マル勝PCエンジン

日本の雑誌

PCエンジン』(まるかつぴーしーえんじん)は、角川書店が刊行していたNECホームエレクトロニクスの家庭用ゲーム機・PCエンジン専門ゲーム雑誌

沿革 編集

マル勝ファミコン』の姉妹誌として1988年11月29日に創刊(同日、小学館も『月刊PCエンジン』を創刊している)。両誌は『マル勝ファミコン』が発行していたクーポン券「MAC(Marukatsu Attack Card)」を共通発行するなど、他社の機種別ゲーム雑誌と比べても特に強い結び付きが有った。

また読者参加型ゲームファージアスの邪皇帝』や『女神スタジアム』のコーナーも連載していた。

1990年8月号より、それまで誌上でイラストを担当していたイラストレーターの佐々木晃(TONG KING SHOW)が表紙デザインを行うようになり、1993年1月号まで毎号表紙のデザインを担当していた。

雑誌の終焉とその後 編集

編集を担当していた角川メディアオフィスの社員が一斉に退社して独立し、メディアワークス(現・KADOKAWAアスキー・メディアワークス事業局)を設立(いわゆる角川お家騒動)して、1992年12月に『電撃PCエンジン(のちの『電撃G'sマガジン』→現在の『LoveLive!Days』)』を創刊。当雑誌のイラストレーターを担当していた佐々木もそのままスライドで移籍する形で表示デザインを担当することになる。このため存続が危ぶまれたが、外部の編集プロダクションのマイクロデザイン第2編集部により編集が続けられた[1]。追い打ちをかけるように『電撃PCエンジン』が事実上の『女神スタジアム』リニューアル企画である『女神天国』を開始したことなどもあり、それまでの連載はほとんど打ち切られ、読者もほとんど総ざらえに近い形で持って行かれ部数は低迷。1994年1月30日(月刊PCエンジン最終号と同日)発売の3月号で休刊し5年2ヶ月の雑誌の歴史に幕を閉じた。ちなみにその後に続く電撃G'sマガジン1999年2月号まで佐々木がデザインするキャラクターが毎号表紙を飾っていた。

連載作品 編集

読者参加企画 編集

  • 水晶の王者(ゲームデザイン : 遊演体、シナリオ : 小泉雅也、絵 : 中村博文): 1989年1月号 - 1989年9月号
  • 黄昏狩人〈トワイライト・ハンター!〉(シナリオ : 姫崎せりか、絵 : 内田美奈子): 1989年11月号 - 1990年7月号(奇数月掲載)
  • さまよえる白金宮〈プラチナム・パレス〉(ゲームデザイン : 遊演体、シナリオ : 小泉雅也、絵 : 中村博文): 1989年12月号 - 1990年8月号(偶数月掲載)
  • ガイナウォーズ(企画・原案 : G/F PROJECT、システムデザイン・プログラム : ヒューマン、コミック : 高長歩): 1990年12月号 - 1991年12月号(偶数月掲載)
  • ファージアスの邪皇帝(企画・原案 : G/F PROJECT、システムデザイン・プログラム : ヒューマン、コミック : 薄葉士郎、絵 : 立神洋子・足立光): 1991年1月号 - 1992年1月号(奇数月掲載)
  • 女神スタジアム(キャラクターデザイン : 好実昭博・宮須弥、文芸 : きくたけ): 1992年5月号 - 1993年1月号
  • 大気圏突破アストロチャレンジ(監修 : 桐生那智、企画 : 楠原笑美・上原尚子・阪本良太・祥海、イラスト : 小林吏人・後藤隆之、制作 : GLAMS): 1993年2月号 - 1993年4月号
  • 宮廷狂想曲 ぷるぷるラプソディ(企画 : 菊池たけし、絵 : 桧月いかる・紗川麻理・思いあたる): 1993年3月号 - 1994年3月号
  • ブルーフォレスト神話(原作 : 伏見健二、絵 : 佐々野悟・相沢美良): 1993年4月号 - 1994年3月号

小説 編集

漫画 編集

  • ムッシュ・ゴリグリ鈴木・ド・ヤコペッティの優雅な生活(作 : しろー大野): 1989年9月号 - 1992年12月号
  • ロードス島戦記 ファリスの聖女(作 : 山田章博): 1991年6月号 - 1993年12月号
  • 正義の妖精 繁盛記(作 : 雛あびる): 1993年2月号 - 1993年11月号
  • イース 太陽の仮面(作 : 奥田ひとし): 1993年3月号 - 1994年3月号
  • RPGしませぅ(作 : フクちゃん): 1993年3月号
  • 爆裂ダイナマイトボディ(作 : 藤窪ひゃっほう): 1993年5月号

マル勝メガドライブ 編集

1992年より『マル勝PCエンジン』(同誌の休刊後は『マル勝スーパファミコン』)増刊として刊行された隔月誌。『電撃メガドライブ』よりも刊行時期は長かったが、1994年3月に休刊。

出典 編集

  1. ^ 『ゲームラボ』2010年10月号、三才ブックス、p.127