マイコンソフト株式会社(Micomsoft Co.,LTD)は、かつて存在した大阪府大阪市中央区に本社を置いていたパソコンゲームメーカー、パソコン用周辺機器メーカーである。

マイコンソフト株式会社
Micomsoft Co.,Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
541-0045
大阪府大阪市中央区道修町3-2-6
ウエムラビル4F 電波新聞社内
設立 1991年4月1日
業種 電気機器
外部リンク http://www.micomsoft.co.jp/
テンプレートを表示

概要 編集

電波新聞社出版部マイコンソフトウェア開発室が前身[1]。1980年代は電波新聞社により発行されていた雑誌『月刊マイコン』掲載ソフトウェアのプログラムリスト等のメディア販売、また同じく『月刊マイコン』や『マイコンBASICマガジン』のコンテンツを拠点とする形で、ナムコ等のアーケードゲームのPC移植作品の開発やプロデュース、販売を行っていた。

1993年、ソフトウェア開発室が独立する形で設立(電波新聞社100%の資本)。本社は電波新聞社・大阪本社内に存在した。

2018年10月1日より、電波新聞社を存続会社とする吸収合併により事業継承する事を発表[2]。マイコンソフト株式会社は2018年9月30日で解散し、新たに10月1日より『株式会社電波新聞社マイコンソフト事業部』として存続する。事業はそのまま引き継ぎ、取扱製品、担当窓口などに変更はない。

現在はソフトウェア事業は休止状態にあり、パソコン用周辺機器等、ハードウェア部門に事業の主力をおいている。

主なゲームソフト 編集

当時のPC向けにナムコ、SEGA、データイースト等のアーケードゲームの多くの移植、並びに、YAMCAT等が作成したオリジナルゲームの販売を行っていた。

末期には、ビデオゲームアンソロジーとして、ハードウェアに特化したスクラッチから起こしたゲームではなく、よりオリジナルの実動作に近づけた移植を行ったシリーズもリリースしている。

主な機器製品 編集

映像関連 編集

  • XMD-1RGB(メガドライブ用アナログRGBユニット:1990年9月29日発売[3]
  • XAV-1S(アナログRGB-S端子変換ユニット:1990年12月25日発売[4]
  • XMAC-1(マッキントッシュ用ビデオエンコーダー・ユニット:1992年2月25日発売[5]
  • XPC-1V(PC-98/286用スキャンコンバーター・ユニット:1992年5月下旬発売[6]
  • XMD-2RGB/S(メガドライブ用アナログRGB/Sユニット:1993年5月下旬発売[7]
  • XVGA-1V(ビデオスキャンコンバータ・ユニット:1993年8月中旬発売[8]
  • XMD-3RGB/S(メガドライブ2専用アナログRGB/Sユニット:1993年9月30日発売[9]
  • XC21RGB(ステレオ音声対応8ピン-21ピンアナログRGBケーブル:1994年5月頃発売[10]
  • XNEO-1RGB/S(ネオジオ用アナログRGB/Sユニット:1994年9月1日発売[11]
  • XVGA OVERLAY UNIT(XVGA-1V用オーバーレイ・ユニット:1994年11月頃発売[12]
  • XAV-2S(ビデオ・エンコーダー・ユニット:1995年5月中旬発売[13]
  • XPC-2(ビデオ・スキャンコンバーター・ユニット:1995年9月中旬発売[14]
  • XRGB-1/2/2plus/3(アップスキャンコンバータ・ユニット:XRGB-1は1995年12月15日発売[15]
  • XVGA-1Pro(ビデオスキャンコンバータ・ユニット)
  • XRGB-mini Framemeister(アップスケーラー・ユニット)

ゲームコントローラー関連 編集

[16]

INTELLIGENT JOYSTICK XE-1シリーズ 編集

[17]

XE-1
構成は8方向レバー+2トリガー。底面のスイッチでレバー方向が反転し、右手でレバーを操作する事も出来る。アタリ仕様ジョイスティックポート搭載機種に対応。ボディ色は白[注釈 1]
1984年5月にX1ゼビウスの付属品として販売され、同年11月にはFM-7FM-77)版ゼビウスにも同梱[注釈 2]。翌1985年3月頃より「XEシリーズ」として、ジョイスティック単体での販売が開始された[18]
XE-1b
XE-1の改良型。トリガーボタンが少し大きくなり、接続コードが延長されている。ボディ色は黒。
1986年4月頃より販売開始[19]MZ-2500版及びX68000版ゼビウスにも同梱された。
XE-1 PRO/PRO FC/PRO HE/ST/ST2/SFC
ST/ST2/PROはセガ・マークIII/メガドライブ/ジョイスティックポートがATARI形式のホビーPC用、PRO FCはファミリーコンピュータ用、PRO HEはPCエンジン用、SFCはスーパーファミコン用。
初代XE-1を除く共通機能は以下の通り。
  • 8方向4方向切替スイッチ(レバー入力方向切替)
  • 270゜回転式ショットパネル(メインボタン角度調整)
以下は各機種固有機能。
  • 連射機能(PRO、SFC、PRO HE)
  • マルチタップ機能(PRO HE)
  • セガ/PC切り替えスイッチ(ST、ST2)
  • PCエンジン/PC切り替えスイッチ(PRO HE)
  • 入力マクロ、LCDインジケータ機能、ATARI仕様ポート拡張端子(SFC)
※PRO/ST/ST2は別売ジョイスティックアダプターXF-1でファミコンへ対応可。
発売時期は以下の通り。
  • XE-1PRO:1987年9月末[20]
  • XE-1ST:1988年6月頃[21]
  • XE-1PRO HE:1988年11月頃[22]
  • XE-1PRO FC:1988年12月頃[23]
  • XE-1ST2:1991年4月頃[24]
  • XE-1SFC:1991年10月24日[25]

INTELLIGENT ANAROG/DIGITAL CONTROLLER SYSTEM 編集

デジタル256段階の入力が可能なデバイス。後にMSX等で制御するための手段とサンプルプログラムがBASICマガジン誌上で公開されている[26]

XE-1AJ/CZ-8NJ2
X68000用のアフターバーナー開発時に製作され、シャープから発売されたサイバースティック(CZ-8NJ2)と同仕様。マイコンソフトは開発協力の形で関わっているが、サイバースティックの方はシャープ自身のプロダクト[27]である。双方の実際の商品本体の違いは、ボタンのカラーリング(シャープ版が黒、マイコンS版がオレンジ)とスティック本体のロゴ(シャープ版が「サイバースティック」のロゴ、マイコンS版が品番をロゴ化したもの)のみ。
XE-1AJは1989年7月25日発売[28]
XE1AJ-USB「サイバースティック」
上記の商品をベースに、2022年にセガがリリースする復刻系家庭用テレビゲーム機・メガドライブ ミニ2(MDミニ2)およびWindows 10/11PC用の周辺機器として、電波新聞社マイコンソフト事業部がMDミニ2と同じ日(2022年10月27日)に発売された[29]。機器との接続コネクタをUSBに変更し、スティックとスロットルの左右入れ換えを簡易にした以外はオリジナルのギミックを殆ど復刻している(※)が、USB化の代償としてX68000とはダイレクト接続できず、公式には非対応となっている。
(※)なお、この商品はシャープの承認と協力のもとシャープ版「サイバースティック」をベースとして復刻している。(スティック本体にも「サイバースティック」のロゴがプリンティングされ、ボタンのカラーリングもシャープ版に準拠している)
XE-1AP/AE1-EX
藤岡によるラジコンのプロポをイメージした物をマイコンBASICマガジンのデザイナーと試行錯誤しながら作成した小型の姉妹機[27]。APとEXの差分はボタン色のバリエーション違いのみ。ユーザー間での通称は「カブトガニ」。
パッドの「アナログ/デジタル切替SW」により、アナログ/デジタルの動作モードが切り替わる。
ジョイスティックポートがATARI形式のゲーム機/メガドライブ/ホビーPCに対応。メガドライブと接続する場合は「パソコン/MD切替SW」をMDに設定する。PCEと接続する場合はポート変換器XHE-3と組み合わせてアナログ対応となる。
メガドライブ使用時のアナログモードはデータフォーマットは同じものの、コネクタの信号の入れ替えのみではなくボタンのアサインも入れ替わっているため、操作されたボタンのデータのほうはサイバースティックと互換性が無い[30]
XE-1APは1990年3月20日発売[31]
XE-1AS
DOS/V用の操縦桿型アナログ・ジョイスティック。構成はアナログ方式のスティック及びスロットルと4個のトリガーボタン。秒間30発の連射機能を搭載している。
1995年6月下旬発売[32])。

JOYSTICK CONTROLLER SYSTEM 編集

  • XO-1(ATARI仕様外付け連射アダプタ:1986年9月下旬発売[33]
  • XF-1(ファミコン用ATARI仕様コントローラ変換アダプタ:1987年12月頃発売[34]
  • XHE-2(PCE用2ポートマルチタップ:1988年11月頃発売[35]
  • XHE-3(PCE用ATARI仕様アナログ対応コントローラ変換アダプタ:1992年3月頃発売[36]

関連項目 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ FM版ゼビウス発売記念限定品のゴールドメタリックバージョンも存在する。
  2. ^ 該当のFMシリーズはジョイスティックポート未搭載機種の為、プリンタポート接続用のインターフェース基板とセットで販売された。単品販売時の品名は、FM-7用は「XE-7」、FM-77用は「XE-77」。

出典 編集

  1. ^ 公式 Twitter に掲載された写真を出典とする。 公式 Twitter より”. Micomsoft. 2013年10月27日閲覧。
  2. ^ マイコンソフト株式会社 合併のご案内”. www.micomsoft.co.jp. 2018年10月2日閲覧。
  3. ^ 電波新聞社 (1990年). “広告「メガドライブ用アナログRGBユニット XMD-1RGB」”. マイコンBASICマガジン 10月号: 27頁. 
  4. ^ 電波新聞社 (1991年). “広告「RGB-S SIGNAL ENCODER UNIT XAV-1S」”. マイコンBASICマガジン 1月号: 207頁. 
  5. ^ 電波新聞社 (1992年). “広告「Macintosh RGB/S-Signal/Video Encoder Unit XMAC-1」”. マイコンBASICマガジン 2月号: 200-201頁. 
  6. ^ 電波新聞社 (1992年). “広告「PC-98/286用スキャンコンバーター・ユニット XPC-1V」”. マイコンBASICマガジン 5月号: 60-61頁. 
  7. ^ 電波新聞社 (1993年). “広告「XMD-2RGB/S ANALOG RGB/S UNIT FOR MD」”. マイコンBASICマガジン 5月号: 170頁. 
  8. ^ 電波新聞社 (1993年). “広告「他機種対応型スキャンコンバータ・ユニットXVGA-1V」”. マイコンBASICマガジン: 38頁. 
  9. ^ 電波新聞社 (1993年). “広告「XMD-3RGB/S ANALOG RGB/S UNIT FOR MD」”. マイコンBASICマガジン 11月号: 14頁. 
  10. ^ 電波新聞社 (1994年). “なにわ通信「●ステレオ8-21ピンケーブル」”. マイコンBASICマガジン 6月号: 219頁. 
  11. ^ 電波新聞社 (1994年). “広告「電波新聞社のパソコン/ゲーム機周辺機器カタログ」”. マイコンBASICマガジン 10月号: 143頁. 
  12. ^ 電波新聞社 (1994年). “広告「XVGA OVERLAY UNIT」”. マイコンBASICマガジン 12月号: 133頁. 
  13. ^ 電波新聞社 (1995年). “なにわ通信「マイコンソフト新作情報」”. マイコンBASICマガジン 6月号: 193頁. 
  14. ^ 電波新聞社 (1995年). “広告「ビデオ・スキャンコンバーター・ユニット XPC-2」”. マイコンBASICマガジン 9月号: 144頁. 
  15. ^ 電波新聞社 (1996年). “なにわ通信「◆XRGB-1発売◆」”. マイコンBASICマガジン 2月号: 274頁. 
  16. ^ ARCADE GEAR Micomsoft2012年9月30日閲覧、一部参考。
  17. ^ 各部名称については「PRO HE取扱説明書」参考。
  18. ^ 電波新聞社 (1985年). “広告「オリジナル2トリガージョイスティックXEシリーズ」”. マイコンBASICマガジン 4月号: 186頁. 
  19. ^ 電波新聞社 (1986年). “広告「オリジナル2トリガージョイスティックXE-1/b」”. マイコンBASICマガジン 5月号. 
  20. ^ 電波新聞社 (1987年). “広告「XE-1PRO」”. マイコンBASICマガジン 10月号: 18頁. 
  21. ^ 電波新聞社 (1988年). “広告「高精度、高機能ジョイスティックXE-1ST」”. マイコンBASICマガジン 7月号: 24頁. 
  22. ^ 電波新聞社 (1988年). “広告「XE-1PRO HE」”. マイコンBASICマガジン 12月号: 22-23頁. 
  23. ^ 電波新聞社 (1989年). “広告「ファミコン専用高精度・高機能ジョイスティック XE-1PRO FC」”. マイコンBASICマガジン 1月号: 253-254頁. 
  24. ^ 電波新聞社 (1991年). “広告「XE-1ST2」”. マイコンBASICマガジン 5月号: 215頁. 
  25. ^ 電波新聞社 (1991年). “広告「スーパーファミコン専用ジョイスティック XE-1SFC 登場!」”. マイコンBASICマガジン 9月号: 218頁. 
  26. ^ 電波新聞社 (1990年). “なにわ通信増刊号 XE-1APのすべて”. マイコンBASICマガジン 10月号: 79-82頁. 
  27. ^ a b opaimarの2014年8月7日20時45分のツイート2019年1月3日閲覧。
  28. ^ 電波新聞社 (1989年). “XEシリーズ広告”. マイコンBASICマガジン 8月号: 19頁. 
  29. ^ マイコンソフト「サイバースティック」XE1AJ-USB 製品ページ
  30. ^ サイバースティックでアフターバーナーを遊びたい(1)接触編
  31. ^ 電波新聞社 (1990年). “SUPER SOFT HOT INFORMATION メガドライブ「アフターバーナーII&XE1-AP登場」”. マイコンBASICマガジン 4月号: 242頁. 
  32. ^ 電波新聞社 (1995年). “広告「アナログ・ジョイスティック XE-1AS」”. マイコンBASICマガジン 7月号: 141頁. 
  33. ^ 電波新聞社 (1986年). “広告「JOYSTICK SYSTEM CONTROLLER XO-1」”. マイコンBASICマガジン 10月号: 21頁. 
  34. ^ 電波新聞社 (1988年). “広告「オリジナル・ジョイスティック変換コネクター XF-1」”. マイコンBASICマガジン 1月号: 13頁. 
  35. ^ 電波新聞社 (1988年). “広告「2マルチタップ・アダプタ X-HE2 for PC Engine」”. マイコンBASICマガジン 12月号: 23頁. 
  36. ^ 電波新聞社 (1992年). “広告「PCエンジン用ジョイスティックアダプター XHE-3 for PC Engine」”. マイコンBASICマガジン 4月号: 50頁. 

外部リンク 編集