ラッシュ (バンド)

カナダのロックバンド

ラッシュ(Rush)は、カナダ出身のスリーピースロックバンド

ラッシュ
Rush
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USA.フィラデルフィア公演 (2012年10月)
基本情報
出身地 カナダの旗 カナダ
オンタリオ州 トロント
ジャンル プログレッシブ・ロック[1]
ハードロック[1]
活動期間 1968年 - 現在
レーベル Moon Records
Anthem Records
マーキュリー・レコード
アトランティック・レコード
ヴァーティゴ
ロードランナー・レコード
公式サイト rush.com
メンバー ゲディー・リー (Vo/B/Key)
アレックス・ライフソン (G)
ニール・パート (Ds)
旧メンバー ジョン・ラトジー (Ds)
ジェフ・ジョーンズ (Vo/B)

同国の国民的グループであり、北米におけるプログレッシブ・ロックの先駆者としても知られる。母国最大の音楽賞『ジュノー賞』を数多く受賞し、1994年に同賞の殿堂入り。2013年には 『ロックの殿堂』入りも果たした[2]

目次

来歴編集

 
イタリア・ミラノ公演 (2004年9月)
 
カナダ・オタワ公演 (2007年9月)
 
カナダ・トロント公演 (2010年7月)

1968年、トロントの郊外ウィローデイルにてアレックス・ライフソンジェフ・ジョーンズ英語版ジョン・ラトジーの3人で結成。同年、ジェフ・ジョーンズが脱退し、二代目ベーシストとしてアレックスの友人ゲディー・リーが加入。

1974年、結成6年目にプロ・デビューを果たす。デビュー後、アメリカ・ツアーを前にドラムスがニール・パートに変わり、以降、不動のラインナップとして現在に至る。

デビューとその時代背景編集

彼らのデビューした1974年当時はレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の全盛時代で、彼らも類に洩れずツェッペリンの影響を強く受け、デビュー当初はレッド・ツェッペリン直系と言えるストレートで骨太なサウンドの典型的ハードロックバンドであった。

ハードロック・バンドからの脱皮編集

デビュー・アルバム発表の殆ど直後というタイミングで、ドラムスがニール・パートにメンバー・チェンジしたことが、バンドにとっての転機となった。 彼は哲学的な詞をバンドに提供し、これをサウンドで表現しようとすることが動機となり、その後プログレッシブ・ロック的な発展をしていくこととなる。アルバム「フェアウェル・トゥ・キングス」ではシンセサイザーを用いている。

プログレ色と大作主義編集

フェアウェル・トゥ・キングス」収録の最終曲 "Cygnus X-1 Book 1" を、大作主義的曲になることを匂わせた上で「to be continued(続く…)」としてしまった。 実際この段階では次作で大組曲 "Cygnus X-1 Book II" を構想しており、この予告編としてこれを入れたのである。そして苦労の末に発表されたアルバム「神々の戦い」は大作主義的であるが、そこに展開されている歌詞は、その後のニール・パートの歌詞の作風となる「少ない単語で端的に言い表す」ものに既になっていた。

ラッシュらしさの確立編集

次作「パーマネント・ウェイヴス」では、レーベルの意向も強くあり、『短い曲でシングルをリリースする』という目標が立てられた。そして生まれたのが、4分59秒の「The Spirit of Radio」であった。この「耳馴染み易いポップな歌」と「技巧性の高い演奏&複雑なリズムアレンジ」との両立が、以降のラッシュの独自性になっていく。
その後エレクトロ・ポップグランジ等時代の流行を柔軟に取り入れながら順風満帆に活動していたが、1997年に娘を交通事故、翌年妻を癌で立て続けに失う不幸がニールを襲う。

活動休止~復活、現在編集

悲嘆に暮れたニールはバンド活動への意欲も失い、1998年にバンドは活動を休止。ニールは放浪の旅へと出る。
一時期は完全な解散も示唆されていたが2001年に活動を再開し、翌年「ヴェイパー・トレイルズ」を発表。音楽性は純粋なハードロックサウンドへと回帰した。最新作「クロックワーク・エンジェルズ」はハードロック調の楽曲にストーリー性を持たせた歌詞を乗せたコンセプト・アルバムという、プログレ時代を髣髴とさせる作品となっている。

2015年にデビュー40周年記念ツアー「R40」を開催。ニールの腱鞘炎悪化のため、これがファイナルツアーになると発表された[3]。ただし解散ではなく、今後も創作には意欲を示した[4]

メンバー編集

現ラインナップ編集

  • ゲディー・リー:Geddy Lee - ボーカル/ベース/キーボード/ペダルベース (1968- )
    ジョン・エントウィッスルらの影響を強く受けた所謂リードベースを弾きながら、「魔女」「鶏の首を絞めた声」と称される強力なハイトーンで歌うスタイルが特徴。更に曲中でベースとキーボードを交互に弾き分けたり、ベースを弾きながらペダルベースを演奏するというスタイルも持つ。 シーケンサーによる自動演奏も援用するようにはなったが、「自分で弾ける限りは弾く」という基本姿勢があると言われる。使用しているベースはフェンダー・ジャズベースリッケンバッカースタインバーガーウォルなど。
  • アレックス・ライフソン:Alex Lifeson - ギター (1968- )
    デビュー当初はディストーションをかけたギターのリフを主体としていたが、その後は音楽性の変遷に合わせ、80年代にはポリスアンディ・サマーズのようなコードカッティングとディレイ処理を組み合わせ、90年代はグランジ風のオープンコードを駆使するなど様々な奏法を取り入れている。ライブ演奏においても、シーケンサーやテープとの同期を試み、ソロに多少のアレンジを加えた演奏をしている。近年ではキーボードを演奏することもある。
  • ニール・パート:Neil Peart - ドラムス/パーカッション (1974- )
    「要塞」と俗称される、ありとあらゆる打楽器類[5]を並べたドラムセットを使用しており、テリー・ボジオとともにその先駆者として知られる。ただし無駄な楽器は一切置かないことを信条としており、現在のセットはデジタルパーカッションの導入や2バスを1バスのツインペダルへと置換したこともあり(あくまで一時期に比べればだが)スリム化されている。ほぼ全ての楽曲で作詞を担当しており、内容は彼の乱読を反映してSFから社会風刺まで多岐に渡る。音楽活動以外では、自転車、オートバイで旅行するのが趣味であり、活動休止中の放浪の旅は88,000kmに及んだ。

旧メンバー編集

  • ジョン・ラトジー John Rutsey - ドラムス (1968-1974)
  • ジェフ・ジョーンズ Jeff Jones - ボーカル/ベース (1968)

ディスコグラフィー編集

アルバム編集

発表年 アルバム・タイトル(邦題) アルバム・タイトル(原題) US最高順位 US売上枚数
1974年 閃光のラッシュ Rush 105 500,000
1975年 夜間飛行 Fly By Night 113 1,000,000
1975年 鋼の抱擁 Caress Of Steel 148 500,000
1976年 西暦2112年 2112 61 3,000,000
1976年 世界を翔けるロック All The World's A Stage 40 1,000,000
1977年 フェアウェル・トゥ・キングス A Farewell To Kings 33 1,000,000
1978年 神々の戦い Hemispheres 47 1,000,000
1980年 パーマネント・ウェイヴス Permanent Waves 4 1,000,000
1981年 ムーヴィング・ピクチャーズ Moving Pictures 3 4,000,000
1981年 ラッシュ・ライヴ~神話大全 Exit...Stage Left 10 1,000,000
1982年 シグナルズ Signals 10 1,000,000
1984年 グレイス・アンダー・プレッシャー Grace Under Pressure 10 1,000,000
1985年 パワー・ウィンドウズ Power Windows 10 1,000,000
1987年 ホールド・ユア・ファイア Hold Your Fire 13 500,000
1988年 ラッシュ・ライヴ~新約・神話大全 A Show Of Hands 21 500,000
1989年 プレスト Presto 16 500,000
1991年 ロール・ザ・ボーンズ Roll The Bones 3 1,000,000
1993年 カウンターパーツ Counterparts 2 500,000
1996年 テスト・フォー・エコー Test For Echo 5 500,000
1998年 ディファレント・ステージズ・ライヴ Different Stages 35 500,000
2002年 ヴェイパー・トレイルズ Vapor Trails 6 500,000
2003年 ラッシュ・イン・リオ Rush In Rio 33 500,000
2004年 フィードバック Feedback 19
2005年 ルート30 R30 -
2007年 スネークス・アンド・アローズ Snakes & Arrows 3
2008年 スネークス・アンド・アローズ・ライブ Snakes & Arrows Live 18
2012年 クロックワーク・エンジェルズ Clockwork Angels 2
2013年 クロックワーク・エンジェルズ・ツアー Clockwork Angels Tour 33

ベスト・アルバム編集

  • 1990年 クロニクルス CHRONICLES
CD化に伴い前2作のライヴアルバムからカットされた「What You're Doing」(『ALL THE WOLRD'S A STAGE』収録)と「A Passage To Bangkok」(『EXIT...STAGE LEFT』収録)の2曲を収録したベスト盤。
  • 1997年 レトロスペクティブ 1 RETROSPECTIVE I
  • 1997年 レトロスペクティブ 2 RETROSPECTIVE II
『1』は1974年から1980年まで、『2』は1981年から1987年までの年代に分けた2枚でひとつのベスト・アルバム
  • 2003年 ザ・スピリット・オブ・レイディオ THE SPIRIT OF RADIO
1974年から1987年までのベスト・アルバムDVDが付属。
  • 2009年 レトロスペクティブ 3 RETROSPECTIVE Ⅲ
『3』は1989年から2008年までの年代のベスト・アルバム

Juno Award受賞履歴編集

Juno Award オフィシャル・サイトより。ノミネートは殆ど毎年されているので割愛。

  • 1975年:Most Promising Group of the Year(最も有望な新人に贈られる賞)
  • 1978年:Group of the Year
  • 1979年:Group of the Year
  • 1991年:Best Hard Rock/Metal Album -「プレスト」(Presto)
  • 1992年:Hard Rock Album of the Year -「ロール・ザ・ボーンズ」(Roll The Bones)
  • 2004年:Music DVD of the Year -「ラッシュ・イン・リオ」(Rush In Rio)

日本公演編集

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集