ライスミルク

コメを原料とする穀物ミルク

ライスミルク英語: Rice milk)は、から作られる植物性ミルクである。一般には玄米から作られ、玄米ミルクともいう[1][2]米乳と和訳されることもある[3]

ライスミルク
別名 玄米ミルク
食物エネルギー
(100 gあたり)
47 kcal (197 kJ)
栄養素
(100 gあたり)
タンパク質 0.28 g
脂肪 0.97 g
炭水化物 9.17 g
グリセミック指数 86 ()
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概要 編集

本来は、ヨーロッパ乳製品大豆アレルギーを持つ人や菜食主義者の間で普及した食品である[1]。欧米では牛乳豆乳に代わる第3のミルクと呼ばれており、飲みやすさや使いやすさも認められ、多くのスーパーマーケットで日常的に扱われる商品として普及している[1]アメリカでは、「ライスドリーム」という商品が販売されている。

日本で一般に流通しているライスミルクは海外品がほとんどを占めるが、2013年に国産米飲料であるライスオーラ(現行商品:にほんの米乳)[4]が販売された。2014年には国産玄米(福井県産コシヒカリ)ライスミルクGEN-MY(ケイ・エス・ティ・ワールド)、2015年5月には国産玄米ライスミルク(キッコーマン)が発売された。2016年9月には獺祭ライスミルク(旭酒造)が発売された。

市販品のライスミルクは牛乳の代替として多くのレシピに用いられ、プレーンのほか、バニラチョコレートアーモンドなどの風味を付けられたものもある。甘いライスミルクの多くは、日本の甘酒と同様に、天然の酵素の作用でデンプン二糖単糖、特にグルコースに切断することによって作られるが、サトウキビシロップなどの甘味料で甘みを付けているものもある。

牛乳との比較 編集

牛乳と比較すると、ライスミルクは炭水化物をより多く含むが、カルシウムタンパク質はそれほど含まず、コレステロール乳糖(ラクトース)は全く含まない。市販される商品では、カルシウムビタミンB12ビタミンB3等のビタミンやミネラルを添加しているものもある。乳糖不耐症大豆アレルギー英語版フェニルケトン尿症の患者やヴィーガンの人々は、しばしば牛乳の代用としてライスミルクを飲む。

製造 編集

一般的なライスミルクは米を砕し米粉にしたものを水に浸して濾過をし濾過液にを加えて製造される。一方、2015年1月に販売されたライスミルク(GEN-MY)は、酵素糖化製法を用いて、米の澱粉部分を酵素で分解しオリゴ糖にしており、油も塩も使用しない。2015年5月に発売された玄米ライスミルク(キッコーマン)も糖化製法で作られているが、オリゴ糖に分解はしていない。こちらも油も塩も使用していない。また、旭酒造の獺祭ライスミルクも酵素糖化製法で作られている。原料の米は大吟醸酒獺祭」の原料である酒米(山田錦)の磨く際に出た米糠を有効利用しており、フードロス対策としている。同製品はアレルゲンフリー、グルテンフリーを特色としている。

出典 編集

  1. ^ a b c 『S Cawaii!特別編集 全力 ダイエットBOOK』、主婦の友社、2016年7月、84頁。 
  2. ^ 河村侑紀 (2021年7月). “各国における乳製品代替食品の消費動向”. 独立行政法人 農畜産業振興機構. 農畜産業振興機構. 2023年12月26日閲覧。
  3. ^ オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)、穀類(cereal)を主成分とする飲料についてのファクトシートを公表”. 食品安全総合情報システム. 食品安全委員会 (2011年12月30日). 2023年12月26日閲覧。
  4. ^ “お米のジュース『ライスオーラ』はどんな味? 牛乳・豆乳に次ぐ"第3のミルク"”. エキサイトニュース (エキサイト). (2014年3月18日). https://www.excite.co.jp/news/article/E1395036986287/ 2020年12月4日閲覧。 

関連項目 編集