メダリスト (漫画)
つるまいかだによる漫画作品
『メダリスト』(Medalist)は、つるまいかだによる日本の漫画。フィギュアスケートを題材にしたスポーツ漫画で、『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2020年7月号から連載中[1]。「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第1位[2]。2023年1月、第68回「小学館漫画賞」一般向け部門を受賞[3]。
メダリスト | |
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ジャンル | フィギュアスケート |
漫画 | |
作者 | つるまいかだ |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン |
レーベル | アフタヌーンKC |
発表号 | 2020年7月号 - |
発表期間 | 2020年5月25日[1] - |
巻数 | 既刊8巻(2023年5月現在) |
アニメ | |
原作 | つるまいかだ |
監督 | 山本靖貴 |
シリーズ構成 | 花田十輝 |
キャラクターデザイン | 亀山千夏 |
アニメーション制作 | ENGI |
製作 | メダリスト製作委員会 |
放送局 | 未定 |
放送期間 | - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
あらすじ編集
全日本選手権に出場経験を持つ明浦路司は、アイスショーの試験に落ち続け就職先が決まらないでいた。そんな折かつてのアイスダンスのパートナー、高峰瞳から自身が主催するスケートクラブのコーチを打診される。全日本出場を瞳の手柄だと卑屈になり乗り気でなかった司だが、そこで母に連れられた結束いのりと出会う。
母親がフィギュアスケートを諦めさせるための口実として連れられてきたいのりだったが、司は彼女が内に秘める執念と情熱を目の当たりにし、母の反対を押し切る形でスケートを始める。やがて司の指導のもと、いのりは次第にその才能を開花させていく。
オリンピックのメダリストを目指す、人生二人ぶんの重さの物語がいま、幕を開ける。
登場人物編集
ルクス東山FSC編集
- 結束 いのり(ゆいつか いのり)
- 本作の主人公。フィギュアスケートクラブ「ルクス東山FSC」に所属し、フィギュアスケートでオリンピックの金メダルを獲ることを目標としている少女。4月16日生まれで、血液型はA型[2]。物語開始時の身長は134cmと、(作品の特性上小学生が多数登場する)登場人物の中でも小柄。幼少期、スケートをしていた姉に憧れて自身もやりたいと思うようになるが、何かと姉と比べられて母から「何もできない」と烙印を押されてしまい叶わなかった。その状況を不憫に思われた瀬古間に、『ボランティアで飼育しているミミズを採ってきてくれたら、お礼にリンクを使わせてくれる』という条件で、両親に内緒でフィギュアスケートを学ぶ。瀬古間の基礎的な指導と教本による独学の練習により、同年代の選手と同等程度の技術を備えていた。
- 上述の境遇から、誰よりもスケートをしたいという執念と情熱があり、そのことを見込まれた司の口添えもあって母を説得し、半ば強引にスケートを始める。司の指導と猛烈な努力のもと、天賦の才というべきスケートの才能を開花させ、強い信頼関係を築いていく。
- 選手としてはアイスダンス仕込みの高いスケーティング技術と丁寧な表現力が持ち味。逆にジャンプを不得手とし、乗り越える課題としてたびたび描写される。
- 好きなものは生き物、ミミズ、スケート。嫌いなものは数学と漢字[2]で、九九計算を憶えられない。
- 明浦路 司(あけうらじ つかさ)
- いのりのコーチ、男性。26歳。9月4日生まれで、血液型はB型。好きなものは読書とポイント懸賞。嫌いなものはミミズ、ヘビ、芋虫[2]。
- 全日本選手権のアイスダンスに出場した実力のある選手だが、アイスショーの面接に落ち続けて就職先が見つからずにいた。
- 元相方・高峰瞳から「ルクス東山FSC」のアシスタントコーチに勧誘された際、母に連れられたいのりと出会い、コーチとなった。
- 14歳のとき、鴗鳥慎一郎がオリンピックで銀メダルを獲得したことに感激し、フィギュアスケートを始める。しかし、日本でフィギュアスケートは5歳位から始めるのに対して大きく出遅れた司をコーチすることを受け入れる先を見つけることは難航し、20歳の時にどうにか相手を探していた高峰瞳のコーチから、シングルの選手を断念することを条件を受け入れて選手になった。
- 出遅れた分を取り戻す執念から類まれなる努力を重ね、キャリアで大きく先に出ていた瞳に並ぶほどの実力をつけ、全日本に出場できるまでになったものの、大会の結果はふがいないものに終わってしまう。ゆえにその才能を誰よりも自分が認めていないコンプレックスを抱えている。
- 当初は居候先の加護家を出て、横浜を生活の拠点にする予定だったが、コーチが決まったことで愛知にそのまま住むことになったため、なし崩し的に加護家に出戻りする。
- 明浦路(あけうらじ)の苗字は読みづらく覚えづらいとの理由から、いのりやパートナーだった瞳からも「司先生」「司くん」と呼ばれている。作中で「明浦路先生」と呼ぶのは、鴗鳥慎一郎と理鳳親子だけである。
グラビティ桜通FSC編集
- 三家田 涼佳(みけた りょうか)
- 那智鞠緒の唯一の生徒。初登場時は小学校3年生で133㎝と、いのりよりも小柄。三河弁を話す。あだ名は「ミケ」「ミケちゃん」。
- 猫がこの世で一番かわいいと思っており、髪型も猫耳を意識している。フィギュアスケートの練習を独学で積んできたため大人の言うことを聞かず、当初はコーチすら要らないと思っていた。周りの大人に何を言われても、「なにくそ!」と思う芯の強さがある。名港杯の合同練習でいのりに初めて出会い、友達になるが、コーチに対する想いの差から一度は突き放してしまう。しかし、大会本番で失敗を経験していのりと和解。以降はいのりに懐いている。
- 選手としては抜群のスタミナによるリズム感と、高いジャンプを得意とする。初級ながらも2サルコウ+1アクセルを9割以上の成功率で飛べるほどであった。しかし、ジャンプを飛べるかどうかが優れた選手の判断基準で、司のスケーティング技術は「ジャンプを飛ばなかったのでわからない」と評した。
- 那智 鞠緒(なち まりお)
- グラビティ桜通FSCのヘッドコーチ。登場時31歳、148㎝。気の強いミケと張り合える豪快な性格の持ち主だが、やり取りは諸学生同士のように子供じみている。耳にピアスをいくつもあけている。ノービスB1時代からジュニア時代初期までは全日本12位常連、強化選手に選ばれるほどの実力者で、高いジャンプが持ち味。4回転を飛んだことがあるが本番では飛べなかった。
- 生徒がミケしかいないので生活はカツカツ。性格が真反対の2つ下の妹がいる。
関係者編集
- 結束 実叶(ゆいつか みか)
- いのりの8歳年上の姉(初登場時19歳)。いのりと異なるクラブ「名城クラウンFSC」にかつて所属していた。いのりのことを「のんちゃん」と呼んでいる。いのりが彼女のスケートをする光景を見て自らもやりたいと思った程憧れていた。5歳からアイススケートを始め、入賞する程腕を上げて来たものの、中学生の時にジャンプの練習で右足を骨折し断念する。物語開始時は、カナダに留学しているが、いのりの出場する大会が開かれるたびに帰国し[2]、score20で留学を終えて家族と共に観戦している。
- 結束 のぞみ(ゆいつか のぞみ)
- いのりの母。実叶といのりを何かと比べ、実叶が挫折したこともあり、当初はいのりがフィギュアスケートをすることに反対していた[2]。しかし司が強く勧めたため、いのりがフィギュアスケートを始めることを渋々許可する。その後もことあるごとに諦めることを期待していたが、名港杯の彼女の演技を見て、姉と比べておっとりしたいのりを周りから揶揄されたことに、自身が傷つくが怖かっただけだったことに気づき、深く反省する。以降はいのりの夢、オリンピックのメダリストに全力で寄り添うようになる。
- 瀬古間(せこま)
- 大須スケートリンクの受付担当の年配職員。スケートをさせてもらえないいのりを不憫に思い、密かに(ミミズと引き換えに)無償でスケート場を利用させた。いのりにスケートの基礎を教えた影の功労者でもある。いのりの大会参加時には必ず列席し、演技終了後に感涙するのが恒例。フィギュアスケート事情通でもあり、偶々近くに座っていた加護父娘から規則について尋ねられると、初心者にもわかりやすいように解説を行った。
- 生徒世代の若い文化に抵抗がないため、「推し」や「同担」といった言葉も使う。
書誌情報編集
- つるまいかだ『メダリスト』 講談社〈アフタヌーンKC〉、既刊8巻(2023年5月23日現在)
- 2020年9月23日発行(同日発売[5][講 1])、ISBN 978-4-06-520783-3
- 2021年2月22日発行(同日発売[講 2])、ISBN 978-4-06-522253-9
- 2021年6月23日発行(同日発売[講 3])、ISBN 978-4-06-523607-9
- 2021年10月21日発行(同日発売[講 4])、ISBN 978-4-06-525162-1
- 2022年3月23日発行(同日発売[講 5])、ISBN 978-4-06-527132-2
- 2022年7月22日発行(同日発売[講 6])、ISBN 978-4-06-528515-2
- 2022年12月22日発売[講 7]、ISBN 978-4-06-529918-0
- 2023年5月23日発売[講 8]、ISBN 978-4-06-531682-5
テレビアニメ編集
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2023年5月18日、ENGIによるテレビアニメ化が発表された[6]。
スタッフ編集
備考編集
- 作者であるつるまいかだは、この作品で漫画家デビューした[7]。
- この作品の舞台は、作者の出身地でもある愛知県名古屋市である[2][7]。
- 2023年3月発表のブックライブ主催「マガデミー賞2022」では結束いのりが主演女優賞に選出された。『その着せ替え人形は恋をする』の喜多川海夢や『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとりを推す声がある中での選出だった[8]。
脚注編集
- ^ a b “夢破れた青年とスケートに憧れる少女を描くフィギュアスケートマンガ、アフタで始動”. コミックナタリー. ナターシャ (2020年5月25日). 2023年5月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g メダリスト - マンガペディア
- ^ “第68回小学館漫画賞はメダリスト、初×婚、よふかしのうた、青オケ、明日カノ”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年1月18日) 2023年1月18日閲覧。
- ^ “名古屋が舞台のおすすめご当地コミック”. 三洋堂書店 (2020年11月12日). 2022年10月18日閲覧。
- ^ “夢を諦めたスケーターの青年と孤独な少女のフィギュアスケート物語「メダリスト」1巻”. コミックナタリー. ナターシャ (2020年9月23日). 2023年5月19日閲覧。
- ^ a b c d e “メダリスト:フィギュアスケートマンガがテレビアニメ化 監督に山本靖貴 花田十輝がシリーズ構成・脚本 ENGI制作”. MANTANWEB. MANTAN (2023年5月18日). 2023年5月18日閲覧。
- ^ a b つるまいかだ - マンガペディア
- ^ “マンガファンが選ぶ「マガデミー賞2022」の受賞キャラクターが発表。審査員特別賞に「ちいかわ」、助演男優賞に『東リベ』松野千冬など”. numan (マレ): p. 2. (2023年3月15日) 2023年3月16日閲覧。
講談社コミックプラス編集
以下の出典は講談社コミックプラス(講談社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
- ^ “『メダリスト(1)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月19日閲覧。
- ^ “『メダリスト(2)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月19日閲覧。
- ^ “『メダリスト(3)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月19日閲覧。
- ^ “『メダリスト(4)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月19日閲覧。
- ^ “『メダリスト(5)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月19日閲覧。
- ^ “『メダリスト(6)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月19日閲覧。
- ^ “『メダリスト(7)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月19日閲覧。
- ^ “『メダリスト(8)』(つるまいかだ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2023年5月23日閲覧。
外部リンク編集
- 漫画
- テレビアニメ
- TVアニメ「メダリスト」公式
- 『メダリスト』TVアニメ公式 (@medalist_PR) - Twitter