リアルタイム字幕放送

字幕つきの放送のうち、放送時に字幕を作成・付加するシステム

リアルタイム字幕放送(リアルタイムじまくほうそう、リアルタイムキャプション放送とも)は、字幕つきの放送のうち、放送時に字幕を作成・付加するシステム。ここでは、主に日本テレビ放送で、受信機で表示を切り替えられるもの(「字幕放送」)を述べる。

概要 編集

日本の文字多重放送(字幕放送)は事前に収録した番組にしか対応していなかった。生放送における字幕放送は、海外の表音文字のみ使用する場合だと音声認識で対応できたが、日本では同じ音でも複数の表記方法がある表語文字が使われ、機械的や技術的な問題があり行われていなかったのである。

聴覚障害者高齢者にも情報バリアフリーを推進していこうとNHK放送技術研究所が音声認識ソフトによる文字放送を開発した。2000年3月27日から日本放送協会(NHK)の一部番組で実施されており[注釈 1]、現在は民間放送(2013年現在は前者の日本テレビTBSテレビフジテレビテレビ朝日テレビ東京各系列と、その番組を同時ネットする一部の独立局や、一部のBS放送局およびCS放送局)やインターネットテレビ配信サービスのAbemaTVでも実施している。

原理 編集

リアルタイム字幕の原理には、人間が聞き取ってキーボードから文字を入力する方式と、音声認識技術を用いた音声認識方式と、の2方式が存在する。

字幕を生成する過程以外では、通常の字幕放送と同じ流れでデータが重畳され、電波に乗せられて届けられる。原理的に字幕を生成する部分での遅延が避けられないので、字幕は発声の数秒遅れで表示される事になる。

キーボード入力方式 編集

放送音声を「ステノキャプショナー(速記字幕入力者)」と呼ばれる入力オペレータが聞きながら同時に打ち込みを行う。入力は複数人で分担して行われるが、方式によって役割分担が異なっている。

主に2つの方式がある。

一般的なキーボードを用いた方式
パソコン要約筆記を応用した方式。複数人のオペレータが交互にリレー入力をする。一般的なOADG仕様のキーボードを使っている[注釈 2] ため、入力者を短期間で養成でき低コストというメリットをもつ。TBSテレビ朝日が採用している。
速記キーボードを用いた方式
スピードワープロ[1] やステンチュラといった速記用に最適化されたキーボードを使う。聞き取った音を入力する人と、その文字を漢字に変換する人に分担されている点が前項とは異なる。このため本方式ではかならず2人単位の人員を要する。トップスピードでは前項の方式に勝るものの、高価な専用キーボードが必要でオペレータの養成に3年程かかるため人件費もかさむ[2]。スピードワープロ研究所[3] やワードワープ[4] が採用しており、NHKやいくつかの民放がこれらの会社と契約をしている[2][5]

通常は打ち込み速度が放送音声より遅れるため、入力オペレータと校正オペレータの組を複数セット用いてリレー方式で入力を行う。

音声認識方式 編集

基本的には音声認識による文字情報の直接生成を用いたものである。音声認識は現在でも100%の変換が難しいものであるが、ニュースにおいては語調や使用される単語などを一定の条件に制限できる事から、この用途に限って音声認識を用いる事で高い変換効率を実現した。開発当初、リアルタイム字幕の付加はスタジオなどでのアナウンサーの発声に限られる場合が多く、VTR映像などの音声には同様の字幕が付かない事が殆どだった。スポーツイベントやNHK紅白歌合戦などの番組では、専門のアナウンサーが字幕生成のためにセリフを再発声する「リスピーク方式」とすることで同様の条件を達成している[6]

NHKでは2012年3月14日放送の一部の『NHKニュース』から、アナウンサーの発声など認識率が高い部分は音声認識システムを使い、聞き取りにくい部分のみ担当者がリスピークを行う「ハイブリッド方式」の導入を開始した[7]

AbemaTVでは2018年12月10日放送の『けやきヒルズ』から、LASSICが開発したリアルタイムAI字幕システム「AIポン」の導入を開始した[8]

通常の字幕放送との違い 編集

  • 音声認識・キーボード入力共に、放送音声から字幕が表示されるまで遅延が発生することは、どうしても避けることができない。アメリカ合衆国クローズドキャプションも同様。
    • NHKの生放送番組(ニュース番組以外)などでは、VTR収録部分や予め決めているコメントがあるときは、事前に作成しているためか、遅延なしまたは微妙な遅延程度に抑えて表示することもある[注釈 3]
    • ニュース番組などで事前に作成されている原稿を、放送されている音声のタイミングに合わせて字幕を送出するものは「テイク方式」と呼ばれる。
    • NHKでは2020年開始のNHKプラスでリアルタイム字幕放送のニュース番組(一部番組[注釈 4])を見逃し配信する際は、字幕と映像が合うように修正して配信される(テレビ放送から2~3時間後に字幕修正したものを配信)[9]
    • NHKでは2020年東京オリンピック・パラリンピック2022年北京オリンピックの放送において「ぴったり字幕」と称するリアルタイム字幕放送を実施した。原理的には、フジテレビで放送されていた『ダウンタウンなう』の「ほぼ生放送」と同じ遅延送出システムにリアルタイム字幕放送を組み合わせたもので、映像を30秒遅れで送出し字幕の作成時間を稼ぐ。なお『ダウンタウンなう』は「ほぼ生放送」時代は字幕放送を実施していない(のちの収録放送から通常の字幕放送をレギュラー実施。ただしリアルタイム字幕は1度のみ使用実績あり)。[10]
  • 民放の番組ではCMに入ると、原理的にCMに入る数秒前の発言は字幕化できない。また、CMから明けてもCM入りする前の字幕から表示されるわけではないため、発言の流れがそこで途切れてしまう[注釈 5]
  • 歌や音楽の音符・効果音の記述「(○○の音)」等、音関係の表示が少ない(一部番組では実施[注釈 6])。
  • 表示位置は半固定。モニタの設定ができる場合をのぞき、常時同じ場所に表示される(NHKではほとんどの番組でテロップなどが隠れないように、字幕の位置を動かしている)。
  • 半角文字は用いられない。カタカナ英数字は無条件で全角になる(TBSテレビを除く[注釈 7])。
  • 注意しないと誰が話しているのかわからないことがある。アメリカのリアルタイム字幕放送同様に話し始めは「>>」(日本テレビ〈一部〉[注釈 8]、フジテレビ〈一部〉[注釈 9]毎日放送〈スポーツ中継を除く〉など)や「≫」(フジテレビ、テレビ朝日など)の記号を挿入するが、実施していない番組もある[注釈 10]。ただ、NHK(ニュース番組[注釈 11]を除く)、テレビ朝日(一部番組を除く)、TBS(JNNニュースなどを除く)、日本テレビ(スポーツ中継のみ)では生放送でも話している人の苗字が表示されることもある[注釈 12]
  • 日本の字幕放送は色別に区分けする事ができるが、民放のリアルタイム字幕での実施例は少ない(NHK(ニュース番組を除く[注釈 13][注釈 14])や日本テレビ(2018年から、一部のスポーツ中継のみ)、朝日放送テレビ(一部のスポーツ中継のみ)では色分けを実施している)。なおTBSとフジテレビは報道・情報ワイドショー番組は黄色、スポーツやバラエティ番組は白色と番組のジャンルにより色分けしている[注釈 15]
  • 一部の録画番組では、放送日時近くまで番組制作をしていて、通常の字幕放送の制作方法では放送に間に合わないためか、リアルタイム字幕放送と同様の形式で字幕が表示されている場合がある(日本テレビ系列番組に多い。TBS系列にもある)。
  • 人名などの固有名詞が発せられると、その漢字が判明するまで字幕の進行が止まってしまうか、すぐに判明しない場合はひらがなもしくはカタカナでの入力を余儀なくされる(事前に準備しておいた資料と突き合わせられれば、かなりの改善が期待される)。
  • 放送局によって話がテロップ表示されている箇所も字幕表示するかしないかが異なる。例えば日本テレビ系では(『スッキリ』、『NNNストレイトニュース』、『news zero』〈2019年以前や一部の回を除く〉、『午前0時の森』、『ゼロイチ』、『Going!』を除く)テロップ表示部分も字幕表示〔外国語を訳したテロップ表示を除く〕)。
  • 文字の打ち込みから送出までの時間が限られているため、通常の字幕放送に比べ誤字や脱字が出やすい傾向にある。そのため、一部の局では番組開始冒頭に事前に作成した「生放送のため誤字が生じる場合があります」や「誤字脱字が発生する場合があります」などといったその旨の断りを表示している。
  • 余談だが、上記のような生放送字幕の特性を逆手にとった放送例も存在する。2020年1月1日放送の『全力!脱力タイムズ新春SP』(フジテレビ制作)では、全編収録番組であるにも拘わらず生放送と見せかけて放送するという特殊な構成だったため、番組終盤に実は事前収録だったということが明かされるまで、字幕放送もリアルタイム字幕放送風の様式(音声からあえて数秒遅れて字幕を表示する、話し始めに「≫」を挿入する等)で放送していた[注釈 16]。なお、事前収録が明かされたシーンからは通常の字幕放送の様式に切り替わった。
  • SBS8ニュース』のKNTVでの放送分での日本語字幕は、翻訳しながら字幕を打ち込んでおり、常時放送では唯一のリアルタイム字幕放送となっている。『MBCニュースデスク』をネットしていた頃の2006年12月から実施している。

実施番組 編集

ローカルに差し替わった部分では行わない場合がある。

NHK(特記がない限りすべて総合テレビ、教育テレビ) 編集

  • NHKニュース おはよう日本(2004年4月5日より。2021年3月29日以降、通常時は月 - 土曜日の場合6時台後半と7時台全編、日曜日・祝祭日の場合番組全編〈いずれも関東甲信越および関東ローカル枠も含む〉で実施。祝祭日では祝日特集枠も含む。また、重大ニュース・自然災害発生時は番組冒頭から実施する場合がある)
  • あさイチ(2011年10月3日放送分より。ただし、毎年3月下旬や8月の高校野球期間中などに放送される場合がある総集編・アンコール放送では通常の字幕放送となる)
    • NHKニュース(平日午前9時、『あさイチ』に内包)。2009年3月30日より。国会中継などで『あさイチ』が短縮・休止となる場合は臨時に単独番組扱いで放送(国会中継時は時間変更も伴う)する場合がある。2009年度は午前8時30分から単独番組扱いでの放送だった)
  • NHKニュース(正午)
  • NHKニュース(18時は2011年3月28日より、13時は2009年3月30日より、16時(2017年度は大相撲期間中のみ)は開始は2012年4月2日だが、実際は2012年3月14日放送分より実施。14時・15時は2013年4月1日より、土・日・祝日の20時45分~21時は2016年4月3日より)
    2016年4月4日より、7時台~22時台では曜日を問わず全てで実施されている。
  • ニュース(関東)(茨城県を除く関東地方向けのローカルニュース、平日12:15)
  • ニュース(関東・山梨・長野)(関東甲信地方向けのローカルニュース、土日・祝日・年末年始12:10)
  • ニュース(関東甲信越)(関東甲信越地方向けのローカルニュース、平日15:07)
  • ニュース(関西)(近畿地方向けのローカルニュース、平日12:15・15:07、2022年10月頃より)
  • ニュース・気象情報(北海道)(北海道地方向けのローカルニュース・気象情報、平日15:07)
  • ニュース・気象情報(中国地方)(中国地方向けのローカルニュース・気象情報、同上)
  • ニュース・気象情報(四国)(四国地方向けのローカルニュース・気象情報、同上)
  • ニュース645(関東・山梨)(関東地方・山梨県向けのローカルニュース、土日・祝日・年末年始18:45[注釈 17]
  • ニュース・気象情報(関東甲信越)(関東甲信越地方向けのローカルニュース・気象情報。土曜20:50、日曜・祝日・年末年始20:55、日曜・祝日6:55、年末年始7:15)
  • NHK手話ニュース(教育テレビのみ)
  • みみより!くらし解説(2012年4月3日の放送開始より)
  • ひるまえほっと(関東甲信越地方向け)
  • どーも、NHK
  • NHKのど自慢(2013年4月7日より。ただし、緊急ニュースなどで中止・途中打ち切りとなった場合の振替放送時や毎年12月放送の総集編「熱唱・熱演・名場面」は通常の字幕放送となる)
  • 土スタ(ただし、緊急ニュースなどで中止・途中打ち切りとなった場合の振替放送時は通常の字幕放送となる)
  • ニュースLIVE!ゆう5時(2022年4月4日の放送開始より)
  • 首都圏ネットワーク(関東地方向け[注釈 18]、2012年9月18日より)
  • ほっとニュース北海道(北海道地方向け[注釈 19]。2015年3月30日より試験的に実施(「字幕放送」テロップの表示はなし)、2016年4月3日より番組冒頭に「字幕放送」テロップが表示されるようになり、事実上の正式実施となる)
  • てれまさむね宮城県向け)
  • まるっと!東海3県向け[注釈 20]、2018年4月2日の放送開始より)
  • ほっと関西近畿地方向け[注釈 21]、2015年度の放送開始より)
  • お好みワイドひろしま(広島県向け)
  • ひめポン!(愛媛県向け)
  • ロクいち!福岡福岡県向け[注釈 22]
  • NHKニュース7(日本初のリアルタイム字幕放送実施番組。2000年3月27日放送分より)
  • クローズアップ現代(2009年8月より。ただし、事前収録時や2021年3月末からBS1で開始された翌日夕方の再放送では通常の字幕放送となる)
  • 首都圏ニュース845(茨城県を除く関東地方向け、2012年9月18日より)
  • ほっとニュース845(北海道地方向け)
  • ニュースてれまさ845(宮城県向け)
  • ニュース845東海(東海3県向け、2013年3月11日より)
  • ニュース845〜関西のニュースと気象情報〜大阪府向け、2013年3月11日より)
  • ニュース845福岡(福岡県の福岡都市圏・筑後エリア向け)
  • ひめポン!845愛媛県向け、2015年11月より)
  • ひろしまニュース845(広島県向け)
  • NHK手話ニュース845 (教育テレビのみ)
  • ニュースウオッチ9(2006年4月3日の放送開始より)
  • 時論公論(2016年度より、2021年3月末から開始された翌日〈金曜日の分は翌週月曜日〉午後の再放送では通常の字幕放送となる[注釈 23]
  • 首都圏情報 ネタドリ!(関東地方向け[注釈 24]。ただし、事前収録の場合は通常の字幕放送となる[注釈 25]
  • 週刊まるわかりニュース(2018年度の放送開始より)
  • ライブ・エール(2020年より・毎年8月、中断ニュースを含む。ただし、後日行われる再放送では通常の字幕放送となる)
  • わが心の大阪メロディー(毎年10月最終火曜日[注釈 26]
  • うたコン(2016年度の放送開始より。ただし、事前収録時[注釈 27]や2022年4月から開始された月曜午後の再放送では通常の字幕放送となる[注釈 28]
  • NHK紅白歌合戦(大晦日、中断ニュースを含む)
  • サンデースポーツ(2015年度より)
  • 大相撲中継(15時台から。総合テレビは16時00分過ぎおよび17時00分過ぎからの中断ニュースを含む。なお、総合テレビが15時台・16時台に国会中継や特設ニュースが組まれ、BS1(サブチャンネルの102chも含む)で代替放送する場合、または総合テレビで特設ニュースにより、Eテレで代替放送する場合でも実施される)
  • 国会中継(2018年秋の臨時国会より。当初は政府演説・所信表明演説、代表質問、党首討論の場合のみだったが、2022年秋の臨時国会から衆参両院の予算委員会の中継にも拡大)
  • プロ野球20××(総合テレビ、BS1。BS1は2019年度より実施。2018年度まで、BS1では当初放送予定の総合テレビで特設ニュースが組まれる関係で代替放送される場合に限り実施していた。以前はBShiでも総合テレビと同時放送の場合に実施していた)
  • 選抜高等学校野球大会中継(当初は開会式、準決勝、決勝、閉会式のみだったが2015年より全試合で実施)
  • 全国高等学校野球選手権大会中継(当初は開会式、決勝、閉会式のみだったが2015年より全試合で実施)
  • 全国高等学校総合体育大会
  • 国民体育大会
  • 東京六大学野球中継(Eテレのみ)
  • ラグビー中継
  • 競馬20××(総合テレビのみ)
  • MLB20××(総合テレビのみ、未明・早朝は除く)
  • ハートネットTV(Eテレ 生放送時のみ実施し、再放送時及び収録時は通常の字幕放送となる)
  • 沼にハマってきいてみた(Eテレ 生放送を行う月曜日のみでそれ以外は通常の字幕放送。2018年4月の放送開始より)
  • 列島ニュース(2020年4月20日より[注釈 29]
  • きょうの料理(総合テレビ、金曜日12:20。2021年4月2日より実施。Eテレで水曜日21:00の再放送では通常の字幕放送となる。月1回放送の「栗原はるみのキッチン日和」は事前収録で通常の字幕放送となる)
  • 京コトはじめ(2021年4月2日の放送開始より。ただし、緊急ニュースなどで中止となった場合の振替放送や派生ミニ番組『京コトはじめ 古都の美 匠の技』では通常の字幕放送となる)
  • ニュース きん5時(2021年4月2日の放送開始より)
  • 今夜も生でさだまさし(2021年度より)
  • サタデーウオッチ9(2022年4月2日の放送開始より)
  • キャッチ!世界のトップニュース(総合テレビ、2022年4月4日より[注釈 30]
  • Venue101(2022年4月9日の放送開始より。ただし、不定期に事前収録の形式による特別編が放送される場合は通常の字幕放送となる)
  • 国際報道2023(総合テレビ→BS1、2022年5月中旬より。総合テレビでの翌日4時台の時差放送では字幕放送は実施されない[注釈 31]
    • その他にも不定期で各種スポーツ中継や特集番組の一部でも実施されている。
    • 開始冒頭[注釈 32] に「生字幕放送です。一部、字幕で表現しきれない場合があります。」[注釈 33](2018年11月30日までは「生字幕放送でお伝えします」)と表示される。一時期、番組によっては字幕キャスターの氏名も表示されていた。国会中継など一部の番組では番組終了時に「生字幕放送でお伝えしました。番組中、字幕で表現しきれないところがありました。」と表示されることがある。2019年度までは一部の番組で番組終了時に「「○○(番組名)」をお伝えしました」と表示されることがあった。
    • 番組を翌日以降に再放送(2010年度までのBS2での録画放送含む)する場合は原則として通常の字幕放送になる他、一部追加修正される場合がある[注釈 34]
    • 災害・地震・津波に関する全波一斉放送の特設ニュースで実施する場合については地上波の総合・Eテレ、BS波のBS1BSプレミアムの国内向けテレビ放送全波で実施される。
    • 生放送でも事前収録部分では事前に制作した字幕を用意して放送のタイミングに合わせて表示される。

民間放送 編集

日本テレビ系列 編集

その他、各種スポーツ中継においても実施されている。字幕は日本テレビ制作番組ではニュース番組[注釈 44]・情報番組・バラエティ番組などでは画面上段の表示、スポーツ中継などでは上段か場合によっては上段よりやや下寄りに表示。日本テレビ(関東地区)で地震速報などのテロップを表示する時には表示位置が移動する[注釈 45])。なお2017年9月3日のマスター更新以前は全て画面上段の固定表示だった。読売テレビ制作番組では画面中段に固定表示されている。また、これ以外の収録番組においても、放送回によってあるいは特別番組の場合にリアルタイム字幕放送を採用する事もある[注釈 46]

テレビ朝日系列 編集

TBS系列 編集

  • 昼のニュース番組(平日は2002年頃より実施、現在は週末も含めて全曜日で実施。他番組の字幕放送(1行15文字)と比べると横に少し大きい(1行19文字))
  • 夕方の全国ニュース(2002年度のJNNニュースの森より実施。当初は平日の全国ネットパートのみで実施。その後、2008年度のイブニング・ファイブより夕方ニュースの全時間帯で実施)
  • JNNフラッシュニュース(平日は2014年度より、日曜は2017年度より実施)
  • 報道特集NEXT→報道特集(2008年6月28日放送分までは、スポーツコーナーまでで終了していたが、同年7月5日より、ローカル枠を除いて全編に拡大)
  • SAMURAI BASEBALL2007年シーズンより。但しBS-TBSとその日に差し替え中継を行う地域〈毎日放送では深夜の録画放送を除き実施〉は除く)
  • オールスター感謝祭(2011年秋より実施)
  • 音楽の日(2011年より・毎年7月第3土曜日、中断ニュースも含む)[注釈 53]
  • 報道の日(2011年より・毎年12月、『JNNニュース』パートも含む[注釈 54]
  • 王様のブランチ(2012年4月より。但し、2012年9月まで地上波と同時放送を行っていたBS-TBS(旧・BS-i)は除く[注釈 55]
  • news23(2014年3月31日放送分より実施。他番組の字幕放送(1行15文字)と比べると横に少し大きい(1行19文字))
  • 情報7days ニュースキャスター(2016年4月2日放送分より実施)
  • S☆1(2017年4月2日放送分より日曜深夜のみ実施)
  • サタデープラス(毎日放送制作、2015年4月4日の放送開始より)
  • サンデーモーニング(2016年10月2日放送分より実施)
  • 報道1930BS-TBS、2018年12月3日より実施、民放キー局系BSの独自番組では初のリアルタイム字幕放送。他番組の字幕放送(1行15文字)と比べると横に少し大きい(1行19文字))
  • サンデーニュース Bizスクエア(BS-TBS、2018年12月2日放送分より実施。同上)
  • せやねん!(毎日放送の近畿地方向け情報バラエティー番組。2019年4月6日より実施)
  • MBSニュース(毎日放送のローカルニュース、平日昼に実施)
  • チャント!CBCテレビ東海3県向けローカル報道ワイド番組)
  • まるっと!サタデー(2019年7月6日の放送開始より)
  • CDTVライブ!ライブ!(2020年3月30日の放送開始より)[注釈 56]
  • ラヴィット!(2021年3月29日の放送開始より)[注釈 57]
  • THE TIME,(2021年10月1日の放送開始より)
  • よんチャンTV(毎日放送の近畿地方向けローカル情報ワイド番組。「5時ニュース」「6時ニュース」コーナーのみ)
    その他、各種スポーツ中継においても実施されている。字幕は画面中央(やや下寄り)に固定表示されている。
    2023年度よりニュース番組では番組冒頭に黄色文字で「この番組は生字幕放送のため表現しきれない場合があります。」と表示されることがある。
    2019年度まではTBSからのニュース番組[注釈 58] で実施する場合、基本的にキャスターのニュース読みの文末を丁寧体(「です・ます」調)から新聞記事の文章のような普通体(「だ・である」調)に変換して表示していた(例:ニュース読み「○○(JNN)の取材で明らかになりました。」⇒字幕「○○(JNN)の取材で明らかになった。」)。報道特別番組の場合は文末変更はない場合もある。
    また、通常の字幕放送では句点(。)はつけないが、リアルタイム字幕放送では付けている事が多い。

テレビ東京系列 編集

フジテレビ系列 編集

過去に実施された主な番組 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 最初の実施番組は開始当日の午後7時から放送の『NHKニュース7
  2. ^ 親指シフトや、JISかなをするオペーターもいるが稀である。
  3. ^ NHK以外で、この状況に当てはまる一例として、テレビ朝日系列の「ミュージックステーション」が挙げられる。同番組では、VTR部分(当てはまらないVTR部分もある)に入ると、事前に字幕の内容が決まっているためか遅延が一気に縮まり、ナレーションを示す括弧(<>)や、話者の人物名(「人物名:文言」のように書かれる)も表示されるようになる。ただし、ときどき字幕が遅れる。なお、テレビ朝日制作の番組では、これに似たような形式の字幕(表示時間は字幕内容と番組の進行に合わせ調整されている)が通常の文字多重放送として展開されており、字幕が遅れることもあるが、リアルタイム字幕放送との関連は不明。
  4. ^ NHKニュースおはよう日本』(7時台の全国ニュース)、『正午のニュース』、『NHKニュース7』、『ニュースウオッチ9』で実施。今後拡大する予定としている。
  5. ^ 関西テレビ制作の番組ではCM明けにCM入りする前の字幕が表示されている(『土曜はナニする!?』など)。
  6. ^ NHKのニュース以外の生放送番組の大半や、関西テレビ放送制作『土曜はナニする!?』など
  7. ^ ただし、TBSテレビでは「、」・「。」英数字は半角で表示されることもある。なお、『輝く!日本レコード大賞』などでは、英字が使われているアーティスト名を半角で表示していた(例としてSEKAI NO OWARIなど)。なお2021年12月より、英数字と「?」は文字数に関係なく強制的に半角表示となっている(「!」は全角と半角が混在している)。
  8. ^ news zero』(変更以前及びは「>>」形式だった。変更時期は不明)、『午前0時の森』(撮って出しの擬似生放送番組)では「≫」の記号(パイロット版は「>>」形式) 。なお『zero』は変更後も、一部の回と報道特番で、放送時間が拡大する場合「>>」を使用する場合がある。
  9. ^ FNN Live News days』の月曜から水曜のみ「>>」、木曜と金曜及び週末は「≫」表記。
  10. ^ 関西テレビ制作『土曜はナニする!?』、『ごきげんライフスタイル よ〜いドン!』、『こやぶるSPORTS』では「◆」の記号。なお、『胸いっぱいサミット!』の生放送時は「>>」の記号を使用していたが、末期 - 番組終了までは「◆」に統一された。
  11. ^ キャッチ!世界のトップニュース』(総合テレビ)、『国際報道2023』(BS1)を除く。
  12. ^ 過去にTBSでは一部出演者のみ(司会者とTBSアナウンサー)か全員の苗字を表示するかは番組によって異なっていた。2020年夏ごろからは基本的に発言者全員の苗字を表記している(名前を判別できない場合は表記されない)。テレビ朝日では『ミュージックステーション』では苗字表記はない。
  13. ^ NHKの大相撲中継の場合、本日の実況・解説者を紹介する際に「○○≫○色で表示します。」と表示される。
  14. ^ キャッチ!世界のトップニュース』(総合テレビ)、『国際報道2023』(BS1)では、スタジオのキャスターの発言は黄色、中継先の記者の発言やVTRのニュース音声やナレーションはスタジオのキャスターが読む場合を除き白色で表示される。
  15. ^ ただし、両局とも一部例外がある(TBSの場合ワイドショー番組の『THE TIME,,』や『サンデーモーニング』は白色を採用。フジテレビでは字幕の入力機器の都合上、一部のバラエティ・スポーツ番組でも黄色で実施される場合がある)
  16. ^ ただし本物のリアルタイム字幕と異なり、区切りとして読点「、」ではなく半角スペースを用いていた(実際のリアルタイム字幕ではスペースを開ける場合は必ず全角になる)。
  17. ^ ただし、年末年始は『ニュース650』に改題の上18:50から放送。
  18. ^ 関東北部3県(茨城県・栃木県・群馬県)では一部の時間帯のみ放送。
  19. ^ 一部時間帯は『ほっとニュース 道央いぶりDAYひだか』のタイトルで北海道の石狩空知後志胆振日高地方でのみ放送。
  20. ^ 一部時間帯は愛知県内でのみ放送。
  21. ^ 一部時間帯は大阪府内でのみ放送。
  22. ^ 一部時間帯は福岡県の福岡都市圏筑後エリアでのみ放送。
  23. ^ なお、翌日〈金曜日の分は翌週月曜日〉早朝の総合テレビ・BS1での再放送においては字幕放送は実施されない。
  24. ^ 土曜午前の再放送は関東甲信越地方全域で放送される。
  25. ^ なお、2020年4月以降に新型コロナウイルス関連のテーマで放送した回が総合テレビ・BS1を通じて全国向けに再放送された際は通常の字幕放送となった。
  26. ^ 2017年までは毎年12月第3火曜日に放送。
  27. ^ 主に出演者の都合が付かず生放送が不可能な場合や、緊急ニュース・自然災害による報道特番が組まれたか国政選挙の公示日と重なり『NHKニュース7』が20時45分まで拡大放送され生放送出来なかった場合の振替時が該当。
  28. ^ また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年3月から9月まで『NHKのど自慢』が長期間休止となった穴埋めとして、同年6月下旬以降期間限定で設定された日曜昼の再放送(現在でも新型コロナの影響で『のど自慢』が休止となる際は放送の場合あり)でも通常の字幕放送となっている。
  29. ^ ただし、番組自体は同年4月13日から『列島新型コロナ関連ニュース』(番組表上の表記タイトルは『列島昼ニュース』)のタイトルで開始され、当初はBS1で放送。同月20日に『列島ニュース新型コロナ最新情報』と改題の上、総合テレビに移行した(6月1日からはタイトルから『新型コロナ最新情報』のフレーズが外れた)。正式な定時番組となったのは同年9月28日から。
  30. ^ BS1で8:00からに放送したものを、総合テレビで10:05に時差放送しており、その際にリアルタイム字幕放送を追加して放送する。
  31. ^ 総合テレビでは、2022年3月1日よりBS1で放送したものを23時台に時差放送しており、その際に2022年5月中旬より23時台にはリアルタイム字幕放送を追加して放送していた。翌日4時台の再放送では実施せず。2023年3月17日をもって23時台の放送は終了、2023年4月3日よりBS1での本放送で実施。2023年度も総合テレビ4時台の時差放送は継続するものの字幕放送は実施せず)
  32. ^ 2020年度まではニュース番組全般を除く。「あさイチ」や「プロ野球20××」(総合テレビ(デーゲーム)・BS1)など大型番組の一部では、中断ニュース明けにも表示される場合がある。
  33. ^ 地方局では、「一部字幕放送でお伝えします」(札幌放送局、広島放送局)、「番組の一部に字幕が表示されない箇所があります」(松山放送局)など、表記が異なる場合があり、また表記をしない地方局もある。
  34. ^ ただし番組を翌日未明に再放送する場合は実施されない。
  35. ^ なお、それ以前にも国政選挙の投開票日と重なる日曜日に『ZERO×選挙』を一時中断する形で時間変更・短縮して放送された際に実施された事がある。
  36. ^ ただし、『24時間テレビドラマスペシャル』のブロックは通常の字幕放送となる。
  37. ^ なお、読売テレビの場合は関西ローカルへの差し替えが多いため、関西ローカルの時間帯だけでなく日本テレビ発の内容を放送している時も、深夜帯などを除き読売テレビ側で字幕を作成し送出している。
  38. ^ 第2夜の翌日の月曜日に放送される『完全密着!24時間テレビの裏側』でも実施。
  39. ^ それ以外の時はVTR番組のため通常の字幕放送となっている。
  40. ^ 事前収録時は通常の字幕放送となるが、ごく稀に放送前の字幕制作が間に合わずリアルタイム字幕放送で対応する場合がある。
  41. ^ ただし事前収録部分もリアルタイム字幕で実施。それ以外の場合は収録番組のため基本的に通常の字幕放送となるが、稀に放送前の字幕制作が間に合わずリアルタイム字幕放送で対応する場合がある。
  42. ^ 番組は2本撮りであり、回によって字幕が遅れて表示されるときと、ほぼ同時に表示されるときとがある。
  43. ^ ストレイトニュース』パートも含む。ただし、内包番組『キユーピー3分クッキング』では通常の字幕放送となる。
  44. ^ 2020年からの新型コロナウイルス問題で『NNNストレイトニュース』では当該ニュースを放送する際、日本テレビ(関東地区)で画面上部に新型コロナ特設サイトのQRコードを表示する際には、上段よりやや下寄りに移動する。
  45. ^ 地震速報以外にも生放送番組でプレゼント応募の電話番号が画面上部に表示された場合も同様、字幕表示位置が移動する。(主に『火曜サプライズ』など)
  46. ^ 出演者の収録スケジュール等の都合上放送日近くまで番組制作をしており、通常の字幕放送の制作方法では放送に間に合わないための措置。レギュラー放送では特に『King & Princeる。』『しゃべくり007』、特別番組では『嗚呼!!みんなの動物園』『世界一受けたい授業』で比較的実施頻度が高い。
  47. ^ 当初は18時台の全国ネットパートのみで実施していたが、2014年4月より全編に拡大した。
  48. ^ ただし、2020年4 - 5月に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で全編VTR構成の総集編となる回が発生し、その場合は通常の字幕放送となった。
  49. ^ 「ANNニュース」パートでは2008年3月末から先行して実施。
  50. ^ 主に、毎年8月の全国高校野球選手権大会期間中に朝日放送テレビでの放送が休止され、ネット局への裏送りのみとなる場合が該当。
  51. ^ ただし、それ以前にも重大ニュース時(2018年9月6日放送分など)や2017年以降毎年1月1日に放送される「新春特大スペシャル」で実施されたことがある。
  52. ^ なお、同番組は事前収録の場合でも放送日の間近に収録しているため、その場合は事前に制作した字幕を用意して放送のタイミングに合わせて表示する形を取っている。
  53. ^ 深夜帯の部分は2017年より実施している。
  54. ^ ただし、2021年の放送では午後帯で生放送された第1部でのみリアルタイム字幕放送を実施し、ゴールデン・プライム帯に事前収録の形式で放送された第2部では通常の字幕放送となった。
  55. ^ JNNニュース』パートも含む。ただし、不定期に全編収録となる場合は『JNNニュース』パートを除き通常の字幕放送となる。
  56. ^ ただし、2020年4月・5月は新型コロナウイルスの影響により生放送が不可となり過去のVTRの総集編が放送されたため、通常の字幕放送となった。
  57. ^ ただし、2022年1月2日深夜に放送された新春特番『ラヴィット!新年会』では全編録画放送だったため通常の字幕放送となった。
  58. ^ 対象となるのは、JNNフラッシュニュース、『JNNニュース』(『グッとラック!』、『新・情報7DAYS ニュースキャスター』、『S☆1』(日曜のみ)での最新ニュースコーナー時もJNNニュースと同じ扱いになるためその部分のみ文末変更)、『Nスタ』、『報道特集』。
  59. ^ BSジャパン時代(2018年9月末まで)は未実施
  60. ^ 1時間遅れの録画ネット(金曜日のみ地上波同時)で放送のBSテレ東は除く。
  61. ^ 放送時期によっては事前収録の回もあるため、その場合は通常の字幕放送となる。
  62. ^ ニュース番組にて天皇陛下のニュース、ボクシングやRIZINなどの格闘技中継の試合中、演芸番組でネタ披露時は画面中の段に表示位置を変更する。
  63. ^ 2020年より、首相記者会見などを中継する場合は手話通訳者のワイプやテロップなどに重ならない位置で表示される。
  64. ^ BS1で8:00からに放送したものを、総合テレビで18:05(近畿地方は原則翌0:25からの遅れネット)に時差放送しており、その際にリアルタイム字幕放送を追加して放送する。

出典 編集

参考資料 編集

  • 読売新聞2013年4月9日付24面「テレビ知り隊」生放送の字幕、どう作成?

外部リンク 編集