ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア

スペイン・カナリア諸島の都市

ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアLas Palmas de Gran Canaria)は、スペインカナリア諸島州ラス・パルマス県ムニシピオ(基礎自治体)。グラン・カナリア島北部に位置する。サンタ・クルス・デ・テネリフェと共同でカナリア諸島州の州都を務めており、ラス・パルマス県の県都でもある。40万人弱の人口は州内で最大で、スペイン全土で第8位である。

Las Palmas de Gran Canaria


 カナリア諸島州
 ラス・パルマス県
グラン・カナリア島
面積 100.55 km² [1]
標高 8m
人口 383,050 人 (2013年[1]
人口密度 3,809.55 人/km²
住民呼称 palmense
守護聖人 Santa Ana
Las Palmas de Gran Canariaの位置(スペイン内)
Las Palmas de Gran Canaria
Las Palmas de Gran Canaria
スペイン内ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアの位置
Las Palmas de Gran Canariaの位置(ラス・パルマス県内)
Las Palmas de Gran Canaria
Las Palmas de Gran Canaria
ラス・パルマス県内ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアの位置

北緯28度06分00秒 西経15度25分00秒 / 北緯28.10000度 西経15.41667度 / 28.10000; -15.41667座標: 北緯28度06分00秒 西経15度25分00秒 / 北緯28.10000度 西経15.41667度 / 28.10000; -15.41667

歴史 編集

この都市の建設は、1478年6月24日、カスティーリャの船長フアン・レホンがグラン・カナリア島の征服を始めたときにさかのぼる。都市は「エル・レアル・デ・ラス・パルマス」(ヤシの陣地)という名前で、ヤシの木があった場所に建てられた。先住民のグアンチェ族との戦いは5年間続き、双方に大量の死者を出したのち、1483年にグラン・カナリア島はスペイン王国に統合された。

町は成長を続け、島の政治・行政の中心地となった。数世紀間は経済の重要な中心地でもあり、サトウキビの取引とヨーロッパやアメリカへの農産物の輸出に支えられていた。景気のよいこの時代、町は何度も海賊に襲われ、襲撃は18世紀まで続いた。

 
1599年のオランダ海賊による襲撃

1595年10月、イギリスの海賊フランシス・ドレークとジョン・ホーキンスの私掠船に襲われ持ちこたえたが、4年後にはオランダ人に町を掠奪され放火された。

19世紀には自由港が設立され、経済への大きな刺激となった。この特別な経済制度によってカナリア諸島の経済関係は発展し、港に来航する船の数が際立って増えた。この時期には観光業も生まれ、島で最高級のサンタ・カタリーナ・ホテルが1890年に開業した。

1957年から航空機時代が始まり、54人の乗客を乗せた最初の飛行機がガンド空港(グラン・カナリア国際空港)に着陸した。今日では観光業はグラン・カナリア島の経済の主要な原動力となっているが、観光の発展は日光の強い島南部に限られている。1989年にはラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学が設立された。

人口 編集

ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアの人口推移 1900-2010
出典:INE(スペイン国立統計局)1900年 - 1991年[2]、1996年 - [3]

注: 1940年代の人口増加分には、年代前半に合併された自治体サン・ロレンソの人口が含まれている

気候 編集

ラス・パルマスは亜熱帯ステップ気候の特徴を持ち、地中海性気候の降水パターンを持つ。暖かく乾燥した夏、適度に温暖な冬を持つ。

平均の相対湿度は68%で、3月は65%、10月は71%と変動がある。

ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 20.6
(69.1)
21.0
(69.8)
21.8
(71.2)
22.1
(71.8)
23.1
(73.6)
24.7
(76.5)
26.5
(79.7)
27.1
(80.8)
27.1
(80.8)
25.8
(78.4)
23.8
(74.8)
21.8
(71.2)
23.7
(74.7)
日平均気温 °C°F 17.6
(63.7)
17.9
(64.2)
18.6
(65.5)
18.9
(66)
20.0
(68)
21.7
(71.1)
23.4
(74.1)
24.1
(75.4)
24.1
(75.4)
22.7
(72.9)
20.8
(69.4)
18.7
(65.7)
20.7
(69.3)
平均最低気温 °C°F 14.7
(58.5)
14.9
(58.8)
15.4
(59.7)
15.7
(60.3)
17.0
(62.6)
18.7
(65.7)
20.4
(68.7)
21.2
(70.2)
21.2
(70.2)
19.7
(67.5)
17.9
(64.2)
15.7
(60.3)
17.7
(63.9)
降水量 mm (inch) 18
(0.71)
24
(0.94)
14
(0.55)
7
(0.28)
2
(0.08)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
10
(0.39)
13
(0.51)
18
(0.71)
27
(1.06)
133
(5.24)
平均降水日数 (≥1 mm) 3 3 3 1 0 0 0 0 1 2 3 4 21
平均月間日照時間 191 192 218 224 265 281 304 294 238 218 191 189 2,805
出典:世界気象機関 (UN),[4] Agencia Estatal de Meteorología[5]

名所 編集

 
大聖堂
  • カナリア諸島大聖堂スペイン語版 - 別名サンタ・アナ大聖堂。16世紀から19世紀にかけて建設された。カナリア諸島司教区(Diócesis de Canarias)の司教座である。
  • コロンブスの家 - かつて政庁として使われていた古い宮殿。クリストファー・コロンブスが滞在したことがあり、現在は新世界探検をたどる博物館として使われている[6]
  • カナリア諸島博物館 - グアンチェ族の重要な遺物を見学できる。
  • ラス・カンテラス通り - ラス・カンテラス海岸に沿った散歩道。この海岸は都市の海岸としては世界一美しいものの一つ。
  • セントロ・アトランティコ・デ・アルテ・モデルノ - 現代美術館。
  • ラ・ルス城 - 16世紀に海賊の攻撃から町を守るために建てられた砦。現在は催し物会場として使われる。

交通 編集

グラン・カナリア空港が市街地の南18kmにある。スペインやヨーロッパ各国を結ぶ路線、テネリフェ島ランサローテ島への路線がある。

スポーツ 編集

出身人物 編集

脚注 編集

  1. ^ a b Población, superficie y densidad por municipios” (スペイン語). INE(スペイン国立統計局). 2012年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月14日閲覧。
  2. ^ Poblaciones de hecho desde 1900 hasta 1991. Cifras oficiales de los Censos respectivos.
  3. ^ Cifras oficiales de población resultantes de la revisión del Padrón municipal a 1 de enero.
  4. ^ Weather Information for Airport of Gran Canaria”. 2010年8月閲覧。
  5. ^ Valores Climatológicos Normales. Gran Canaria”. 2011年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月閲覧。
  6. ^ 川成洋『スペイン文化読本』丸善出版、2016年、86頁。ISBN 978-4-621-08995-8 

関連項目 編集

外部リンク 編集

公式
観光