ヤツガシラ
ヤツガシラ(戴勝、八頭、学名Upupa epops)は、鳥綱サイチョウ目ヤツガシラ科の1種である。
ヤツガシラ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Upupa epops Linnaeus, 1758 | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヤツガシラ(戴勝、八頭) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Eurasian Hoopoe | ||||||||||||||||||||||||
![]() |
漢名は戴勝(たいしょう、簡体字: 戴胜、拼音: タイション)。現代中国語では俗に呼哱哱(拼音: フーポーポー)、山和尚(拼音: シャンホーシャン)とも[1]。
形態編集
全長約28cm。雌雄同色。くちばしは黒で細長く下に曲がっている。頭には広げると扇状になる冠羽があり、橙黄褐色で先は黒い。頭部、上背、胸は橙褐色で、翼と尾は黒褐色と白色の横縞模様。体の下面は白みを帯びる。
分布編集
ヨーロッパ南部および中部、アフリカ、南アジアから、東南アジア、中国、沿海州にかけて分布する。北方で繁殖した個体は、冬季南方へ渡る。 日本では、少数が旅鳥もしくは冬鳥として渡来する。記録は全国からあるが、南西諸島では春の渡りの時期に毎年通過する。秋田県、長野県、広島県では繁殖の記録がある。
生態編集
平地の開けた草地や農耕地に生息する。食性は主に動物食で、地上を歩きながら昆虫類などを捕食する。繁殖形態は卵生。樹洞や石垣の隙間などに営巣するが、巣箱を利用することもある。4-6月に5-8卵産む。抱卵日数は16-19日で、20-27日で雛は巣立つ。
亜種編集
6亜種に分かれる[2]。
- U. e. epops Linnaeus, 1758 - 北西アフリカ、ヨーロッパ、ロシア東部から中南部、中国北西部、インド北西部[2]。
- U. e. ceylonensis Reichenbach, 1853 - インド中部・南部、スリランカ[2]。
- U. e. longirostris Jerdon, 1862 - インド北東部から中国南部、インドシナ、マレー半島北部[2]。
- U. e. major Brehm, CL, 1855 - エジプト[2]。
- U. e. senegalensis Swainson, 1837 - セネガル、ガンビアから(アフリカ大陸を横断して)ソマリア[2]。
- U. e. waibeli Reichenow[3], 1913 - カメルーンから(アフリカ大陸を横断して)ケニア北西部、ウガンダ北部[2]。
文化編集
戦後になって皇居に1個体が飛来したときは、昭和天皇が観察を行っている。昭和天皇は皇居の庭に降り立ったヤツガシラを見るため、双眼鏡を持ってくるよう侍従に命じたが、サトイモの一品種であるヤツガシラと勘違いした侍従は「お芋を見るのに双眼鏡が何故いるのですか」と聞き返したという。生物学者としての一面を兼ね備えた昭和天皇らしいエピソードである。その後、香淳皇后がその絵を描いている。
ギャラリー編集
兵庫県の民家の軒先に現れたヤツガシラ。
脚注編集
- ^ 相賀徹夫 編 (1992)『中日辞典』小学館、「戴勝」
- ^ a b c d e f g Gill, F & D Donsker (Eds). 2015. IOC World Bird List (v 5.1). doi : 10.14344/IOC.ML.5.1. Todies, motmots, bee-eaters, hoopoes, wood hoopoes & hornbills « IOC World Bird List
- ^ Anton Reichenow (1847–1941) Ornithologist and Herpetologist or エドゥアルト・ライヒェナウ (1883-1960) 原生動物学者
- ^ バードライフ・ニュースバイト 2009年 4月8日付[1]
- ^ レビ記11章13節 - 19節 , 申命記14章12節 - 18節