半島マレーシア

マレー半島のマレーシア領部分と同半島周辺の島々から構成されている区域
マレーシア半島部から転送)

座標: 北緯4度0分 東経102度30分 / 北緯4.000度 東経102.500度 / 4.000; 102.500

半島マレーシアマレー語: Semenanjung Malaysia)はマレーシアの一部で、マレー半島のマレーシア領部分と同半島周辺の島々から構成されている区域である。面積は130,598平方キロメートル (50,424 sq mi)[1]。北側ではタイ王国と陸路で国境を接しており、南側ではシンガポールと国境を接している[2]。また、東マレーシアと対比して西マレーシアMalaysia Barat)とも呼ばれている[3]

半島マレーシアの地図

マラッカ海峡を挟んで西側にはインドネシア領のスマトラ島が、南シナ海を挟んで東側には東マレーシア、あるいは島嶼マレーシアと呼ばれるボルネオ島北部が存在している。

半島マレーシアにはマレーシアの人口の約8割が居住しており、2015年でその人口は約2500万人である[4][5]

行政区画 編集

半島マレーシアは11の州と2つの連邦直轄領によって構成されている[6]

名称 編集

 
半島マレーシアの地図

マレーシアとは「『ムラユ』の国」の意味だが、この「ムラユ」(Melayu)という言葉自体は、サンスクリット語で「山脈のある土地」を意味する「マラヤドヴィパ (Malayadvipa)」を語源としている[7]。これがマラヤに転じてスマトラ島の似た名称の河川の名前となって著名となり、東インド諸島周辺を指し示す語として広まった[8]。1963年にマレーシアがマラヤ連邦北ボルネオ英領サラワクシンガポールが合併して成立。この時にはフィリピンもかつてマレーシアと呼ばれていた地域であったためにマレーシアの名称を使うか考えたという[9]

半島マレーシアは西マレーシアあるいはマラヤとしても知られていた[10][11]。使用頻度としては半島マレーシアが多く、西マレーシアの語は東マレーシアと別の国家であるかのように思われるため、マラヤの語はイギリス領時代の意味合いも含むためにあまり用いられなくなった。しかしながら、どの呼称も間違ったものではなく、マラヤの語も現在でも行政機関名などに見られ、例えばマラヤ高等裁判所マラヤ大学マレー鉄道英語: Malayan Railwayマレー語: Keretapi Tanah Melayu)をあげる事が出来る。なおマラヤの語には1965年に独立したシンガポールも含まれるが、マラヤの州(States of Malaya)の語にはシンガポールは含まれない。

昨今でのマラヤの語の使われ方としては冗談めかしながら使われる事がほぼ全てで、Gempar satu Malaya!(全マラヤが震撼!)のように用いられる[12]

地勢 編集

半島マレーシアの住民の多数はマレー人によって占められ、宗教はイスラム教が多い[13]。しかし、華人インド系の人口も多い。また、先住民族としてオラン・アスリが挙げられる。

その他 編集

 
ランドサット画像

東海岸と西海岸 編集

マレーシアにおいて東海岸とは、南シナ海に面したクランタン州、パハン州、トレンガヌ州を示し、すなわち東海岸地域と同一の地域をいう[6]。それに対して西海岸の語には半島マレーシアの残り全ての州と連邦直轄領が含まれ、北部地域、中部地域、南部地域を合わせた3地域の事を示している[14]。なお、ジョホール州は南シナ海にも面しているが東海岸に含まれる事はない。また、シンガポールを含める場合は西海岸に分類される。

東マレーシアと西マレーシア 編集

東マレーシアと西マレーシアは、元々マラヤ連邦の成立以前から隔たりのある領域であるため、地理的な範囲を越えて顕著な差異がある。東マレーシアは裁判制度も異なる他、東マレーシアの州は本来のマラヤ諸州よりも高度な自治を有し、例えば、行き来する際にはイミグレーションで旅券の提示を求められる。これらの東マレーシアの独自の権利は、サラワク州の場合は18点合意サバ州の場合は20点合意を締結したことによって、与えられたものである。

脚注 編集

  1. ^ Laporan Kiraan Permulaan 2010”. Jabatan Perangkaan Malaysia. p. 27. 2010年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月24日閲覧。
  2. ^ Peninsular Malaysia. http://www.travelfish.org/region/malaysia/peninsular_malaysia. 
  3. ^ Location”. Malaysia Travel.org.uk. 2010年7月7日閲覧。
  4. ^ Chart 3: Population distribution by state, Malaysia, 2010” (PDF) (Malay, English). Population Distribution and Basic Demographic Characteristics 2010. Department of Statistics, Malaysia. p. 2 (p. 13 in PDF). 2015年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月13日閲覧。
  5. ^ Population by States and Ethnic Group”. Department of Information, Ministry of Communications and Multimedia, Malaysia (2015年). 2015年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月12日閲覧。
  6. ^ a b Malaysia Regions. http://www.2malaysia.com/states.htm. 
  7. ^ Himansu Bhusan Sarkar (1970). Some contributions of India to the ancient civilisation of Indonesia and Malaysia. Calcutta: Punthi Pustak. p. 8.
  8. ^ Abdul Rashid, Melebek; Amat Juhari, Moain (2006), Sejarah Bahasa Melayu ("History of the Malay Language"), Utusan Publications & Distributors, pp. 9–10, ISBN 967-61-1809-5 
  9. ^ Sakai, Minako (2009). Cao, Elizabeth; Morrell. eds. Regional Minorities and Development in Asia. Routledge. p. 124. ISBN 978-0-415-55130-4. http://www.sabrizain.org/malaya/library/connections.pdf 
  10. ^ Mohamed Anwar Omar Din (2012年). “Legitimacy of the Malays as the Sons of the Soil”. Canadian Center of Science and Education. pp. 80–81. 2016年11月17日閲覧。
  11. ^ Reid, Anthony (2010). Imperial alchemy : nationalism and political identity in Southeast Asia. Cambridge University Press. p. 95. ISBN 978-0-521-87237-9 
  12. ^ Hikmah, kelaziman jodoh tidak kesampaian
  13. ^ Some aspects of Malay-Muslim Ethnicity in Peninsular Malaysia. (June 1981). JSTOR 25797648. 
  14. ^ The west coast Guide”. Rough Guides. 2016年11月17日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

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