin) (1995年–1997年、2007年–2008年)
  • デヴィッド・ヴァン・ランディング (David VanLanding) (1997年–1999年、2011年、2012年)
  • ケリー・キーリング (Kelly Keeling) (1999年、2000年)
  • キース・スラック (Keith Slack) (1999年)
  • クリス・ローガン (Chris Logan) (2001年–2004年、2006年)
  • ジャリ・ティウラ (Jari Tiura) (2006年-2007年)
  • マイケル・ヴォス (Michael Voss) (2011年-2012年) ※リズムギター兼任
  • ドゥギー・ホワイト (Doogie White) (2012年–2020年)
  • ロニー・ロメロ (Ronnie Romero) (2020年-2023年)
キーボード
  • ドン・エイリー (Don Airey) (セッション 1980年、2008年、2011年)
  • ポール・レイモンド (Paul Raymond)- also rhythm guitar (1980年–1981年、2011年)
  • トミー・アイアー (Tommy Eyre) (セッション 1982年)
  • アンディ・ナイ (Andy Nye) (1982年–1984年)
  • ジェシ・ハームズ (Jesse Harms) (セッション 1991年)
  • クラウド・ガウデット (Claude Gaudette) (セッション 1996年)
  • セス・バーンスタイン (Seth Bernstein) (1997年–1999年) ※リズムギター、バック・ボーカル兼任
  • ウェイン・フィンドレイ (Wayne Findlay) (1999年–2016年) ※リズムギター、バック・ボーカル兼任
リズムギター
  • デレク・セント・ホルムズ (Derek St. Holmes) (1983年) ※ボーカル兼任
  • ミッチ・ペリー (Mitch Perry) (1987年)
  • スペンサー・セコム (Spencer Secombe) (ツアー・メンバー 1991年-1992年)
ベース
  • ビリー・シーン (Billy Sheehan) (セッション 1979年)
  • モ・フォスター (Mo Foster) (セッション 1980年)
  • クリス・グレン (Chris Glen) (1980年–1983年、2008年–2009年、2010年、2011年、2016年–2020年)
  • デニス・フェルドマン (Dennis Feldman) (1984年)
  • ロッキー・ニュートン (Rocky Newton) (1987年-1990年)
  • ジェフ・ピルソン (Jeff Pilson) (1991年)
  • バリー・スパークス (Barry Sparks) (1996年-1998年、1999年-2000年)
  • ジェフ・コールマン (Jeff Kollman) (1998年)
  • ジョン・オンダー (John Onder) (セッション 1999年)
  • レヴ・ジョーンズ (Rev Jones) (2001年–2006年、2008年、2009年、2010年、2012年)
  • スチュアート・ハム (Stuart Hamm) (2003年)
  • ピート・ウェイ (Pete Way) (2006年、2011年)
  • ニール・マーレイ (Neil Murray) (2008年、2010年、2011年)
  • エリオット・ルビンソン (Elliott "Dean" Rubinson) (2010年-2011年、2012年)
  • フランシス・バッコールズ (Francis Buchholz) (2012年–2016年)
ドラムス
  • デニー・カーマッシ (Denny Carmassi) (セッション 1979年)
  • コージー・パウエル (Cozy Powell) (1980年–1982年)
  • サイモン・フィリップス (Simon Phillips) (1980年、2008年、2010年、2011年)
  • テッド・マッケンナ (Ted McKenna) (1982年-1984年、2008年、2016年-2019年)
  • ジェイムス・コタック (James Kottak) (1991年)
  • シェーン・ガラース (Shane Gaalaas) (1996年–2000年)
  • ジェフ・マーティン (Jeff Martin) (2001年、2006年)
  • ジェレミー・コルソン (Jeremy Colson) (2003年)
  • ピート・ホルムズ (Pete Holmes) (2004年-2006年、2008年、2009年、2010年、2011年、2012年、2013年、2014年)
  • クリス・スレイド (Chris Slade) (ツアー・メンバー 2008年-2009年、2010年-2011年)
  • カーマイン・アピス (Carmine Appice) (ツアー・メンバー 2010年、セッション 2011年)
  • ブライアン・ティッシー (Brian Tichy) (セッション 2011年)
  • ハーマン・ラレベル (Herman Rarebell) (2010年、2011年–2016年)

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • 『神(帰ってきたフライング・アロウ)』 - The Michael Schenker Group (1980年)
  • 神話』 - MSG (1981年)
  • 『黙示録』 - Assault Attack (1982年)
  • 『限りなき戦い』 - Built to Destroy (1983年)
  • 『リトゥン・イン・ザ・サンド』 - Written in the Sand (1996年)
  • 『ジ・アンフォーギヴン』 - The Unforgiven (1999年)
  • 『ビー・アウェア・オブ・スコーピオンズ』 - Be Aware of Scorpions (2001年)
  • 『アラクノフォビアク』 - Arachnophobiac (2003年)
  • 『ヘヴィー・ヒッターズ』 - Heavy Hitters (2005年) ※カバー・アルバム
  • 『テイルズ・オヴ・ロックンロール〜25thアニヴァーサリー・アルバム』 - Tales of Rock'n'Roll (2006年)
  • 『イン・ザ・ミッドスト・オブ・ビューティー』 - In the Midst of Beauty (2008年)[2]
  • By Invitation Only (2011年) ※カバー・アルバム
  • 『イモータル』- Immortal(2021年)
  • 『ユニヴァーサル』- Universal(2022年)

ライブ・アルバム 編集

マッコーリー・シェンカー・グループ名義 編集

関連項目 編集

脚注 編集

外部リンク 編集