メタセコイア学名: Metasequoia glyptostroboides)は、ヒノキ科(またはスギ科メタセコイア属落葉樹。11和名アケボノスギ[2](曙杉)、イチイヒノキ。和名のアケボノスギは、英名 dawn redwood(または、学名 Metasequoia)を訳したもの。

メタセコイア
Metasequoia glyptostroboides
Metasequoia glyptostroboides
(2011年10月1日、愛知県森林公園
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svg
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 維管束植物 Tracheophyta
: 球果植物門 Pinophyta
: マツ綱 Pinopsida
: マツ目 Pinales
: ヒノキ科 Cupressaceae
: メタセコイア属 Metasequoia
: メタセコイア M. glyptostroboides
学名
Metasequoia glyptostroboides
Hu et W.C.Cheng[2]
和名
アケボノスギ[2]
英名
dawn redwood

後述のように、当初は日本を含む北半球で化石として発見されるのみで、絶滅した植物と考えられていたが、1946年に中国四川省(現在の湖北省利川市)で現存していることが確認された。

形態・生態編集

樹高は生長すると高さ25-30 m、直径1.5 mになる。

モミネズに似て線のように細長く、長さは-3 cm程度、幅は1-2 mm程度で、羽状に対生に赤茶色に紅葉した後、落葉する。

雌雄同株で、花期は2-3月。雄花総状花序、あるいは円錐花序となって枝から垂れ下がる。

結実は多く、秋からにかけて無数のが地表に落ちる。

分布編集

メタセコイアの化石は日本各地の新生代第三紀層に見られ、カナダ北部・シベリアグリーンランドなど北半球北極周辺に広く分布していた[3]1939年に日本の関西地方の第三紀層で、常緑種のセコイアに似た落葉種の植物遺体(化石の1種)が発見された[4]。発見者の三木茂により、セコイアに「のちの、変わった」という意味の接頭語である「メタ」をつけて[5]「メタセコイア」と命名され[6]1941年学会へ発表された[7]。それまで発見されていたヌマスギやセコイアと異なると考え、メタセコイア属を設けた。また、落葉樹であることも推定した[5]

日本では2016年1月に福島県広野町の中生代白亜紀の地層から発見された化石が国内最古のメタセコイアの化石とされている[8]

現生種の発見編集

当初、「化石」として発見されたために絶滅した種とされていたが、1946年に南京大学の鄭万鈞から北京の静生生物研究所の胡先驌のもとに送られた植物標本が三木論文にあるメタセコイアであることが判明した[9]。これは中国四川省磨刀渓村(現在は湖北省利川市)の「水杉(スイサン)」と呼ばれたもので、「生きている化石」と呼ばれることも多い。

1948年、アメリカのチェイニー(Ralph W. Chaney)が、湖北省から苗を持ち帰り育成。その一部が1950年に三木が結成したメタセコイア保存会に送られ、保存会により日本国内の研究機関や自治体に配布された[9]

保全状況評価編集

人間との関わり編集

日本編集

 
マキノ高原(高島市)のメタセコイア並木

1949年に日本政府と皇室がそれぞれメタセコイアの挿し木種子を譲り受け、全国各地の公園並木道校庭などに植えられている。

愛媛県伊予市では市の木に指定されている。滋賀県高島市のメタセコイア並木[10]日本紅葉の名所100選に選定されている。東京都葛飾区水元公園も「メタセコイアの森」の紅葉で名高い[11]

種子は英国などの種苗会社からインターネット通販などで入手できる。タネは直径2-3mmの淡黄色のおがくず状で、日本の気候にはよく合い生育は早い。

注と出典編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b Farjon, A. (2013). "Metasequoia glyptostroboides". IUCN Red List of Threatened Species. Version 3.1. International Union for Conservation of Nature. 2016年2月3日閲覧 (英語)
  2. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Metasequoia glyptostroboides Hu et W.C.Cheng” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2016年2月3日閲覧。
  3. ^ メタセコイア”. 京都教育大学. 2011年11月19日閲覧。[リンク切れ]
  4. ^ 田中紀子 (1984年9月1日). “メタセコイアの化石”. 日野市. 2011年11月19日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ a b 塚越実「生きている化石メタセコイア」『化石から生命の謎を解く : 恐竜から分子まで』化石研究会編、朝日新聞出版朝日選書〉、2011年、35頁。ISBN 978-4-02-259977-3
  6. ^ メタセコイア: 京都薬用植物園”. 武田薬品工業株式会社. 2011年11月19日閲覧。
  7. ^ 西影裕一 (2007年5月15日). “生きた化石 メタセコイア(アケボノスギ) (PDF)”. 科学の眼. 姫路科学館. 2011年11月19日閲覧。
  8. ^ 福島の地層で国内最古のメタセコイア化石 県立博物館の学芸員が発見 河北新報、2021年1月20日閲覧。
  9. ^ a b 塚腰実「メタセコイアの発見と普及―三木 茂博士の発見から75年― (PDF) 」 『化石』第100巻、日本古生物学会、2016年9月30日、 1-2頁。
  10. ^ メタメタセコイア並木”. 高島市観光情報 ―人と自然のおもてなし―. びわ湖高島観光協会. 2011年11月19日閲覧。
  11. ^ 水元公園の紅葉(東京都)” (日本語). 紅葉名所2020 - ウォーカープラス. 2021年4月17日閲覧。

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集