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マラサイ (MARASAI) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ(MS)」の一つ。初出は、1985年放送のテレビアニメ機動戦士Ζガンダム』。

作中の敵側勢力である地球連邦軍特殊部隊「ティターンズ」の量産機で、同部隊に配備された「ハイザック」の発展型。ハイザックと同じく、ジオン公国軍のザクIIに似た外観を持つ。当初は主人公カミーユ・ビダンが所属する反地球連邦組織「エゥーゴ」に配備されるはずだったが、メーカーの政治的判断によってティターンズ側に配備されたという設定。この設定は、制作現場で実際に起こった出来事を基にしている(後述)。

劇中では主に、ティターンズ士官であるジェリド・メサらが搭乗し、カミーユが搭乗するガンダムMk-IIなどのエゥーゴ側MSと交戦する。続編である『機動戦士ガンダムΖΖ』や『機動戦士ガンダムUC』でも、ネオ・ジオン軍やジオン軍残党が独自に入手した機体が登場し、カラーリングや武装が変更された機体もある(後述)。

メカニックデザイン小林誠の原案をもとに、藤田一己がクリンナップを行っている。

当記事では、各メディアミックス作品に登場する派生機の解説も行う。

目次

機体解説編集

諸元
マラサイ
MARASAI
型式番号 RMS-108
(MSA-002, MS-22[1])
所属 ティターンズ
ジオン残党軍
製造 アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 量産機
全高 20.5m[2]
頭頂高 17.5m[2]
本体重量 33.1t[2]
全備重量 59.4t[2]
装甲材質 ガンダリウム合金[2]
出力 1,790kW[2]
推力 12,000kg×3[2]
19,300kg×2[2]
総推力:74,600kg[3]
センサー
有効半径
10,900m[2]
武装 ビーム・ライフル
ビーム・サーベル×2
60mmバルカン砲[4]×2
フェダーイン・ライフル
海ヘビ
搭乗者 ジェリド・メサ
カクリコン・カクーラー
シェリー・ペイジ(『Ζ』Define)
ヤザン・ゲーブル(『Ζ』Define)
ラムサス・ハサ(『Ζ』Define)
サラ・ザビアロフ
ジョナサン(『GUNDAM EVOLVE../13』)
ハビエール(『UC バンデシネ』)
その他 姿勢制御バーニア×8[2]

アナハイム・エレクトロニクス社で開発された、ドムの流れを汲むハイザックの発展型MS[5]。ハイザックは基本性能こそ高いものの、ジェネレーター出力の低さから複数のビーム兵器を併用できない問題点もあったため、その高い生産性と操縦性を継承しつつ、より高性能な機体として開発された[6]。攻撃型MSに分類される本機体は、ガンダリウムγとガンダムMk-IIから得られたムーバブルフレームを取り入れた第二世代MSであり、エゥーゴに提供するために生産されていた[7]

ジェネレーター出力の向上により、ハイザックでは行えなかったビームライフルとビームサーベルの同時使用が可能となっている[5]。また、性能・生産性ともに優れ、ガンダリウムの使用によって機体は軽量化されている[8][注 1]。それに加え、各部構造もハイザックで培われたノウハウが生かされ、汎用性・操縦性に優れる[6]

開発当初、本機体には「MSA-002」のナンバーが予定されていた[9]。しかしながら、エゥーゴの台所事情から高性能な量産機よりも超高性能な決戦兵器が必要とされたことや、ネモなど複数の連邦系量産機がラインに乗っている中で別系統の機体を採用することはジオン公国の二の舞であり、必要が無かった[6]。また、ガンダムMk-IIの強奪によってアナハイム社は連邦軍からエゥーゴと共犯の嫌疑をかけられたため、その追及を回避するために同組織へ無償提供された[10][注 2]その後は正式に量産が開始され、グラナダ基地(登録ナンバー10)が8番目に開発した機体として「RMS-108」の型式番号が与えられた[要出典]

機体構造編集

頭部
頭部にはしころのように首周りを覆う大型の装甲が追加され、ジオン系の指揮官用MSに見られる高性能大型ブレードアンテナが標準装備されている[7]
脚部
小型かつ高性能なスラスターを備え、地上では短時間のホバー移動、月面では恒常的な高速戦闘を可能にする[6]
バックパック
大容量コンフォーマルタンク一年戦争期の高機動型ザクII1機分の推力を発生する高出力スラスターを備えており、重力下でも短時間の飛翔や空中機動が可能となっている[7]

武装編集

ビーム・ライフル
ボウワ社製[11](型式番号:BR-87A[11])。ハイザックと共用のもので、出力2.2MW[2]。本機はジェネレーター出力の向上が図られているため[注 3]、ハイザックと異なり、これらビーム兵器の同時運用が可能である。ゲルググのビーム・ライフルを参考にしている部分が多く[11]、大火力で連射可能という優れた性能をもつ[11]
『Ζガンダム』ではアクト・ザクもこれを携行しており、さらにゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』の「サイドストーリーモード」、およびその漫画版『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』では、一年戦争末期のアクト・ザクもこれに類似したビーム・ライフルを携行している。
ビーム・サーベル
ほかのMSのものと比べて柄が長い。出力0.4MW[2]
60mmバルカン砲
頭部に2門内蔵。ユニットは換装可能で、マイクロ・ミサイル・ポッドも検討されていると言われ[7]近藤和久の漫画版ではこれに近いもの(2連装)を装備した機体が登場する。
シールド
右肩に装備。大型化して2枚で構成され、基部でフレキシブルに可動し、折りたたむことも可能。裏面にはビームサーベルのマウントを持つ[7]。ハイザックにあった左腕用のオプションシールドは廃止されたが、ラッチは両腕に残されている。
スパイク・アーマー
左肩に装備。ハイザックに比べてスパイクが延長されている。
フェダーイン・ライフル、海ヘビ
劇場版に登場する一部機体、およびアニメ版『機動戦士ガンダムUC』でジオン残党軍が使用する機体は、ガブスレイのフェダーイン・ライフルを携行している。後者はライフル後部のビーム・サーベルを銃身を逆手持ちにして槍のように使用しており、さらにハンブラビの海ヘビも携行している。
ビーム・マシンガン
漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ Episode:0』でネオ・ジオン軍残党「袖付き」が使用する機体は、ギラ・ドーガのビーム・マシンガンも携行している。

劇中での活躍編集

第9話で、月のフォン・ブラウン市に入港した巡洋艦アレキサンドリアにアナハイム社から3機が無償で譲渡される。第10話からジェリド・メサカクリコン・カクーラーが搭乗、2機を1機に見せる作戦でカミーユ・ビダンガンダムMk-IIを翻弄するが、見破られ撤退する。第11話のジャブロー降下作戦では、ガンダムMk-IIとの交戦中にカクリコン機がバリュートを破壊され、大気圏で燃え尽きる。第12話ではジェリド機がジャブロー基地内でガンダムMk-IIと交戦、互いのビームの衝突による衝撃波により外壁に激突し、パイロットが脱出した直後に爆発する。

その後は一般兵が搭乗する量産機が多数登場するが、ハイザックと同程度の扱いでしかなく、目立った活躍はない。

機動戦士ガンダムΖΖ』第45話では、ネオ・ジオン軍側の機体として登場。キャラ・スーンの部隊の標準塗装の機体と、グレミー・トト率いる反乱軍所属の灰色に塗装された機体が登場する。

ラプラス紛争時では地上のジオン残党軍によって運用されており、アニメ版『機動戦士ガンダムUC』では濃淡グリーンに塗装された2機が連邦軍トリントン湾岸基地襲撃作戦に参加している。漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、シンブ隊所属のハビエールが搭乗する1機がトリントン基地襲撃に参加するが、バンシィに撃破される。

漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ Episode:0』では、ネオ・ジオン軍残党「袖付き」所属の機体がギラ・ドーガのビーム・マシンガンを装備し、シナンジュ・スタイン強奪作戦に複数参加している。なお、「袖付き」の装飾はされていない。

雑誌・WEB企画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』では、火星のジオン軍残党「レジオン」も鹵獲したマラサイを用いており、レジオンマラサイとも呼ばれる(型式番号:ARZ-108MR)。

漫画『機動戦士Ζガンダム Define』では、マラサイはリック・ディアスの基本構造(ムーバブルフレーム)をもち、装甲形状などを変更したものとされている。コックピットがリック・ディアスと同じく頭部となり、肩部の前後にスラスターが追加された。マラサイの図面を見たクワトロ・バジーナは、リック・ディアスの利点が損なわれており、統合性能では同機に劣ると評している。アレキサンドリアに初期配備された機体のうち、シェリー・ペイジ少佐機は右肩のシールドも左肩同様のスパイクアーマーに変更されたうえ、左腕にハイザック用のシールドを装備している。シェリーの部下2名の機体は頭部のブレードアンテナを除去し、シェリー機を含めた3機全機がティターンズカラーに再塗装されている。また、テスト用にターゲットパターンを描き込まれた試験運用機をヤザン・ゲーブル大尉が運用し、カミーユ・ビダンと交戦して撃破されている。なお、初期生産機の修理金額の請求書を見たバスク・オムはその高額さに激怒して正式な量産機にはかなりのコストダウンを要求し、そのためなら性能低下もやむなしとしている。

その後のMSとの関係
ネオ・ジオン軍のガズアルの初期稿(第1稿であるが、この時点でデザインはほぼ完成している)には、前腕部の増加装甲はマラサイと同型と記述されている[12]
ネオ・ジオン軍のギラ・ドーガ系列とは同じアナハイム社製ということから結びつけられることがあり、ヤクト・ドーガの開発チームはマラサイを担当した旧ジオン系の技術者が中心となっているであろうと推測する資料もある[13]。そのほか、ギラ・ドーガと関連付ける資料もある[14]
漫画『機動戦士ガンダム ジオンの再興』でも、ギラ・ドーガはマラサイの後継機とされている。ただし、本作ではマラサイをネオ・ジオン側で開発した機体としており、型式番号も "MS-108" となっている。
設定の変遷
当初はエゥーゴ側の量産機としてデザインされていたが、「友軍量産機はジム顔、敵軍量産機はモノアイ系で統一しないと、敵味方がわかりにくい」という意見が製作サイド内部から出たため、まもなくティターンズ側の機体に変更された。上記の政治的判断設定は、この実話を参考にしている。
初期設定時の名称は「ドミンゴ」だったが同名の車が存在していたため、まもなく「マラサイ」に変更された[要出典]。なお、マラサイの命名は監督の富野によるもので、その由来は彼以外は知らないとのこと[15]。ファンの間では、前述の設定変更を知ったスタッフの「いまさら…」というつぶやきが変化してマラサイとなったといわれる[16]
ドミンゴという名が設定内で言及されたことはないが、『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』ではエゥーゴが過去にテストしていた機体の1つとしてドミンゴの名が挙げられており(第十二話)、この名称を持った何らかの兵器は存在していたようである。ただし、名前が挙がっているのみであり、形態やマラサイとの関係は語られていない。
ギャプランの初期設定にも同名が見られ、こちらを踏まえた機体がゲームブックに登場したことがある。これについては同機の項を参照。

ロゼット編集

雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場(型式番号:RX-107)。

アナハイム社がハイザックを基に製造した後継発展機。その外見はマラサイに酷似しており、アナハイムにおける実質上の試作機と考えられる。装備にもマラサイと互換性がある。

評価試験用として連邦軍に納入されたが、連邦軍はアナハイムの機体を評価せずT3部隊に送りつけた[17]。その後ジェネレーター出力の高さをティターンズに見初められてTR-4のコアMSとして使用された。基にされたハイザックと腕部・脚部等の換装が容易であり、ダンディライアン時に脚部を換装してビグウィグのブースターを装備したり、腕部・脚部を交換してビグウィグのコアとしてビームキャノンの出力安定をはかるなどが試案された。

なお、雑誌「B-CLUB」2号には、本機同様のハイザックとマラサイの中間機である「RMS-107」の近藤和久によるデザイン画稿が掲載されているが、詳細な設定などは付与されていない。

TR-4[ダンディライアン]編集

大気圏突入モジュール用に開発された機体(型式番号:RX-107)。大気圏突入形態からMA形態、そしてMS形態と状況に合わせて3形態への形状変化[注 4]を行うことが出来る。

背部スペースにMSや折りたたんだロングブレードライフル等の武装を格納することが可能である。戦況によりダンディライアンのパーツを排除しロゼットに戻ることや、大気圏突入形態のまま背部に搭載したMSを固定してのサブフライトシステムとしての運用も可能である。のちのバウンド・ドックの元になった機体とも考えられている。主な武装として脚部クロー(MA時)、ロングビームライフル(MS時)などがある。

ロゼット強化陸戦形態編集

ロゼットに地上用の高速ホバーユニットを装着した形態である。高速制圧戦闘などに効果を発揮する。

地上用ホバーユニット(ホバリング・スカート・ユニット)に搭載されている強力な熱核ジェットエンジンによってホバリング機動を行うことができる。また、ホバーユニットにはミノフスキー・クラフトを搭載する案もあったが、ユニットを小型化することができなかったため、結局ミノフスキー・クラフトの搭載は見送られている。武装としてはキハールとほぼ同型のビームライフルを使用するが、グリップの規格が合わないため、右肩部に大型のマニピュレーター・ユニットが増設されている。

カラバのカムチャッカ基地を強襲する際に使用された。

ロゼット強化陸戦形態(試作プラン)編集

熱核ジェットエンジン搭載型の強化陸戦形態が完成する以前に開発されていたものである。

当初は熱核ロケットエンジン搭載型として計画されていたが、途中で熱核ジェットエンジンを搭載するように仕様変更され、また、「イカロス・ユニット(ヘイズル用の空中機動ユニット)」の開発計画が優先されたことも重なった結果、この熱核ロケットエンジン搭載型はペーパープランのみに終わっている。

グラン-マラサイ編集

GRAN-MARASAI

雑誌企画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:ARZ-108GMr[18])。

火星のジオン軍残党組織「レジオン」が、ロゼット強化陸戦形態のデータを基に開発した機体で、レジオンマラサイの下半身にガンダムTR-6が装備するダイダロス・ユニットのコンセプトを基にしたホバリングスカートユニット「グランユニット」を装着している。火星重力下での高い走破性能を得ており、遠征や地上戦の際に装備される。また、機体の両脇に他のMSを掴まらせ、共に移動することが可能[18]

なお、グランユニットはティターンズ系MSへの汎用性をもち[18]、ハイザックやバーザムに装備することも可能で、その状態はそれぞれグラン-ザックグラン・バーザムと呼ばれる。

レジオンマラサイ編集

雑誌企画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:ARZ-108MR[18])。

レジオンがティターンズ残党より鹵獲したマラサイ。型式番号と、レジオンカラー(赤、黒、白)に塗装されている以外はほぼ原型機と同様である[18]

マラサイキャノン編集

Web企画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に文字設定のみ登場。

汎用規格パーツであるハイザック・キャノンのものと同型のキャノン・パックを、マラサイに装着した中距離支援用の機体。ハイザック・キャノンと同様に、実体弾式キャノン砲やミサイルポッドが装備される[19]

グリフォン編集

近藤和久の漫画版『機動戦士Ζガンダム』に登場(型式番号:RMS-156)。

グリプス戦役後半においてマラサイは旧式化しつつあり、アップグレードしてバーザムのポテンシャルまで引き上げ、性能的な面での延命処置を施した機体である。右肩のシールドはスパイクアーマーに換装され、ビームライフルもより大型のものを装備している。また頭部はモノアイ・タイプからガンダム状のツインアイ・タイプに変更されるなどの改良が施されている。

劇中ではメールシュトローム作戦においてドルク大尉(オリジナルキャラクター)らが搭乗する。

マラサイ改編集

諸元
マラサイ改
MARASAI KAI
型式番号 RMS-108
所属 ティターンズ
生産形態 カスタム機
頭頂高 17.5m[20]
全長 20.5m[20]
本体重量 33.1t[20]
全備重量 59.4t[20]
武装 ビーム・ライフル
ビーム・サーベル
バズーカ
搭乗者 モモコ・キクチ
ミナコ・ホンダ

モデルグラフィックス」の雑誌企画『アイドルスターMS戦記』および書籍『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』に登場。初出は「モデルグラフィックス」1985年10月号[21]

前期生産型のマラサイを基にしたカスタム機で、動力駆動系に問題が存在していた両腕部をハイザックのものへと換装しているほか、センサー有効半径の拡大を目的としたブレードアンテナの大型化、接近戦能力強化のためのシールドおよびスパイクの大型化と背部および脚部バーニアの推力増強、脚部へのドロップタンクの追加などが行われており、これらの改良によって生還率が向上している[20]

ティターンズ第4独立部隊モモコ小隊所属の強化人間であるモモコ・キクチ中尉やミナコ・ホンダ軍曹の乗機であり[21]、本機のカスタムは少尉時代のキクチがマラサイの評価試験を担当した際の要望を受けて行われたものである[22]。キクチ中尉機はジャブロー降下作戦時に撃墜されるも、キクチ中尉は脱出している[21]

マラサイ指揮官タイプ編集

ホビージャパン』1986年2月号が初出で、小林誠によるラフ・スケッチをもとに立体化された(型式番号:RMS-108R)。同誌別冊『MOBILE SUIT Z GUNDAM』に再録され設定が追加された。

マラサイをベースに、高機動化の要望に応えるために試作された機体[23]。バックパックが強化されており、機動性が飛躍的に向上している[23]。これによる燃料消費に対応するため、プロペラント・タンクを2基装備し、結果的に通常型より航続距離が延長されている[23]。武装はメガ・ランチャーを携行し[24]、右肩のシールドは大型化されている[23]

製作された17機のうちジュピトリスに配備された機体は白く塗装され、その戦闘能力からエゥーゴのパイロットの間では「白狼」と呼ばれ恐れられたという[23]

ストライク・マラサイ編集

諸元
ストライク・マラサイ
STRIKE-MARASAI
型式番号 RMS-108(d13)A
所属 地球連邦軍
生産形態 現地改修機
頭頂高 18.5m[25]
全長 20.2m[25]
本体重量 30.3t[25]
全備重量 55.7t[25]
装甲材質 ガンダリウムα[25]
出力 1,790kW[25]
推力 17,000kg×3[25]
12,400kg×2[25]
総推力:75,800kg
センサー
有効半径
11,800m[25]
武装 50mm6連装バルカン・ポッド
クラッカー・ラック
スモーク・ディスチャージャー×5
搭乗者 デグナー・ロメオ
その他 加速及び補助バーニア×10[25]

ホビージャパン」の連載企画『MOBILE SUIT in ACTION ジオンの星』に登場。

マラサイを地上戦用に現地改修した機体で[25]、高速走行による一撃離脱戦法を得意とし、最前線における突撃・撹乱を主任務とする[25]。宇宙空間用のロケット・スラスターを排し、脚部と臀部にホバー走行ユニットを装着、装甲も軽量化が図られている[25]。頭部センサー・ユニットも強化され大型化、索敵性能も大幅に向上している[25]

主兵装の携行火器である50mm6連装バルカン・ポッドは、ガルダ級超大型輸送機の副砲として開発されたものを転用しており、速射性および命中率において最新のビーム兵器をしのぐ性能をもつ[25]。ほかに武装は腰部両側面にクラッカーが5個入ったラックを装着、両前腕部甲にはスモーク・ディスチャージャー5基を内装する[25]。また、左肩のスパイクは特殊鋼製のものに交換され[25]、右肩のシールドは廃されオプショナル・ウェポン・ラックとなっている[25]。塗装は緑を基調とする。

元ジオン公国軍兵士からなる地球連邦軍第13独立機動戦隊「DRAGOON13」のデグナー・ロメオ中尉が搭乗するA型のほか、同隊にはもう1機のA型と、その簡易バージョン(型式番号:RMS-108(d13)B)も6機配備されている[26]。簡易バージョンにはホバー走行ユニットは装備されておらず、ジャイアント・バズを携行する[26]

キリマン・マラサイ編集

ゲームブック『機動戦士ガンダムΖΖ vol.3「エニグマ始動」』に登場。

アナハイム・エレクトロニクス社がエゥーゴ側に転向した際に、マラサイのデータが連邦軍およびティターンズ側に残らなかったことを受け、残されたマラサイの機体を基にして連邦軍が開発した機体。単に「マラサイ」と呼ばれることも多い。第一次ネオ・ジオン抗争後の時点では旧式機とされている。

宇宙世紀0089年にティターンズ残党がウェールズで起こしたクーデターの際に、ティターンズ残党によって使用された。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 資料によってマラサイの装甲材はガンダリウムγであるとされる[7]。また、ティターンズに提供されたマラサイの装甲材は「ガンダリウム・アルファ系合金」とするものもある[9]
  2. ^ なお、無償提供された機体は一次生産分とした資料もみられる[7]。また、本機の譲渡により、それに採用されていた装甲技術は連邦軍やティターンズにも漏洩した[10]
  3. ^ プラモデル『HGUC マラサイ(ユニコーンver)』の機体解説では、出力の向上によってEパックの複数携行を必要とせず、収納スペースを確保していないとされる。
  4. ^ 後の可変MS・MAとは異なり、基本的に一度形態を変更すると前の形態に戻ることを考えられていないため、この機体のシステムは「形態変化(いわゆる可変型)」ではなく「形状変化」と表記される。

出典編集

  1. ^ 『サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ』より。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム』近代映画社、1985年8月、103頁。
  3. ^ 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART3』近代映画社、1986年4月、84頁。
  4. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1988年3月、50-51頁。(ISBN 978-4891890186)
  5. ^ a b 『1/144 マラサイ』バンダイ、1985年7月、組立説明書。
  6. ^ a b c d 『HGUC 1/144 マラサイ』バンダイ、2005年1月、組立説明書。
  7. ^ a b c d e f g プラモデル「マラサイ」説明書, 1/100スケールモデル MG, バンダイ, (2012年5月) 
  8. ^ 『データコレクション 機動戦士Zガンダム 上巻』角川書店、1997年6月、12-13頁。ISBN 978-4073063025
  9. ^ a b 『1/144 ネモ』バンダイ、1985年8月、組立説明書。
  10. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、38頁。(ISBN 978-4891890186)
  11. ^ a b c d 『旭屋出版アニメ・フィルムブック1 機動戦士Ζガンダム PART1』旭屋出版、1999年1月、203頁。(ISBN 978-4751101483)
  12. ^ 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月25日、85頁。
  13. ^ 『ニュータイプ100%コレクション10 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』角川書店、1988年5月1日、56頁。
  14. ^ 『ガンダムMS列伝』PHP研究所、2008年7月、194-195頁。(ISBN 978-4569670560)
  15. ^ 『機動戦士Ζガンダム 完全収録』学研パブリッシング、1986年3月、2010年7月(復刻版)、91頁。(ISBN 978-4056060249)
  16. ^ 『機動戦士ガンダムの常識モビルスーツ大全Ζ&ΖΖ&逆シャア編』双葉社、2009年7月、60頁。(ISBN 978-4575301502)
  17. ^ 『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに Vol.3』メディアワークス、2005年1月、70頁。(ISBN 978-4840229272)
  18. ^ a b c d e 『電撃ホビーマガジン』2015年4月号、KADOKAWA、11-12頁。
  19. ^ A.O.Z Re-boot Vol.44 トランスパックバリエーション - 電撃ホビーウェブ、2017年12月13日、2017年12月17日閲覧。
  20. ^ a b c d e 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1988年、104頁。ISBN 978-4-499-20525-2
  21. ^ a b c 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1988年、138頁。ISBN 978-4-499-20525-2
  22. ^ 『モデルグラフィックス』1985年10月号、74・75頁。
  23. ^ a b c d e 『月刊ホビージャパン5月号別冊 Modeler's Material Series5 DX Version MOBILE SUIT Z GUNDAM』1986年、143頁。
  24. ^ 『ホビージャパン』1986年2月号。
  25. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『ホビージャパン』1986年9月号、86頁。
  26. ^ a b 『月刊ホビージャパン12月号別冊 Modeler's Material Series:9 機動戦士ガンダムΖΖ “モビルスーツ・イン・アクション”』1986年、34頁。

関連項目編集