ヨリが跳ぶ』(ヨリがとぶ)は、ヒラマツ・ミノルによる日本漫画バレーボールをテーマとした作品で、『モーニング』(講談社)にて、1994年51号から1999年40号まで連載された。

単行本は全20巻。のちに『ヨリが跳ぶ 始動篇』 全4巻(宙出版 ∞COMIC 2007年-2008年)として初期の部分のみ再刊された。

あらすじ 編集

ちょっと天然ボケの高校生、大久保ヨリが日本のエースアタッカーになるまでを描いた漫画。ストーリーは実業団リーグを舞台にした第1部(単行本1巻-15巻)と、Vリーグ昇格以降を扱った第2部(16巻-20巻)に分けられる(連載自体は第1部と第2部の間のブランクは無し)。第1部は、ヨリが無名の女子高からオグリ製菓へ就職し、チームメートと実業団リーグで優勝するまでが描かれており、第2部では全日本メンバー入りするまでが描かれている。

時代設定 編集

試合は15ポイント制5セットマッチ。5セット目のみラリーポイント制で行われている。話中ではサーブブロックの禁止が言及されている一方、リベロは登場しておらず、また、腰から下での打球が反則にとられていないことから、作品が連載された1995年から1997年のルールを用いていると想定される[独自研究?]。Vリーグの試合方式は1996年-1997年と一致している。ヨリの所属チームのユニフォームブルマーだったが、他のチームはハーフパンツを使用した。

主な登場人物とチーム 編集

オグリ製菓・オグリポピンズ 編集

創部6年目。実業団リーグで優勝し、Vリーグではオグリポピンズというチーム名になる。ここでは一括して扱う。

大久保ヨリ(おおくぼヨリ)
183cm、69kg、セッター対角(チーム事情で一時はセンター)。愛称はヨリ。沼里(ぬまり)女子高校卒。高校生の時はインターハイ予選決勝で敗れ、全国大会は未出場。卒業時、国舞に打ち屋としての採用を認められるが断り、オグリ製菓に入社する。Vリーグで才能を開花させ、ヒロコ級のスパイクを打つようになる。
沢田理佳子(さわだりかこ)
181cm、63kg、エース。愛称はリカコ。優れたバレーセンスの持ち主であり、国舞の内定候補になるも、髪型(もしくは茶髪)が国舞の社風にふさわしくないと判断された。見た目の派手さとぶっきらぼうな口調のため、ヨリは彼女を「ヤンキー」と思った。
阿久津明美(あくつあけみ)
175cm、61kg、エース。愛称はキャプテン。オグリのキャプテン。ヨリの加入により胃痛が耐えない。加代子が去った後、セッターとなる。
加納加代子(かのうかよこ)
170cm、セッター。愛称は加代ちゃん。Vリーグ昇格時に妊娠しチームを一時去る。地味にチームの要。
小山恵(こやまめぐみ)
172cm、エース。レシーブの要。半袖ユニフォームの袖を肩までまくるのがトレードマーク。
観音寺忍(かんおんじしのぶ)
179cm、64kg。センター。清華女子大学卒。全日本ユニバではレギュラー。
カトリーナ・マーシャル
190cm、センター。元アメリカナショナルチームにも選ばれた選手。ナショナルチーム時代の友人であるガリーナ・チーホノワの紹介で第2部で加入。
岸アキ子、西村
控え選手
高崎恭三(たかさききょうぞう)
飄々とした風貌だが、勝負勘や戦力分析に優れた監督。ヨリの高校時代の恩師、武田伸介と同じ大学で一年後輩。
相原邦彦
コーチ(Vリーグ以降)。明美に惚れている。

モンテル・ジャパン 編集

創部も、実業団リーグに入ったのも、オグリと同年であるライバル・チーム。

鳴海蘭(なるみらん)
175cm、61kg。エース。キャプテン。芸能人のような派手なファッション。キャプテンどうしで阿久津をライバル視している。
鳴海ユリ(なるみユリ)
189cm、78kg。蘭の妹。足利福祉大学中退。ヨリからは「小ヨリ」と呼ばれる。
有田由香
182cm、エース。チームのポイントゲッター。
淡路桜子
176cm、セッター対角
九重晴美
180cm、センター
山口唯
179cm、センター
石渡咲
167cm、セッター
神月なびき(こうづき なびき)
オグリキラー
桐島達郎
監督
木原和代
臨時特別コーチ。モントリオール五輪金メダル(ただし控え選手)。

明和生命 編集

門野真理
171cm、58kg、ライト。
内藤ひかる
181cm、70kg、エース。故障やケガ、交通事故、盲腸などで4年目にして実業団リーグ初出場
安田香織(キャプテン)、谷口美和、須田悦子、田代友恵、畑田紀子、内田
選手
福沢花子
158cm、52kg、セッター。監督兼任
村田考造
総監督

アベノ引越社 編集

ガリーナ・チーホノワ(Galin Tikhonova)
192cm、77kg。旧ソ連ナショナルチームセンター。ウクライナのナショナルチームのコーチ兼選手。
アレクサンドラ・ポドゴルナヤ(Aleksandra Podgornaya)
196cm、82kg。

兼通レイニーズ 編集

実業団リーグ。日本リーグ優勝3回。故障者が多く、Vリーグから陥落。

藤木明日香
元全日本。ヒロコとエース対角を組む。
田畑輝子(キャプテン)、見吉珠美、遠野
選手
大下正文
監督

国舞リップス 編集

母体は国舞化粧品。日本女子バレー界の名門。全日本のレギュラー中3人が属している。

梶容子(かじひろこ)
182cm、64kg。通称ヒロコ。高校2年生で全日本に入った日本女子バレー界の女王。全日本男子以上のスパイクを打つ。ヨリの才能を早くから認めていた。Vリーグ決勝、ヨリが自分を超えたのを確認して試合後失踪。
大滝満里子
サウスポー、国舞リップスのキャプテン。全日本ビッグスリーの一人。
風間亜紀
190cm。全日本ビッグスリーの一人。
伏見晴子
控えセッター。元全日本ジュニアのエース
kon(漢字表記不明)
セッター。レギュラー。
kitano、kon、kagawa、kita、kazama、片岡、中原、uno、yoshida
選手。
橋口(監督)
高校生だったヨリを打ち屋として採用を検討した。最後まで打ち屋として認識していた。
小川(マネージャー)

その他人物 編集

大久保ハナ
ヨリの姉。身長161㎝、体重不明、22歳[1]、職業不明。幼い頃、ヨリがいつも跳びはねていてジャンプ力がついていくのを見て、跳ぶのが好きならとバレーボールをすすめた。ラーメンが好きで、おいしい店を見つけるとメニューの端から端まで食べるような健啖家。背は低く小太り。顔のパーツはヨリに似ている。ヨリの試合を見に行き、「ヨリの姉」と名乗ったが、最初は信じてもらえなかった。試合後にヨリと対面する。
武田伸介
沼里女子高校顧問。オグリ製菓の監督・高崎の大学時代の1年先輩。国舞の打ち屋の話を断り行き場のないヨリのため、高崎宛に紹介状を書く。調子のいい高崎が少し苦手。
今井美津子
セッター対角。ノエル石油(地域リーグ)所属。東八天寺高校卒。ヨリの幼馴染。
藤崎裕二
193㎝。興陽大学中退。スピードだけならヒロコ以上のスパイクを打つ。
神林静江
沼里女子高校生徒会長。剣道部主将。ヨリのクラスメイト。卒業式の日にヨリに卒業試験をさせるドッキリを仕掛けた。そのため、ヨリは卒業式に参列できなかった。
小林寛太
24歳。背丈はかなり低い。明日香とは幼稚園からの幼馴染。明日香に好意を持っているが、フラれた。しかし、試合でアキレス腱を切って入院した明日香に付き添った。明日香にしつこく付きまとったため、ストーカーとして警察に通報されかけたり、「チ〇カ〇野郎!」と叫ばれた。これを聞いたヨリからはチ〇カ〇くんと呼ばれている。なお、ヨリは「チ〇カ〇」の意味を知らなかったため、チームメイトに聞き、チームメイトは意味を教えたが、ヨリは「医学用語ばかりで分からなかった」とのこと。

その他のチーム 編集

京立電機
実業団リーグ。地域リーグから上がってきたばかり。
ヨシムラ薬品、新田交通
実業団リーグ。
大堂レシーバーズ、リタックスバスターズ、タザワカップス、イセハマパールス、五星ブレーカーズ、フジオーマックス
Vリーグ。

脚注 編集

  1. ^ 第14巻カバー裏ソデ。