リスキーシフト: risky shift)とは、社会心理学の用語で、集団の合意形成の過程においては、極端な言動が注目されやすいことにより、危険度が高い(リスキーな)アイディアが賛同を得られやすくなることをいう。「集団思考」(groupthink)として知られている現象のひとつで、ストーナー(J.A.Stoner)が1961年に報告した[1]

概要編集

集団の中においては、常識的な意見や振る舞いはあまり注目されない。一方で、極端で突飛な意見やパフォーマンスは目を引きやすい。また、集団の意思決定においては、個々人の責任は軽くなるため、個人の意見として発表するには憚られるような極端な意見であっても、賛同しやすくなる。それは、他の賛同者が多ければ多いほど簡単になっていく。これにより、集団の合意形成においては、個人の意思決定では犯さないような間違いを犯すことがある。

リスキーシフトは、コーシャスシフトと合わせて集団極性化現象(group polarization)と呼ばれる。これは集団を構成する人々の、初期の傾向に依って、集団の討議が、より危険の高いような決定や、もしくはより保守的な決定に傾斜していく事を言う。

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例として、ネットの自殺願望を持った人達の掲示板、あるいはジョン・F・ケネディ大統領の時のキューバ危機、ワンマン社長とその取り巻きの放漫経営による会社経営の破綻などが挙げられる。

注釈編集

  1. ^ Stoner, J.A. (1961). “A comparison of individual and group decision involving risk”. Unpublished master's thesis, Massachusetts Institute of Technology. 

関連項目編集