ユニウス氏族
ユニウス氏族 (羅: Gens Iunia) は、古代ローマの氏族。

Giuseppe Crespi画、大地に接吻するブルトゥス (1725年)
概要編集
恐らくローマの歴史の中で最も古い氏族であろうと思われる。特に、共和政ローマを語る上では欠かせない血統で、その歴史の最初と最後に非常に際立った役割を演じている。
ルキウス・ユニウス・ブルトゥスはローマ王タルクィニウス・スペルブスを追放し、ローマに共和政を施行した人物として知られ、その氏族の系譜に連なるマルクス・ユニウス・ブルトゥスは共和政の存続を揺るがす終身独裁官、ガイウス・ユリウス・カエサルを暗殺した人物として知られている。
初代執政官も務めたブルトゥスは間違いなくパトリキであったが、その二人の子は自らが処刑しており、その後現れるユニウス氏族は、ほぼプレブス系となっている。
パトリキ系編集
ブルトゥス家編集
- マルクス
- ルキウス・ユニウス・ブルトゥス:共和政ローマ設立メンバーの一人。紀元前509年の初代執政官。
- ティトゥス・ユニウス・ブルトゥス:ブルトゥスの子。タルクィニウス王の陰謀に巻き込まれ父に処刑される。
- ティベリウス・ユニウス・ブルトゥス:ブルトゥスの子。ティトゥスと共に処刑された。
- ルキウス・ユニウス・ブルトゥス:共和政ローマ設立メンバーの一人。紀元前509年の初代執政官。
プレブス系編集
ブルトゥス家編集
- ルキウス・ユニウス・ブルトゥス: 紀元前493年の護民官
- ティトゥス・ユニウス・ブルトゥス: 紀元前492年のアエディリス
- デキムス・ユニウス・ブルトゥス・スカエウァ (紀元前325年の執政官)
- デキムス・ユニウス・ブルトゥス: 紀元前194年の植民三人委員
- プブリウス・ユニウス・ブルトゥス: 紀元前190年のプラエトル
- マルクス・ユニウス・ブルトゥス (紀元前178年の執政官)
- マルクス
- マルクス
- マルクス
- マルクス・ユニウス・ブルトゥス・マイヨル:紀元前83年の護民官
ブブルクス家編集
- ガイウス
- ガイウス
- ガイウス・ユニウス・ブブルクス・ブルトゥス (紀元前317年の執政官): その後も二度執政官を務める
- ガイウス・ユニウス・ブブルクス・ブルトゥス (紀元前291年の執政官):恐らくブブルクスの子
- ガイウス・ユニウス・ブブルクス・ブルトゥス (紀元前317年の執政官): その後も二度執政官を務める
- ガイウス
ペラ家編集
- デキムス
- デキムス
- デキムス・ユニウス・ペラ: 紀元前266年の執政官
- マルクス・ユニウス・ペラ: 恐らくデキムスの子。紀元前230年の執政官
- デキムス・ユニウス・ペラ: 紀元前266年の執政官
- デキムス
プッルス家編集
- ルキウス・ユニウス・プッルス
- ガイウス・ユニウス・プッルス
- ルキウス・ユニウス・プッルス: 紀元前249年の執政官
- ガイウス・ユニウス・プッルス
シラヌス家編集
- マルクス・ユニウス・シラヌス:紀元前212年のプラエトル
- マルクス
- デキムス: カルタゴの書籍をラテン語に翻訳
- デキムス・マンリアヌス: 紀元前165年の執政官。ティトゥス・マンリウス・トルクァトゥスの実子
- デキムス: カルタゴの書籍をラテン語に翻訳
- マルクス
- マルクス・ユニウス・シラヌス: 紀元前196年のプラエフェクトゥス
- デキムス
- マルクス
- ガイウス
- ガイウス・ユニウス・シラヌス: 10年の執政官
- ガイウス
ペンヌス家編集
- マルクス
- マルクス・ユニウス・ペンヌス: 紀元前201年のプラエトル
- マルクス・ユニウス・ペンヌス: 上記ペンヌスの子か。紀元前167年の執政官
- マルクス・ユニウス・ペンヌス: 紀元前201年のプラエトル
その他編集
参考文献編集
- T. R. S. Broughton (1951, 1986). The Magistrates of the Roman Republic Vol.1. American Philological Association