マーベル・エンターテインメント
マーベル・エンターテインメント(英: Marvel Entertainment, LLC)は、アメリカ合衆国のエンターテインメント企業。1998年にマーベル・エンターテインメント・グループとトイ・ビズの合併によって設立され、2009年からはウォルト・ディズニー・カンパニーの完全子会社である[1][2]。
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![]() ニューヨーク市アベニュー・オブ・アメリカス1290番地の本社 | |
現地語社名 | Marvel Entertainment, LLC |
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以前の社名 | マーベル・エンタープライズ(1998年 – 2006年) |
種類 | 子会社 |
業種 | エンターテインメント |
事業分野 | 実写・アニメーション |
設立 | 1998年6月2日 |
創業者 | マーティン・グッドマン |
本社 | 、 |
拠点数 |
![]() ニューヨーク州、カリフォルニア州、フロリダ州 ![]() ロンドン |
事業地域 |
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主要人物 |
スタン・リー アイザック・パルムッター(会長兼最高経営責任者) ダン・バックリー(社長) |
製品 |
実写映画 アニメーション コミック |
ブランド | アメリカン・コミックス(マーベル) |
所有者 | ウォルト・ディズニー・カンパニー(100%) |
従業員数 | 200人 - 500人(2019年) |
親会社 | ウォルト・ディズニー・カンパニー(100%) |
子会社 |
マーベル・コミック マーベル・ゲームズ マーベル・ワールドワイド マーベル・アンリミテッド |
ウェブサイト | https://www.marvel.com/ |
概要 編集
マーベル・コミックの親会社として、マーベル・エンターテインメント・グループとトイ・ビズが合併する形で1998年に設立された。マーベル・コミックを初め、マーベル・アニメーションやマーベル・スタジオ、マーベル・TV・スタジオ、マーベル・ゲームズなどを傘下に収めている。
2009年、ウォルト・ディズニー・カンパニーによって40億ドルで買収された。これによりマーベル関連企業は全てディズニー社の完全子会社となった。また以前はマーベル・エンターテインメントの子会社であったマーベル・スタジオがウォルト・ディズニー・スタジオの直接の子会社となり、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を始めとした様々な作品を製作している。
歴史 編集
- 主に男性向けをターゲットにコミック(マーベル・コミック)を長年発売し続いていたが、次第にコミック自体の業績が不安定になり、1996年12月27日にマーベル社は破産手続き[3] を発表した。その後、サバン・エンターテインメントによってマーベルの権利を取得する。一部の映画化については20世紀フォックスに渡す。
- サバン・エンターテイメントは2001年にウォルト・ディズニー・カンパニーによって買収[4] され、子会社化された。その後、社名変更してBVSエンターテイメント[4] としている(その際、マーベルは独立)。
- 1998年6月にはトイ・ビズはマーベルとの合併を発表した。
- 1999年3月2日には、コロンビア ピクチャーズとその親会社であるソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(ソニー)が、マーベルからスパイダーマンとスパイダーマン関連のみの映画権利を購入し、 そのほかのテレビとビデオの製作権はバイアコムとソニー・ピクチャーズが互いに権利を所有していた。
- 2002年には、サム・ライミ監督、ソニー・ピクチャーズによって『スパイダーマン』が公開された。
- 2008年に映画『アイアンマン』で再び人気となり、世界観共有のマーベル・シネマティック・ユニバースが展開されるようになる。
- 2009年3月11日にマーベル・ゲームズを設立する。
- 2009年8月31日にウォルト・ディズニー・カンパニーによってマーベル・エンターテイメントを40億ドルで買収すると発表[5][6][7] した。マーベル・エンターテインメントの株主やその子会社(マーベル・スタジオの配給権)の権利、所有者はディズニーとなった。そのため、マーベル映画(一部除く)についてはウォルト・ディズニー・スタジオから宣伝されるようになった。マーベル・シネマティック・ユニバースの権利も『インクレディブル・ハルク』(ユニバーサル・スタジオ[8][9])など以外はウォルト・ディズニー・スタジオ、テーマパークの権利はディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツ所有[5] となった。
- 2010年10月14日にディズニー・メディア・ネットワークの傘下であるABCスタジオによってマーベルのテレビシリーズを発表した。
- 2011年、ソニー・ピクチャーズがスパイダーマンの映画『アメイジング・スパイダーマン』の映画製作の権利を取得した。
- 2013年、ウォルト・ディズニー・ジャパン(ウォルト・ディズニー・インターナショナル)によって『マーベル ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』シリーズの製作が発表された[10]。
- 2013年、ディズニーとマーベル・エンターテインメントはネットフリックスとの契約を結んだ。
- 2016年、一時的にディズニー・マーベルとソニー・ピクチャーズが業務提携し、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』劇中にソニー・ピクチャーズが映像化の権利を持つスパイダーマンが登場した。
- 2018年、ディズニー・マーベルとソニー・ピクチャーズが共同で『スパイダーマン:ホームカミング』の製作[11] を行った。
- 2019年3月21日、20世紀フォックス(21世紀フォックス)を買収[12] した。これにより、『X-メン』、『ファンタスティック・フォー』などのフォックスが映像化の権利を所有するマーベルキャラクターもMCUの参加が可能[13] となった。
スパイダーマンの権利騒動 編集
2017年、『スパイダーマン:ホームカミング』制作の際にディズニー・マーベル利益の分配率についての交渉が決裂し、2019年には、「スパイダーマン続編映画にはマーベルが関与しない」と報道された[14]。MCUファンやクリエイター、スパイダーマンの主演俳優であるトム・ホランドはたびたびこの問題に言及した。2019年秋、ディズニー、マーベル・エンターテインメントとソニー・ピクチャーズが和解し、2021年公開の映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の業務提携による製作やソニーズ・スパイダーマン・ユニバースの展開が可能となった。
業務提携 編集
2023年現在、マーベルはソニー・ピクチャーズ(スパイダーマンの映画作品を始めとするソニーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター)、ユニバーサル・パークス&リゾーツ(アイランズ・オブ・アドベンチャー内にあるマーベル・スーパー・ヒーロー・アイランドとユニバーサル・スタジオ・ジャパンでのアメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマンのキャラクター権)との間でディズニーとの契約[15]を結んでいる。
その他のキャラクターなどの権利はディズニー社が保持しているため、ディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツが展開しているディズニーパーク、ディズニー・クルーズ・ライン、ディズニーストア、ウォルト・ディズニー・スタジオが制作しているディズニー作品にもマーベル作品(『シュガー・ラッシュ:オンライン』など)を登場させることが出来る[16]。
また、世界で唯一ディズニー社直営ではない東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランド(京成グループ)とは未契約のため、施設では2020年9月に東京ディズニーランドのアトラクションである「ベイマックスのハッピーライド」がオープンするまで[17][18]、イベントでは2022年9月開催予定の「ディズニー・ハロウィーン」まで[20][21]、それぞれ同リゾート内においてマーベル関連の事業を展開していなかった。
2023年にはディズニーアンバサダーホテルにて、マーベルをテーマにした客室が誕生した[22]。
子会社・部門 編集
過去 編集
- マーベル・トイ - トイ・ビズとマーベルとのライセンスの問題で2007年に閉鎖。
- マーベル・スタジオ - マーベル・コミックを原作とする映画製作スタジオ。買収後の現在はウォルト・ディズニー・スタジオのウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ・グループ部門に移行。
- マーベル・TV・スタジオ - 2020年1月22日にマーベル・エンターテインメントが、自社のテレビ部門として再始動した。
- マーベル・アニメーション - アニメーション製作会社。2019年12月よりマーベル・TV・スタジオの傘下である。
- マーベル・TV・スタジオ - 2020年1月22日にマーベル・エンターテインメントが、自社のテレビ部門として再始動した。
脚注 編集
- ^ “ディズニー 米国最大のコミックス会社マーベル買収発表”. アニメ!アニメ! (2009年9月1日). 2023年10月31日閲覧。
- ^ “ディズニーがアメコミのマーベルを40億ドルで買収へ”. マイナビニュース (2009年9月1日). 2023年10月31日閲覧。
- ^ Cain, Áine (2019年8月20日). “廃業寸前から復活した5つのブランド”. www.businessinsider.jp. 2019年12月28日閲覧。
- ^ a b “Bloomberg - Are you a robot?”. www.bloomberg.com. 2019年12月28日閲覧。
- ^ a b “ディズニー 米国最大のコミックス会社マーベル買収発表”. アニメ!アニメ!. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “マーベル株主総会で ディズニーへ売却にゴーサイン | アニメ!アニメ!ビズ”. www.animeanime.biz. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “ディズニーがアメコミ大手の「マーベル」を3700億円で買収 買収合併 - 不景気.com”. www.fukeiki.com. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “マーク・ラファロ、『ハルク』単独映画の妨げとユニバーサルを猛批判 (2017年7月20日)”. エキサイトニュース. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “マーク・ラファロ、「ハルク」単独映画は実現しない!?”. cinemacafe.net. 2019年12月28日閲覧。
- ^ Inc, Aetas. “「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ アルティメットヒーローズ」のCMが公開”. www.4gamer.net. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “スパイダーマン、なぜ今“マーベル・シネマティック・ユニバース”と合体?”. シネマトゥデイ. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “ディズニーが21世紀フォックスの「買収完了」を報告、マーベル作品への影響は? - フロントロウ”. front-row.jp. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “マーベル映画『X-MEN』ディズニーで2021年以降にリブートへ ─ 『デッドプール』のみ存続、米報道”. THE RIVER (2019年3月21日). 2019年12月28日閲覧。
- ^ “ソニーとディズニー、映画スパイダーマン巡り対立”. 日本経済新聞 (2019年8月21日). 2021年9月12日閲覧。
- ^ Glenn, Brian. “That Darn Marvel Contract - What Rights Does Universal and Disney Own” (英語). Inside Universal. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “「スパイダーマン」、ディズニー映画から姿消してもパークでは健在か”. Bloomberg.com. 2019年12月28日閲覧。
- ^ “東京ディズニーランド、新エリアついにお披露目 「美女と野獣」の世界忠実に再現”. 千葉日報 (2020年9月25日). 2021年10月16日閲覧。
- ^ “TDL『ベイマックス』新アトラクション、予測不能な動きが爽快すぎた!”. シネマトゥデイ (2020年9月27日). 2021年10月16日閲覧。
- ^ “仮装対象作品一覧”. 東京ディズニーリゾート (2022年7月14日). 2022年7月16日閲覧。
- ^ なお、権利上の都合からスパイダーマンシリーズを始めとする一部のマーベル作品を除く[19]。
- ^ “TDR『ディズニー・ハロウィーン』9・15開催決定 フル仮装OK&マーベル作品も対象に”. ORICON NEWS (2022年7月14日). 2022年7月16日閲覧。
- ^ “アベンジャーズが描かれた客室!「マーベルスペシャルルーム“アベンジャーズ:ヒーローズ・ユナイテッド”」:フォトギャラリー|シネマトゥデイ”. シネマトゥデイ (2023年1月12日). 2023年10月31日閲覧。