マイラプソディ(欧字名:My Rapsody2017年2月9日 - )は、日本競走馬[1]2019年京都2歳ステークスの勝ち馬である。

マイラプソディ
2019年京都2歳S
欧字表記 My Rapsody[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 青鹿毛[1]
生誕 2017年2月9日[1]
抹消日 2022年11月4日[2]
ハーツクライ[1]
テディーズプロミス[1]
母の父 Salt Lake[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (株)キーファーズ
調教師 友道康夫栗東[1]
競走成績
生涯成績 16戦3勝[1]
日本:14戦3勝
海外:2戦0勝
獲得賞金 7732万7000円[1]
勝ち鞍
GIII 京都2歳S 2019年
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馬名の由来は、英語で「私の狂詩曲[3]主戦騎手を務める武豊によって命名された[4][5]

経歴 編集

デビュー前 編集

新馬戦1週間前の追い切りにて、同じ友道厩舎ラインベックら3頭で併せ馬の追い切りをウッドチップコースでこなした[6]。ラインベックと馬体を併せたところ、「ワッとして急ブレーキをかける感じ」になり落馬寸前の状況となった[6]。無理をさせずにラインベックに遅れて併走[6]。それにもかかわらず、担当の調教助手は、「馬体、走るフォームが素晴らしい、来年は大きいところで」と評価していた[6]

2歳(2019年) 編集

7月7日、中京競馬場新馬戦 (芝2000m)に武豊とともにデビュー[7]単勝オッズ1.8倍の1番人気に推された[7]。レースでは、中団8番手でレースを進め[7]、最後の直線で馬場の一番外から足を伸ばして先行勢を差し切り[8]、後方に3/4馬身離して勝利[9]。武は「追ってからの反応が抜群でした。走るフォームがすばらしく、将来が楽しみです」と評価した[10]

9月14日、阪神競馬場野路菊ステークスOP)に出走[11]、5頭立ての少頭数の中、単勝オッズ1.1倍の1番人気の支持を受けて発走[11]。5頭中4番手でレースを進め、最後の直線で外に持ち出して追走[12]。残り200メートルで先頭に立ち、一発ムチが入ると[12]、加速して一気に突き放し[12]、最終的に後方に5馬身千切って1着となった[11]。武は「スタートは相変わらず遅かったけど、道中の走りは良かったです。余裕を持って追い出して、きれいに反応してくれましたし、ラストまでしっかり伸びてくれました」と回顧[13]、管理する友道康夫は「新馬の時もそうだったけど落ち着きがあって、オン、オフの切り替えが利く。まだ緩さがある中でも、1回使って素軽さが出てしっかりしてきた。」と評価した[13]

11月23日、京都2歳ステークス (GIII)に出走。単勝オッズ1.5倍の1番人気に押された[14]。スタートから後方待機を選択、徐々に位置を上げ、最後の直線で逃げ切りを図るミヤマザクラを射程圏に入れて[15]、並ぶ間もなくかわして先頭に立ち[5]、2馬身離した1着[14]、無傷の3連勝で重賞初勝利を挙げた[16]。武は「ここまでいい感じで来ています。4コーナーでちょっと手応えが無い感じがしました。でも元々そういうところがある馬ですから、ラストもバテている訳ではなくて、伸びてくれると信じていました。ラスト1ハロンを切ったところで本来の脚になって、そこが良かったですね。着差はそれ程ではなかったのですが、今後につながるレースができたと思います」と回顧し[17]、今後については「ここまで1 - 3戦といい形で来ています。まだ伸びそうなところがあるので楽しみです。精神的にも幼く、身体もまだ良くなると思います」と評価した[17]。友道も「小回りが心配でしたが、エンジンがかかればいい脚でしたね。レース後の息の入りも良かったです」と振り返った[17]

3歳(2020年) 編集

3歳初戦は共同通信杯 (2月17日東京11R・芝1800m, GIII)に出走。出走メンバー中唯一の重賞勝ち馬ということで[18]、単勝オッズ1.5倍の1番人気に支持されたものの直線で伸びを欠いて4着に敗れた[19]。武は「残念でしたね。何も気にするところもなく、状態も良かった。馬場も問題ないと思ったし…。ただ、走らなかった」とコメントしながらも「それほど悲観する内容じゃない」と続け、友道も「1回負けて、ガス抜きになったんじゃないかな」とコメントした[18]。共同通信杯後は牡馬クラシック三冠の初戦・皐月賞へ直行する予定であることも明かされた[18]

4月19日の皐月賞では、7番人気での出走となった[20]。レースでは後方外目の位置につけ、残り600m過ぎから武豊が仕掛けたものの、鞍上のアクションに反してマイラプソディの行き脚はつかず、その外から勝ち馬のコントレイルに抜き去られ、13着と大敗を喫した[21]。レース後、武豊は「道中はいい感じで走れて、描いていたポジションで運べた。ただ、4コーナーで手応えがなくなった」とコメントした[21]

3歳になってからは凡走が続いたため評価は下がり、東京優駿では横山典弘に乗り替わり[22]、11番人気での出走となった[23]。レースではスローペースを見かねて横山が向こう正面で仕掛けて一気に先頭に立つと、直線途中まで馬群を引っ張るなど見せ場を作ったが、最後は脚が一杯になり9着に敗れた[24]

夏の休養を挟んで、9月27日の神戸新聞杯に出走するも18着としんがり負けを喫した。

4歳(2021年) 編集

4歳初戦としてリステッド競走の大阪城ステークスに出走し、5着。その後、この年は4戦0勝であった。

5歳(2022年) 編集

5歳初戦として、初のダート戦となるポルックスステークス(OP)に出走し、12着に敗れる。続くオアシスステークス(L)でも13着と大敗した。

その後、凱旋門賞に出走するドウデュースの帯同馬としてフランスに遠征。9月11日のフォワ賞(G2)では6着、10月1日のダニエルウィルデンシュタイン賞(G2)では10着という成績であった。同年11月4日付けで競走馬登録を抹消。生まれ故郷のノーザンファームで乗馬となる予定。

競走成績 編集

以下の内容は、netkeiba.com[20]およびFrance Galop[25]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2019.07.07 中京 2歳新馬 芝2000m(稍) 10 5 5 001.80(1人) 01着 R2:06.0(34.0) -0.1 0武豊 54 (ルリアン) 502
0000.09.14 阪神 野路菊S OP 芝1800m(良) 5 1 1 001.10(1人) 01着 R1:47.4(33.4) -0.8 0武豊 54 (グランスピード) 500
0000.11.23 京都 京都2歳S GIII 芝2000m(良) 9 8 8 001.50(1人) 01着 R2:01.5(35.9) -0.3 0武豊 55 ミヤマザクラ 510
2020.02.16 東京 共同通信杯 GIII 芝1800m(稍) 9 8 8 001.50(1人) 04着 R1:50.3(34.3) -0.7 0武豊 57 ダーリントンホール 508
0000.04.19 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 18 6 12 022.60(7人) 13着 R2:02.2(36.6) -1.5 0武豊 57 コントレイル 504
0000.05.31 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 7 14 087.7(11人) 09着 R2:25.2(34.3) -1.1 0横山典弘 57 コントレイル 500
0000.09.27 中京 神戸新聞杯 GII 芝2200m(良) 18 8 17 020.30(5人) 18着 R2:18.3(41.1) -5.8 0武豊 56 コントレイル 510
2021.03.07 阪神 大阪城S L 芝1800m(良) 16 7 14 007.80(4人) 05着 R1:46.3(33.9) -0.2 0武豊 56 ヒンドゥタイムズ 504
0000.05.15 中京 都大路S L 芝2000m(良) 11 6 8 002.00(1人) 02着 R1:59.6(34.5) -0.1 0武豊 56 マウントゴールド 508
0000.06.13 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 18 1 2 025.1(10人) 11着 R1:46.5(35.8) -1.4 0武豊 56 ザダル 510
0000.10.03 中京 ポートアイランドS L 芝1600m(良) 16 4 8 016.70(7人) 05着 R1:32.9(34.0) -0.3 0松田大作 56 プリンスリターン 508
0000.10.23 東京 富士S GII 芝1600m(良) 17 2 3 067.2(13人) 13着 R1:34.6(35.4) -1.4 0武豊 56 ソングライン 506
2022.01.09 中山 ポルックスS OP ダ1800m(良) 16 4 8 009.80(5人) 12着 R1:54.1(38.7) -0.9 0M.デムーロ 56 ダノンスプレンダー 512
0000.04.23 東京 オアシスS L ダ1600m(稍) 16 6 12 062.5(11人) 13着 R1:36.6(36.9) -1.2 0藤田菜七子 56 サンダーブリッツ 508
0000.09.11 パリロンシャン フォワ賞 G2 芝2400m(So)[注 1] 6 6 2 035.00(6人) 06着 R2:39.14(37.24) -2.68 0武豊 58 Iresine 計不
0000.10.01 パリロンシャン ダニエルW賞 G2 芝1600m(TS)[注 2] 10 8 3 058.00(9人) 10着 R1:46.75(38.52) -3.04 0武豊 58 Erevann 計不
  • 海外の競走の「枠番」欄はゲート番を記載
  • 海外のオッズ・人気は現地主催者発表のもの(日本式のオッズ表記とした)

血統表 編集

マイラプソディ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ハーツクライ
2001 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンス Lyphard
My Bupers

*テディーズプロミス
Teddy's Promise
2008 鹿毛
Salt Lake
1989 鹿毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Take Lady Anne Queen City Lad
Lovita H.
母の母
Braids and Beads
1998 鹿毛
Capote Seattle Slew
Too Bald
Alydar's Promise Alydar
Summertime Promise
母系(F-No.) 4号族(FN:4-r) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×5=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [29]
  2. ^ [30]
  3. ^ [29]
  4. ^ [29][30]
  • 母テディーズプロミスは2011年の米G1ラブレアステークスの勝ち馬[31]。母の父Salt lakeは、母の父として本馬の他に2010年に史上3頭目の三冠牝馬となったアパパネを輩出している。
  • 祖母Braids and Beadsの半兄にGeneral Meeting[32] 。競走馬としてはG3勝ちが最高であるが、種牡馬として多くの活躍馬を出した。ダノンプラチナの母母父でもある。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 馬場状態の発表は「Souple」[26]。これをJRAは「重」と発表した[27]馬場状態#芝馬場参照。
  2. ^ 馬場状態の発表は「Tres Souple」[28]。これをJRAは「重」と発表した。馬場状態#芝馬場参照。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n マイラプソディ”. www.jbis.or.jp. 2022年11月4日閲覧。
  2. ^ “マイラプソディが競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会. https://www.jra.go.jp/news/202211/110404.html 2022年11月4日閲覧。 
  3. ^ JRA競走馬検索”. www.jra.go.jp. 2020年1月15日閲覧。
  4. ^ 【京都2歳S】マイラプソディ、土つかず3連勝!”. サンスポZBAT!競馬 (2019年11月24日). 2020年1月15日閲覧。
  5. ^ a b [競馬]京都2歳S マイラプソディが無傷3連勝!”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2020年1月15日閲覧。
  6. ^ a b c d 【POG】武豊が大絶賛しそうな友道厩舎マイラプソディ 中京2週目デビュー – 東京スポーツ新聞社”. 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社. 2020年1月15日閲覧。
  7. ^ a b c 2歳新馬|2019年07月07日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2020年1月15日閲覧。
  8. ^ 【中京新馬戦】マイラプソディ差し切りV!武豊「将来性を感じる」”. www.sponichi.co.jp. 2020年1月15日閲覧。
  9. ^ 【中京5R新馬戦】断然人気のマイラプソディが差し切りV/JRAレース結果 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年1月15日閲覧。
  10. ^ 【メイクデビュー】(中京5R)〜マイラプソディが人気に応えて新馬勝ち | 競馬実況web | ラジオNIKKEI”. www.radionikkei.jp. 2020年1月15日閲覧。
  11. ^ a b c 野路菊ステークス|2019年09月14日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2020年1月15日閲覧。
  12. ^ a b c 【阪神9R・野路菊S】マイラプソディ2連勝で来春クラシックに名乗り 武豊騎手「来年が楽しみ」”. スポーツ報知 (2019年9月14日). 2020年1月15日閲覧。
  13. ^ a b 【野路菊S】マイラプソディが5馬身差で無傷のV2”. サンスポZBAT!競馬 (2019年9月14日). 2020年1月15日閲覧。
  14. ^ a b ラジオN杯京都2歳S|2019年11月23日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2020年1月15日閲覧。
  15. ^ 【京都2歳S】1番人気武豊マイラプソディが3連勝で重賞初制覇!”. サンスポZBAT!競馬 (2019年11月23日). 2020年1月15日閲覧。
  16. ^ 【京都2歳S】マイラプソディ 無傷の3連勝で重賞制覇”. www.sponichi.co.jp. 2020年1月15日閲覧。
  17. ^ a b c 【ラジオNIKKEI杯京都2歳Sレース後コメント】マイラプソディ武豊騎手ら | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年1月15日閲覧。
  18. ^ a b c 【共同通信杯】マイラプソディ4連勝ならず…武豊「悲観する内容じゃない」”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2020年2月17日). 2020年5月3日閲覧。
  19. ^ JRAマイラプソディ武豊「ただ走らなかった」共同通信杯 (G3)単勝1.5倍も4着完敗……皐月賞 (G1)に不安”. biz.journal.jp. Gambling journal (2020年2月16日). 2020年5月3日閲覧。
  20. ^ a b マイラプソディ | 競走馬データ.netkeiba.com. 2019年11月23日閲覧
  21. ^ a b JRA皐月賞 (G1)武豊マイラプソディ「大敗」にコンビ解消も……日本ダービーへアドマイヤビルゴ急浮上”. biz.journal.jp. Gambling journal (2020年4月19日). 2020年5月3日閲覧。
  22. ^ マイラプソディ、横山典との初コンビでダービーへ(スポーツ報知)”. Yahoo!ニュース. 2020年6月12日閲覧。
  23. ^ 日本ダービー (G1) 出馬表 | 2020年5月31日 東京11R レース情報 (JRA)”. netkeiba.com. 2020年6月12日閲覧。
  24. ^ 【日本ダービー】“テン乗り”横山典騎乗のマイラプソディは9着 友道師「最後までがんばって走り切ってくれた」”. サンスポZBAT!競馬 (2020年5月31日). 2020年6月12日閲覧。
  25. ^ MY RHAPSODY JPN”. www.france-galop.com. フランスギャロ. 2022年9月11日閲覧。
  26. ^ QATAR PRIX FOY”. www.france-galop.com. フランスギャロ. 2022年9月11日閲覧。
  27. ^ 2022ニエル賞(G2)・フォワ賞(G2)の結果”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2022年9月12日閲覧。
  28. ^ QATAR PRIX DANIEL WILDENSTEIN”. www.france-galop.com. フランスギャロ. 2022年10月2日閲覧。
  29. ^ a b c マイラプソディ 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年11月23日閲覧。
  30. ^ a b マイラプソディの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年11月23日閲覧。
  31. ^ テディーズプロミス(USA)”. JBIS-Search. 2019年11月23日閲覧。
  32. ^ General Meeting(USA) ”. JBIS-Search. 2020年1月15日閲覧。

外部リンク 編集