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ユリワサビ(百合山葵、学名:Eutrema tenue)は、アブラナ科ワサビ属多年草 [3]。同属のワサビと比べ、全体に小型。別名イヌワサビ(犬山葵)。

ユリワサビ
Eutrema tenue 6.JPG
茨城県筑波山 2019年4月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : アオイ類 Malvids
: アブラナ目 Brassicales
: アブラナ科 Brassicaceae
: ワサビ属 Eutrema
: ユリワサビ E. tenue
学名
Eutrema tenue (Miq.) Makino[1]
シノニム
和名
ユリワサビ(百合山葵)[3]

特徴編集

地下の根茎はワサビより細く短い。葉柄の基部が肥厚して鱗茎状になる。は細く成長すると倒れる。はワサビより小さく、濃緑色で縁に波状の粗い鋸歯があり、葉柄の基部はふくらむ。葉は開花、結実後も枯れずに生存する[3]

花期は3-5月。茎の先端に短い、まばらな花序をつける。は白色の十字状の4弁花で、花弁の長さは4-6mm。萼片は楕円形。花柄の基部には葉が変化したがつき、やや深く切れ込む。長角果は長さ10-15mmになり、開出するか下を向く[3]

分布と生育環境編集

日本固有種。本州(岩手県以南)から九州に分布し、山間の沢や渓流のほとりに生育する[3]

名前の由来編集

和名ユリワサビは「百合山葵」の意で、冬季に残る葉柄の基部の鱗茎葉が、ユリの百合根に似ることからいう[3]

種小名 tenue, tenui- は、「うすい」「弱々しい」の意味[4]

利用編集

ワサビ同様山菜とされ、茎や葉、花は、おひたしなどに利用される。

オオユリワサビとの誤認編集

同属のオオユリワサビ Eutrema tenue (Miq.) Makino var. okinosimense (Taken.) Ohwi は、ユリワサビの変種とされ、基準標本の採集地である福岡県の沖ノ島固有のもので、同地で生育が確認できず、2000年の環境庁レッドデータブックまでは「絶滅種(EX)」とされていた。しかし、「オオユリワサビ,その生活と分類学的位置」鳴橋直弘・梅本康二・若杉孝生(2000年)によって、オオユリワサビは独立した種 Eutrema okinosimense Taken. であり、また本州の東北地方から九州にかけて分布しているとされた[5][6][7]。東北地方でユリワサビとされていたものはオオユリワサビであった[7]。また、牧野富太郎原著『新牧野日本植物圖鑑』のユリワサビのスケッチ[4]はオオユリワサビによく似ている、との意見もある[7]

ギャラリー編集

脚注編集

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  1. ^ ユリワサビ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ユリワサビ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e f 『改訂新版 日本の野生植物 4』pp.63-64
  4. ^ a b 『新牧野日本植物圖鑑』p.203, p.1350
  5. ^ オオユリワサビ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  6. ^ 「オオユリワサビ(アブラナ科)の北限産地(米倉浩司)」, The Journal of Japanese Botany, 『植物研究雑誌』Vol.78, No.6, p.357, (2003).
  7. ^ a b c 34オオユリワサビ、解説細井幸兵衛、青森県植物図譜

参考文献編集