ラグビーアイルランド代表
ラグビーアイルランド代表(ラグビーアイルランドだいひょう、英語: Ireland national rugby union team)は、アイルランドラグビー協会 (IRFU) によって組織されるラグビーユニオンのナショナルチームである。なお、アイルランドが南北に分かれる以前からIRFUが存在していたため、アイルランド共和国および北アイルランドから選手が選出される。エンブレムはシャムロック。
ユニオン | アイルランドラグビー協会 | ||
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エンブレム | シャムロック | ||
コーチ | アンディ・ファレル | ||
主将 | ジョナサン・セクストン | ||
最多キャップ | ブライアン・オドリスコル (133) | ||
最多得点選手 | ローナン・オガーラ (1,083) | ||
最多トライ選手 | ブライアン・オドリスコル (46) | ||
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初国際試合 | |||
![]() ![]() (1875年2月15日) | |||
最大差勝利試合 | |||
![]() ![]() (2000年6月10日) | |||
最大差敗戦試合 | |||
![]() ![]() (2012年6月23日) | |||
ラグビーワールドカップ | |||
出場回数 | 10 (1987年初出場) | ||
最高成績 | ベスト8 |

概要編集
ホームスタジアムはアビバ・スタジアム。同スタジアムが改修中の時期は、ゲーリック体育協会 (GAA) が所有するクローク・パークを一時的に使用していた。練習場はダブリン郊外のナショナルスポーツキャンパスである。
W杯の最高成績はベスト8。
シックス・ネイションズを構成しており、また、南半球強豪国への遠征用の、イングランド、スコットランド、ウェールズとの合同チーム「ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ」も結成している。
試合開始前の国歌斉唱ではアイルランド共和国の国歌「Amhrán na bhFiann」(兵士の歌)を使用していたが、北アイルランド問題などを背景に士気に影響するため、1995年のW杯を機に、ラグビーナショナルチーム用のチーム歌「Ireland's Call」が作られた。共和国内で開催するホームゲームでは国歌「Amhrán na bhFiann」と「Ireland's Call」の両方を、アウェイゲームでは「Ireland's Call」のみを使用している。
選手層が薄いためか、展開力が弱く、上位チームとの対戦では優れたプレースキッカーによる得点で対戦相手に肉薄する。ひたむきなタックルでトライを目指す姿は「魂のラグビー」と評される。2007年のシックス・ネイションズでは優勝候補に挙げられながらも、ホームのフランス戦で終了間際にヴァンサン・クレールに逆転トライを許し、2位に甘んじた。
2007年W杯ではブライアン・オドリスコルなどの選手を中心に上位進出が期待されたが、1次リーグでフランスとアルゼンチンに敗れ、ベスト8に進出することはできなかった。
2009年のシックス・ネイションズにおいて、1985年以来24年ぶりの優勝を果たし、1948年以来61年ぶりとなるグランドスラムを飾った。
2011年W杯はオーストラリアなどを破り、プール戦全勝で準々決勝に進出したが、ウェールズに敗れた。
2015年W杯はフランスなどを破り、プール戦全勝で準々決勝に進出したが、アルゼンチンに敗れた。
2016年11月6日、アメリカ・シカゴで行われたニュージーランドとのテストマッチを40-29で勝利した。1905年の初対戦から数えて29回目して初のニュージーランド戦勝利となった[1]。
2018年のシックス・ネイションズで、2009年以来の優勝とグランドスラムを達成。11月18日にダブリンでニュージーランドをノートライに抑え、16-9で勝利した[2]。
2019年W杯直前の9月7日に行われたウェールズとのテストマッチに19-10で勝利。この結果、9月9日付でアイルランド代表史上初めて世界ランキング1位の座に就いた[3]。2019年W杯では2戦目でホスト国の日本に敗れたが、プール戦3勝1敗の2位で準々決勝に進出。準々決勝ではニュージーランドに14-46で敗れ、今大会でもベスト8の壁を破ることはできなかった。
2021年オータムネーションズシリーズにおいて、11月6日に 9トライを重ね60-5で日本を倒し[4]、11月13日には29-20でニュージーランドを3年ぶりに破り[5]、ホームグラウンドで連勝した。
2023年3月18日、シックス・ネーションズ2023最終戦でイングランドを29-16で下し、5年ぶり4度目の全勝優勝「グランドスラム」となった[6]。
成績編集
シックス・ネイションズ編集
2023年3月18日現在
イングランド |
フランス |
アイルランド |
イタリア |
スコットランド |
ウェールズ | |
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試合数 | 125 | 92 | 127 | 22 | 127 | 127 |
単独優勝 (カッコ内は同時優勝) | ||||||
ホーム・ネイションズ | 5 (4) | N/A | 4 (4) | N/A | 10 (3) | 7 (4) |
ファイブ・ネイションズ | 17 (6) | 12 (8) | 6 (5) | N/A | 5 (6) | 15 (8) |
シックス・ネイションズ | 7 | 6 | 5 | 0 | 0 | 6 |
合計 | 29 (10) | 18 (8) | 15 (9) | 0 (0) | 15 (9) | 28 (12) |
グランドスラム(全勝優勝) | ||||||
ホーム・ネイションズ | 0 | N/A | 0 | N/A | 0 | 2 |
ファイブ・ネイションズ | 11 | 6 | 1 | N/A | 3 | 6 |
シックス・ネイションズ | 2 | 4 | 3 | 0 | 0 | 4 |
合計 | 14 | 10 | 4 | 0 | 3 | 12 |
トリプルクラウン(ホーム・ネーションズ(英4か国)中での全勝) | ||||||
ホーム・ネイションズ | 5 | N/A | 2 | N/A | 7 | 6 |
ファイブ・ネイションズ | 16 | N/A | 4 | N/A | 3 | 11 |
シックス・ネイションズ | 5 | N/A | 7 | N/A | 0 | 5 |
合計 | 26 | N/A | 13 | N/A | 10 | 22 |
ウドゥン・スプーン(最下位チーム賞) | ||||||
ホーム・ネイションズ | 7 | N/A | 10 | N/A | 5 | 6 |
ファイブ・ネイションズ | 10 | 12 | 15 | N/A | 15 | 10 |
シックス・ネイションズ | 0 | 1 | 0 | 17 | 4 | 1 |
合計 | 17 | 13 | 25 | 18 | 24 | 17 |
ラグビーワールドカップ編集
選手編集
現在の代表編集
アイルランド代表スコッド[7]
- ヘッドコーチ : アンディ・ファレル
- キャプテン : ジョナサン・セクストン
※所属、 キャップ数(Cap)は2023年1月29日現在
ワールドラグビー男子ランキング編集
ワールドラグビーが発表するデータにもとづく。
上位30チーム(2023年3月27日時点)[8] | |||
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順位 | 変動* | チーム | ポイント |
1 | アイルランド | 91.82 | |
2 | フランス | 90.47 | |
3 | ニュージーランド | 88.98 | |
4 | 南アフリカ共和国 | 88.97 | |
5 | スコットランド | 82.77 | |
6 | イングランド | 82.12 | |
7 | オーストラリア | 81.80 | |
8 | アルゼンチン | 80.72 | |
9 | ウェールズ | 78.08 | |
10 | 日本 | 77.39 | |
11 | ジョージア | 76.23 | |
12 | サモア | 76.03 | |
13 | フィジー | 74.84 | |
14 | イタリア | 74.63 | |
15 | トンガ | 71.21 | |
16 | ポルトガル | 67.62 | |
17 | ウルグアイ | 66.24 | |
18 | アメリカ合衆国 | 65.92 | |
19 | ルーマニア | 65.85 | |
20 | スペイン | 64.05 | |
21 | ナミビア | 61.60 | |
22 | チリ | 60.89 | |
23 | カナダ | 60.46 | |
24 | 香港 | 59.66 | |
25 | ロシア | 58.06 | |
26 | オランダ | 55.84 | |
27 | ブラジル | 55.23 | |
28 | スイス | 54.67 | |
29 | ベルギー | 54.58 | |
30 | 韓国 | 52.62 | |
*前週からの変動 | |||
アイルランドのランキングの推移 | |||
生のグラフデータを参照/編集してください. | |||
出典: ワールドラグビー[8] 推移グラフの最終更新: 2023年3月27日 |
主な選手編集
脚注編集
- ^ 王者オールブラックスがアイルランドに初の敗戦、連勝が18で止まる
- ^ アイルランドがNZ撃破、ホームで初の歴史的快挙 日本とW杯同組
- ^ アイルランドが世界ランク1位でW杯へ ウェールズ下し初のトップ奪取
- ^ “日本代表、ダブリンで完敗。エースも躍動したアイルランド代表に圧倒され5-60。 | ラグビーリパブリック” (2021年11月6日). 2021年11月13日閲覧。
- ^ “アイルランドがまたもホームでオールブラックスを撃破!通算3勝目 - スポニチ Sponichi Annex スポーツ”. スポニチ Sponichi Annex. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “W杯イヤーに欧州を制したのはアイルランド! 5年ぶりにグランドスラム達成 - ラグビーリパブリック” (2023年3月18日). 2023年3月20日閲覧。
- ^ Ireland Squad Named For 2023 Guinness Six Nations Championship . Ireland Rugby(2023年1月19日). 2023年1月29日閲覧。
- ^ a b “Men's World Rankings”. ワールドラグビー. 2023年3月27日閲覧。