マルクス・アエミリウス・スカウルス

マルクス・アエミリウス・スカウルスラテン語: Marcus Aemilius Scaurus、紀元前163年頃 - 紀元前89年)は、紀元前115年の執政官であり、共和政ローマにおいて最も有能で有力な政治家の1人とされている。

マルクス・アエミリウス・スカウルス
M. Aemilius M. f. L. n. Scaurus
スカウルスと思われる大理石像
出生 紀元前163年頃
死没 紀元前89年
出身階級 パトリキ
氏族 アエミリウス氏族
官職 神祇官紀元前123年~89年)
上級按察官紀元前122年頃)
法務官紀元前119年
執政官紀元前115年
プリンケプス・セナトゥス紀元前115年-89年)
レガトゥス紀元前112年-111年)
ケンソル紀元前109年
ユグルタ収賄調査委員会(紀元前109年)
穀物供給責任者(紀元前104年)
レガトゥス紀元前93年?)
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出自編集

スカウルスの属するアエミリウス氏族は、古代の歴史家によると、ローマで最も古い家系とされている[1]。最古の18部族の一つが、この氏族名を名乗った[2]。その祖先はピタゴラス[1]、あるいは第二代ローマ王ヌマ・ポンピリウス[3]ともされる。プルタルコスが引用している一説ではアイネイアースラウィーニアの間の娘がアエミリアで、初代ローマ王ロームルスを生んだとしている(通説ではレア・シルウィアが母)[4][5]

氏族からは紀元前484年ルキウス・アエミリウス・マメルクス以来、多くの執政官が出ている。しかし、スカウルスの生家は裕福ではなかった。生活を維持するため、父は炭の業者となった。しかしスカウルスは(元老院議員は商売に規制がされていた)、政治家として活動を開始した。

経歴編集

スカウルスの「クルスス・ホノルム」の出発点として、彼はまずヒスパニア地方のトリブヌス・ミリトゥム(高級幕僚)となった。次にアエディリス・クルリスとなって公の競技の責任者となり、紀元前120年にはプラエトルとなった。同年、元老院の第一人者(プリンケプス・セナトゥス)に推薦され、元老院で承認されている。紀元前115年、マルクス・カエキリウス・メテッルスと共に執政官に選ばれた。

紀元前115年ごろはユグルタ戦争の準備段階の時期であり、歴史家ガイウス・サッルスティウス・クリスプスによればユグルタは元老院に多額の賄賂を送り、自分に有利な決定がなされるよう誘導していたという。その不道徳さを説明するため、サッルスティウスはスカウルスの性格について次のように記している。

一方で、裕福さよりも正義と公正が重要と考える少数の人々は、アドヘルバルに援助を与えヒエンプサル殺害について厳しく追及すべきだとした。その中でもアエミリウス・スカウルスは目立っており、エネルギーと権力欲と名声欲にあふれた貴族であり、自らの過ちを隠す賢さを持っていた。王(ユグルタ)が賄賂を贈ったとき、スカウルスはこれが露見すれば一般民衆の憤慨を引き起こすだろうと考え、習慣的な貪欲さを抑制した。 — Bellum Jugurthinum, I. 15

元老院のリーダーとして、彼は外国の王との争いを解決するためにしばしば外国に赴いた。紀元前109年、マルクス・リウィウス・ドルスス と共にケンソルに選ばれたが、翌年ドルススが亡くなり、ケンソル職も交代になった。ケンソルとしてアエリミア・スカウリ街道の建設を命じ、いくつかの橋を修復した。紀元前104年、穀物価格が上昇したため、元老院の命令によりオスティア・アンティカの穀物供給担当クァエストルと交代した。穀物供給はローマの生命線であり、これは非常に重要な役職で、最も信頼できる人物だけが任命された。スカウルスは政治家としては元老院の保守派貴族のリーダーを長年務めた。

彼の2度目の妻カエキリア・メテッラ・ダルマティカ英語版は、後にルキウス・コルネリウス・スッラの3度目の妻となっている。この結婚で次の2人の子供が生まれた。

脚注編集

  1. ^ a b プルタルコス対比列伝アエミリウス・パウルス』、2
  2. ^ Klebs E. "Aemilius", 1893, s. 543.
  3. ^ プルタルコス『『対比列伝:ヌマ・ポンピリウス』、8.
  4. ^ プルタルコス対比列伝ロームルス』、2
  5. ^ Klebs E. "Aemilius", 1893 , s. 544.

参考資料編集

古代の資料編集

研究書編集

  • Klebs E. "Aemilius" // Paulys Realencyclopädie der classischen Altertumswissenschaft. - 1893. - Bd. I, 1. - Kol. 543-544.
  • The Chronicles of the Roman Republic - Philip Matyszak

関連項目編集

公職
先代:
クィントゥス・ファビウス・マクシムス・エブルヌス
ガイウス・リキニウス・ゲタ
執政官
同僚:マルクス・カエキリウス・メテッルス
紀元前115年
次代:
マニウス・アキリウス・バルブス
ガイウス・ポルキウス・カト
先代:
ルキウス・カエキリウス・メテッルス(ディアデマトゥスまたはダルマティクス
グナエウス・ドミティウス・アヘノバルブス
紀元前115年 LXII
監察官
同僚:マルクス・リウィウス・ドルスス
紀元前109年
次代:
クィントゥス・ファビウス・マクシムス・エブルヌス
ガイウス・リキニウス・ゲタ
紀元前108年 LXIII