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ミドルブロッカー: Middle Blocker)(: 副攻)は、バレーボールにおいて主にクイックスパイクとブロックの中心的役割を担う選手のことである。別名: センタープレーヤー

概要編集

 
コート手前側の青のユニフォームのチーム。10番が前衛ローテーションのミドルブロッカーと思われる。
(ネット際のセッターと思われる選手や、後方のオポジットと思われる14番同様、サーブレシーブに不参加)

ミドルブロッカーは前衛に並ぶ3人の選手の中央にポジショニングし、ブロックの中心的役割を担う選手である。攻撃の際はクイック攻撃(速攻)を主に行う。近年のバレーにおける攻撃の多様化・高速化に伴い、ブロックのシステムも日々進歩している。それゆえ、ブロックの要となるミドルブロッカーには高度なブロック技術が求められている。かつてはある程度トスを予測して跳ぶコミットブロックが主流であったが、現在はトスの上がった方向を瞬時に判断して対応するリードブロックの時代を迎えており、ジャンプ時の最高到達点が同レベルであったとしても、指高が高い長身の選手の方が、相手の速い攻撃に素早く対応できるため、チームの中で比較的身長の高い選手がミドルブロッカーを担当するケースが多い。

後衛でのリベロとの交代について編集

ミドルブロッカーは長身の選手が多いことに起因して、概してレシーブ(ディグ)が不得手であり、多くのチームにおいてサーブレシーブのフォーメーションからミドルブロッカーは外されている。それゆえ、後衛にまわった際に守備の専門要員であるリベロと交代することが多い(アウトサイドヒッターがリベロと交代するケースが無いわけではない)。また、後衛からのバックアタックは主にアウトサイドヒッター(オポジット)の選手が担当するという点も、バックアタックを行わないミドルブロッカーがリベロの交代要員となる理由の一つである。

サーブレシーブのフォーメーションとミドルブロッカーの関係編集

近年のフォーメーションにおけるサーブレシーブは、3名で行う戦術が主流となっており、一般には2名のアウトサイドヒッターにリベロを加えた3人をサーブレシーブ要員に充てている。結果として、ほとんどのチームにおいてミドルブロッカーはサーブレシーブを免除されており、サーブを行った直後の守備を除いて後衛ではリベロと交代することになる。これらの事情から、サーブレシーブが上手な攻撃型のスパイカー⇒アウトサイドヒッター(レフト)、サーブレシーブはやや苦手だが、両サイドのオープントスや平行トスを打つことに長けたスパイカー⇒オポジット、背は高いが基本的に守備が不得手なスパイカー⇒ミドルブロッカー、といった具合に分業化が進んだ。近年におけるバレーボールの分業化が一層加速したのは、リベロシステムの採用とサーブレシーブのフォーメーションに依るところが大きいが、結果として、ブロックやクイックの技量に関わらず、レシーブを苦手とする選手がミドルブロッカーにまわされる傾向が強まることとなった。このことが、相対的にミドルブロッカーの技術低下を招いたという意見も聞かれる。

ワンポイントブロッカー編集

ワンポイントブロッカーとは、前衛のブロック力の強化のために一時的にコート内に入りプレーする選手のことである。サーブ権を取得して、背の低い選手が前衛にまわってきたタイミングで、その選手(セッターの選手が多い)と交替して相手からの攻撃に文字通りワンポイント的に対応する。一般にはブロックの能力が高いミドルブロッカーの選手がワンポイントブロッカーとして起用されるケースが多い。得点が続いてサーブ権を維持している場合は続けてプレーを行うが、たいていの場合、サーブ権が相手に移動した時点で再びベンチに戻る。

ブロード攻撃編集

ミドルブロッカーが左右に移動しながら片足踏切でスパイクを放つ攻撃スタイルを指す。右利きの選手はライト側に移動しながらスパイクを打つケースが多い。大林素子は左利きのオポジットであるが、このブロード攻撃を得意としていた。ワンレッグ攻撃と呼ぶ場合もある。クイック攻撃と並んでミドルブロッカーの代表的なスパイク戦術である。

一人時間差編集

一人時間差とは、ミュンヘンオリンピック代表チームのセンタープレーヤーであった森田淳悟があみだしたスパイク戦術であり、クイックを打つと見せかけてタイミングを僅かに遅らせてセミクイックのトスを打つことによって相手ブロックを交わすテクニックである。日本のお家芸ともいえる技術であり、かつては三橋栄三郎川合俊一など、日本のほとんどのミドルブロッカーがこの戦術を得意としていたが、トスに併せてジャンプするリードブロックが主体となった近年のバレーではあまり用いられなくなり、現在では一人時間差に代わって、ブロード攻撃が用いられるようになった。

MB1編集

MB1(エムビーワン)は、クイック攻撃を担当するミドルブロッカーを1人に減らし、その対角にアウトサイドヒッターを配置する戦術で、全日本女子眞鍋政義監督)が2013年11月のグラチャンバレーで初めて採用したスタイルである。ちなみに前衛のセンターでブロックを飛ぶ選手が一人になるわけではなく、クイック(速攻)を担当する選手が二名から一人に減るフォーメーションである。監督の真鍋が考案した新しい戦術と見ることもできるが、実際のところはミドルブロッカーのクイック攻撃やブロード攻撃が思うように機能しない状況で不本意ながら選択されたフォーメーションである。

「センターエース」型の戦術編集

一般にミドルブロッカーはクイック(速攻)を担当し、オープントスや平行トス、ハイセット(かつての二段トス)のスパイクはレフト側やライト側のアウトサイドヒッターが担当する。しかしながら、たとえば高校女子のチームでは背の高い主力の選手をミドルにおいてブロックの軸とし、さらにその選手にセンターから高いトス(直上トス)を打たせるという極めてシンプルな戦術をとるケースもある。このような戦術でのセンタープレーヤーは、いわゆる一般的なミドルブロッカーというよりも「センターエース」と呼ぶのが相応しい。

 1980年代の新日鐵では、エースの田中幹保がセンタープレーヤーの小田勝美と対角を組み、この二人がセンターブロックに飛ぶという布陣であった、スパイクに関しては、田中は主に両サイドのオープントスや平行トスを打ち、小田はもっぱらクイックを打つという点でかなり特殊なフォーメーションである。ちなみにもう一組の対角ポジションは中村祐三, 小牧勝則岩田稔らが入り、彼らは前衛スパイカーの組み合わせに応じてオープントスとクイックの両方に対応した。この新日鉄のチームのように、スパイカーとしてのポジションは異なるが、ブロックと攻撃の軸になる二人の選手をセンター対角に置くフォーメーションも、センターエース型の一種であると言える。

脚注編集