モンゴルの大統領

モンゴル国; 大統領 ; Монгол Улсын Ерөнхийлөгч
	国章
	現職者; ウフナーギーン・フレルスフ（第6代）; 就任日 2021年6月25日
地位	元首
所在地	ウランバートル
指名	国民大会議
任期	4年（3選禁止）
初代就任	ポンサルマーギーン・オチルバト
創設	1990年3月21日
ウェブサイト	公式サイト
	表; 話; 編; 歴;

モンゴルの大統領（モンゴルのだいとうりょう、モンゴル語: Монгол Улсын Ерөнхийлөгч, Mongol Ulsyn Yerönkhiilögch）は、モンゴル国の元首（大統領）である。

概要編集

半大統領制を採用しており、大統領は憲法で「国民の統合の象徴」と規定されている。

権限編集

首相の指名。候補者はその後、国民大会議（議会）によって承認または拒否される。これは概して象徴的な権限であり、実質的には議会が首相を指名する。
国民大会議の可決した法案の拒否権（3分の2の賛成で覆される）。
裁判官任命の承認。
国家安全保障会議議長。
モンゴル国軍司令官。

選出編集

大統領は4年ごとに国民による直接選挙で選出される。これには2つの制約がある。候補者は、国民大議会を代表する政党の一つに推薦されなければいけない。しかしながら、大統領に選出された者は、就任前に政党の党籍を離脱する必要がある。

モンゴル国の憲法における、大統領となるための要件は

モンゴル国生まれ
年齢が45歳以上
就任前に5年以上モンゴル国に居住

の3つである。

大統領の一覧編集

モンゴルの初代大統領が誰であるかについては論争がある。この称号自体はモンゴルの民主化の前には実際には存在しなかったが、同様の役割を担う官職は社会主義時代にも存在した。ボグド・ハーン政権のハーン、ジェプツンダンバ・ホトクト8世（ボグド・ハーン、Jebtsundamba Khutugtu：モンゴルにおけるチベット仏教の長で、宗教的、政治的な指導者。化身ラマ。）が初代「大統領」とされる場合もあるが、一般的にはそれ以後の非宗教的な指導者に対して用いられる。1924年に臨時元首であったBalingiin Tserendorjが初代大統領とされる場合もあるが、公式に指導者となったのは1924年11月28日に人民大会議の議長に指名されたNavaandorjiin Jadambaaである。その1日後に、指導権限は人民小会議幹部会議長に再編成された。その後すぐに、称号の変化に続いて、人民大会議幹部会議長に変更された。そして1990年「大統領」の称号が採用され現在に至る。

人民大会議議長編集
モンゴル人民共和国編集
代	議長	所属政党	期	在任期間		備考
01	ヤダンバア（英語版） Навандоржийн Жадамба	モンゴル人民革命党	1	1924年 11月28日 - 1924年11月29日	1日
人民小会議幹部会議長編集
代	議長	所属政党	期	在任期間		備考
02	ペルジディーン・ゲンデン Пэлжидийн Гэндэн	モンゴル人民革命党	2	1924年11月29日 - 1927年 11月15日	7000200000000000000♠2年 + 351日
03	ダムディンスレン（英語版） Жамцангийн Дамдинсурэн	モンゴル人民革命党	3	1927年11月16日 - 1929年 1月23日	7000100000000000000♠1年 + 58日
04	ホルローギーン・チョイバルサン Хорлоогийн Чойбалсан	モンゴル人民革命党	4	1929年1月24日 - 1930年 4月27日	7000100000000000000♠1年 + 93日
05	ロソリン・ラーガン（英語版） Лосолын Лааган	モンゴル人民革命党	5	1930年4月27日 - 1932年 7月2日	7000200000000000000♠2年 + 66日
06	アナンディーン・アマル Анандын Амар	モンゴル人民革命党	6	1932年7月2日 - 1936年 3月22日	7000300000000000000♠3年 + 264日
07	ダンスランビレギイン・ドグソム（英語版） Дансранбилэгийн Догсом	モンゴル人民革命党	7	1936年3月22日 - 1939年 7月9日	7000300000000000000♠3年 + 109日
0-	（空席）		-	1939年7月9日 - 1940年 7月6日	363日
08	ゴンチギン・ブムチェンド（英語版） Гончигийн Бумцэнд	モンゴル人民革命党	8	1940年7月6日 - 1951年7月6日	7001110000000000000♠11年 + 0日
人民大会議幹部会議長編集
代	議長	所属政党	期	在任期間		備考
08	ゴンチギン・ブムチェンド Гончигийн Бумцэнд	モンゴル人民革命党	8	1951年7月6日 - 1953年 9月23日	7000200000000000000♠2年 + 79日
0-	スフバータル・ヤンジマー（英語版） Сухбаатарын, Янжмаа	モンゴル人民革命党	8	1953年9月23日 - 1954年 7月7日	287日
09	ジャムスランギーン・サンブー（英語版） Жамсрангийн Самбуу	モンゴル人民革命党	9	1954年7月7日 - 1972年 5月20日	7001170000000000000♠17年 + 318日
0-	ツァガーンラムィン・ドゥゲルスレン（英語版） Цаганламын Дугэрсурэн	モンゴル人民革命党		1972年5月20日 - 1972年6月28日	39日
0-	ソノムィン・ルブサン（英語版） Сономын Лувсан	モンゴル人民革命党		1972年6月28日^[1] - 1974年 6月11日	7000100000000000000♠1年 + 348日
10	ユムジャーギィン・ツェデンバル Юмжаагийн Цэдэнбал	モンゴル人民革命党	10	1974年6月11日 - 1977年6月28日	7001100000000000000♠10年 + 73日
			11	1977年6月28日^[2] - 1981年 6月29日
			12	1981年 6月29日^[3] - 1984年 8月23日^[4]		解任
0-	Nyamyn Jagvaral Жагварал Нямын	モンゴル人民革命党	12	1984年8月23日 - 1984年12月12日	111日
11	ジャムビィン・バトムンフ Жамбын Батмөнх	モンゴル人民革命党	13	1984年12月12日^[5] - 1990年 3月21日	7000500000000000000♠5年 + 99日
12	ポンサルマーギーン・オチルバト Пунсалмаагийн Очирбат	モンゴル人民革命党	14	1990年3月21日^[6] - 1990年 9月3日	166日
大統領編集
代	大統領	所属政党	期	在任期間		備考
12	ポンサルマーギーン・オチルバト Пунсалмаагийн Очирбат	モンゴル人民革命党	15	1990年9月3日^[7] - 1992年2月12日	7000100000000000000♠1年 + 162日
モンゴル国編集
大統領編集
代	大統領	所属政党	期	在任期間		備考
01	ポンサルマーギーン・オチルバト Пунсалмаагийн Очирбат	モンゴル人民革命党	1	1992年2月12日^[8] - 1993年6月6日	7000500000000000000♠5年 + 128日
01	ポンサルマーギーン・オチルバト Пунсалмаагийн Очирбат	モンゴル社会民主党	2	1993年6月6日 - 1997年 6月20日	7000500000000000000♠5年 + 128日
02	ナツァギーン・バガバンディ Нацагийн Багабанди	モンゴル人民革命党	3	1997年6月20日 - 2000年6月6日	7000700000000000000♠7年 + 351日
02	ナツァギーン・バガバンディ Нацагийн Багабанди	モンゴル人民革命党	4	2000年6月6日 - 2005年 6月24日	7000700000000000000♠7年 + 351日
03	ナンバリーン・エンフバヤル Намбарын Энхбаяр	モンゴル人民革命党	5	2005年6月24日 - 2009年 6月18日	7000300000000000000♠3年 + 359日
04	ツァヒアギーン・エルベグドルジ Цахиагийн Элбэгдорж	民主党	6	2009年6月18日 - 2013年7月10日	7000800000000000000♠8年 + 22日
04	ツァヒアギーン・エルベグドルジ Цахиагийн Элбэгдорж	民主党	7	2013年6月 - 2017年7月10日	7000800000000000000♠8年 + 22日
05	ハルトマーギーン・バトトルガ Халтмаагийн Баттулга	民主党	8	2017年7月10日 - 2021年6月25日	7000300000000000000♠3年 + 350日
06	ウフナーギーン・フレルスフ Ухнаагийн Хүрэлсүх	モンゴル人民党	9	2021年6月25日 - （現職）	7000100000000000000♠1年 + 271日

脚注編集

^ 幹部会第一副議長に選出され、国家元首職を代行。「1972年のモンゴル－中ソ対立下の微妙な姿勢」『アジア動向年報1973』アジア経済研究所、1973年、103ページ。
^ 第9期人民大会議第1回会議において改選。1977年のモンゴル－雪害による経済困難『アジア動向年報1978』アジア経済研究所、1978年、100ページ。
^ 第10期人民大会議第1回会議において改選。鯉淵信一「1981年のモンゴル－第7次5カ年計画開始の年」『アジア動向年報1982』アジア経済研究所、1982年、96ページ。「重要日誌モンゴル 1981年」同左、100ページ。
^ 人民大会議第5回臨時本会議において解任。「重要日誌モンゴル 1984年」『アジア動向年報1985』アジア経済研究所、1985年、101ページ。
^ 第9期人民大会議第6回会議において選出。「重要日誌モンゴル 1984年」『アジア動向年報1985』アジア経済研究所、1985年、103ページ。
^ 人民大会議において選出。「重要日誌モンゴル 1990年」『アジア動向年報1991』アジア経済研究所、1991年、105ページ。
^ 新憲法下の人民大会議において88.15%の得票で選出。「重要日誌モンゴル 1990年」『アジア動向年報1991』アジア経済研究所、1991年、108ページ。
^ 新憲法が施行され、国名が「モンゴル国」に変更。http://d-arch.ide.go.jp/browse/pdf/1992/103/1992103DIA.pdf

外部リンク編集

Монгол Улсын Ерөнхийлөгч（公式サイト）

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[1] 幹部会第一副議長に選出され、国家元首職を代行。「1972年のモンゴル－中ソ対立下の微妙な姿勢」『アジア動向年報1973』アジア経済研究所、1973年、103ページ。

[2] 第9期人民大会議第1回会議において改選。1977年のモンゴル－雪害による経済困難『アジア動向年報1978』アジア経済研究所、1978年、100ページ。

[3] 第10期人民大会議第1回会議において改選。鯉淵信一「1981年のモンゴル－第7次5カ年計画開始の年」『アジア動向年報1982』アジア経済研究所、1982年、96ページ。「重要日誌モンゴル 1981年」同左、100ページ。

[4] 人民大会議第5回臨時本会議において解任。「重要日誌モンゴル 1984年」『アジア動向年報1985』アジア経済研究所、1985年、101ページ。

[5] 第9期人民大会議第6回会議において選出。「重要日誌モンゴル 1984年」『アジア動向年報1985』アジア経済研究所、1985年、103ページ。

[6] 人民大会議において選出。「重要日誌モンゴル 1990年」『アジア動向年報1991』アジア経済研究所、1991年、105ページ。

[7] 新憲法下の人民大会議において88.15%の得票で選出。「重要日誌モンゴル 1990年」『アジア動向年報1991』アジア経済研究所、1991年、108ページ。

[8] 新憲法が施行され、国名が「モンゴル国」に変更。http://d-arch.ide.go.jp/browse/pdf/1992/103/1992103DIA.pdf

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モンゴルの大統領

目次

概要編集

権限編集

選出編集

大統領の一覧編集

モンゴル人民共和国編集

人民大会議議長編集

人民小会議幹部会議長編集

人民大会議幹部会議長編集

大統領編集

モンゴル国編集

大統領編集

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集

モンゴル国大統領 Монгол Улсын Ерөнхийлөгч
国章
現職者ウフナーギーン・フレルスフ（第6代）就任日 2021年 6月25日
地位	元首
所在地	ウランバートル
指名	国民大会議
任期	4年（3選禁止）
初代就任	ポンサルマーギーン・オチルバト
創設	1990年 3月21日
ウェブサイト	公式サイト
表話編歴