ユピテルとカリスト: Jupiter et Callisto)は、フランスロココ時代の画家フランソワ・ブーシェギリシア神話を題材に1744年に制作した絵画である。モスクワプーシキン美術館所蔵。

『ユピテルとカリスト』
フランス語: Jupiter et Callisto
作者フランソワ・ブーシェ
製作年1744年[1]
種類油彩カンヴァス
寸法98 cm × 72 cm (39 in × 28 in)
所蔵プーシキン美術館モスクワ

解説 編集

ニュンペーカリストが女神ディアーナへ変身したユピテルと睦みあう姿を描いた作品。

画中に描かれたユピテルは容姿・肉体とも完全に女性であり女神と化している。その一方ブーシェはこの作品に意図的に「ユピテルとカリスト」と名付け、カリストと睦みあう美しい貴婦人・女神が本来は男性・男神であるユピテルであり、彼が女性化してこの姿になったことを明示した。つまりこの絵画は同性愛レズビアン的要素と同時に女性化女体化TSF的要素も併せ持つ官能的な作品であるといえる。

またディアーナはユピテルが女性化・女体化したもう一つの姿だったという解釈も成り立ち[要出典]、女性化・女体化譚TSFがこの時代からあったことを示す作品でもある。

脚注 編集

  1. ^ 中野京子『中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇』文藝春秋、2016年、214頁。ISBN 978-4-16-390308-8 

参考文献 編集

  • 『世界美術大全集 西洋編18・ロココ 18』 小学館(1996年)

関連項目 編集