ラリー・ニュージーランド
ラリー・ニュージーランド(Rally New Zealand)はニュージーランド北島のオークランドで開催される世界ラリー選手権 (WRC) の一戦。
特徴編集
1969年に始まった南半球ではもっとも歴史が長いラリーイベント。1977年よりWRCの一戦として開催されてきたが、2009年よりラリー・オーストラリアとの交互開催となり、原則偶数年に開催されてきた。2012年を最後にカレンダーから外れており、2020年にWRC復帰する予定となったが、新型コロナウイルスの影響により、開催中止となった[1]。2022年に10年ぶりに開催された。
海岸沿いの美しい牧草地帯を走る高速グラベルコースであり、かまぼこ状の傾斜が付いた滑らかな路面が特徴[2]。ドライバーからの評価は高く、優勝経験を持つヤリ=マティ・ラトバラは「路面に自然なキャンバーがついているから、道路上でマシンと一緒に踊っているような感じがする」「3速で行くべきコーナーでも、キャンバーと路面がワイドならば、5速で攻めることができる。だから、とてもエキサイティングなんだ」と語っている[3]。
開催期時期は南半球の秋にあたり、天候が不安定で、雨が降ると非常に滑りやすくなる[4]。
歴代優勝者編集
年 | シリーズ | 優勝者 | 車輌 | |
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ドライバー | コ・ドライバー | |||
1969年 | Grady Thompson | Rick Rimmer | ホールデン・モナーロ | |
1970年 | Paul Adams | Don Fenwick | BMW・2002 | |
1971年 | Bruce Hodgson ll | Mike Mitche | フォード・コーティナ ロータス | |
1972年 | Andrew Cowan | Jim Scott | ミニ・1275GT | |
1973年 | ハンヌ・ミッコラ | Jim Porter | フォード・エスコートRS1600 | |
1975年 | Mike Marshall | Arthur McWatt | フォード・エスコートRS1800 | |
1976年 | Andrew Cowan | Jim Scott | ヒルマン・アベンジャー | |
1977年 | WRC | フルヴィオ・バッケーリ | Francesco Rossetti | フィアット・131アバルト |
1978年 | Russell Brookes | Chris Porter | フォード・エスコートRS1800 | |
1979年 | WRC | ハンヌ・ミッコラ | アーネ・ヘルツ | フォード・エスコートRS1800 |
1980年 | ティモ・サロネン | セッポ・ハルヤンヌ | ダットサン・160J | |
1981年 | Jim Donald | Kevin Lancaster | フォード・エスコートRS1800 | |
1982年 | WRC | ビョルン・ワルデガルド | ハンス・ソルセリウス | トヨタ・セリカ2000GT |
1983年 | ワルター・ロール | クリスチャン・ガイストドルファー | ランチア・ラリー037 | |
1984年 | スティグ・ブロンクビスト | ビョルン・セダーベルグ | アウディ・クワトロA2 | |
1985年 | ティモ・サロネン | セッポ・ハルヤンヌ | プジョー・205ターボ16E2 | |
1986年 | ユハ・カンクネン | ユハ・ピロネン | プジョー・205ターボ16E2 | |
1987年† | フランツ・ヴィットマン | ヨルグ・パターマン | ランチア・デルタHF 4WD | |
1988年† | セップ・ハイダー | フェルディ・ヒンターライトナー | オペル・カデットGSi 16V | |
1989年† | イングバー・カールソン | パー・カールソン | マツダ・323 4WD | |
1990年 | カルロス・サインツ | ルイス・モヤ | トヨタ・セリカGT-FOUR | |
1991年 | カルロス・サインツ | ルイス・モヤ | トヨタ・セリカGT-FOUR | |
1992年 | カルロス・サインツ | ルイス・モヤ | トヨタ・セリカターボ4WD | |
1993年 | コリン・マクレー | デレック・リンガー | スバル・レガシィRS | |
1994年 | コリン・マクレー | デレック・リンガー | スバル・インプレッサ555 | |
1995年 | コリン・マクレー | デレック・リンガー | スバル・インプレッサ555 | |
1996年†† | W2L APRC |
リチャード・バーンズ | ロバート・レイド | 三菱・ランサーエボリューションIII |
1997年 | WRC | ケネス・エリクソン | スタファン・パルマンダー | スバル・インプレッサWRC |
1998年 | カルロス・サインツ | ルイス・モヤ | トヨタ・カローラWRC | |
1999年 | トミ・マキネン | リスト・マニセンマキ | 三菱・ランサーエボリューションVI | |
2000年 | マーカス・グロンホルム | ティモ・ラウティアイネン | プジョー206WRC | |
2001年 | リチャード・バーンズ | ロバート・レイド | スバル・インプレッサWRC | |
2002年 | マーカス・グロンホルム | ティモ・ラウティアイネン | プジョー206WRC | |
2003年 | マーカス・グロンホルム | ティモ・ラウティアイネン | プジョー206WRC | |
2004年 | ペター・ソルベルグ | フィル・ミルズ | スバル・インプレッサWRC | |
2005年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・クサラWRC | |
2006年 | マーカス・グロンホルム | ティモ・ラウティアイネン | フォード・フォーカスWRC | |
2007年 | マーカス・グロンホルム | ティモ・ラウティアイネン | フォード・フォーカスWRC | |
2008年 | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・C4 WRC | |
2010年 | ヤリ=マティ・ラトバラ | ミイカ・アンティラ | フォード・フォーカスWRC | |
2011年 | ヘイデン・パッドン | ジョン・ケナード | スバル・インプレッサWRX | |
2012年 | WRC | セバスチャン・ローブ | ダニエル・エレナ | シトロエン・DS3 WRC |
2020年 | 中止 | |||
2022年 | カッレ・ロバンペラ | ヨンネ・ハルットゥネン | トヨタ・GRヤリス ラリー1 |
- † 1987- 1989年はWRCドライバーズ選手権のみ。
- †† 1996年はFIA2リッターワールドカップ (W2L) とアジアパシフィックラリー選手権 (APRC) の併催。
脚注編集
- ^ ラリーニュージーランドも今季の開催キャンセルを決断 - rallyplus.net(2020年6月4日)2020年6月18日閲覧。
- ^ 福井敏雄 "2012年WRC第7戦ニュージーランド". J SPORT.(2012年6月7日)2013年12月5日閲覧。
- ^ “ニュージーランドは世界最高のグラベル”. ラリーXモバイル (2022年9月28日). 2022年10月9日閲覧。
- ^ "三菱自動車、2005年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦「ラリー・ニュージーランド」に2台の『ランサーWRC05』で参戦". 三菱自動車.(2005年4月5日)2013年12月5日閲覧。