リカット
リカットは、アルバムに一度収録された楽曲を後からシングルカットすること。『リカットシングル』、または『後発シングル』と言う。
おおむね日本国内で使われる言葉であり、また日本国外ではシングルに対するビジネス方針が異なるため(シングルの項目を参照)、本項は日本におけるリカットのみについて記述する。
概要編集
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日本国内ではシングルが優先される為に、先行シングルが中心となっており、リカットシングルはCMやテレビ番組等でタイアップが付かない限りは通常は余り出回らない。
アルバムの宣伝として売られるシングルという意味では、アルバムの直前に発売される先行シングルも同じだが、先行シングルがアルバムの初動売上を左右するのに対し、リカットシングルはアルバムがあまり売上を伸ばせなかった場合、いわゆるテコ入れとして効果的な戦略とされる。急遽リカットが決定されることもあれば、アルバム発売前からリカットが決定し、アルバムと同時にシングル発売の宣伝が行なわれることもある。
1970年代から1980年代初頭までは、アルバムの発売間隔が4か月から6か月だったことも珍しくなく、前作からのリカットシングルを新作アルバムと同時に発売することもあった[1]。また、この頃はタイアップが付いてもあえてリカットせず、そのままアルバムの売上を伸ばすという戦略を取るミュージシャンもいた。
リカットシングルでは、必ずしもアルバムに収録されているバージョンと全く同じアレンジとは限らず、アルバムバージョンとシングルバージョンではアレンジが異なる事がある。
ヒットした主なリカットシングル(カップリング曲含む)編集
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- 秋川雅史 - 「千の風になって」アルバム『威風堂々』から
- 浅倉大介 - 「COSMIC RUNAWAY」アルバム『D-Trick』から[2]
- 安室奈美恵 - 「think of me/no more tears」アルバム『break the rules』から
- THE ALFEE - 「1月の雨を忘れない」アルバム『U.K. Breakfast』から
- 安全地帯 - 「I Love Youからはじめよう」アルバム『安全地帯VI〜月に濡れたふたり』から
- YMO - 「テクノポリス」アルバム『SOLID SATE SURVIVOR』から
- THE YELLOW MONKEY - 「嘆くなり我が夜のFantasy」アルバム『Smile』から
- UVERworld - 「REVERSI」アルバム『THE ONE』から
- 植村花菜 - 「トイレの神様」ミニアルバム『わたしのかけらたち』から
- 宇多田ヒカル - 「First Love」アルバム『First Love』から
- 宇多田ヒカル -「DISTANCE」アルバム『Distance』から
- 宇多田ヒカル - 「Prisoner Of Love」アルバム『HEART STATION』から
- Every Little Thing - 「Rescue me/Smile Again」アルバム『eternity』から
- 大沢誉志幸 - 「そして僕は途方に暮れる」アルバム『CONFUSION』から[3]
- 大沢誉志幸 - 「naive」アルバム『NAIVE』から
- 太田裕美 - 「木綿のハンカチーフ」アルバム『心が風邪をひいた日』から
- 岡村靖幸 - 「Super Girl」アルバム『DATE』から
- 岡村靖幸 - 「友人のふり」アルバム『靖幸』から
- 岡村靖幸 - 「カルアミルク」アルバム『家庭教師』から
- 尾崎豊 - 「I LOVE YOU」「OH MY LITTLE GIRL」「はじまりさえ歌えない」「十七歳の地図 」アルバム『十七歳の地図』から[4]
- オフコース - 「生まれ来る子供たちのために」アルバム『Three and Two』から
- オフコース - 「言葉にできない」アルバム『Over』から
- 海援隊 - 「母に捧げるバラード」アルバム『望郷篇』から
- かぐや姫 - 「神田川」アルバム『かぐや姫さあど』から
- KATSUMI - 「危険な女神」アルバム『SHINING』から
- 加藤登紀子 - 「知床旅情」アルバム『日本哀歌集』から
- 角松敏生 - 「サンタが泣いた日」「THE LOST LOVE」アルバム『TEARS BALLAD』から
- 角松敏生 - 「君を二度とはなさない」アルバム『あるがままに』から
- 華原朋美 - 「LOVE BRACE (曲)」アルバム『LOVE BRACE』から
- 華原朋美 - 「YOU DON'T GIVE UP」アルバム『storytelling』から
- 嘉門タツオ(旧名・嘉門達夫) - 「鼻から牛乳」アルバム『天賦の才能』から
- KAN - 「愛は勝つ」アルバム『野球選手が夢だった。』から
- 久保田利伸 - 「Be wanabee」アルバム『BONGA WANGA』から
- 久保田利伸 - 「雨音」アルバム『PARALLEL WORLD I“KUBOJAH”』から[5]
- 久保田利伸 - 「Always Remain」アルバム『As One』から
- 久保田利伸 - 「Dance If You Want It」「Indigo Waltz」「High Roller」アルバム『Such A Funky Thang!』から[6]
- 倉木麻衣 - 「Can't forget your love/PERFECT CRIME -Single Edit-」アルバム『Perfect Crime』から
- GLAY - 「HAPPINESS -WINTER MIX-」アルバム『HEAVY GAUGE』から[7]
- CHEMISTRY - 「Top of the World」ベストアルバム『ALL THE BEST』から[8]
- 小泉今日子 - 「学園天国」アルバム『ナツメロ』から
- GOING UNDER GROUND - 「ハートビート」アルバム『ハートビート』から
- コブクロ-「今、咲き誇る花たちよ」アルバム『One Song From Two Hearts』から[9]
- 小比類巻かほる - 「I'm Here」アルバム『I'm Here』から
- 小比類巻かほる - 「TOGETHER」アルバム『SO REAL』から
- 米米CLUB - 「浪漫飛行/ジェットストリーム浪漫飛行」アルバム『KOMEGUNY』から[10]
- 斉藤和義 - 「幸福な朝食 退屈な夕食」アルバム『ジレンマ』から
- サザンオールスターズ - 「思い過ごしも恋のうち」アルバム『10ナンバーズ・からっと』から[11]
- サザンオールスターズ - 「栞のテーマ」アルバム『ステレオ太陽族』から
- 沢田研二 - 「TOKIO」アルバム『TOKIO』から
- 沢田知可子 - 「会いたい」アルバム『I MISS YOU』から
- SING LIKE TALKING - 「RISE」アルバム『Humanity』から
- SING LIKE TALKING - 「風に抱かれて」アルバム『togetherness』から
- JUDY AND MARY - 「ラブリーベイベー」アルバム『THE POWER SOURCE』から
- JUDY AND MARY - 「PEACE -strings version-」アルバム『WARP』から
- 鈴木聖美 with Rats&Star - 「ロンリー・チャップリン」「TAXI」アルバム『WOMAN』から
- 鈴木雅之 - 「Guilty」アルバム『Radio Days』から
- 鈴木雅之 - 「私の願い」アルバム『Dear Tears』から
- 鈴木雅之 - 「渋谷で5時」アルバム『Perfume』から(シングル「違う、そうじゃない」のカップリング曲)[12]
- スターダストレビュー - 「今夜だけきっと」アルバム『VOICE』から
- スターダストレビュー - 「追憶」アルバム『Brightest!』から
- スターダストレビュー - 「木蘭の涙」アルバム『SOLA』から
- スピッツ - 「楓/スピカ」アルバム『フェイクファー』から
- SMAP - 「世界に一つだけの花」アルバム『SMAP 015/Drink! Smap!』から
- たま - 「オゾンのダンス」アルバム『さんだる』から
- チェリッシュ - 「てんとう虫のサンバ」アルバム『春のロマンス』から
- CHAGE and ASKA - 「太陽と埃の中で 」アルバム『SEE YA』から
- CHAGE and ASKA - 「僕はこの瞳で嘘をつく」アルバム『TREE』から
- TUBE - 「Purity 〜ピュアティ〜」アルバム『Bravo!』から
- TM NETWORK - 「Fighting (君のファイティング)」アルバム『Self Control』から(シングル「Get Wild」のカップリング曲)[13]
- TM NETWORK -「RESISTANCE」「BE TOGETHER」アルバム『humansystem』から(後者はシングル「Get Wild」のカップリング曲)[14]
- TM NETWORK - 「STILL LOVE HER (失われた風景)」アルバム『CAROL ~A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991~』から(シングル「JUST ONE VICTORY (たったひとつの勝利)」のカップリング曲)[15]
- TM NETWORK - 「RHYTHM RED BEAT BLACK」アルバム『RHYTHM RED』から[16]
- T.M.Revolution - 「蒼い霹靂〜JOG edit〜」アルバム『triple joker』から
- T-BOLAN - 「離したくはない」アルバム『T-BOLAN』から[17]
- T-BOLAN - 「マリア」アルバム『夏の終わりにII 〜Lookin' for the eighth color of the rainbow〜』から
- TOKIO - 「明日の君を守りたい 〜YAMATO2520〜」アルバム『TOKIO』から
- DREAMS COME TRUE - 「APPROACH」アルバム『DREAMS COME TRUE』から
- DREAMS COME TRUE - 「未来予想図II」アルバム『LOVE GOES ON…』から(シングル「笑顔の行方」のカップリング曲)[18]
- DREAMS COME TRUE - 「またね」アルバム『AND I LOVE YOU』から[19]
- とんねるず - 「迷惑でしょうが…」 アルバム『キャニオン初』から
- 中島みゆき - 「ファイト!」アルバム『予感』から※「空と君のあいだに」と両A面[20]。
- 中西圭三 - 「非情階段」アルバム『Starting Over』から
- BARBEE BOYS - 「ごめんなさい」アルバム『LISTEN! BARBEE BOYS 4』から
- BUCK-TICK - 「M・A・D」「JUPITER」アルバム『狂った太陽』から
- 爆風スランプ - 「45歳の地図(辛口生バージョン)」アルバム『I.B.W』から
- 浜崎あゆみ - 「appears」「kanariya」「Fly high」アルバム『LOVEppears』から
- 浜崎あゆみ - 「SURREAL」「AUDIENCE」アルバム『Duty』から
- 浜崎あゆみ -「Daybreak」アルバム『I am...』から
- 浜崎あゆみ -「Secret」アルバム『Secret』から
- 浜崎あゆみ -「Terminal」アルバム『Colours』から
- 林田健司 - 「花に水やるラヴ・ソング」アルバム『RAPHLES V』から
- Hysteric Blue - 「Little Trip」アルバム『Baby Blue』から
- THE BLUE HEARTS - 「青空」 「ラブレター」アルバム『TRAIN-TRAIN』から
- BOØWY - 「季節が君だけを変える」 アルバム『PSYCHOPATH』から
- 馬渡松子 - 「ホームワークが終わらない」アルバム『逢いたし学なりがたし』から(シングル「微笑みの爆弾」のカップリング曲)[21]
- Mr.Children - 「マシンガンをぶっ放せ -Mr.Children Bootleg-」アルバム『深海』から
- Mr.Children - 「I'LL BE」アルバム『DISCOVERY』から
- 美空ひばり - 「川の流れのように」アルバム『川の流れのように〜不死鳥パートII』から
- 森山直太朗 - 「さくら(独唱)」ミニアルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』から
- 山下達郎 - 「クリスマス・イブ」アルバム『MELODIES』から
- 遊佐未森 - 「地図をください」アルバム『空耳の丘』から
- UNICORN - 「スターな男」アルバム『ケダモノの嵐』から
- L'Arc〜en〜Ciel - 「Driver's High」アルバム『ark』から
- L'Arc〜en〜Ciel - 「the Fourth Avenue Café」アルバム『True』から
- 渡辺美里 - 「Long Night」アルバム『Lovin' you』から
- 渡辺美里 - 「Power-明日の子供-」アルバム『tokyo』から
脚注編集
- ^ 逆に、次回作アルバムの先行シングルがアルバムと同時発売になる場合もあった。
- ^ 尚、名義は厳密には「浅倉大介 Pred.access」と表記され、浅倉はボーカル担当しておらず、貴水博之がボーカル担当している。
- ^ シングルバージョンとアルバムバージョンの違いは、イントロの時間とアウトロのコーラスの有無、曲名の表記方法(アルバムバージョンでは「そして僕は、途方に暮れる」と表記されている)。
- ^ 日本国内に於けるアルバム作品では恐らく当作品がリカット曲が最多となる。4枚もリカットシングルが発売され、内1枚は尾崎の没後にリカットされている。
- ^ シングル盤のジャケットが2種類存在している。
- ^ これらの楽曲はアルバムから分離する形で実質シングルカットされたものであり、今日でいうマキシシングルに該当するものだが、発売当時(1988年、1989年)はアルバム扱いとなっており、公式サイトおよびオリコンではミニアルバム(またはアルバム)として扱われている。
- ^ アルバムとの違いはコーラスなど。
- ^ 当作品は、邦楽では珍しいベストアルバムからのリカット収録で、このベストアルバムの為に書き下ろされた楽曲ではあるが、ファンから好評を受けた事から、当作品がリカットされている。
- ^ NHKのソチオリンピックのテーマ曲に起用されてファンから好評を受けた事から、当作品がリカットされている。
- ^ アルバムバージョンでは、前曲「sûre danse」の末尾の部分が一瞬聞こえる為、シングルバージョンと全く同じでは無い。
- ^ ボーカルおよびテイクに変更はないが、ホーンおよびコーラスに手が加えられている。
- ^ 「違う、そうじゃない」はアルバム「She・See・Sea」の先行シングルで、当楽曲はリカット収録。
- ^ 「Get Wild」はベストアルバム「Gift for Fanks」発売の関係でオリジナルアルバム未収録、当楽曲はリカット収録で、カップリング曲ではあるが両曲共アニメの主題歌としてタイアップされている為、当項目では掲載している。尚、1999年再発売盤でのカップリング曲は当楽曲では無く、後述の「GET WILD '89」と「BE TOGETHER」の2曲のカップリング曲に変更され、こちらはマキシシングルでの発売となっている。
- ^ 「BE TOGETHER」は前述のシングル「Get Wild」の1999年に再発売されたマキシシングル盤でのカップリング曲で、1999年当時TM NETWORKが活動再開した事や、同楽曲が小室哲哉プロデュースのアーティストの一人(所謂小室ファミリー)である鈴木あみがカバーした事から脚光を浴びた為、当項目では掲載している。「Get Wild」の1987年発売盤と1989年再発売盤(8㎝CDシングル)でのカップリング曲は前述の「Fighting (君のファイティング)」だったが、1999年再発売盤でのカップリング曲は「GET WILD '89」と当楽曲に変更されている。鈴木がカバーしたバージョンは、シングル表題曲且つアルバム「 infinity eighteen vol.1」の先行シングルとなっており、こちらはモスバーガーのCMでタイアップが付いた為、鈴木の楽曲の中では最大のヒット曲となった。
- ^ 両曲共リカット収録であるが、カップリング曲「STILL LOVE HER (失われた風景)」の方にアニメのエンディングテーマとしてタイアップが付いている為、当項目では掲載している。「STILL LOVE HER (失われた風景)」の方はシングルバージョンとアルバムバージョンとの相違は無いが、「JUST ONE VICTORY (たったひとつの勝利)」はシングルバージョンとアルバムバージョンではアレンジが大幅に異なり、シングルバージョンではフェードアウトして終了するのに対してアルバムバージョンではカットアウトで終了した後、同アルバム収録曲「IN THE FOREST」のピアノのインストが入っており、演奏時間も7分台と大幅に延長されている。
- ^ 尚、この作品ではユニット名がTMNに改名されている。当シングル発売後、数ヶ月後の1991年2月に当楽曲の英語の歌詞でのリミックスバージョンである「RHYTHM RED BEAT BLACK (Version 2.0)」が発売されたが、こちらはオリジナルアルバム未収録となっている。
- ^ アルバムバージョンとシングルバージョンでは1番Bメロの歌詞が異なっており、ベスト・アルバムなどに収録されているのはシングルバージョンである。T-BOLANのライブではアルバムバージョンが歌われていた。
- ^ 「笑顔の行方」はアルバム「WONDER3」の先行シングルだが、当楽曲はアルバムからのリカット収録となり、カップリング曲でありながらCM等へのタイアップは元より、様々なアーティストらにカバーされたり、教科書にも掲載される程の知名度の高い楽曲である為、当項目では掲載している。シングルバージョンとアルバムバージョンではアレンジが大幅に異なり、アルバムバージョンではアウトロが約1分延長されて演奏時間が7分台となっているのに対してシングルバージョンではアウトロのコーラス部分が終了した後直ぐ終了する為、演奏時間が6分台と大幅に短縮されている。
- ^ アルバムに収録されたものとの大きな違いは、アニメ『ONE PIECE』のキャラクターが声で参加している点。
- ^ 「空と君とのあいだに」はアルバム『LOVE OR NOTHING』の先行シングル、当楽曲はリカット収録で、前者はドラマ主題歌、当楽曲はCMへのタイアップが付いている為、両A面シングルと扱われている。
- ^ 「微笑みの爆弾」は先行シングル、当楽曲はリカット収録で、両曲共アニメのテーマソングとしてタイアップされている。