マスクとベルガマスク

ガブリエル・フォーレの舞台音楽、管弦楽組曲

マスクとベルガマスク』(Masques et Bergamasques作品112は、ガブリエル・フォーレ作曲の舞台音楽、およびそれをもとにした管弦楽組曲モナコ大公アルベール1世の依頼により1919年作曲。

概要 編集

あらすじ 編集

ポール・ヴェルレーヌの詩集『艶なる宴』を元に、ルネ・フォーショワが舞台劇として編纂。

イタリア演劇の登場人物である喜劇役者アルルカンやコロンビーナたちが舞台装置の上で楽しんでいると、普段は観客の役である役者達がやってくる。そして普段は目立たない彼らの方が劇を演じ、喜劇役者達を楽しませることになる。

音楽 編集

当初、この作品が数多く演奏されることはないであろうと考えたフォーレは、劇中で使用される楽曲の大部分に、過去に作曲した管弦楽曲や合唱曲、歌曲を用いた。全8曲のうち4曲(3, 4, 6, 8)は過去の作品の再利用であり、2曲(1, 7)には元となった作品が存在するため、完全な新曲は2曲(2, 5)のみである。

  1. 序曲(Ouverture) - 1868年作曲の「交響的間奏曲」が基になっている。
  2. パストラールPastorale) - 1919年作曲の新曲。
  3. マドリガルMadrigal) - 1883年作曲の合唱と管弦楽の曲(作品35)。
  4. いちばん楽しい道(Le plus doux chemin) - 1904年作曲の歌曲(作品87-1)。
  5. メヌエットMenuet) - 1918-19年作曲の新曲。
  6. 月の光Clair de lune) - 1887年作曲の歌曲(作品46-2)。
  7. ガヴォットGavotte) - 1869年に作曲された未発表のピアノ曲が原曲。
  8. パヴァーヌPavane) - 1886-87年作曲の管弦楽曲(作品50)。

組曲 編集

フォーレは上記の楽曲の中から、作品番号を持つ旧作を除いた「序曲」「メヌエット」「ガヴォット」「パストラール」の4曲を抜き出して、管弦楽組曲に編曲している。パストラールは全曲版と順番が異なり最後に配置されている。初演は1919年11月16日に行われた。

参考文献 編集

  • 全音楽譜出版社「フォーレ 組曲《マスクとベルガマスク》」(楽譜)内の解説(ロバート・オーレッジ/著、遠山菜穂美/訳)

関連項目 編集

外部リンク 編集