メジロマイヤー(欧字名:Mejiro Meyer1999年3月18日 - 2022年7月4日)は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍に2002年きさらぎ賞2006年小倉大賞典

メジロマイヤー
欧字表記 Mejiro Meyer[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 1999年3月18日[1]
死没 2022年7月4日(23歳没)
登録日 2001年5月31日
抹消日 2008年5月8日[2]
サクラバクシンオー[1]
メジロエルナス[1]
母の父 サッカーボーイ[1]
生国 日本の旗 日本北海道伊達市[1]
生産者 メジロ牧場[1]
馬主 メジロ牧場[1]
調教師 田島良保栗東[1]
競走成績
生涯成績 32戦6勝[1]
獲得賞金 2億200万9000円[1]
勝ち鞍
GIII きさらぎ賞 2002年
GIII 小倉大賞典 2006年
テンプレートを表示

馬名の由来は、冠名アルペンスキー選手のヘルマン・マイヤーから。

戦績 編集

2001年9月15日、デビュー戦となった阪神競馬場の新馬戦では飯田祐史が騎乗し4番人気で2着だった。その後デビュー4戦目の未勝利戦で初勝利を挙げた。

2002年、500万下クラスの白梅賞を3番人気で勝利し、初の重賞挑戦となったきさらぎ賞では6番人気ながらアグネスソニック、メガスターダムらを相手に勝利し、重賞初挑戦で重賞初制覇を成し遂げた。そして初のGI挑戦となった皐月賞では中舘英二が騎乗し9番人気で最下位の18着と大敗してしまう。その後も大敗が続き、4歳夏に1600万下クラスに降級後も、降級初戦の市川ステークスでは10着、年明けて新春ステークスも16着と大敗してしまうが、その後は1600万下クラスのレースを3着、2着、2着と好走し、鞍上に武豊を迎えた道頓堀ステークスで約2年振りの勝利を挙げた。そして次走のオーストラリアトロフィーでも勝利。奇しくもレース前日の4月23日に馬主だった北野ミヤが亡くなっており、武豊が「お世話になった北野おばあちゃんのために、どうしても勝ちたかった」と語る弔いの勝利となった。2連勝で約2年振りのGI挑戦となった次走の安田記念では武幸四郎が騎乗し、大逃げの走りを見せるも12番人気で最下位の18着と大敗。その後長期休養となる。復帰戦となった中日新聞杯は13番人気で14着、ここでまた長期級に入り、暮れのファイナルステークスも9番人気で14着と大敗してしまう。

2006年、初めて川田将雅が騎乗し臨んだ小倉大賞典では11人気と低評価ながら見事に逃げ切り、当時としてはJRAにおける重賞最長間隔勝利記録となる約4年ぶりの重賞制覇を達成[注 1][注 2]。佐賀県出身の川田将雅騎手にとっては故郷の九州で嬉しいJRA重賞初勝利となった。しかしその後の3走は大敗が続き、2007年に入ってもこれは変わらず、11月23日に行われた京阪杯に出走して18番人気で17着という結果に終わり、これが最後のレースとなった[2]

2008年5月8日付けでJRA競走馬登録を抹消され引退[2]。以降は引退名馬繋養展示事業の助成を受けて福島県南相馬市仲山トレーニングセンターで余生を送った。2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で北海道日高町に10か月ほど避難したが、のち福島県に戻っている[3][4][5]

2022年7月4日、23歳で死亡[6]。死因は明かされていないが、仲山トレセン代表の佐藤徳によると「今年に入り1度体調を崩した。一昨日からカイバを食べなくなり、それにこの暑さ。(中略)日中にバタンと倒れてそのまま」と語っている[5]

競走成績 編集

以下の内容は、netkeiba.com[7]およびJBISサーチ[8]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2001.09.15 阪神 2歳新馬 ダ1400m(良) 8 4 4 012.10(4人) 02着 R1:27.3(38.4) -0.0 0飯田祐史 53 マイネルアンブル 470
0000.09.29 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 13 1 1 003.30(1人) 02着 R1:36.6(35.0) -0.2 0飯田祐史 53 サーチェルルージュ 472
0000.12.01 阪神 2歳未勝利 ダ1200m(良) 10 8 10 001.20(1人) 02着 R1:14.2(37.3) -0.3 0飯田祐史 54 トップジャンボ 482
0000.12.15 阪神 2歳未勝利 芝1600m(良) 16 6 12 001.30(1人) 01着 R1:36.7(37.0) -0.7 0飯田祐史 54 (グレートワーク) 478
2002.01.20 京都 白梅賞 500万下 芝1600m(良) 10 7 8 008.20(3人) 01着 R1:35.1(34.9) -0.1 0飯田祐史 55 (マチカネメニモミヨ) 476
0000.02.10 京都 きさらぎ賞 GIII 芝1800m(良) 11 1 1 009.50(6人) 01着 R1:47.6(35.4) -0.0 0飯田祐史 55 (アグネスソニック) 472
0000.04.14 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 3 1 035.30(9人) 18着 R2:01.7(39.0) -3.2 0中舘英二 57 ノーリーズン 466
0000.05.04 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 8 18 034.50(9人) 12着 R1:34.8(37.2) -1.7 0田中勝春 57 テレグノシス 466
0000.06.09 中京 ファルコンS GIII 芝1200m(良) 18 1 1 009.70(5人) 16着 R1:11.0(37.1) -2.1 0飯田祐史 57 サニングデール 470
2003.03.02 阪神 阪急杯 GIII 芝1200m(稍) 15 2 3 141.0(13人) 05着 R1:09.2(34.6) -0.7 0飯田祐史 57 ショウナンカンプ 492
0000.03.23 中山 東風S OP 芝1600m(良) 11 4 4 008.80(3人) 03着 R1:33.3(34.8) -0.6 0飯田祐史 56 ミッドタウン 484
0000.04.06 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(重) 14 8 13 009.60(6人) 11着 R1:34.7(36.7) -0.8 0幸英明 55 ダンツジャッジ 482
0000.05.11 京都 都大路S OP 芝1600m(重) 13 5 7 010.90(6人) 06着 R1:36.8(37.9) -1.0 0飯田祐史 56 トレジャー 482
0000.06.08 中京 愛知杯 GIII 芝2000m(良) 9 5 5 014.40(7人) 03着 R2:00.0(36.2) -0.3 0飯田祐史 55 カゼニフカレテ 482
0000.06.29 福島 福島テレビOP OP 芝1800m(良) 11 6 7 006.50(3人) 03着 R1:48.4(37.1) -0.7 0江田照男 56 ハレルヤサンデー 472
0000.07.20 小倉 北九州記念 GIII 芝1800m(不) 10 6 6 007.50(2人) 04着 R1:50.6(37.4) -0.8 0福永祐一 56 ミレニアムバイオ 476
0000.12.14 中山 市川S 1600万下 芝1600m(良) 16 7 13 013.50(4人) 10着 R1:35.6(36.3) -0.9 0田中剛 57 メジロバーバラ 472
2004.01.11 京都 新春S 1600万下 芝1400m(良) 16 2 4 015.30(8人) 16着 R1:23.3(36.3) -1.5 0飯田祐史 58 ゴールデンキャスト 490
0000.01.24 京都 石清水S 1600万下 芝1600m(良) 13 4 4 012.30(5人) 03着 R1:35.4(34.5) -0.2 0小池隆生 57 ニューベリー 490
0000.02.07 京都 斑鳩S 1600万下 芝1400m(良) 14 3 3 011.10(5人) 02着 R1:21.8(35.0) -0.1 0小池隆生 57 エイシンシャイアン 486
0000.03.06 阪神 武庫川S 1600万下 芝1600m(良) 14 6 9 004.50(1人) 02着 R1:34.1(35.3) -0.2 0飯田祐史 57 エーティーダイオー 488
0000.04.03 阪神 道頓堀S 1600万下 芝1600m(良) 15 6 10 001.50(1人) 01着 R1:33.2(35.3) -0.3 0武豊 57 (ナイトフライヤー) 490
0000.04.24 京都 オーストラリアT OP 芝1800m(良) 14 7 11 002.20(1人) 01着 R1:45.0(34.9) -0.0 0武豊 56 マイネルアムンゼン 486
0000.06.06 東京 安田記念 GI 芝1600m(稍) 18 7 13 042.1(12人) 18着 R1:35.3(37.8) -2.7 0武幸四郎 58 ツルマルボーイ 478
2005.12.10 中京 中日新聞杯 GIII 芝1800m(良) 16 2 3 044.6(13人) 14着 R1:48.5(37.9) -2.1 0飯田祐史 56 グランリーオ 496
0000.12.25 阪神 ファイナルS OP 芝1600m(良) 15 4 7 022.30(9人) 14着 R1:37.5(36.0) -1.7 0幸英明 56 ニューベリー 494
2006.02.04 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(良) 16 2 4 042.7(11人) 01着 R1:47.2(35.2) -0.1 0川田将雅 54 エイシンドーバー 488
0000.09.09 中京 朝日チャレンジC GIII 芝2000m(良) 12 5 5 025.10(6人) 12着 R1:58.9(36.1) -1.5 0秋山真一郎 57 トリリオンカット 486
0000.10.01 中京 ポートアイランドS OP 芝1800m(稍) 11 4 4 040.60(9人) 11着 R1:50.8(39.1) -3.5 0熊沢重文 57 コンゴウリキシオー 486
0000.10.21 東京 富士S GIII 芝1600m(良) 18 2 3 154.9(17人) 18着 R1:36.6(37.9) -3.8 0田中勝春 57 キネティクス 476
2007.11.03 京都 カシオペアS OP 芝1800m(良) 17 3 5 214.5(16人) 17着 R1:47.7(36.7) -2.4 0川島信二 57 サクラメガワンダー 494
0000.11.23 京都 京阪杯 GIII 芝1200m(良) 18 6 12 459.4(18人) 17着 R1:09.3(34.3) -1.4 0幸英明 56 サンアディユ 494

血統表 編集

メジロマイヤー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 テスコボーイ系
[§ 2]

サクラバクシンオー
1989 鹿毛
父の父
サクラユタカオー
1982 栗毛
*テスコボーイ
Tesco Boy
Princely Gift
Suncourt
アンジェリカ *ネヴァービート
スターハイネス
父の母
サクラハゴロモ
1984 鹿毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
*クリアアンバー
Clear Amber
Ambiopoise
One Clear Call

メジロエルナス
1992 栗毛
サッカーボーイ
1985 栃栗毛
*ディクタス
Dictus
Sanctus
Doronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ
母の母
クーリッジ
1983 鹿毛
ヤマニンスキー Nijinsky II
*アンメンショナブル
ケイファバー *ファバージ
テシオ F-No.3-l
母系(F-No.) フロリースカツプ系(FN:3-l) [§ 3]
5代内の近親交配 ノーザンテースト3×4=18.75%Northern Dancer4×5×5=12.50%・Princely Gift4×5×5=12.50% [§ 4]
出典
  1. ^ [9]
  2. ^ [10]
  3. ^ [9]
  4. ^ [9][10]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2010年10月20日、福島記念ダンスインザモアが制し、この記録は更新された。また、障害重賞を含めると2020年にタガノエスプレッソが更に更新している。
  2. ^ なおこの競走において、本馬を管理する田島良保調教師が本馬の馬主の「メジロ牧場」の勝負服(白・緑一本輪・緑袖縦縞)を「メジロ商事」の勝負服(白・緑一本輪・袖緑=川田孝好<将雅の父>の現役時の勝負服色と同じ)と取り違え、川田が後者の勝負服で出走するアクシデントが発生した。しかし、競走翌週になって事案が発覚するまで誰も気がつかなかったため、本件に関する騎手・調教師への制裁は行われなかった。【追悼メジロマイヤー】偶然に彩られた重賞初勝利「マイヤーが僕を波に乗せてくれた」【月刊 川田将雅】 netkeiba.com、2022年7月28日、2022年7月29日閲覧。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o メジロマイヤー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月30日閲覧。
  2. ^ a b c 重賞2勝のメジロマイヤーが登録抹消”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2008年5月8日). 2019年9月30日閲覧。
  3. ^ 福島第一原発事故で被災した元競走馬が日高町の牧場へ”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2011年8月10日). 2019年9月30日閲覧。
  4. ^ 企画展『引退馬の余生を考えよう』福島競馬場で開催”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2016年4月8日). 2019年9月30日閲覧。
  5. ^ a b 競馬ニュース詳細|東京サラブレッドクラブ”. TOKYO THOROUGHBRED CLUB|東京サラブレッドクラブ. 2023年5月26日閲覧。
  6. ^ 重賞2勝馬メジロマイヤーが23歳で死亡 当時の重賞最長間隔勝利記録を達成、川田将雅騎手重賞初制覇のパートナー | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年5月26日閲覧。
  7. ^ メジロマイヤーの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月30日閲覧。
  8. ^ メジロマイヤー 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月30日閲覧。
  9. ^ a b c メジロマイヤー 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月30日閲覧。
  10. ^ a b メジロマイヤーの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月30日閲覧。

外部リンク 編集