ヨーゼフ・エッテンライヒ

ヨーゼフ・クリスティアン・リッター・フォン・エッテンライヒ: Josef Christian Ritter von Ettenreich, 1800年8月25日 - 1875年2月4日)は、オーストリア帝国貴族である。

ヨーゼフ・エッテンライヒ。

元々は肉屋出身だったが、フランツ・ヨーゼフ1世襲撃事件ドイツ語版の際に皇帝フランツ・ヨーゼフ1世を助けた功績によって、世襲貴族に叙せられた。

概要 編集

 
皇帝襲撃事件の様子。シルクハットの人物がエッテンライヒ。
 
エッテンライヒ通りドイツ語版のモザイク画。

1800年8月25日ウィーンで誕生する。ヴィーデン地区で肉屋を営む市民だったが、1853年にたまたまフランツ・ヨーゼフ1世襲撃事件ドイツ語版の現場に居合わせ、若きオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世を助けるのに一役買った[1][2]

侍従武官マクシミリアン・カール・オドネルドイツ語版が1対1でハンガリー出身の犯人のリベーニ・ヤーノシュハンガリー語版と格闘しているところに、当時53歳のエッテンライヒは助勢に駆け付け[1]、素手で殴り倒して犯人を取り押さえたと伝えられる[2]。これにより、エッテンライヒは「勲功著しい」として世襲貴族に叙せられ、「フォン」の名乗りを許されるようになった[1][2]

その名を冠したエッテンライヒ通りドイツ語版という路地が、現在もウィーンに残っている。

出典 編集

  1. ^ a b c 江村 1994, p.53
  2. ^ a b c 平田 1996, p.63-64

参考文献 編集

  • 江村洋『フランツ・ヨーゼフ ハプスブルク「最後」の皇帝』東京書籍、1994(平成6)年9月20日。ISBN 4-487-79143-X 
  • 平田達治『輪舞の都ウィーン』人文書院、1996(平成8)年5月25日。ISBN 4-409-51040-1