マツダ・MAZDA2

マツダのハッチバックおよびセダン型乗用車

MAZDA2(マツダ・ツー[1]、媒体により「マツダ2」とも[2])は、マツダが製造・販売しているコンパクトカーである。北米ではサブコンパクトカーに、欧州ではBセグメント車格がそれぞれ分類されている。日本国内市場向けにおいては、当初「デミオ」の車名で販売されていたが、2019年9月12日より発売される3代目(「デミオ」としては4代目)の一部改良モデルから日本国内向け専用のペットネームを廃止し、グローバルで「MAZDA2」の名称で販売されている。

MAZDA2 / デミオ
概要
別名 サイオン・iA / トヨタ・ヤリスiA(3代目・米国)
製造国 日本の旗 日本
タイ王国の旗 タイ
メキシコの旗 メキシコ
販売期間2002年2019年 -
ボディ
ボディタイプ ハッチバック
3ドアハッチバック(2代目欧州のみ)
4ドアセダン(日本国外向け、3代目ベース教習車)
駆動方式 FF/4WD
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本項では、2019年の日本国内市場向けの車名変更以降の事項について記すこととし、それ以前のモデルの詳細についてはマツダ・デミオの記事を参照されたい。なお、グローバルでの初代Mazda 2が日本でいう2代目デミオである(初代デミオはMazda 121)こと、またフルモデルチェンジを伴わない車名変更であること(詳細後述)から、モデルの通算上の世代名はグローバル向けの世代名を基準に記すこととし、「デミオ」としての世代名とは1世代ずれていることに留意されたい。

概要編集

スペイン語で「私の(もの)」を意味する「de Mio」(英語では「of mine」に相当)を基にした「デミオ」[3]というペットネームを冠した車としては、1996年に誕生した初代モデル(DW系)があるが、これは既存のコンポーネントを活用して比較的短期間に設計・開発されたコンパクトステーションワゴンであった。オセアニア向けには「Mazda 121」の名称で販売され、「デミオ」のペットネームは当初より日本国内市場向けのものであった。

その後、2002年に発売された2代目モデル(DY系)では初代デミオ/Mazda 121のコンパクトステーションワゴンという方向性は維持しつつ、 当時提携関係にあったフォードと共有のDYプラットフォームを使用した「世界戦略車」となり、日本国内市場向けには「デミオ」のペットネームを引き継ぎつつ、グローバル向け車名としては新たに「Mazda + 車格を表す一桁の番号」のモデル名を導入することとなり、「Mazda2」の名称が与えられることになった。さらに2007年に発売された次世代モデル(DE系、「デミオ」として3代目、「Mazda2」として2代目)では欧州市場を意識したコンパクトハッチバックへとコンセプトを変化させ、2014年発売モデル(DJ系、「デミオ」として4代目、「Mazda2」として3代目)ではその方向性を一層深化させた。

2019年5月、マツダは小型車(欧州規格でいうCセグメント)のアクセラを全面改良するのに合わせ、日本国内向けの車名も日本国外市場と同じ「MAZDA3」に変更。以後、他の車種についても国内外で同じ車名を使うことを原則とする(日本国内向けも日本国外市場向けのモデル名に変更する)方針を示し[4]、2019年7月18日にDJ系の一部改良を行った際に、「デミオ」についても日本国外向けと同じ「MAZDA2」に車名を変更したものである[1][5][注釈 1]。この(日本市場向けの)車名変更について、マツダの福原和幸常務執行役員は「(『アクセラ』といった車名ではなく)マツダというブランドで選んでもらうのが目的」「(マツダのSUVモデルである)『CX-3』や『CX-8』の登場でペットネームでなくても抵抗がないお客様も多い」と述べており、マツダのブランド価値の向上を目指したものであることが示唆されている[7]。なお、日本ではマイナーチェンジ時に派生モデルが設定されて車名が一部変更となる事例は複数あるが、フルモデルチェンジを伴わない車名の全面変更はあまり例がないという[8]

3代目(日本向け初代) DJ系(2019年 -)編集

  • 2019年7月18日 - 4代目デミオ(2014年発売開始)をマイナーチェンジ。同時に車名を日本国内向けの「デミオ」から日本国外向けと同じ「MAZDA2」に変更。同日から予約開始[1][9]。同年9月12日に発売開始。
    • 車名変更と併せた一部改良の内容は以下の内容に示すとおりで[9][10]、小幅にとどまる。
      • 2016年の一部改良で投入されたマツダの最新鋭車両統合制御技術である[11]「G-Vectoring Control」(G-ベクタリング コントロール:GVC)の改良版「GVCプラス」を標準装備化。
      • アダプティブクルーズコントロール(ACC)「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」を全車速追従機能付に変更。
      • 「運転席6Wayパワーシート&ドライビングポジションメモリー機能(シート位置/アクティブ・ドライビング・ディスプレイ)」および自動防眩ルームミラーを設定。
      • マツダコネクトはAppleの「CarPlay」、Googleの「Android Auto」に対応する機能を追加。
  • 2020年4月3日 - マツダの創立100周年を記念した「100周年特別記念車」を発表、予約受注を開始(2021年3月31日までの期間限定受注)。発売は6月以降[12]
    • 「15S L Package」と「XD L Package」をベースに、バーガンディのフロアカーペットを装備し、ボディカラーに「スノーフレイクホワイトパールマイカ」を採用。また、フロアマットとフロントフェンダー部には創立100周年記念バッジが装着され、マツダの前身となる東洋工業が創業された際に制定されていた「丸工マーク」と現在のマツダのブランドシンボルマークを重ね合わせたスペシャルロゴをヘッドレストやキーフォブ(キーフォブは100周年専用化粧箱入り)の刻印、センターホイールキャップのロゴに採用。
    • 併せて、「15S 100周年記念仕様車」には、CD/DVDプレーヤー、地上デジタルTVチューナー(フルセグ)、シャークフィンアンテナ(ラジオ用)、セーフティクルーズパッケージが特別装備した。
  • 2020年5月13日 ‐ 特別仕様車「White Comfort」を発売[13]
    • 「15S L Package」、「XD L Package」をベースに、白本革と「グランデュクス(スエード調人工皮革)」、メランジ調を組み合わせたシートを採用。
    • ボディカラーはエターナルブルーマイカ、ディープクリムゾンマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、チタニウムフラッシュマイカ、ソニックシルバーメタリックを除く6色が設定される。なお、本仕様車に設定されているポリメタルグレーメタリックは4月23日より新色として全てのカタロググレードにも設定された。
  • 2020年5月28日 - 特別仕様車「SMART EDITION」を発売[14]
    • 「15S」・「15S PROACTIVE」をベースに、共通でシャークフィンアンテナと360°ビュー・モニターを特別装備したほか、「15S SMART EDITION」にはリアダークガラス、6:4分割リアシート、アドバンストキーレスエントリーシステム、フルオートエアコン、スーパーUVカットガラス(フロントドア)&IRカットガラス(フロントガラス/フロントドア)が、「15S PROACTIVE SMART EDITION」にはスマート・ブレーキ・サポート(SBS)&マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)、レーンキープ・アシスト・システム(LAS)、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)がそれぞれ特別装備された。
  • 2020年12月3日 - 特別仕様車「Black Tone Edition」を発売[15]
    • 「15S PROACTIVE」・「XD PROACTIVE」をベースに、外観はドアミラーとフロントグリルをグロスブラックに変え、16インチアルミホイールにブラックメタリック塗装を採用。ロアバンパーにメッキ加飾が施され、シャークフィンアンテナとマフラーカッターを装備。内装はレッドステッチのシート加飾が施され、エアコンルーバーベゼルにシルバー/ダークレッド、ステアリング・シフトノブ・パーキングブレーキに本革巻を採用。そのほか、MRCC・SBS・LASが特別装備され、AT車にはパドルシフトも装備された。
    • なお、ベース車に装備されているスーパーUVカットガラス(フロントドア)&IRカットガラス(フロントガラス/フロントドア)と運転席&助手席シートヒーターは非装備化される。
  • 2021年6月24日 - 一部商品改良。同時に、特別仕様車「Sunlit Citrus(サンリット シトラス)」を発売[16]
    • 「15S PROACTIVE」・「15S PROACTIVE S Package」・「15S L Package」にて、「SKYACTIV-G 1.5」に斜め燃焼「Diagonal Vortex Combustion(ダイアグナル・ボーテックス・コンバスチョン)」の採用により圧縮比を14.0に高め、WLTCモードによる燃料消費率を向上。これにより、該当グレードの2WD・AT車は「2030年度燃費基準75%達成」となった(「SKYACTIV-D 1.5」搭載車も2030年度燃費基準に対応し、MT車は「2030年度燃費基準75%達成」、AT車は「同60%達成」となる)[17]。また、制御プログラムの変更により、アクセル操作に対する応答性とコントロール性も向上された。
    • 「PROACTIVE」系以上のグレードのAT車には、スマートフォンをコンソールに置くだけで充電が可能なワイヤレス充電(Qi)と簡単な登録操作で次回以降はスマートフォンを取り出さずに自動接続されるApple CarPlayワイヤレス接続をオプション設定に追加。AWD車にはフロントガラスにたまったを取り除きやすくするワイパーデアイサーを標準装備。ボディカラーはチタニウムフラッシュマイカを廃止する替わりに、新色のプラチナクォーツメタリックが追加された。
    • 特別仕様車「Sunlit Citrus」は、「15S PROACTIVE S Package」・「XD PROACTIVE S Package」をベースに、インテリアカラーはグレージュをメインカラーとしてシトラスを差し色に配し、シートにはセーレンの「グランリュクス」を採用。アドバンスキーはカード型となり、インテリアテーマカラーとコーディネートされた2色の専用キーシェルとフロアマットを同梱。アンテナはシャークフィンアンテナとなるほか、「15S Sunlit Citrus」はベースグレードではメーカーオプション設定(「XD S PROACTIVE S Package」は標準装備)となる360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー(センター/コーナー)と自動防眩ルームミラーも特別装備される。
    • 過去に発売された特別仕様車も一部商品改良を受けて継続販売され、「15S White Comfort」・「15S PROACTIVE SMART EDITION」・「15S Black Tone Edition」は「SKYACTIV-G 1.5」が高圧縮比仕様となり、「15S PROACTIVE SMART EDITION」は「15S PROACTIVE Smart Edition II」へ改名。また、「15S PROACTIVE」は6MT専用グレードへ移行された。

欧州向けハイブリッドモデル編集

2021年12月6日、ハイブリッドモデルのMAZDA2 Hybridを2022年春に欧州へ導入することが発表された[18]。MAZDA2 Hybridはマツダとトヨタ自動車との協業の一環として、トヨタ自動車子会社のToyota Motor Europe社を通じ、日本でも販売されているトヨタ・ヤリスのハイブリッドモデルのOEM供給を受け、マツダブランドとして販売するものである。

マツダでは北米向けにヤリスハッチバックとしてトヨタ自動車へOEM供給を行った経緯があり、今回はその反対としてトヨタ自動車からのOEM供給を受けることとなった。

モータースポーツ編集

旧デミオ時代の活動を引き継ぐ形で、2022年現在スーパー耐久に参戦している。ただし「MAZDA2」の車名を使用するのは、バイオディーゼル燃料を使用しST-Qクラスに参戦するMAZDA SPIRIT RACINGのみで、ST-5クラスの車(2チーム3台)は依然として「デミオ」の車名のままである(なお、HM Racersでは「デミオ2」と表記している)。

脚注編集

[脚注の使い方]

注記編集

  1. ^ 同じ理由で中型乗用車(Dセグメント)の「アテンザ」も先行して「MAZDA6」に車名変更されている[6]

出典編集

  1. ^ a b c “「MAZDA2」の予約受注を開始” (プレスリリース), マツダ株式会社, (2019年7月18日), https://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2019/201907/190718a.html 2019年8月12日閲覧。 
  2. ^ 「マツダ・デミオ」が「マツダ2」に車名変更 乗り心地改善などの一部改良も”. webCG. 2019年8月12日閲覧。
  3. ^ デミオのネーミングの由来は?”. 2014年6月19日閲覧。
  4. ^ “マツダ 車名変更で狙う「輸入車化」、もろ刃の剣”. 日本経済新聞. (2019年7月9日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47083240Y9A700C1962M00/ 2019年8月12日閲覧。 
  5. ^ “マツダ「MAZDA2」9月に発売、「デミオ」から改称 安全機能を拡充 (1/2)”. (2019年7月18日). https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1907/18/news091.html 2019年8月12日閲覧。 
  6. ^ “「MAZDA6」の予約受注を開始” (プレスリリース), マツダ, (2019年7月4日), https://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2019/201907/190704a.html 2019年8月12日閲覧。 
  7. ^ 「MAZDA3」に続いて2や6も 数字車名はマツダの価値上げるか”. NEWSポストセブン (2019年7月4日). 2019年8月12日閲覧。
  8. ^ 萩原文博 (2019年7月4日). “マイナーチェンジでシレッと車名を変えていた7車種【マツダ6への車名変更記念!?】”. clicccar. 2019年8月12日閲覧。
  9. ^ a b マツダ、デミオを車名変更『MAZDA2』に。新たなデザインと技術を取り入れ予約受注を開始”. autosport web. 株式会社三栄 (2019年7月18日). 2019年8月12日閲覧。
  10. ^ マツダ、「デミオ」を「MAZDA2」に車名変更し予約受注を開始”. 株式会社インプレス. 2019年7月18日閲覧。
  11. ^ マツダの新車両統合制御技術「GVC プラス」について、車両開発本部 梅津大輔氏に聞く”. 株式会社インプレス. 2019年8月12日閲覧。
  12. ^ “マツダ、「100周年特別記念車」の予約受注を開始” (プレスリリース), マツダ株式会社, (2020年4月3日), https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2020/202004/200403a.html 2020年4月9日閲覧。 
  13. ^ “マツダ、「MAZDA2」 に特別仕様車と新外板色を追加” (プレスリリース), マツダ株式会社, (2020年5月13日), https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2020/202005/200513a.html 2020年5月14日閲覧。 
  14. ^ “マツダ、「MAZDA2」「CX-5」「CX-8」 に特別仕様車を追加” (プレスリリース), マツダ株式会社, (2020年5月28日), https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2020/202005/200528a.html 2020年5月29日閲覧。 
  15. ^ “マツダ、特別仕様車「Black Tone Edition(ブラックトーンエディション)」シリーズを発売” (プレスリリース), マツダ株式会社, (2020年12月3日), https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2020/202012/201203b.html 2020年12月3日閲覧。 
  16. ^ “「MAZDA2」を商品改良し、特別仕様車を追加” (プレスリリース), マツダ株式会社, (2021年6月24日), https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2021/202106/210624b.html 2021年6月24日閲覧。 
  17. ^ MAZDA2 主要諸元・装備 (PDF)”. マツダ株式会社. 2021年6月24日閲覧。}
  18. ^ “マツダ、「MAZDA2 Hybrid」を欧州に導入-トヨタからOEM供給を受け、2022年春から欧州にて販売開始-” (プレスリリース), マツダ株式会社, (2021年12月6日), https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2021/202112/211206a.html 2021年12月7日閲覧。 

関連項目編集

外部リンク編集