ユーイング肉腫

小円形細胞の増殖によりなる悪性腫瘍

ユーイング肉腫(ユーイングにくしゅ、英語: Ewing's sarcoma)は、小円形細胞の増殖によりなる悪性腫瘍のこと[1]

ユーイング肉腫
PAS染色されたユーイング肉腫組織像
概要
診療科 腫瘍学
分類および外部参照情報
ICD-10 C41.9
ICD-9-CM 170.9
ICD-O M9260/3
OMIM 133450
DiseasesDB 4604
MedlinePlus 001302
eMedicine ped/2589
MeSH D012512

アメリカの病理学者、ジェームス・ユーイング (James Ewing) によって報告されたため、その名が付いている。t(11;22)(q24;q12)による融合遺伝子形成で特徴づけられる。

概要

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好発年齢は10歳代で、骨盤および長管骨に好発する[1][2]。人種別では白人に好発し、黒人では稀である。多くの症例で局所の疼痛、発熱、赤沈亢進が見られる[2]

病理組織像

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病理組織像では小円形細胞がびまん性に増殖している。腫瘍細胞の細胞質はグリコーゲンが存在し、PAS染色陽性である[2]。壊死が頻繁に見られる。腫瘍組織の約20%で偽ロゼット構造が観察される。大半の腫瘍細胞はCD99を発現する。ただし、他の軟部腫瘍でも一般的に発現するため、疾患特異的ではない。

診断

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第22番染色体上のEWS遺伝子が関与した相互転座による融合遺伝子形成が特徴的であり、腫瘍組織の遺伝子解析が確定診断となる[2]。最も頻繁な遺伝子異常は、11番染色体と22番染色体の相互転座t(11,22)(q24;q12)で、これによりFLI-1とEWS遺伝子が融合する。

経過

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好発転移部位は肺、骨、骨髄である。

脚注

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出典

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  1. ^ a b Stedman's Medical Dictionary 28th ISBN 978-0781733908
  2. ^ a b c d 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294

関連項目

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外部リンク

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