メイド・イン・L.A.

メイド・イン・L.A.』 (L.A. Takedown) は1989年アメリカ合衆国テレビ映画NBCで放映。監督はマイケル・マン、出演はスコット・プランク英語版アレックス・マッカーサー英語版など。1995年の映画ヒート』の元になったことでも知られる。

メイド・イン・L.A.
L.A.Takedown
監督 マイケル・マン
脚本 マイケル・マン
製作 パトリック・マーキー英語版
製作総指揮 マイケル・マン
出演者 スコット・プランク英語版
アレックス・マッカーサー英語版
音楽 ティム・トゥルーマン
主題歌 ビリー・アイドル
撮影 ロナルド・ヴィクター・ガルシア英語版
編集 ダヴ・ホーニッグ
配給 アメリカ合衆国の旗 NBC
公開 アメリカ合衆国の旗 1989年8月27日
上映時間 92分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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ストーリー編集


作品概要編集

『メイド・イン・L.A.』が製作される10年前の1979年頃から、マイケル・マンは180ページに渡る犯罪ドラマの脚本を書いていた。1981年の『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』を撮り終えたあと、これを映画化しようと友人のウォルター・ヒル監督に相談したが断られてしまう。その後マンは1984年から1989年に米国NBCで放送されたテレビシリーズ『マイアミ・バイス』で成功をおさめ、番組が終了する1989年頃に再びNBCから警察や犯罪が主題のテレビシリーズの製作を依頼された。そこで急きょ、かつて映画化が実現出来なかった脚本を大幅に書き直してパイロットフィルム用の台本を作り上げた。撮影期間19日間と編集その他の作業(プリプロダクション)に10日間という驚異的なスピードで『メイド・イン・L.A.』が完成した[1]

『メイド・イン・L.A.』(L.A. Takedown)は、1989年8月27日21時からNBCテレビで放映された。映画評論家らの評価は否定的な意見こそないものの、登場人物の設定や演出が現実的でない、ファッション性を重視しすぎているなど、さほど高い評価は得られていない。NBCはシリーズ化を検討したが、その条件としてあまり評判の良くなかった主演のスコット・プランクを他の俳優に交替するよう希望した。マンはこの条件を受け入れずシリーズ化には至らなかった。

カルトな人気が高いマイケル・マン作品の中でも本作は特に隠れた存在になっている。

構想編集

脚本を書き直すにあたって、マンは実在した警察官チャック・アダムソンから主人公ヴィンセント・ハナ刑事の着想を得ている。チャック・アダムソンはシカゴ市警察の警察官から映画界に転向した人物で[2]、「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」の脚本、技術的アドバイザーとして関わったことをきっかけにマンと友人関係になった。その後もテレビの「マイアミ・バイス」や「クライム・ストーリー」などで共に仕事をしながら、シカゴ警察に勤務していたときの体験や実態などをたびたび聞かされていた。

中でも1963年にニール・マッコーリーという連続強盗犯とコーヒーショップで静かに語り合ったという話しは、マンの創作意欲を大いに刺激した。ニール・マッコーリーは若い頃から逮捕と出所を繰り返し、49年の生涯の半分を刑務所で過ごすほどの凶悪犯だった。チャック・アダムソンらはニールと仲間を監視していたが、あるときショッピングモールで偶然顔を合わせたときにコーヒーショップに誘った。アダムソンは長く監視を続けるうちに自分とニールを重ね合わせ共通点を感じるようになっていた。多額の投資をしながら命がけで資金を回収するリスクや綿密な計画、そこには犯罪者といえども十分な知性があり、敵対すべき強盗犯に尊敬の念すら抱いたという。この、刑事と犯罪者の間に生まれた奇妙な関係が、物語の軸となった。

ドラマ化するにあたってほとんどの部分がドラマ用に脚色されており、犯罪者ニールの名前もパトリック・マクラーレンに置き換えられているが、2人の関係についてはあまり誇張せずコーヒーショップの会話もかなり忠実に再現されているという。実在のニール・マッコーリーは、アダムソンらに監視されていることに気付かず1964年に仲間3名とスーパーマーケットの強盗を企てた。警察に包囲されて銃撃戦になりニールは射殺された。

また、監視中に警官の一人が物音を立てて強盗犯らに気付かれてしまうシーンはアダムソンの実体験に基づいている。

キャスト編集

役名 俳優
ヴィンセント・ハナ スコット・プランク英語版
パトリック・マクラーレン アレックス・マッカーサー英語版
マイケル・チェリト ヴィンセント・グァスタフェッロ
クリス・シへリス ピーター・ドブソン
リリアン・ハナ エリー・プージェ英語版
ボスコ刑事 マイケル・ルーカー
アリアーガ刑事 ヴィクター・リヴァース
ロビー(ボビー)・シュワルツ刑事 ダニエル・ボールドウィン
ルー・カサルス刑事 リチャード・チェイヴス英語版
ウェイングロー ザンダー・バークレー
ムスタファ・ジャクソン クラレンス・ギルヤード英語版
ジョー・キューソマノ ジョン・サントゥッチ
ヒュー・ベニー ケイリー=ヒロユキ・タガワ
ジミー サム・J・ジョーンズ

使用銃器編集

逸話編集

  • チャック・アダムソンはテレビシリーズ『特捜刑事マイアミ・バイス』で6エピソードの脚本を手掛けており、そのうちのシーズン3第19話「流血!死の捜査令状」 ”Red Tape”には本作の主演のスコット・プランクが汚職刑事役でゲスト出演している。
  • ネイトのキャラクターは、犯罪者から映画界に進出したエドワード・バンカーをモデルにしている。
  • ニール・マッコーリーの名前はパトリック・マクラーレンに換えられたが、リメイクされた『ヒート』ではそのままニール・マッコーリーの名が使われている。
  • ウェイングローの名前は実在の犯罪者から拝借している。彼はシカゴマフィアの情報を密告したあと行方不明になり、その後メキシコ北部の小屋で張付けにされた遺体が見つかった[3]
  • 本作でウェイングローを演じたザンダー・バークレーは、『ヒート』でビンセント・ハナ刑事の妻の浮気相手として出演している。

リメイク編集

マイケル・マンは『ラスト・オブ・モヒカン』(1992)の次に、ジェームズ・ディーンの伝記映画を計画していた。レオナルド・ディカプリオ主演でワーナー・ブラザーズと契約まで交わしていたが[4]、進展しないため監督を下りた。そこで『メイド・イン・L.A.』を劇場用映画にリメイクすることになった。製作費6千万ドル、撮影期間6ヶ月とプリプロダクションに4ヶ月、上映時間は本作の2倍近くに及ぶ『ヒート』はマイケル・マン監督の集大成と言える作品となった。

オリジナルとリメイクがたびたび比較されることに対し、マンは「インスタントコーヒーとブルーマウンテンブレンドを比べるようなものだ」と言っている。

出典編集

[脚注の使い方]

外部リンク編集