ヤスマニ・コペロ・エスコバルYasmani Copello Escobar1987年4月15日 ‐ )は、キューバ出身でトルコ国籍の陸上競技選手。専門はハードル競走400mハードル。自己ベストは47秒81のトルコ記録保持者。2016年リオデジャネイロオリンピックの銅メダリスト、2017年ロンドン世界選手権の銀メダリストである。

ヤスマニ・コペロ Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム ヤスマニ・コペロ・エスコバル
ラテン文字 Yasmani Copello
国籍 トルコの旗 トルコ
競技 陸上競技ハードル
種目 400mH
生年月日 (1987-04-15) 1987年4月15日(37歳)
出身地  キューバ ハバナ
身長 191cm
体重 85kg
成績
オリンピック 400mH:3位(2016年
世界選手権 400mH:2位(2017年
地域大会決勝 ヨーロッパ選手権
400mH:優勝(2016年)
自己ベスト

400m:46秒77(2009年)
110mH:14秒35(2008年)

400mH:47秒81(2021年)トルコ記録
獲得メダル
陸上競技
トルコの旗 トルコ
オリンピック
2016 リオデジャネイロ 400mH
世界選手権
2017 ロンドン 400mH
ヨーロッパ選手権
2016 アムステルダム 400mH
バルカン選手権
2014 バカウ 4x400mR
2015 ピテシュティ 400mH
2015 ピテシュティ 4x400mR
2016 ピテシュティ 4x400mR
2014 バカウ 400mH
 キューバ
中米カリブ選手権
2008 カリ 400mH
イベロ選手権
2008 イキケ 4x400mR
アルバ競技大会
2007 カラカス 4x400mR
2009 ハバナ 4x400mR
2007 カラカス 400mH
2009 ハバナ 400mH
編集 テンプレートのヘルプを表示する

経歴 編集

キューバ人時代には世界大会こそ出場できなかったが、中米カリブ選手権などの国際大会に出場しメダルを獲得した。

2012年4月25日からトルコに住み、2013年10月21日にトルコの市民権を取得。2014年4月30日からトルコ代表として競技することが可能となった[1]

2015年8月、北京世界選手権男子400mハードルではこの種目でトルコ勢初の出場を果たすと[2]、予選で48秒89、準決勝で48秒46と大会前の自己ベスト(49秒39)を大幅に短縮して決勝に進出。決勝は48秒96の6位でメダルを逃した[3]

2016年7月、アムステルダム・ヨーロッパ選手権男子400mハードル準決勝を48秒42のトルコ新記録(当時)で通過。決勝ではタイムを落としたものの決勝唯一の48秒台(48秒98)をマークし、スペインのセルヒオ・フェルナンデス英語版(49秒06)、ディフェンディングチャンピオンであるスイスのカリム・フセイン英語版(49秒10)らを抑えて金メダルを獲得した[4]。これはヨーロッパ選手権の男子短距離種目(ハードルも含む)でトルコが獲得した初の金メダルとなった[注 1][5]

2016年8月、リオデジャネイロオリンピック男子400mハードルではこの種目でトルコ勢初の準決勝進出を果たすと[注 2]、準決勝も通過して2年連続で世界大会の決勝に進出した。迎えた決勝では1ヶ月前にマークした自己ベストおよびトルコ記録(48秒42)を大幅に更新する47秒92のトルコ新記録を樹立し、カーロン・クレメント(47秒73)、ボニフェス・ツムティ(47秒78)に次いで銅メダルを獲得した[7]。これはオリンピックの男子トラック種目でトルコが獲得した初のメダルとなった[8]

2017年8月、ロンドン世界選手権男子400mハードルには今季世界ランク5位、出場選手中では4位となる48秒24の記録を持って臨むと[9]、予選と準決勝を順当に突破して3年連続で世界大会の決勝に進出した。決勝ではカールステン・ワーホルムに0秒14及ばず、48秒49の2位で惜しくも優勝は逃したが、2年連続で世界大会のメダルを獲得した[10]。また、これは世界選手権の男子トラック種目でトルコが獲得した初のメダルとなった[11]

自己ベスト 編集

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
400m 46秒77 2009年2月13日   ハバナ
110mハードル 14秒35 (+1.9) 2008年7月5日   カリ
400mハードル 47秒81 2021年8月3日 東京 トルコ記録

主要大会成績 編集

  • 備考欄の記録は当時のもの
大会 場所 種目 結果 記録 備考
  キューバ
2007 アルバ競技大会 (en   カラカス 400mH 2位 49秒99
4x400mR 優勝 3分06秒84 (3走)
2008 イベロアメリカ選手権 (en   イキケ 4x400mR 優勝 3分03秒22 (3走)
中米カリブ選手権 (en   カリ 110mH 予選 14秒35 (+1.9) 自己ベスト
400mH 2位 50秒08
2009 アルバ競技大会 (en   ハバナ 400mH 2位 50秒13
4x400mR 優勝 3分08秒17 (4走)
中米カリブ選手権 (en   ハバナ 400mH 5位 50秒09
  トルコ
2014 バルカン選手権 (en   バカウ 400mH 2位 50秒62
4x400mR 優勝 3分07秒41 (1走)
2015 バルカン選手権   ピテシュティ 400mH 優勝 50秒19
4x400mR 優勝 3分06秒55 (3走)
世界選手権   北京 400mH 6位 48秒96 準決勝48秒46:トルコ記録
2016 バルカン選手権   ピテシュティ 4x400mR 優勝 3分04秒21 (2走)
ヨーロッパ選手権   アムステルダム 400mH 優勝 48秒98 準決勝48秒42:トルコ記録
4x400mR 予選 3分04秒65 (2走)
オリンピック   リオデジャネイロ 400mH 3位 47秒92 トルコ記録
2017 世界選手権   ロンドン 400mH 2位 48秒49

ダイヤモンドリーグ 編集

優勝したダイヤモンドリーグの大会を記載(個人種目のみ)

大会 場所 種目 記録 備考
2016 ビスレットゲームズ   オスロ 400mH 48秒79

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ トルコ初の男子短距離種目メダルは今大会の100mで獲得した(銀メダル)
  2. ^ これまでのトルコ勢最高成績はKemal Horuluの予選3組3着(1948年ロンドン大会)だった[6]

出典 編集

  1. ^ IAAF World Championships London 2017 Athlete biographies - men参照(P.54参照) (PDF, 9.3 MB) 国際陸上競技連盟 2018年4月26日閲覧
  2. ^ World Championships Beijing 2015 Athletics Statistics Handbook / BEST NATIONAL PLACINGS(P.660)参照 (PDF, 70.89 MB) 国際陸上競技連盟 2018年4月26日閲覧
  3. ^ 2015年世界選手権男子400mハードル決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2018年4月26日閲覧。
  4. ^ 2016年ヨーロッパ選手権リザルト”. ヨーロッパ陸上競技連盟 (2018年4月26日). 2018年4月26日閲覧。
  5. ^ European Athletics Championships - Amsterdam 2016 Statistics Handbook / Country index(P.114-115)参照 (PDF, 16.54 MB) ヨーロッパ陸上競技連盟 2018年4月26日閲覧
  6. ^ Rio 2016 Olympic Games Athletics Statistics Handbook / BEST NATIONAL PLACINGS(P.331)参照 (PDF, 36.73 MB) 国際陸上競技連盟 2018年4月26日閲覧
  7. ^ 2016年オリンピック男子400mハードル決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2018年4月26日). 2018年4月26日閲覧。
  8. ^ Copello wins fourth Rio medal for Turkey”. Hürriyet Daily News (2016年8月19日). 2018年4月26日閲覧。
  9. ^ 2017年世界選手権男子400mハードル予選スタートリスト (PDF, 133 KB) 国際陸上競技連盟 2018年4月26日閲覧
  10. ^ 2017年世界選手権男子400mハードル決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2018年4月25日). 2018年4月26日閲覧。
  11. ^ Turkish sprinter wins silver at world championships”. Daily Sabah (2017年8月10日). 2018年4月26日閲覧。

外部リンク 編集

記録
先代
Tuncay Örs
(50秒13)
2010年6月6日
男子400mハードル
トルコ記録保持者
(49秒73 - 47秒92)

2015年7月7日 -
次代
未定