マーク・スノウ(Mark Snow、1946年8月26日生まれ)は、アメリカ合衆国映画テレビドラマ向け音楽劇伴)の作曲家

マーク・スノウ
Mark Snow
生誕 マーティン・フルターマン(Martin Fulterman)
(1946-08-26) 1946年8月26日(77歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク
配偶者 グリン・デイリー(Glynn Daly)
(1967年 - ) - 3子あり
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来歴 編集

ニューヨーク市生まれ、ブルックリン育ちで、The High School of Music & Art(1964年)、ジュリアード学院を卒業[1]New York Rock & Roll Ensembleの創設メンバーの1人である。

作曲は全てコンピュータ上で行っており、通常の楽器では出せないさまざまな音も使用する[1]2010年末現在、1970年代に発売されたシンクラヴィアというシンセサイザーを使用している[1]

彼の作曲による楽曲のうち最も良く知られているのはSFホラードラマ『Xファイル』のテーマ音楽である。同曲は1996年3月にイギリスでシングルCDとして発売され、全英シングルチャートで最高2位を記録した。

なお、『Xファイル』のテーマ曲にかかっているエコーは偶然の産物だが、その真相には少なくとも2つの説がある。スノウは同曲を何度も作り直していたが、番組の原案・監督・脚本・製作総指揮のクリス・カーターが「何かが足りない」と、なかなか満足してくれなかった。カーターが部屋を出た後、スノウは苛立ちをキーボードにぶつけたが、ちょうど叩いた場所にその音が入っていたという[2]。しかし、この件について、スノウ本人がジュリアード学院の学生たちに語ったところによると、「何かを考えていて、たまたま肘がキーボードに当たった時にエコーがかった音が出た」ということである[1]

その他、BGMを作曲した作品には、『ミレニアム』(製作:クリス・カーター)、『ダーティ・ピクチャー 禁断の写真英語版』(ショウタイム局のテレビ映画2000年)、『ヤング・スーパーマン』『One Tree Hill』などのテレビ作品、『Syphon Filter: Dark Mirror』『Urban Assault』(後者はカットシーンのみ)などのテレビゲーム作品がある。

マーク・スノウは、34のASCAP賞を受賞し[1]、19のエミー賞にノミネートされている。また、アラン・レネ監督のフランス映画『Cœurs』でセザール賞にノミネートされた。同監督の映画『風にそよぐ草』(英題:Wild Grass)の音楽も担当した。

2011年から2012年にかけては、『HUNTERS ハンターズ英語版』、『Vous n'avez encore rien vu』(英題:You Ain't Seen Nothin' Yet!、監督:アラン・レネ)、『Just Like Her』の音楽を担当。

私生活 編集

1967年に結婚したグリン・デイリーとの間に3人の子供がいる。グリンは、女優タイン・デイリーおよび俳優ティム・デイリーの姉妹である。

音楽担当作品 編集

テレビ番組 編集

など。

テレビ番組・テレビ映画(一部のみ担当) 編集

番組
原題
備考 CD
1976 透明人間ジェミニマン "Sam Casey, Sam Casey" でリー・ホルドリッジ英語版と共同作曲。 なし
1976 刑事スタスキー&ハッチ
Starsky and Hutch
第3シーズン・オープニングテーマ曲の編曲を含む合計15話。 なし
1979 240-Robert 部分的に担当:
"Double Trouble"(第1シーズン)
"Earthquake"(第1シーズン)
"A Cool Welcome"(第2シーズン)
"First Loss"(第2シーズン)
"Hostages"(第2シーズン)
なし
1979 Brothers and Sisters 担当エピソード:
"Pilot"
"High Time"
"Man in Chains"
"Mirror Image"
"Made in Japan"
"A Wrenching Problem"
"Lucky Me"
"Love and Marriage"
"Spring Vacation"
"Save the Monkey"
"Main Event"
"Truth or Consequences"
なし
1980 When the Whistle Blows 部分的に担当。 なし
1982 パトカーアダム30 TJ Hooker 第1シーズン全話(5話)を含む合計12話。 なし
1983 Lottery! 担当エピソード:
"Being a Winner"(パイロット版
"Los Angeles: Bigger Volume" (1.2)
"Denver: Following Through" (1.3)
"Portland: Treasure Hunt" (1.6)
"Chicago: Another Chance" (1.12)
"Miami: Sharing" (1.14)
"St. Louis: Win or Los" (1.15)
"Minneapolis: Six Months Down" (1.17)
その他は主にケン・ヘラーが担当。ナン・シュワルツ英語版(第5話)とリーランド・ボンド(第10話)も各1話担当。
なし
1986 Bridges Go Cross 部分的に担当。 なし
1986 The Girl Who Spelled Freedom テレビ映画 なし
1990 Pee Wee's Playhouse 担当エピソード:
"Camping Out"
"Conky's Breakdown"
"Love That Story"
この番組のキューが1曲、アルバム『The Snow Files』にボーナスとして収録されている。
1曲のみ
1991 オール・トゥゲザー・ナウ All Together Now 部分的に担当:
"Daddy Cool"(パイロット版)
なし
1992 The Last P.O.W.? The Bobby Garwood Story テレビ映画 なし
2010 to 2012 ブルーブラッド 〜NYPD家族の絆〜 Blue Bloods 部分的に担当:
"Mercy" (2.1)
"Collateral Damage" (2.21)
第2シーズンの全エピソード。第1シーズンでは主にロブ・シモンセンが担当。
なし
2011 to 2012 リンガー 〜2つの顔〜 Ringer 担当エピソード:
"The Poor Kids Do It Everyday" (1.6)
"Oh Gawd, There's Two of Them?" (1.7)
"Maybe We Can Get a Dog Instead?" (1.8)
"Shut Up and Eat Your Bologna" (1.9)
"That's What You Get for Trying to Kill Me" (1.10)
"It Just Got Normal" (1.11)
"What Are You Doing Here, Ho-Bag?" (1.12)
"It's Easy to Cry When This Much Cash is Involved" (1.13)
"Whores Don't Make That Much" (1.14)
"P.S. You're an Idiot" (1.15)
"You're Way Too Pretty to Go to Jail" (1.16)
"What We Have Is Worth the Pain" (1.17)
"That Woman's Never Been a Victim Her Entire Life" (1.18)
"Let's Kill Bridget" (1.19)
"If You’re Just an Evil Bitch Then Get Over It" (1.20)
"It's Called Improvising, Bitch!" (1.21)
"I’m the Good Twin" (1.22; season finale)
オープニングテーマ曲、エンディングテーマ曲、および最初の5話のBGMはガブリエル・マンが担当。
なし

ゲーム 編集

サウンドトラック・アルバム 編集

以下、特に断りのない限り、CD

一般販売 編集

  • Skateboard(1978年) - LPレコードのみ。
  • The X-Files: The Truth and the Light(1996年) - 第1-第3シーズン分
  • 20,000 Leagues Under the Sea(1997年)
  • Disturbing Behavior(1998年)
  • The X-Files(1998年) - 劇場映画版第1作より。
  • Crazy In Alabama(1999年)
  • The Snow Files(1999年) - コンピレーション・アルバム
  • UFO: The Truth Is Here(2001年) - レアCD。
  • The Best of MillenniuM(2002年) - 第1-第3シーズン分。iTunes限定。
  • Helter Skelter(2004年)
  • Dark Skies(2006年) - パイロット版より。限定盤。発売元はPerseverance Records。
  • Coeurs(別名:Private Fears in Public Places)(2008年)
  • MillenniuM - 第1-第3シーズン分。2枚組。発売元はLa La Land Records。廃盤。
  • The X-Files: I Want to Believe(2008年) - 劇場映画版第2作より。
  • Jake Speed(2009年) - 発売元はBuySoundtrax Records。かつてヴァレーズ・サラバンド・レコーズから出ていたLPレコードをリマスターしたもので、収録内容は同じ。
  • Conundrum(2009年)
  • Harsh Realm/The Lone Gunmen(2010年) - 両番組から抜粋。1枚組。La La Land Recordsより限定販売。
  • The X-Files Volume 1'(2011年) - 全シーズンから抜粋。4枚組。La La Land Recordsより限定販売。
  • The X-Files Volume 2'(2013年・第1四半期予定) - 全シーズンから抜粋。4枚組。La La Land Recordsより限定販売。
  • Smallville: Score From The Complete Series(2012年4月17日) - MP3ダウンロードのみ。
  • Smallville: Deluxe Edition Soundtrack[4](2012年8月28日) - 2枚組。ディスク1にはMP3アルバム収録曲(ルイス・フェブレ作曲)、ディスク2にはスノウとフェブレによる未発売曲を収録。La La Land Recordsより3000セット限定販売。

非公式または非一般向け 編集

  • Ernest Saves Christmas(1988年) - 宣伝用CD
  • Millennium: Season 1(1996年) - 宣伝用CD
  • Night Sins (TV mini series)(2010年)- BSX Recordsより1000セット限定販売。
  • The Dancing Cow(2010年)- 公式サイトからの無料ダウンロード(サイトはすでに閉鎖)。
  • Pearl Harbor II: Pearlmageddon(2001年)- 公式サイトからの無料ダウンロード(サイトはすでに閉鎖)。
  • Ghost Whisperer: Leap Of Faith(2009年)- ファンに個人的に贈呈。

脚注 編集

  1. ^ a b c d e Settling Scores: Composer Mark Snow Gives Students Tips”. The Juilliard Journal Online (2011年2月号). 2012年10月26日閲覧。
  2. ^ 『Xファイル』の第1シーズンDVDボックス(北米盤)の特典映像『Behind the Truth』より。
  3. ^ マーク・スノウがBGMを担当したのは第7シーズンまで。途中から一部のBGMを作曲していたルイス・フェブレ英語版が、第8シーズン以降、単独で引き継いだ。
  4. ^ Smallville: Deluxe Edition (2012) Soundtrack Soundtrack.net. 2012年10月26日閲覧.

外部リンク 編集