メイン・テーマ (映画)
『メイン・テーマ』は、1984年に角川春樹事務所が製作した日本の青春映画である。カラー・101分。森田芳光監督。主演は薬師丸ひろ子、野村宏伸。
メイン・テーマ | |
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Main Theme | |
監督 | 森田芳光 |
脚本 | 森田芳光 |
原作 | 片岡義男 |
製作 | 角川春樹 |
出演者 |
薬師丸ひろ子 野村宏伸 |
音楽 | 塩村修 |
撮影 | 前田米造 |
編集 | 川島章正 |
製作会社 | 角川春樹事務所 |
配給 | 東映洋画 |
公開 | 1984年7月14日 |
上映時間 | 101分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 18億5000万円 |
片岡義男原作とあるが、片岡の書いている「メイン・テーマ」シリーズの中に、この映画と同じストーリーのものはなく、オリジナル・ストーリーである。ダットサントラック4WDで旅に出る青年など、映画と共通するキャラクターや部分的に重なるストーリーはある。片岡は初めから映画化を考え、20歳の薬師丸を意識して書き下ろした[1]。
ストーリー
編集幼稚園の教員だった小笠原しぶき(薬師丸ひろ子)はひょんなことで退職を余儀なくされ失業する。そんな中、房総の海岸で見習いマジシャン(野村宏伸)と偶然出会い、彼と4WDでの旅に出る。しぶきの目的地は大阪。かつて幼稚園で面倒を見ていた子供が、親の転勤で転園していったのだが、その子供の父親(財津和夫)に心惹かれていたからだった。
キャスト
編集スタッフ
編集劇中歌
編集ロケ地
編集製作準備
編集オーディション
編集野村宏伸はこの映画の「薬師丸ひろ子の相手役募集」オーディションに妹が応募して、23000人の中から森田芳光に選ばれ合格した。野村は500万、妹は100万の賞金を得た。実は唐沢寿明もこのオーディションに参加しており、最終審査まで行ったという[3]。このとき野村が「将来は何になりたいか」という質問に「サラリーマンになりたいです」と答えたので印象に残ったという。津田寛治もこのオーディションを受け落選している。
運転免許
編集薬師丸は『里見八犬伝』(1983年)の撮影中、本作『メイン・テーマ』の撮影で自動車運転免許が必要になり教習所に通った[4]。同時期同じ教習所に竹内まりやが通っていた[5]。
作品の評価
編集映画批評家レビュー
編集『週刊平凡』1984年7月20日号「五ツ星採点表」、白井佳夫「森田監督はどんな題材もワンパターンの才気型映像演出で映画にしてしまうのでつまらない(5点/10点満点)」、藤枝勉「この映画を認知するのは高校や大学の映画同好会のみ。期待の森田監督の演出観に疑問(5点/10点満点)」、渡辺祥子「少女の部分を純粋培養されたひろ子ちゃんがイイけど、ひどい水着を着せたアホはだれだ!?(7点/10点満点)」[1]。
賞歴
編集- 野村宏伸 - 第8回日本アカデミー賞 新人俳優賞
関連商品
編集Blu-ray / DVD
編集- 薬師丸ひろ子限定プレミアムBOX(4枚組 DVD-BOX)(2001年12月21日、角川エンタテインメント、KABD-147) - 『セーラー服と機関銃 完璧版』、『メイン・テーマ』、『翔んだカップル(完全オリジナル版)』、特別ディスク「薬師丸ひろ子 カンペキ盤」をセットにしたDVD-BOX。
- メイン・テーマ(DVD)(2001年12月21日、角川エンタテインメント、KABD-148)
- メイン・テーマ デジタル・リマスター版(DVD)(2011年6月24日、角川映画、DABA-0807)
- メイン・テーマ ブルーレイ(Blu-ray Disc)(2012年9月28日[6]、角川映画、DAXA-4263)
- メイン・テーマ 角川映画 THE BEST(DVD)(2016年1月29日[7]、KADOKAWA、DABA-91123)
サウンドトラック
編集『メイン・テーマ オリジナル・サウンドトラック』 | |
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Various Artists の サウンドトラック | |
リリース | |
録音 | 1984年 |
ジャンル | 映画音楽 |
時間 | |
レーベル | 東芝EMI |
音楽は塩村修が手がけた。サウンドトラックは1984年8月1日に東芝EMIより発売された。
- トラックリスト
# | タイトル | Vocal | 時間 |
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1. | 「プロローグ (メイン・テーマ)」 | ||
2. | 「ファースト・コンタクト (スロー・バラード)」 | ||
3. | 「浜松ミステリアス・ナイト」 | ||
4. | 「スロー・バラード」 | 薬師丸ひろ子 | |
5. | 「JOTF1251 KHz」 | ||
6. | 「オール・オブ・ミー」 | 桃井かおり | |
7. | 「渚の二人」 | ||
8. | 「こぶたぬきつねこ」 | 薬師丸ひろ子 | |
9. | 「4WDのバラード (スロー・バラード)」 | ||
10. | 「メイン・テーマ」 | 薬師丸ひろ子 | |
11. | 「揺れる心 (メイン・テーマ)」 | ||
12. | 「シーサイド・バウンド」 | ||
13. | 「君にマジック」 | ||
14. | 「素適なあなた (BEIMIR BIST DU SCHON)」 | 桃井かおり | |
15. | 「エピローグ」 | ||
合計時間: |
書籍
編集- 『シナリオ メイン・テーマ』(角川文庫 / 1984年6月発行 / ISBN 4041371988)
- 『メイン・テーマ カドカワフィルムストーリー』(角川文庫 / 1984年8月発行 / ISBN 4041595029)
- 映画のストーリーをスチル写真により再現した文庫。
備考
編集- 主題歌「メイン・テーマ」の歌詞違いバージョンで、作曲者の南佳孝が歌っている「スタンダード・ナンバー」がある。
- チューリップのリーダー財津和夫は、映画初出演とラブシーンを演じる(相手は桃井かおり)ということで話題になった。
- 当時普及が図られたパーソナル無線が劇中に登場する。クラリオンのパーソナル無線機のテレビCMでも本作の一場面が使われた。
- ニッポン放送をキーステーションに全国30局ネットで放送された「20歳のバースディパーティー 薬師丸ひろ子のオールナイトニッポン」の司会・進行役を務めたニッポン放送アナウンサー(当時)の塚越孝が出演していた[注 1]。
- 1985年10月2日、日本テレビ系列『特別ロードショー』でテレビ初放映。1987年1月9日には同局の『金曜ロードショー』で再放送が行われた。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 「五ツ星採点表」『週刊平凡』1984年7月20日号、平凡出版、146-147頁。
- ^ 1984年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ 唐沢の自伝書「ふたり」から
- ^ 竹内まりや、薬師丸ひろ子「卒業・恋のレッスン1」『月刊カドカワ』1988年(昭和63年)4月、角川書店、1988年、104頁。
- ^ 竹内まりや、薬師丸ひろ子「卒業・恋のレッスン1」『月刊カドカワ』1988年(昭和63年)4月、角川書店、1988年、103頁。
- ^ “「戦国自衛隊」や「七日間戦争」など角川映画20本BD化 - AV Watch” (2012年7月6日). 2014年11月4日閲覧。
- ^ “角川映画40周年記念、「犬神家」「セーラー服」など30タイトルの廉価版DVD発売 - 映画ナタリー” (2016年1月28日). 2016年8月14日閲覧。