ラストチャンス」はSomething ELseの6枚目のシングル1998年12月23日発売。発売元は東芝EMI

ラストチャンス
Something ELseシングル
初出アルバム『『502』』
B面 「ラストチャンス (Acoustic Version)」
リリース
規格 CDシングル
ジャンル J-POP
時間
レーベル 東芝EMI
作詞・作曲 Something ELse
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1999年1月度月間1位(オリコン)
  • 1999年度年間12位(オリコン)
  • Something ELse シングル 年表
    レコード
    1998年
    ラストチャンス
    (1999年)
    さよならじゃない
    (1999年)
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    解説 編集

    Something ELseは1998年秋までに5枚のシングル、1枚のアルバムを発表するが、どれもがヒットに恵まれず、レコード会社、所属事務所と契約切れ寸前の“崖っぷちバンド”であった。

    そんな折、日本テレビの当時の人気番組「雷波少年」の企画に抜擢される。3か月間、3人で1つの部屋にこもって曲を作り、その曲を次のシングルとしてリリースを約束する代わりに、そのシングルがオリコン初登場20位以内に入らなければバンドを解散・音楽以外の職種に転職しなければならないというものだ[1]。メンバーはスタッフの方針に不信感を募らせるが、「自分達の音楽がいかなるものなのか、答えを知りたい」と企画参戦を決意。

    初めてメンバー3人で共同作業を行って完成させた曲。アパートの一室に連れて行かれた3人は最初は頭がおかしな状態になっていたという。次第に共同生活に慣れていくうちに「これまで自分たちが友達ではなかった」ということがよくわかったという。「こういう状況だからこそ、ハングリー精神というか、自分達の叫びを伝えたいと思って選んだ。あの状況でなぜこんな曲ができるのか、と驚かれた」と後に明かしている。

    約3か月半(118日間)に及ぶ共同生活の末に完成した「Give me a chance」(仮タイトル)を6枚目のシングル「ラストチャンス」として1998年12月23日に発表。発売日の早朝には、バンドの誕生の地である柏駅構内でストリートライブを行った。当時「雷波少年」が放送されておらず、Something ELseがあまり認知されていなかった青森県富山県高知県[2]などではストリートライブを行い、バンドの存続を訴えた。事前に会場は用意されておらず、漁港居酒屋の店頭、さらに学校や住宅街に至るまで、メンバー自らが場所の選定を行っている。基本的には合宿生活中によりメンバー自らがこれ以上のプロモーションはできない為、レコード会社スタッフが各地を移動し、CDの手売りを行った。

    1999年1月6日付のオリコン週間シングルランキングではこの作品が初登場2位になり解散を免れる。翌週には1位を獲得。20週に渡って100位以内にランクインするロングヒットを記録した。オリコン上ではわずかに100万枚に達していないが、出荷枚数は130万枚[3]でミリオン認定されている。

    なお本作は1998年12月23日発売だが、3曲の候補曲から「ラストチャンス」が正式に決まったのが12月3日、ジャケット撮影が12月4日、千葉マリンスタジアムで行われたミュージックビデオの撮影が12月5日と、いずれもリリース直前の時期に行われた。

    Something ELseは同曲で第41回日本レコード大賞の優秀作品賞を受賞、第50回NHK紅白歌合戦にも出場した。

    収録曲 編集

    1. ラストチャンス
      (作詞・作曲:Something ELse/編曲:森俊之、Something ELse)
      プロ野球北海道日本ハムファイターズ玉井大翔投手が、自身の登場曲に使用している。
    2. ラストチャンス(Acoustic Version)
      (作詞・作曲:Something ELse/編曲:白井良明、Something ELse)
      ライブレコーディングによる、「ラストチャンス」の別ヴァージョン。ドラムのような音はガムテープでゴミ箱をたたいたもの。
    3. ラストチャンス (Instrumental)

    書籍 編集

    • サムエル日記+
    3か月間の日記の書籍化。付録CDには採用されなかった合宿所ヴァージョンの楽曲が収録されている。
    1. Happy Birthday!〜心から同情します〜
    2. ぐちの宿
    3. 考える人(合宿所Version)
    4. give me a chance(合宿所Version)

    その後の「ラストチャンス」 編集

    • 2010年、女性2人組ユニットアニーポンプが「ラストチャンス」をサンプリングした楽曲「こくはく 〜give me a chance〜」をシングルリリース。
    • 2013年、BLUE BIRD BEACHがアルバム内でカバーし、レコーディングにはリード・ヴォーカルの大久保伸隆がコーラスで参加した。
    • 2013年9月18日にリリースされた大久保伸隆の3rdアルバム「progress」で、15年ぶりにリアレンジ、本人歌唱による「ラストチャンス」が収録された。
    • 2015年、AGAスキンクリニックのCM曲に起用された。歌唱は篠崎愛。2017年にアルバム「LOVE/HATE」に収録。
    • 2020年9月21日に、春夏秋冬が、定期公演の配信ライブ「四季祭Vol.3」内でカバー。その後、同年11月11日発売の3rdシングルのカップリング曲としてデジタルリリースされた。また、2021年3月30日発売のアルバム『ファーストシーズン』にも収録[4]

    脚注 編集