ラリー・メキシコ

ラリー・メキシコ(Rally Mexico、旧称ラリー・アメリカ)はメキシコグアナフアト州で開催される世界ラリー選手権 (WRC) の一戦。コロナビールが冠スポンサーを務める。

ラリー・メキシコ
状況 平常
種類 世界ラリー選手権
頻度 毎年
開催国 メキシコ
初回開催 1979年
2015年

特徴編集

 
グアナフアトの地下道を走行するラリーカー(2014年)

1979年に「ラリー・アメリカ」としてスタート。2002年から名称を変更し、2004年よりWRCに昇格した。ターマックモンテカルロ、雪のスウェーデンに続いて行なわれる、WRCシーズン最初のグラベルラリーとして定着している。グラベルラリーの中では高速タイプで、乾燥したラフな路面は砂埃が多い。

首都メキシコシティから北西400kmに位置する、グアナフアト州最大の都市レオン周辺で開催される。世界遺産に指定されているグアナフアト市街地で行なわれるスーパーSSでは、かつて栄えた銀鉱山の地下道も走行する。

メキシコ中央高原の標高2,000m以上、最高で2,700mを超える山地や平野がステージとなる。エンジンへの吸気が薄く、1.6リッターターボではおよそ1/4のパフォーマンスが失われ、高地順応セッティングが必要となる[1]。また、凍てつくモンテカルロ、スウェーデンの2戦から一転して、3月のメキシコは気温30度前後の暑さとの戦いにもなる。

総走行距離に占めるSSの割合が高く、2016年にはWRCでは1986年のツール・ド・コルス以来となる50マイル (約80km) の超ロングステージが用意された[2]。サービスパークの屋内設置、コンパクトなルート設定といったラリー運営のトレンドの先駆けとなった。2020年は新型コロナウイルスの影響により、最終日のSSを全て中止となった[3]


出来事編集

  • 2015年のイベント初日、オィット・タナックが運転したフォード・フィエスタ RS WRCがコースオフして湖へ転落し、クルーの脱出後まもなく完全に水没した[4]。所属チームのMスポーツは水深5mから引き上げられた車体を回収し、サービスパークで規定の3時間以内に修復し、翌日にはラリー2規定での再出走を果たした[5]。この車体はタイタニック号になぞらえて「タイタナック (TiTanak)」と呼ばれた。コ・ドライバーのライゴ・モルダーは水に濡れたペースノートをホテルで一枚一枚乾かした。最終日まで完走したタナックは、フィニッシュポディウムに水中ゴーグルとシュノーケルをつけて登場した[5]
  • 2017年はクリス・ミークが運転したシトロエン・C3 WRCが最終SSでコースアウトし、観客用駐車場を迷走した末にコースに復帰し、辛うじて首位を守り切るというドラマを演じた[6]

歴代勝者(2004年以降)編集

優勝者 車輌
ドライバー コ・ドライバー
2004年   マルコ・マルティン   マイケル・パーク フォード・フォーカスWRC
2005年   ペター・ソルベルグ   フィル・ミルズ スバル・インプレッサWRC
2006年   セバスチャン・ローブ   ダニエル・エレナ シトロエン・クサラWRC
2007年   セバスチャン・ローブ   ダニエル・エレナ シトロエン・C4WRC
2008年   セバスチャン・ローブ   ダニエル・エレナ シトロエン・C4WRC
2010年   セバスチャン・ローブ   ダニエル・エレナ シトロエン・C4 WRC
2011年   セバスチャン・ローブ   ダニエル・エレナ シトロエン・DS3 WRC
2012年   セバスチャン・ローブ   ダニエル・エレナ シトロエン・DS3 WRC
2013年   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア フォルクスワーゲン・ポロ R WRC
2014年   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア フォルクスワーゲン・ポロR WRC
2015年   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア フォルクスワーゲン・ポロR WRC
2016年   ヤリ=マティ・ラトバラ   ミイカ・アンティラ フォルクスワーゲン・ポロR WRC
2017年   クリス・ミーク   ポール・ネーグル シトロエン・C3 WRC
2018年   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタ WRC
2019年   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア シトロエン・C3 WRC
2020年   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア トヨタ・ヤリスWRC
  • 2009年はローテーション制によりWRCカレンダーから外れ、代わりに「インターナショナル・ラリー・オブ・ネーションズ」が開催された。

脚注編集

  1. ^ "WRC、フォルクスワーゲンがメキシコ用高地順応セッティングと改良を実施". レスポンス.(2013年3月8日)2013年12月13日閲覧。
  2. ^ "ラリー・メキシコで30年ぶりに80キロSSが復活へ". AUTOSPORT.web.(2015年12月16日)2017年2月23日閲覧。
  3. ^ ラリー・メキシコ、日曜日のステージをキャンセル - RallyX.net 2020年3月15日
  4. ^ "【動画】WRCメキシコ初日、WRカー水没の瞬間". AUTOSPORT.web.(2015年3月7日)2017年2月23日閲覧。
  5. ^ a b "WRCメキシコ:“タイタナック”修復の一部始終". Rallyplus.net.(2015年3月9日)2017年2月23日閲覧。
  6. ^ “WRCメキシコ:最終ステージでコースオフも、シトロエンのミークが劇的勝利【動画】”. Rallyplus.net. (2017年3月13日). http://www.rallyplus.net/32021 2017年3月18日閲覧。 

外部リンク編集