メタル・マスター

メタリカのアルバム

メタル・マスター』(Master of Puppets)は、アメリカヘヴィメタルバンドメタリカの3作目のアルバム。

メタル・マスター
メタリカスタジオ・アルバム
リリース
録音 1985年9月 - 12月
ジャンル スラッシュメタル
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗エレクトラ
イギリスの旗ミュージック・フォー・ネイションズ
日本の旗CBSソニー→ソニーレコード(リイシュー盤)
ユニバーサル・ミュージック(リイシュー盤)
プロデュース メタリカ、フレミング・ラスムッセン
専門評論家によるレビュー
メタリカ アルバム 年表
ライド・ザ・ライトニング
1984年
メタル・マスター
(1986年)
メタル・ガレージ
1987年
ミュージックビデオ
「Master Of Puppets (Live)」 - YouTube
「Master Of Puppets (Official Lyric Video)」 - YouTube
テンプレートを表示

解説 編集

前作に続き、ラーズ・ウルリッヒの故郷であるデンマーク・コペンハーゲンにあるスウィート・サイレンス・スタジオにて行われた。

全米29位・全英41位を記録。彼らにとって初の全米トップ40入りを果たし、現在までに、アメリカだけでも600万枚以上の売り上げを記録している。また、ベーシストのクリフ・バートンが参加した最後のアルバムでもある。

『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(大規模なアンケートによる選出)に於いて、97位にランクイン[1]

発表から20年後の2006年、メタリカは本作をライヴで完全再現した。なお、「オライオン」がイントロも含めて完全な形で演奏されたのは、この時が初めてである。2006年8月のサマーソニックでも、同様の試みが行われ、大きな話題となった。

2016年3月23日アメリカ議会図書館が「文化的、歴史的、芸術的に重要な録音物を保存すること」を目的に2000年から毎年行っている『全米録音資料登録簿』の2015年度作品に本作が登録された[2]

収録曲 編集

  1. バッテリー - Battery (James Hetfield, Lars Ulrich)
    タイトルは野球用語から来ており、バンドを過小評価する評論家などへの怒りと、ファンとの絆、すなわちバッテリーがテーマ。
    静かなアコースティックギターのイントロから突如としてアグレッシヴな演奏に切り替わる。
  2. メタル・マスター - Master of Puppets (Kirk Hammett, Hetfield, Cliff Burton, Ulrich)
    人間を操る薬物依存の恐怖を描いており、「鏡の上で朝食を刻む」という一節はコカインの使用を連想させる。
    『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100』に於いて、33位にランクイン[3]
  3. ザ・シング - The Thing That Should Not Be (Hammett, Hetfield, Ulrich)
    クトゥルー神話にインスパイアされた楽曲。
  4. ウェルカム・ホーム(サニタリウム) - Welcome Home (Sanitarium) (Hammett, Hetfield, Ulrich)
    映画『カッコーの巣の上で』にインスパイアされた楽曲。サニタリウム、つまり隔離病棟に入れられた精神病患者が描かれている。
    この楽曲を発展させたのが、次回作『メタル・ジャスティス』の収録曲で、グラミー賞のベスト・メタル・パフォーマンス部門を受賞した「One」である。
  5. ディスポーザブル・ヒーローズ - Disposable Heroes (Hammett, Hetfield, Ulrich)
    タイトルを直訳すれば「使い捨ての英雄たち」。命令に盲従し、前線に駆り出される兵士を描いている。
  6. リパー・メサイア - Leper Messiah (Hetfield, Ulrich)
    カルト宗教とその教祖がテーマ。
  7. オライオン - Orion (Hetfield, Burton, Ulrich)
    クリフ・バートンのベースを主軸に据えたインストゥルメンタル。タイトルは星座の「オリオン座」からの命名。
  8. ダメージ・インク - Damage, Inc. (Hammett, Hetfield, Burton, Ulrich)

カバー 編集

ドリーム・シアターは、ライブにおいて本作を丸ごとカヴァーし、マイク・ポートノイ主宰のレーベル『Ytse Jam Record』からオフィシャル・ブートレグMaster of Puppets』として発売した。

イギリスのロック雑誌『ケラング!』は1102号(2006年4月5日発売)において、若手・中堅バンドによる本作のカヴァー・アルバム『Master Of Puppets:Remastered』を付録とした。マシーン・ヘッドトリヴィアムブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン等が参加している。

リンプ・ビズキットは、ロック・アム・リングにてタイトル・ナンバーをカヴァーした。

演奏メンバー 編集

脚注 編集

  1. ^ The 500 Greatest Albums of All Time” (英語). Rolling Stone (2020年9月22日). 2021年12月28日閲覧。
  2. ^ “メタリカ、ジョン・コルトレーン、サンタナ、ビリー・ジョエル等が新たに登録、アメリカ議会図書館による国家保存重要録音登録制度の2016年度作品が明らかに”. amass. (2016年3月24日). http://amass.jp/70652 2016年3月24日閲覧。 
  3. ^ [1]