ミュンヘン国際音楽コンクール

国際音楽コンクール

ミュンヘン国際音楽コンクール(ミュンヘンこくさいおんがくコンクール、Internationaler Musikwettbewerb der ARD)は、ドイツ公共放送連盟(ARD)主催で、毎年ミュンヘンで行われている国際音楽コンクール[1]

沿革・概要 編集

ミュンヘン国際音楽コンクールは1952年に第1回が開催され、2006年で55回目を迎えた。世界の権威ある国際コンクールの中でも、歴史と伝統のある難関なコンクールとして知られている。 このコンクールは、第1回目はピアノ部門のみで開催されたが、1953年の第2回目以降は、声楽、ピアノ、ヴァイオリン、ピアノ・デュオ、ヴァイオリン・ピアノ・デュオ、木管楽器金管楽器打楽器等から、4~7部門を設定して行われている。

同コンクールの管楽器・打楽器部門はジュネーヴ国際音楽コンクールと並んで最高の権威を持っており、入賞者からはハインツ・ホリガーペーター=ルーカス・グラーフカール・ライスタークラウス・トゥーネマンヘルマン・バウマンモーリス・アンドレブラニミール・スローカーラデク・バボラークペーター・ザドロ吉原すみれなど、世界的な演奏家を輩出している。

日本人の歴代第1位優勝者 編集

ヴァイオリン部門歴代入賞者 編集

2005年に行なわれ日本人が1位と2位を占めて、話題となったヴァイオリン部門は、1953年から2021年まで延べ21回開催され、1958年から入賞順位がつけられるようになった。1958年以降の開催数は19回になるが、その歴代入賞者の中で、1位受賞者は日本人3名、ポーランド人2名、韓国人1名のわずかに6名であり、殆どの年が1位なしの2位、3位である。ヴァイオリン部門は、なかなか1位が出ない、特に難関な部門である。しかし、近年はコンクールそのものの方針転換により、審査の厳格性は大幅に緩くなっている。

  • 1953年
  • 1956年
    • 順位なし テッサ・ロビンス(Tessa Robbins) (イギリス)
  • 1958年
  • 1961年
  • 1966年
    • 第1位 コンスタンティ・クルカ (ポーランド)
    • 第2位 イザベラ・ペトロシアン(Изабелла Петросян) (ソ連)
    • 第3位 ユーリー・マズルケヴィッチ(Jurij Mazurkevic) (ソ連)
  • 1969年
  • 1972年
    • 第1位 なし
    • 第2位 ニラ・ピエロ(Nilla Pierrou) (フランス)
    • 第3位 エルネスト・コヴァチッチ(Ernst Kovacic) (オーストリア)
  • 1975年
    • 第1位 なし
    • 第2位 ドーラ・シュワルツバーグ(Dora Schwarzberg) (イスラエル)
    • 第3位 カヤ・ダンチョフスカ (ポーランド)
    • 第3位 エフゲン・サーブ(Eugen Sarbu) (ルーマニア)
  • 1978年
    • 第1位 なし
    • 第2位 キム・ヘギョン(Hae-Kyoung Kim) (韓国)
    • 第3位 オリヴィエ・シャルリエ(フランス)
    • 第3位 イリーナ・ツェイトリン(Irina Tseitlin) (無国籍)
  • 1981年
    • 第1位 なし
    • 第2位 グエン・ホエビン(Gwen Hoebig) (カナダ)
    • 第3位 フローリアン・ゾンライトナー(Florian Sonnleitner) (西ドイツ)
  • 1984年
  • 1988年
  • 1992年
  • 1995年
    • 第1位 ピョートル・プラヴネル(Piotr Plawner) (ポーランド)
    • 第2位 ベティナ・グラディンガー(Bettina Gradinger) (オーストリア)
  • 1999年
  • 2001年
    • 第1位 なし
    • 第2位 アンネッテ・フォン・ハーン(Annette von Hehn) (ドイツ)
    • 第3位 ヤメイ・ユ(Yamei YU) (ドイツ)
    • 第3位 カン・ミンジュン(Min-Jung KANG) (韓国)
  • 2005年
    • 第1位 岡崎慶輔(日本)
    • 第2位 山田晃子(日本)
    • 第3位 カティア・ラーママン(Katja Lämmermann) (ドイツ)
  • 2009年
    • 第1位 パク・ヘヨン(Hye-yoon PARK)(韓国)
    • 第2位 白井圭(日本)【聴衆賞】
    • 第3位 リリー・フランシス(Lily Francis)(アメリカ)
    • 特別賞 セルゲイ・ドガディン英語版(ロシア)
  • 2013年
  • 2017年
    • 第1位 なし
    • 第2位 サラ・クリスティアン (Sarah Christian)(ドイツ)、アンドレア・オビソ(Andrea Obiso)(イタリア)
    • 第3位 クリスティーン・バラナス(ラトビア)
  • 2021年
    • 第1位 岡本誠司(日本)
    • 第2位 ドミトリー・スミルノフ(Dmitry Smirnov)(ロシア)
    • 第3位 アレクサンドラ・ティルシュ(Alexandra Tirsu)(モルドバ/ルーマニア)【聴衆賞】

脚注 編集

  1. ^ 日本で「ミュンヘン・ドイツ放送コンクール」「ミュンヘン・コンクール」等と呼ばれることがあるが、他にもミュンヘン・コンクールとしか呼びようの無いイヴェントもある為、少し注意が必要である

外部リンク 編集