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ラヴ』 (LOVE) は、ビートルズの楽曲のマスターテープ、デモ・テープを使用し、リミックスを施したコラージュアルバム作品。シルク・ドゥ・ソレイユのサントラ盤としても扱われる。

"LOVE"
ビートルズサウンドトラック
リリース
録音 アビー・ロード・スタジオ
ジャンル ロック
時間
レーベル Apple
プロデュース ジョージ・マーティンジャイルズ・マーティン
チャート最高順位
ビートルズ アルバム 年表
ザ・キャピトル・アルバムス Vol.2
(2006年)
ラヴ
(2006年)
ザ・ビートルズ BOX
(2009年)
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2006年11月20日に世界同時リリースされた。

目次

概要編集

本作は、シルク・ドゥ・ソレイユによるラスベガスでのミュージカル“ラヴ”のためのサウンドトラックとして企画・制作されたものである。この企画は、ジョージ・ハリスン2001年11月に死去する前に、シルク・ドゥ・ソレイユの創設者であるギー・ラリベルテと意気投合したことがきっかけとなっている[3][4]

ビートルズの楽曲のプロデューサーを担当したジョージ・マーティンとその息子のジャイルズ・マーティンの共同プロデュースにより、ビートルズのオリジナル213曲のうち、130曲もの楽曲のアウトテイクなどをリミックスした全26曲からなるアルバムである。中には音の定位が変更されたものや、楽器のバランスが変更された楽曲も存在する。

CD (CD-DA) のみのセットと、5.1chサラウンド仕様のDVD-VIDEO/DVD-AUDIOハイブリッド盤がセットされた2枚組の2種類が発売された。なおこのような5.1ch仕様のアルバムはビートルズ初作品である。また、DVDヴァージョンの方が1分30秒ほど収録時間が長く、「レボリューション」と「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」の2曲が、CDではショートエディットされているのに対し、DVDではフルコーラスで収録されている。

CDの収録限界80分ギリギリの78分50秒の大作となっているため、2007年5月2日アップルレーベルから発売されたアナログ盤LPは2枚組となっている。

2011年2月9日よりiTunes Storeで限定トラックが発売された。

なお、本作は2016年に逝去したジョージ・マーティンがプロデュースした最後のアルバムとなった。

収録曲編集

  1. ビコーズ - Because
    アクロス・ザ・ユニバース」(『ノー・ワンス・ゴナ・チェンジ・アワ・ワールド』収録テイク)の鳥のさえずりが登場する[5]。曲の最後には「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のオーケストラを逆回転した音が入っており、次の曲に繋がるアレンジになっている。
  2. ゲット・バック - Get Back
    ハード・デイズ・ナイト」のギターフレーズから始まる。この他、「ジ・エンド」のドラムとギターソロ、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプライズ)」のパーカッション、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のオーケストラが加えられている[6]
  3. グラス・オニオン - Glass Onion
    ショートバージョンでの収録。「今日の誓い」のギター、「ハロー・グッドバイ」のポール・マッカートニーコーラス、「愛こそはすべて」のヴァイオリン、「マジカル・ミステリー・ツアー」のブラスセクション、「ペニー・レイン」のトランペットソロ、「オンリー・ア・ノーザン・ソング」の効果音が加えられている[7]
  4. エリナー・リグビー / ジュリア - Eleanor Rigby / Julia (Transition)
    ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に収録の伴奏のみの音源を頭に置いている。「エリナー・リグビー」終了後、「ジュリア」のギターのアルペジオや「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の音が追加され、次曲に繋がる。
  5. アイ・アム・ザ・ウォルラス - I Am The Walrus
    従来の作品において後半部分は擬似ステレオとなっていたが、本作では後半部分もステレオ・ミックスされたものが収録されている。さらにギターの音が強調されている。
  6. 抱きしめたい - I Want To Hold Your Hand
    ハリウッド・ボウルでのライブ音源とスタジオ音源がミックスされている。[5]
  7. ドライヴ・マイ・カー / 愛のことば / ホワット・ユー・アー・ドゥーイング - Drive My Car / The Word / What You're Doing
    メドレー形式となっている。
    表題の3曲の他に、「タックスマン」のギターソロ、「サボイ・トラッフル」のホーンセクション[8][9][10]、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」のオルガン、「ヘルター・スケルター」のコーラスが登場する[11]
  8. グンキ・ンサ - Gnik Nus
    サン・キング」のボーカルを逆回転させた楽曲[9]。「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のタンブーラ英語版ドローンも加えられている[12]
  9. サムシング / ブルー・ジェイ・ウェイ - Something / Blue Jay Way (Transition)
    「サムシング」の終了後、「ブルー・ジェイ・ウェイ」のハーモニウムが追加され、次曲に繋がる。この他に「ひとりぼっちのあいつ」のボーカルが加えられている[13]
    アナログ盤では、「ビコーズ」〜「サムシング」までがA面。「ブルー・ジェイ・ウェイ」〜「オクトパス・ガーデン」までがB面。
  10. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト / アイ・ウォント・ユー / ヘルター・スケルター - Being For The Benefit Of Mr Kite ! / I Want You (She's So Heavy) / Helter Skelter
    「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」をベースに、「アイ・ウォント・ユー」のギターと「ヘルター・スケルター」のヴォーカル、さらに「グッド・モーニング・グッド・モーニング」の馬の鳴き声や「クライ・ベイビー・クライ」のハーモニウム等をコラージュしている[14]
  11. ヘルプ! - Help!
  12. ブラックバード / イエスタデイ - Blackbird / Yesterday
    「ブラックバード」のギターのフレーズを頭に持ってきて、「イエスタデイ」に繋がる。
  13. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー - Strawberry Fields Forever
    オノ・ヨーコ所有・提供のデモ・テープを頭に持ってきて、『アンソロジー2』のテイクも使用した。後半部分には「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のホーンセクション、「イン・マイ・ライフ」のピアノソロ、「ペニー・レイン」のトランペットソロ、「ピッギーズ」のチェロとハープシコード、「ハロー・グッドバイ」のコーダ[9]
  14. ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー / トゥモロー・ネバー・ノウズ - Within You Without You / Tomorrow Never Knows
    「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のドラムとベースの上に、「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のヴォーカルを乗せた音源[6]
    PVが制作され「マジカル・ミステリー・ツアー」や「ハロー・グッドバイ」等の映像を使用し、インド的な幾何学模様をコラージュしている。このPVは2015年に発売された『ザ・ビートルズ1+』に収録されている。
  15. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ - Lucy In The Sky With Diamonds
    「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」のドラムロール、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のブラス、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の効果音が加えられている[6]
  16. オクトパス・ガーデン / サン・キング - Octopus's Garden / Sun King (Transition)
    グッド・ナイト」のオーケストラ、「イエロー・サブマリン」のボーカルと効果音、「ラヴリー・リタ」のフィルインの他、「ヘルター・スケルター」のギターフレーズや「サン・キング」が含まれている[6][9]
    ここでアナログのB面が終わる。
  17. レディ・マドンナ - Lady Madonna
    ホワイ・ドント・ウィー・ドゥー・イット・イン・ザ・ロード」のパーカッション、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」のピアノ、「ヘイ・ブルドッグ」のギターリフ、「アイ・ウォント・ユー」のオルガンソロ、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」のギターソロが含まれている[15][16]
  18. ヒア・カムズ・ザ・サン / ジ・インナー・ライト - Here Comes The Sun / The Inner Light (Transition)
    「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のタブラ、「オー!ダーリン」のコーラス、「アイ・ウォント・ユー」のベースラインが含まれている[17]
  19. カム・トゥゲザー / ディア・プルーデンス / クライ・ベイビー・クライ - Come Together / Dear Prudence / Cry Baby Cry (Transition)
    「カム・トゥゲザー」のエンディングが「ディア・プルーデンス」のエンディング部分とクロス・フェイドする編集が加えられている。曲終了後に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のピアノとドラム、「エリナー・リグビー」のストリングスが加えられた「Can You Take Me Back」が流れて次曲に繋がる。
  20. レボリューション - Revolution
    CDでは短縮ヴァージョンで収録されたが、DVD-AUDIOではフル・ヴァージョンで収録されている。
  21. バック・イン・ザ・USSR - Back In The U.S.S.R.
    前曲同様、CDでは短縮ヴァージョンだが、DVD-AUDIOではフル・ヴァージョンで収録。
    アナログではここまでがC面
  22. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス - While My Guitar Gently Weeps
    ザ・ビートルズ・アンソロジー3』収録のデモバージョンをベースに、ジョージ・マーティンによりオーケストラのバックが付けられている[18][19]
  23. ア・デイ・イン・ザ・ライフ - A Day In The Life
  24. ヘイ・ジュード - Hey Jude
    ショートバージョンとなっており、後半でベースの音がフィーチャーされている。
  25. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプライズ) - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
  26. 愛こそはすべて - All You Need Is Love
    曲の終盤に「涙の乗車券」のギターリフ、「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」「レイン」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のボーカル、「グッド・ナイト」のオーケストラが加えられている。曲は1965年にファンクラブ会員に配布されたクリスマス・レコード収録のメンバーによる挨拶で終わる[7]

iTunes Store限定配信楽曲

  1. フール・オン・ザ・ヒル - The Fool On The Hill
    シー・オブ・タイム」のタンブラ、「ビコーズ」のベースフレーズ、「ディア・プルーデンス」のピアノ、「マザー・ネイチャーズ・サン」のホーンとボーカル、「マックスウェルズ・シルバー・ハンマー」のドラムが加えられている。
  2. ガール - Girl
    「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のシタール、「アンド・アイ・ラヴ・ハー」のギター、「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」のドラムロールが加えられている。

脚注編集

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  1. ^ love|full Official Chart History”. Official Charts Company. 2019年1月3日閲覧。
  2. ^ The Beatles Love Chart History”. Billboard. 2019年1月3日閲覧。
  3. ^ Russell Reising and Jim LeBlanc, "Magical mystery tours, and others trips: Yellow submarines, newspaper taxis, and the Beatles' psychedelic years", in Kenneth Womack (ed.), The Cambridge Companion to the Beatles, Cambridge University Press (Cambridge, UK, 2009; 978-1-139-82806-2), p. 105.
  4. ^ Holmes, Bill (2010年3月10日). “All Together Now”. PopMatters. 2019年1月3日閲覧。
  5. ^ a b Willman, Chris (2006年11月29日). “Labor of LOVE”. Entertainment Weekly. 2009年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月3日閲覧。
  6. ^ a b c d Gundersen, Edna (2006年11月13日). “A likely lament: 'You can't do that to The Beatles”. USA Today. オリジナルの2012年10月25日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121025005818/http://usatoday30.usatoday.com/life/music/news/2006-11-13-beatles-cover_x.htm 2019年1月3日閲覧。 
  7. ^ a b Martin, Giles (2006年11月21日). “Beatle's Love Track Notes”. 2007年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月30日閲覧。
  8. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “The Beatles / Cirque du Soleil LOVE”. AllMusic. 2019年1月3日閲覧。
  9. ^ a b c d The Beatles: Love – PopMatters Music Review”. PopMatters (2006年12月15日). 2019年1月3日閲覧。
  10. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “The Beatles / Cirque du Soleil LOVE”. AllMusic. 2018年8月12日閲覧。
  11. ^ Love 03”. 2019年1月3日閲覧。
  12. ^ Winn, John C. (2009). That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966–1970. New York, NY: Three Rivers Press. p. 309. ISBN 978-0-307-45239-9. 
  13. ^ Beatles smash hits now a mashup”. CTVNews (2006年11月21日). 2006年11月23日閲覧。
  14. ^ Corliss, Richard (2006年6月30日). “The Beatles Come Together”. Time. http://content.time.com/time/arts/article/0,8599,1209658,00.html 2015年1月28日閲覧。 
  15. ^ 2006: LOVE. Single CD or Deluxe package 1CD / 1DVD-A”. Norwegianwood.org. 2007年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月3日閲覧。
  16. ^ The Beatles – "Love" November”. Entertainment Weekly (2006年9月14日). 2019年1月3日閲覧。
  17. ^ The Beatles Love Site
  18. ^ Watson, Greig (2006年11月17日). “Love unveils new angle on Beatles”. BBC. http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/6159426.stm 2019年1月3日閲覧。 
  19. ^ The Beatles 'LOVE' Podcast”. The Beatles (2007年1月11日). 2007年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月3日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集