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モウセンゴケ(毛氈苔、学名 Drosera rotundifolia L.)は、モウセンゴケ科モウセンゴケ属分類される多年草の1[1]種小名rotundifoliaに由来するマルバモウセンゴケという別名もある。食虫植物の一種で、にある粘毛から粘液を分泌して虫を捕獲する。

モウセンゴケ
Drosera rotundifolia Orchi 05.jpg
モウセンゴケ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: モウセンゴケ科 Droseraceae
: モウセンゴケ属 Drosera
: モウセンゴケ D. rotundifolia
学名
Drosera rotundifolia L.
和名
モウセンゴケ
Drosera rotundifolia Distribution Map.png
分布域

概要編集

 
モウセンゴケの捕虫葉

コケとあるが種子植物である。ミズゴケ類の育つような湿地に生育する、背の低い草で、茎はごく短く、地面から葉を放射状に出す。葉にははっきりした葉柄があり、葉身はほぼ円形で、一面に長い毛があり、その先端から甘い香りのする粘液を出す。これに釣られるなどしてやってきた虫がくっつくと、粘毛と葉がそれを包むように曲がり、虫を消化吸収する。日当たりのよい場所に育つものでは、粘毛は赤く色づき、一面に生育している場所では毛氈を敷いたように見えることから、毛氈苔の名がある。 根はほとんど発達しない。冬になると、茎の先端に葉が丸まったような冬芽をつける。 モウセンゴケと同属の植物は世界中に多数の種があり、いずれも葉の表面に粘毛をつけ、それによって虫を捕らえる食虫植物である。いくつかの型の植物がある。

分布編集

北半球の高山・寒地に広く分布する[1]。日本では北海道から九州まで湿地帯に自生し、多数の都道府県にてレッドリストの絶滅危惧I類[2]、絶滅危惧II類[3]、準絶滅危惧などに指定されている[4]。 北の方ではナガバノモウセンゴケと共に生育し、その間にサジバモウセンゴケとよばれる中間的な形質の雑種を作る。また、東海地方に生えるトウカイコモウセンゴケはこの種とコモウセンゴケとの雑種の染色体が倍化してできたものであると考えられている。6月から8月にをつける。花は白い花びらが5枚。茎の中心から花柄を伸ばし、花柄は先端が渦巻のように丸まり、その巻きの外側に花をつけ、花が咲くにつれまっすぐになる。

 
葉を放射状に出す特徴がある。

近縁種編集

  • ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔 学名:Drosera anglica
  • サジバモウセンゴケ(匙葉毛氈苔 学名:Drosera X obovata
  • コモウセンゴケ(小毛氈苔 学名:Drosera spatulata
  • トウカイコモウセンゴケ(東海小毛氈苔 学名:Drosera tokaiensis

特徴編集

  • 類似のコモウセンゴケは、葉の葉柄がはっきり区別できず、次第に細くなって基部に続く。ミズゴケの生える湿地よりは、水気の強い岩場などに生え、長い根を伸ばす。冬芽を作らず、そのままの姿で冬を越す。より南の地方に分布する。
  • モウセンゴケと同様に、根出葉を出し、花柄だけが立ち上がるもの:日本では他にナガバノモウセンゴケ・コモウセンゴケ・トウカイコモウセンゴケがある。
  • 茎は立ち上がり、茎に沿って葉を出すもの:日本ではイシモチソウ・ナガバノイシモチソウがある。

栽培編集

本種はハエトリグサの栽培方法とほとんど同じように栽培できる[5]

  • 本種は日本全国の湿地に広く自生しているにも拘らず暑さにやや弱い[5]。置き場所は、真夏以外は直射日光がよく当たり、ある程度風通しがある場所が適する[6]。真夏は午前中だけ日光をよく当てる[7]
  • 本種は寒さに強く[7]、冬季は、多少凍結しても問題ない[8]。この時期も腰水を行い水を切らさないように注意を払う必要がある。
  • 用土は、鉢底石と、酸性で、通気性と保水性に優れるものを使う。水を十分に吸った乾燥ミズゴケの単用が一般的である。肥料は生育が悪くなるため基本的に必要ない。
  • 植え替えは1年に1回、真夏以外の時期(1 - 2月が良い)に行う[8]。方法は、用土がミズゴケの場合、新しい鉢と用土を用意して、鉢から株を取り、ピンセットで古いミズゴケを取り除いてからバケツの水で洗う。次に、新しいミズゴケを株の根に巻き付けて新しい鉢と同じ大きさになるまで周りに足していく。その後やや堅め(鉢の中の水が4 - 5秒で流れる程度)に植え付けて鉢に戻す。植え替えを実施したものとしなかったものでは翌年の生育に差が出る。[5]
  • 繁殖は実生で行う。夏から秋にたくさん採れる種をそのまま親株と同様の用土に蒔き、鉢の上から水を遣らずに腰水で水を十分与えて乾燥しないようにすれば翌春に発芽する[5]

関連画像編集

         
モウセンゴケの捕虫葉 コモウセンゴケの群落 モウセンゴケの花 トウカイコモウセンゴケの花
D. tokaiensis葦毛湿原
捕虫葉に捕まったばかりのハエ

脚注編集

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  1. ^ a b 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月、412頁。ISBN 4-635-09019-1
  2. ^ 埼玉県レッドデータブック2011植物編について (PDF)”. 埼玉県. pp. 109 (2011年). 2013年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月18日閲覧。
  3. ^ 福岡県の希少野生生物”. 福岡県 (2011年). 2012年7月18日閲覧。
  4. ^ 日本のレッドデータ検索システム(モウセンゴケ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年7月18日閲覧。
  5. ^ a b c d 田辺(2010).
  6. ^ 土居(2014).
  7. ^ a b 柴田(2008).
  8. ^ a b 田辺(2008).

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集