ライド・ザ・ライトニング

メタリカのアルバム

ライド・ザ・ライトニング(Ride the Lightning)は、アメリカヘヴィメタルバンドメタリカ1984年に発表したセカンド・アルバム。

ライド・ザ・ライトニング
Ride the Lightning
メタリカスタジオ・アルバム
リリース
録音 1983年 - 1984年
ジャンル スラッシュメタル
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗メガフォース(オリジナル盤)
エレクトラ(リイシュー盤)
イギリスの旗ミュージック・フォー・ネイションズ(オリジナル盤)
ヴァーティゴ(リイシュー盤)
日本の旗NEXUS/キング(オリジナル盤)
CBSソニー→ソニーレコード(リイシュー盤)
ユニバーサル・ミュージック(リイシュー盤)
プロデュース ポール・カーシオ、ジョン・ザズラ
専門評論家によるレビュー
メタリカ アルバム 年表
キル・エム・オール
1983年
ライド・ザ・ライトニング
(1984年)
メタル・マスター
1986年
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解説 編集

前作『キル・エム・オール』の流れを引き継ぐような「Trapped Under Ice」「Fight Fire with Fire」のみならず、「Fade to Black」「The Call of Ktulu」では長編で緩急を持たせ、広がりをみせている。これは、クリフ・バートンカーク・ハメットが積極的に曲作りに関るようになってからだという。なお、「Ride the Lightning」と「The Call of Ktulu」は、元々デイヴ・ムステインが在籍していた頃の楽曲であり、デイヴも作曲に携わっていた楽曲であった。

レコーディングは、ラーズ・ウルリッヒの故郷であるデンマークコペンハーゲンにあるスウィート・サイレンス・スタジオにて行われた。このスタジオを選んだ理由は、料金が安かったことと、そこでレインボーのアルバム『アイ・サレンダー』が制作されたことである。隣には、メンバー達が以前からファンであったマーシフル・フェイトのリハーサル部屋があり、レコーディングが完了するとその彼らの元へ向かい、本作から数曲を披露、その後にギタリストのマイケル・デナーがカークに近寄り、「『For Whom the Bell Tolls』を聴く前はマーシフル・フェイトが一番ヘヴィなバンドだと思っていた。でも今やメタリカが一番ヘヴィなバンドだ」と称した。以来、両バンドは親しくなったという。

タイトルの『ライド・ザ・ライトニング』とは、カークが読んでいた、スティーヴン・キングの小説『ザ・スタンド』の中で、死刑囚監房にいた男が「稲妻に乗る(ride the lightning)」という一節に由来。

全米でミリオン・ヒットとなり、プラチナディスクに認定された。

収録曲 編集

  1. ファイト・ファイヤー・ウィズ・ファイヤー - Fight Fire with Fire (4:45)
    後の『メタル・マスター』の収録曲「Battery」同様、静かなアコースティックギターのイントロから突如としてアグレッシヴな演奏に切り替わる。
    歌詞は、当時のアフガニスタン紛争イラン・イラク戦争などの核戦争を皮肉っている。
    レッド・ホット・チリ・ペッパーズフリーは、当時のラジオから流れたこの曲に衝撃を受けたと語っており、2008年にメタリカのロサンゼルス公演にサプライズ出演した際には、この曲でセッションした。
  2. ライド・ザ・ライトニング – Ride the Lightning (6:37)
    今作のタイトル・ナンバー。電気椅子にかけられている主人公を描いている。
  3. フォー・フーム・ザ・ベル・トールズ - For Whom the Bell Tolls (5:10)
    アーネスト・ヘミングウェイの同名の原題である小説『誰がために鐘は鳴る』からインスパイアされた楽曲。スペイン内戦を舞台とする作中で、5人の兵士が空爆によって丘で命を落とす場面を描いている。
    アメリカのプロレス団体WWE所属のトリプルH2010年3月28日に行われたレッスルマニアXXVIで入場曲として使用[1]
  4. フェイド・トゥ・ブラック - Fade to Black (6:57)
    自殺願望ともとれる内容だが、実際はボストンで機材が盗まれた時の心境を綴っている。その中のマーシャルの代わりとなるアンプを探しに、2大陸を周ったという。
    ジェイソン・ニューステッドが、メタリカを脱退する最後のステージで披露したラスト・ナンバーでもある。ジェイソン曰く、「この曲が最後にぴったりだと思った」。
  5. トラップド・アンダー・アイス - Trapped Under Ice (4:04)
  6. エスケイプ - Escape (4:24)
  7. クリーピング・デス - Creeping Death (6:36)
    旧約聖書の『出エジプト記』をモチーフにしている。
  8. ザ・コール・オブ・クトゥルフ - The Call of Ktulu (8:54)
    インストゥルメンタル
    クトゥルフ神話などに登場する架空の神性、及び宇宙生物、クトゥルフがモチーフ。

演奏メンバー 編集

脚注 編集

  1. ^ 曲の冒頭部分が使われ、彼の従来の入場曲であるThe Gameにつなげる演出だった。