ママさんバレーでつかまえて
『ママさんバレーでつかまえて』とは、NHK総合テレビジョンで放送された日本のテレビドラマである。作・演出は西田征史、主演は黒木瞳が務めた。
概要編集
2008年10月4日に「番組たまご 〜トライアル2008〜」の一環として単発ドラマで放送された後、高評価を得たことから2009年に全8話の連続ドラマとして10月11日から同年12月28日にかけて放送された。
観客を入れて収録するシチュエーション・コメディ(シットコム)のスタイルを採る。芝居の稽古から数日後に収録を行い、本番は通常のドラマとは違いノンストップで収録される。舞台の様に最後まで演じきる様子を撮影し放送する。また、最終回は、NHKのドラマとしては1950 - 60年代のテレビ草創期以来、半世紀ぶりの試みとなる生放送で行われた。
アナログ放送では最終回生放送を含めレターボックス14:9で放映された(2010年8月23日 - 27日の集中放送による再放送はレターボックス16:9。但し、近畿地方と福岡県は本番組の再放送は行われなかった。)。
ストーリー編集
北関東にある(という設定の)地元スーパー「スーパー吉田」のバックアップで作られたバレーボールの弱小ママさんクラブチーム「マミーズ」。「筋肉痛を残さない練習量」と「隠し事をしない」がモットーの20代から70代まで幅広い年代のメンバーがそろう、明るく楽しいママさんチーム。
このチームのキャプテンを務める姐御肌の鈴子は、多彩でキャラクターの濃いママさんメンバーたちに決して言えない秘密を持っている。実はひと回り年下でイケメンのコーチ・光太郎とは正真正銘、新婚ホヤホヤの夫婦だということ。光太郎の存在があるだけでバレーボール活動に燃えまくるマミーズメンバーのママさんたちと、決して明かせない秘密を持ったキャプテンとコーチがチームの部室で繰り広げるコミカルな時間。
キャスト編集
“キャッチフレーズ”はオープニングにおける紹介(メンバーのみ)。ちなみに、オープニングの人物紹介は「飛び出す絵本」のような仕掛けであった。
- 藤田鈴子(“キャプテン鈴子”、40歳) - 黒木瞳
- マミーズのキャプテンでポジションはレフト、背番号1。血液型はAB型。メンバーの前では厳しい熱血コーチとして振る舞っているが、光太郎と二人きりになるとべったりしてしまう。光太郎には「ベルちゃん」と呼ばれている。バツイチである。光太郎がメンバーにチヤホヤされると人知れず嫉妬心を燃やす。
- 藤田光太郎(“光太郎コーチ”、28歳) - 向井理
- 鈴子のイケメンな夫。血液型はO型。マミーズのコーチだが、バレーボールは未経験。かつては合唱部(テノール担当)だった。かなり気弱な性格。バレーの知識がないとはいえメンバーを思う気持ちは強い。大学院生で脳のメカニズムを研究している。
旗上げメンバー編集
- マイ(“ヤンママのマイ”、25歳) - 加藤夏希
- ポジションはレフト、背番号5。血液型はB型。夫はイタリア人。一人息子の翼を溺愛している。思い込んだらてこでも動かない頑固者。おむすにゃんの大ファン。
- メグミ(“毒舌のメグミ”、30歳) - 佐藤仁美
- ポジションはセッター、ライト、背番号7。血液型はA型。誰にでも厳しくツッコむ毒舌で、さばさばした性格。夫はケーキ職人の富士夫。
- 花子(“おっちょこちょい花子”、35歳) - 横山めぐみ
- ポジションはライト、背番号4。血液型はO型。噂好き。聞き間違いや思い込みが激しいおっちょこちょいで、光太郎をコーチだと勘違いした張本人でもある。
新規入部者編集
- 柿之本明日香(“お魚売り明日香”、38歳) - 片桐はいり
- ポジションはセンター、背番号10。血液型はB型。鮮魚売り場担当。メンバー唯一の独身。コーチに就任した光太郎に一方的に一目惚れしたため、特別バレーボールに興味はないが入部した。
- 松田聖子(“万引きGメン松田”、51歳) - 五大路子
- ポジションはセンター、背番号11。血液型はA型。男勝りでスーパー吉田の万引きGメンをしており、初対面の光太郎を万引き犯と疑う。夫はスーパー吉田の警備員。
- 根本千代(“おばあさん千代”、70歳) - 京田尚子
- ポジションはスーパーサブ、背番号12。血液型はO型。学生時代の鈴子のバレーボールの恩師であり、本来マミーズのコーチとして要請された人物。しかしメンバーの勘違いで光太郎がコーチ就任。それを知った千代は自ら選手にまわり、選手としてプレーする楽しさに目覚めてコーチ業に興味をなくす。
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スタッフ編集
- 作・演出:西田征史
- 制作統括:吉岡和彦、茂木明彦
- プロデューサー:前畑祥子
- ディレクター:相澤幸一、渡辺資
- 美術デザイン:服部正子
- テクニカルディレクター:鈴木秀明
- 音楽:小林つん太
- 技術:NHKメディアテクノロジー
- 美術:NHKアート
- 制作協力:ファブコミュニケーションズ
- 制作:NHKエンタープライズ
- 著作:NHK
各話内容編集
第0回(単発版)編集
「番組たまご」枠にて2008年10月4日 23:10 - 23:55に放送された(正味42 - 43分)。
メンバー5人が同時に産休に入り、マイ、メグミ、花子、そしてキャプテンの鈴子の4人だけになってしまったマミーズ。加えてスポンサーであるスーパー吉田の社長が、マミーズになにやら話がある様子。廃部の危機を感じた鈴子はチーム強化のため、マミーズにコーチを招聘することを発表するが、コーチは道に迷ってしまう。その上そこへ、メンバーには内緒にしている鈴子のひと回り年下の夫・光太郎が部室にやってきて、メンバーは光太郎のことをコーチだと勘違いする。
第1話編集
光太郎の誕生日、鈴子は人気フランス料理店のディナーを予約した。時間が迫っているので早速出かけようとした矢先、光太郎が誕生日であることを知ったマミーズメンバーがサプライズパーティーを計画し、入念な脚本を練ったりメグミの夫の富士夫にケーキを注文したりする。しかし光太郎に嫉妬する富士夫がケーキを作りたがらなかったり、脚本が凝りすぎていてメンバーが何度も練習したりとなかなかパーティーの準備が進まない。マミーズメンバーにはディナーに行くと言えず、光太郎にはサプライズのことを言えない鈴子は板挟みになってしまう。
- 富士夫(ケーキ職人、メグミの夫):与座嘉秋
第2話編集
- 恐怖のライバルチーム
- 放送日時:2009年10月18日 23:00 - 23:30
光太郎のコーチ就任と、明日香、松田、千代のメンバー加入以来初めての練習試合の日。極度の緊張状態の光太郎を一同は励ますが、当日になって対戦チームが「すずめが丘 パープルレディーズ」だと知った旗揚げメンバーたちまで顔面蒼白に。実は鈴子たちは、パープルレディースをあまりの厳しさゆえに脱退した元メンバーだったのだ。そんなメンバーを元気づけることができず、またパープルレディースのキャプテン兼コーチの山野辺に難癖をつけられたことで自分を責める光太郎に鈴子はあれこれアドバイスする。
第3話編集
- あこがれのヒーローショー
- 放送日時:2009年10月25日 23:00 - 23:30
マイが大ファンであるテレビアニメ『おむすにゃん』の着ぐるみショーがスーパー吉田で開催される。最初に到着した着ぐるみ俳優の安藤アキラは、花子の中学時代の憧れの先輩であった。その爽やかな雰囲気とは裏腹に悪者ウツボックル役なのだが、花子に主人公おむすにゃんの担当だと思い込まれてしまう。しかもアキラ以外の俳優が渋滞にはまり来られなくなったと聞いて、花子はガールフレンドのフラミンコちゃん、マイ・メグミ・光太郎はウツボックルをやりたいと言い出す。その頃、松田が尾行していた万引き常習犯のプリン男が部室の方へ逃げてくる。
- おむすにゃん
- おむすびとネコのハーフである正義の味方おむすにゃん(鈴村健一)が、大泥棒ウツボックル(渡部猛)に毎回襲われるガールフレンドのフラミンコちゃん(後藤邑子)を助ける劇中劇のテレビアニメである。5が付く日の5時55分から5分間放送される設定である。
第4話編集
- 秘密のDVD
- 放送日時:2009年11月1日 23:15 - 23:45
鈴子が『おむすにゃん』を録画したDVDと間違えて、なんと光太郎との結婚式を録画したDVDをマイに貸してしまう。幸いにもマイはそのDVDを部室に忘れたとのことなので、光太郎と2人でスーパー吉田の閉店後に部室へ探しに行くが、マイが言っていた場所にDVDが見当たらない。そこへ同じくDVDを取りに来たマイとメグミ、さらに松田の夫である怖がりな警備員も現れる。一人になりたくない警備員や富士夫と喧嘩中で家に帰りたがらないメグミは、見つかるまでDVDを探し続けると宣言し、鈴子と光太郎はなんとか先に見つけようと奔走する。
- 警備員(松田の夫):志賀廣太郎
- 富士夫(第1回に同じ):与座嘉秋
第5話編集
- 決意の告白
- 放送日時:2009年11月8日 23:40 - 24:10
新入部員の白石今日子を歓迎するマミーズメンバーたちだが、なぜか明日香だけ困り顔。一方、鈴子は前日に駅のホームで光太郎と喧嘩したのを花子に見られたような気がして心配に思っていた。当の花子は、大会の申し込みができなかったことを鈴子に打ち明けられず悩んでおり、マイ・メグミ・松田の3人に謝罪するよう説得されるが、4人がコソコソ話している姿を見た鈴子と光太郎は不安を増幅させる。さらに、今日子は実は明日香の妹であり、明日香が片思いしている光太郎を観察するために見学に来ただけだった。今日子に好みの女性を尋ねられた光太郎は、鈴子との関係がバレないよう、鈴子と正反対の女性を答えるが、それがすべて明日香に合致するものだったため、姉妹は光太郎が明日香に好意を抱いていると誤解し交際へ持ち込もうと躍起になる。
- 今日子(明日香の妹):伊藤麻実子
第6話編集
- 愛のクイズ番組
- 放送日時:2009年11月15日 23:00 - 23:30
沖縄合宿の費用を調達するため、京都のローカル番組『クイズ50の答(とう)』に明日香が解答者として出演することになった。この番組では第5、25、50問目は仲間であるマミーズメンバーが電話でクイズに解答する。全問正解すれば賞金50万円とクルージングのペアチケットがプレゼントされるのだが、もし全問正解したら光太郎が明日香とクルージングデートすることになってしまう。鈴子は合宿をも諦めてなんとか阻止しようとするが、沖縄合宿を熱望するマミーズメンバーは、明日香に宝石を売りにきたというクイズ番組経験豊富なセールスマン・淵を味方につけて本気で全問正解を目指す。
- クイズ50の答
- 放送時間は30分間。その番組名の通り、解答者は全50問のクイズに解答する。このうち第5、25、50問目は、解答者が仲間の元へ電話で出題し、その仲間が30秒以内に解答する。その際出題の繰り返しは禁止。正解するごとに賞金1万円となり、全問正解すれば賞金50万円に加えクルージングのペアチケットがプレゼントされる。ギブアップしたら賞金は半分となり、不正解などで失格になったら賞金はゼロとなる。
第7話編集
- マミーズの結成記念日
- 放送日時:2009年11月22日 23:30 - 24:00
鈴子のおっかけと思しき人物が目撃されたり、自身も隠し撮りをされているのを感じていた中、マミーズは結成3周年の記念日を迎える。その当日、鈴子の湯飲みや笛がなくなるという怪事件が発生する。そこへ現れた元・万引き犯のプリン男が、鈴子のおっかけの正体は自分であること、そして鈴子に恋したことを告白をする。マミーズメンバーは盗難や隠し撮りもプリン男の仕業だと断定し、鈴子は光太郎と結婚していると「嘘」をつく。しかしそれを、相変わらずメグミの浮気を疑う富士夫にまで聞かれてしまう。鈴子と光太郎は結婚を証明するため、本来のふたりと同じようにあらゆる証言をする。しかしその発言内容のあまりのリアルさや、鈴子と光太郎を「奥さん」「旦那さん」と呼ぶ配達員の出現に、マミーズメンバーは訝しがる。そしてついに…。
- 佐藤(鈴子と光太郎と顔見知りの配達員):市川しんぺー
- プリン男(第3回に同じ):古澤裕介
- 富士夫(第1・4回に同じ):与座嘉秋
第8話編集
- 最後の結成記念日
- 放送日時:2009年12月28日 21:15 - 21:55(年末特番として生放送。40分フル放送)
第7話からちょうど1年が経った日、光太郎の仕事の都合で北海道へ引っ越すため、鈴子たちはマミーズを辞めることになってしまった。そんな中、マミーズが見事地区大会で優勝したことを記念して、社長からメンバー達に空き倉庫が新しい部室としてプレゼントされる。着々と荷物の移動が進むなか、鈴子たちは引っ越しのことを言い出すタイミングが掴めない。さらに花子が注文した横断幕のチーム名が間違っていたり、マイが大切にしている『おむすにゃん』の作者のサインを光太郎が汚してしまったり、明日香のパープルレディースへの引き抜き疑惑が浮上したりと、新たなトラブルも次々と発生する。果たして結末は…。
- オープニングナレーション担当:加賀美幸子
備考編集
- 黒木瞳と加藤夏希、それに第2回ゲストの眞野裕子は同クールの『リアル・クローズ』(関西テレビ放送制作)でも共演した。
- 最終回の生放送に先駆けて2009年12月18日及び25日(19日及び26日未明)の『ミッドナイトチャンネル』枠で第0話(単発版)を含む全8話がアンコール放送された(近畿地方は別日程)。
- 第3回の「おむすにゃん」のアニメーション制作者と、第7回・第8回の見合い写真での出演者は山口敦史という同一人物(同番組スタッフ。舞台俳優・演出家)である。
- 最終回では、抽選で選ばれた視聴者の名前が、光太郎役の向井理に呼ばれるというキャンペーンが実施され、『おむすにゃん』の作者という設定でその名前が登場した。
外部リンク編集
NHK総合 日曜日 23:00 - 23:30枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
サラリーマンNEO Season 4
(2009.4.12 - 9.27) |
ママさんバレーでつかまえて
(2009.10.4 - 12.28) |
祝女~shukujo~
(2010.1.10 - 3.28) |