ボルトBOLT)は、ヤマハ発動機が製造販売しているオートバイ大型自動二輪車)の名称である。

本項では派生車種にあたるSCR950(エスシーアール950)についても記述する。

概要 編集

 
Yamaha Bolt(欧州仕様XV950)
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー  ヤマハ発動機
車体型式 EBL-VN04J
エンジン N605E型 941 cm3 4サイクル
内径×行程 / 圧縮比 85.0 mm × 83.0 mm / 9.0:1
最高出力 38kW(52PS) / 5,500rpm
最大トルク 80N·m(8.2kgf・m) / 3,000rpm
車両重量 247(ABS+4) kg
2017 2BL-VN09J型 N609Eエンジン
最高出力 40kW 54PS/5500rpm
燃料タンク容量 13L
燃費 (WMTC)21.2km/L
車両重量 252kg
本体価格 890,000円(Rは42000円高・共に税抜)
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ボルトは、日本国外専用モデルとなるミッドナイトスター(XVS950)の派生モデルとして登場した新型車種である。

従来の「ロー & ロング」のクルージングモデルとは異なり、「ボバー」スタイルを意識した車体構成となる[6]クルーザー(アメリカン)ながらもネイキッドに近いスポーティーなモデルとなっている。なお、ヤマハ公式のアナウンスでは、北米および日本市場に対しては「クルーザー」との位置付けを行っている[7][3]。他方、欧州向けとしては、XJR1300VMAXと同じ枠の「スポーツヘリテージ」カテゴリとし、クルーザーとは一線を画した位置付けが行われている[8][9]

2013年4月に北米向けモデルとして発売されたのがシリーズ第1弾となる[7]。 北米仕様の最大の特徴としては、サドル型フロントシートのみの単座となっており一人乗り仕様である点が挙げられる(これについてはメキシコ仕様でも共通となっている)。後に追加されたC-SPECにおいても、シート後方にシートカウルを装着して単座仕様となっている。

日本国内モデルとしては、同2013年12月に発売された[3]。国内市場向けのクルーザーラインナップとしては、XVS950ミッドナイトスターが国外専用モデルであることから、初の950ccクラスのモデルとなる。日本国内仕様では、北米仕様とは異なり、サドル型フロントシートは共通ながらピリオンシートの追加装備により複座の二人乗り仕様となっている(これについては欧州一般仕様でも共通となっている)。また、後に追加されたCスペックにおいては、シートカウルのないセミダブルシートが採用され二人乗り仕様となっている。

初期ラインナップは、標準タイプの「ボルト」、ABS装備タイプの「ボルトABS」、リザーバータンク付きリアショックアブソーバーヌバック調シートを採用した「ボルトRスペック」、およびABS装備タイプの「ボルトRスペックABS」の4機種にて展開された。

2015年モデルとして新たに「ボルトCスペック」および「ボルトCスペックABS」が登場[5]セパレートハンドルと後退したステップ位置に加え、ホールド性の高いシート形状によりライディングポジションが前傾化され、スポーツ性を更に高めている。クラシカルな雰囲気を演出するフォークブーツを採用するなど「カフェレーサー」スタイルを意識したモデルである[10]

車名の表記に関しては、日本国内仕様は「XVS950CU BOLT」が正規表現となり、北米仕様では「BOLT」、欧州仕様では「XV950」となっている。また、メキシコ仕様では「XV950 BOLT」であるなど[11]、仕向け地により名称に幅が見られる。

2017年5月25日に通常仕様とR仕様がモデルチェンジ[12]され、ABSが標準装備となり、エンジン出力は平成28年環境規制に対応しつつスペックが向上される。また容量と構造を見直した燃料タンクが搭載される。

モデル一覧 編集

  • ボルト〔XVS950CU BOLT〕:標準モデルの通常仕様車(初期モデル)
  • ボルトABS〔XVS950CU BOLT(A)〕:標準モデルのABS仕様車。
  • ボルトRスペック〔XVS950CU BOLT-R〕:上級装備モデルの通常仕様車。(初期モデル)
  • ボルトRスペックABS〔XVS950CU BOLT-R(A)〕:上級装備モデルのABS仕様車。
  • ボルトCスペック〔XVS950CU BOLT-C〕:スポーツモデルの通常仕様車。
  • ボルトCスペックABS〔XVS950CU BOLT-C(A)〕:スポーツモデルのABS仕様車。

SCR950 編集

SCR950は、2016年に北米・欧州市場向けとして発表されたモデルである。

車体とエンジンはボルトをベースとしているが、アップハンドルに換装して座席シートを長くし、前後ホイールをワイヤースポークとしてトレールタイヤを装備[13]したことにより「スクランブラー」をイメージしたデザインとなっており、ベースのボルト同様に「スポーツヘリテージ」として位置づけられている。

2017年5月25日より日本国内仕様として SCR950 ABS が発売された[14]

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ ヤマハ発動機株式会社 - BOLT:カラー(2013年11月14日時点のアーカイブ
  2. ^ 本記事内で「2013年モデルの車体色」として記載される内容は、出典参照先のウェブ資料『ヤマハ発動機株式会社 - BOLT:カラー』の記載内容とは異なってる。同資料では、ボルトのブルーイッシュホワイトカクテル1(ホワイト)には「ペールブルーメタリックJ」の画像、ボルトRスペックのブラックメタリックX(ブラック)には「マットシルバー1」の画像が、それぞれ表示されている。
  3. ^ a b c ヤマハ発動機 ニュースリリース 2013年11月8日 - シンプルなスタイリングと軽快な走りがクルーザーの世界観を広げる 新製品「XVS950CU BOLT」及び「XVS950CU BOLT-R」発売
  4. ^ ヤマハ発動機株式会社 - BOLT:仕様(2013年11月13日時点のアーカイブ)
  5. ^ a b スポーティテイストを楽しめるVツインクルーザー 「XVS950CU BOLT-C」「XVS950CU BOLT-C(A)」を新発売 - ヤマハ発動機・2015年2月5日
  6. ^ ヤマハ発動機株式会社 - BOLT:特長紹介
  7. ^ a b ヤマハ発動機 ニュースリリース 2013年3月11日 - 新中期経営計画に基づく先進国向け二輪車新製品の第1弾 新型クルーザー「BOLT(ボルト)」、北米市場で発売
  8. ^ Motorcycles - Yamaha Motor Europe(2013年7月5日時点のアーカイブ)
  9. ^ Sport Heritage Motorcycles - Yamaha Motor Europe(2013年7月6日時点のアーカイブ)
  10. ^ ヤマハ発動機株式会社 - BOLT Cスペック:特長紹介
  11. ^ YAMAHA MOTOR DE MEXICO S.A. DE C.V. - XV950 BOLT 2014(2013年10月11日時点のアーカイブ)
  12. ^ シンプルなスタイルで人気のクルーザーモデル 「BOLT ABS」「BOLT Rスペック ABS」2017年モデル発売 カラーリングの変更、フランジレス燃料タンクの採用 - ヤマハ発動機・2017年4月5日
  13. ^ <全方位写真>YAMAHA SCR950 - オートバイ&RIDE
  14. ^ "スクランブラー"スタイルをまとった941cm3空冷Vツインエンジン搭載のスポーツモデル 日常を冒険に変える「SCR950 ABS」新発売 - ヤマハ発動機・2017年4月5日

外部リンク 編集