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ムギツク(麦突、Pungtungia herzi)は、コイ科ムギツク属に分類される淡水魚。

ムギツク
Pungtungia herzi.JPG
香川県産の未成魚。
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : カマツカ亜科 Gobioninae
: ヒガイ族 Sarcocheilichthyini
: ムギツク属 Pungtungia
: ムギツク P. herzi
学名
Pungtungia herzi
Herzenstein, 1892
和名
ムギツク
英名
striped shiner

分布編集

日本福井県三重県淀川水系以西の本州四国香川県徳島県〉、九州大分県熊本県佐賀県長崎県福岡県宮崎県〉)ただし、琵琶湖内とその流入河川でもまれに見られる(天然分布)、大韓民国朝鮮民主主義人民共和国

形態編集

全長10-15 cm。体色は背側は褐色で、腹側は白色。吻端から尾鰭の基底まで体軸に沿って1本の太い黒色の縦帯が入る。この縦帯は、10 cm以上の成熟した個体になるに伴い消失する。稚魚は各鰭が橙色に染まる。

吻端は細長く尖り、下顎に1対の髭がある。側線は完全。

生態編集

流れの緩やかな河川用水路等に生息する。数尾から十数尾からなる小規模な群れを形成し生活する。昼行性。性質は臆病で石の下や水草等の物陰に潜んでいることが多い。

食性は動物食傾向の強い雑食で、水生昆虫藻類などを石をつつきながら食べる。

繁殖形態は卵生で、4-6月に石の下、水草等に卵を産みつける。オヤニラミドンコブルーギル托卵することもある[1]。受精卵は、水温22-25度で約4-5日で孵化する。

人間との関係編集

開発による生息地の改変に伴い、本来の生息地では生息数の減少がみられるところが多い。一方で、人為的[2]に、関東地方に移入されている[3]

一般的ではないものの、食用とされることもある。肉は淡白で、塩焼き唐揚げ甘露煮などにできる。肉質は良い。 ただし内部寄生虫肝吸虫等)を保持する可能性があり、生食は薦められないとされる。

採集方法としては網を使い水草を掬う他に、釣りで捕らえることもできる。

観賞魚として飼育されることもある。鮮やかな縦帯と橙色の鰭をもつので、日本国内に分布する淡水魚では人気が高く、飼育も容易とされている。本来の生息地ではない地域でも販売されているが、野外へ流出した場合、モツゴ雑種を形成することによる遺伝子汚染や、病気の伝播等の危険性が指摘されている。加えて、本種を含めた国内移入種コイ・アユ・オヤニラミ・ハスカネヒラ・ドンコなど)による生態系の攪乱が懸念されている。

脚注編集

  1. ^ Baba, R. & Karino, K. (1998) Countertactics of the Japanese aucha perch Siniperca kawamebari against brood parasitism by the Japanese minnow Pungtungia herzi. Journal of Ethology Vol.16, No.2, pp.67-72.
  2. ^ アユの放流時に混入しているという説や観賞魚店・個人の遺棄によるという説がある。
  3. ^ 田澤 加奈子,加藤 修一,金澤 道夫, 神流川頭首工ハーフコーン型魚道におけるモニタリング調査について, http://soil.en.a.u-tokyo.ac.jp/jsidre/search/PDFs/09/09008-17.pdf 2012年11月13日閲覧。 

参考文献編集

  •  『原色ワイド図鑑5 魚・貝』、学習研究社、1984年、11頁。
  •  『小学館の図鑑NEO 魚』、小学館、2003年、39頁。
  •  川那部浩哉・水野信彦・細谷和海編『山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚』、山と渓谷社、2001年、300-301頁。
  •  向井貴彦・西田睦「日本産ドンコにおけるミトコンドリアDNAの系統と関東地方への人為移植の分子的証拠」、『魚類学雑誌』第50巻第1号、2003年、71-76頁。

関連項目編集