マクラーレン・エルバMcLaren Elva)は、イギリスの自動車メーカーのマクラーレン・オートモーティブが開発した限定生産のスーパーカーである。

マクラーレン・エルバ
フロント
リア
概要
製造国 イギリスの旗 イギリス
販売期間 2021年
デザイン ロバート・メルヴィル
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアスピードスター
エンジン位置 ミッドシップ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン M840TR型 3,994cc 90度V型8気筒DOHCデュアルツインスクロールターボ
最高出力 815PS(599kW)/7,800rpm
最大トルク 81.6kgf・m(800N・m)/5,500rpm
変速機 7速DCT
車両寸法
ホイールベース 2,670mm
全長 4,610mm
全幅 1,943mm
全高 1,087mm
車両重量 乾燥重量1,148kg
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概要 編集

2019年に発表された、マクラーレン初となるオープントップの市販モデルである。当初399台限定で生産される予定だったが、諸般の事情により249台のみの生産に変更された。価格は約2億円。

マクラーレンの市販モデルのうち最上位の「アルティメットシリーズ」に属しており、シリーズとしてはP1セナスピードテールに引き続く第4弾となる。

エルバという名称はフランス語で「彼女が行く」という意味である。マクラーレン創業者のブルース・マクラーレン1960年代に開発したオープントップレーシングカーマクラーレン エルバM1A等にちなんで命名された。

メカニズム 編集

車両重量は未公表だが、マクラーレンによればこれまでに発売した車種の中で最軽量とされている。シャシ、ドア、シートなどがカーボンで制作され、軽量化が図られている。セナと共通のブレーキローターは390mm以上という大径だが、チタン製キャリパーを使用することで、セナのブレーキローターよりも約1kgの軽量化に成功している。

ミッドシップに搭載されるパワートレインは、セナやスピードテールと同様の4.0L V型8気筒DOHCツインターボだが、セナが800PSなのに対して、エルバは815PSにアップデートされている。エキゾーストシステムはチタンとインコネルで作られ、エキゾーストチップはクワッドタイプで3Dプリントすることで制作されている。他、フルタイムのサスペンションと電子油圧式ステアリングを備えており、ハンドリングの向上を図っている。

また、サーキット走行を希望する顧客のために展開可能なロールバー保護システムが標準装備、オプションで6点式ハーネスも用意される。

AAMS 編集

エルバは世界初となるアクティブ・エア・マネジメント・システム(Active Air Management System、AAMS)を搭載している。このシステムはフロントノーズから吸入された空気が、コクピット前部に備えられたフロントのクラムシェムから高速で排出される。これによって空気がコクピットの上部を通過するため、走行中のコクピットは泡で覆われたような静寂に包まれる。

パフォーマンス 編集

エルバは0-100km/hまで2.8秒で加速し、0-200km/hに6.7秒で到達する。最高時速は335km/h。

マクラーレン・エルバ・ウィンドスクリーン・バージョン 編集

エルバのフロントウィンドスクリーン装着車は2021年に発表された。生産台数は149台。ルーフ、サイドウィンドウ、リアスクリーンは装備されない。レインセンシングワイパー、ウォッシャージェット、サンバイザー、ガラスヒーターが追加され、重量が約20kg増加しているが、車のパフォーマンスは変わらないと発表されている。

参照 編集

関連項目 編集